取扱説明書

2025年4月29日火曜日

プロジェクト "山神社"(101) 桜井駅近の大山くん(3) 番外編:鳥見山霊畤 遥拝所

ワシは遥拝所が好きというか、気になる存在じゃ。
今回やっとる「桜井駅近の大山くん」ツアーのついでに1ヶ所遥拝所にも寄ろうと思っとった。
石寸山口神社から東に1kmくらいのところに等彌神社(とみじんじゃ:奈良県桜井市桜井1176)がある。
結構大きな神社じゃが全然知らんかった。
ワシのような県外出身者的な知識だと、奈良県中部にある有名神社といえばギリギリ大神神社(おおみわじんじゃ:三輪明神とも:奈良県桜井市三輪1422)くらい。
旧日本海軍好きな人なら大和神社(おおやまとじんじゃ:奈良県天理市新泉町306)、伊勢神宮の歴史に興味がある人じゃったら檜原神社(ひばらじんじゃ:奈良県桜井市三輪1422)の社号が出るかどうかくらいで、
「ああ、大神神社もいいけどさあ、等彌神社はまた違った風情でオレはそっちが好きだな」
なんて言うやつは多分いない。
無論ワシも同様じゃ。
今回だって鳥見山霊畤 遥拝所(とみやまれいじようはいしょ:奈良県桜井市桜井1176)の方が先で、それがあるのがたまたま等彌神社という神社にあるという感じじゃ。
因みにワシなりの遥拝所感についてはこれを読んだらわかるが、宗教的な意味はまったくなくただ面白がっておるだけじゃ。
奈良には遥拝所が多くあり、伊勢神宮遥拝所とか橿原神宮遙拝所などよくあるパターンのやつの他、この辺にたくさんある古墳には大抵その古墳に葬られている天皇への遙拝所(拝所)が古墳のすぐ脇に設けられておったりする。
今回遥拝する鳥見山霊畤 遥拝所はそれらとはちょっと異なる雰囲気を感じる。
鳥見山霊畤の「鳥見山」は神社東にある山の名称で間違いない。
その山に遥拝対象があり、その名が霊畤ということまではわかる。
日本人は「霊」という字面からはどうしても幽霊のイメージを抱いてしまい、なんか怖いところかなあと感じる。
怖い遥拝対象なんじゃろうか。
うらめしや〜とか言いながら毎晩山頂に出てくる幽霊を慰めるために遥拝するみたいな。
いや、これはないな。
忘れてくれ。
一方「とみやまれいじ」という音だけ聞くと「松本零士」を連想するので人の名前にも思える。
しかしすまん、そう思えるだけで遥拝とは関係ないなこの件は。
これも忘れてくれ。
そもそもじゃが、ワシゃ「霊畤」のことを「霊時」と思い込んどった。
今朝まで。
今朝行き先を検討しとるときにGoogle Mapsで場所を確認しよくよく見ると「時」ではなく「畤」ではないか。
田へん(なんて部首あったかなあ)に寺じゃ。
こんな漢字はいっかな知らんかった。
どんな意味なんじゃろか。[1]
この程度のことはWebで調べりゃすぐわかるけどそれでは面白くない。
現場にも説明が書かれた案内板が絶対ある筈と思い調べることなく出立した次第じゃ。

石寸山口神社からは薦池(読み不明)の北側を通るような感じでGoogle Mapsには載っていない小道が東に伸びとるのでそれを歩く(後日Google Mapsへ登録申請して承認済み)。
途中、道端に石碑があり刻まれた文字を読むと「鳥見山霊畤 参道記念碑」とある。
ふうむ、ここが参道なのか。
知らずに歩いてきたがなかなか幸先が良い。
更に歩くと右手に桜井市立図書館の立派な建物が見えてきて、そこにある交差点を右に折れると等彌神社がある。
道端には紫色の幟旗が林立していて、宵宮祭等お祭りの日取りが書かれている。
境内の前まで行くと、テントがたくさん設営されていて人もたくさんいる。

どうでもいいけどこの自転車、宙に浮いて見えない?
ワシだけかな
© ill-health(ruephas) 2025

もしかして縁日なのかな。

むう、一番人が少ない瞬間を捉えてしまった
もっとたくさんおったんじゃ
© ill-health(ruephas) 2025

その中を奥に向かって進んでいくと、境内はかなり広いことがわかる。
道が何本もあってどの道を行けば目的の遥拝所につけるかわからない。
とは言っても、いかに広い境内とはいえ迷って遭難することもないじゃろうから適当に進んでいくと鳥見山稲荷神社という境内社の鳥居が見えてきて、その前に陶磁器で出来たテーブルと椅子、更には灰皿まで完備されとる。
よし一旦ここで休憩して行き先を確認しようと腰掛けて加熱式喫煙道具を取り出し一服付けながら周りを見渡すと、鳥居の脇に白い案内板が見えた。
その横には大きな文字で「鳥見山霊畤」「霊畤從是東」と刻まれた石柱が立っとる。

© ill-health(ruephas) 2025

ワシは案内板を読んでみた。

© ill-health(ruephas) 2025

鳥見山観光散策路(往復約2km)
鳥見山は標高245m、面積約50ha余のなだらかな山容で、登るにつれ北に三輪山・南に音羽山系・東に外鎌山や初瀬谷などを眺めながら頂上へと至ります。途中、霊畤拝所(是より160m)、庭殿(同650m)、白庭(同890m)等を通り、山頂(同1,000m)に至ります。
古より多くの方々が登下山された道で、広葉樹林では春の新緑や秋の紅葉など四季折々の自然を満喫していただくことができる散策路です。
また、万葉歌碑などを楽しみながら、古代のロマンを味わっていただけます。
植林された中を通過しますので、火の用心・ごみの持ち帰りなど、入山者は十分に気をつけてください。
鳥見山中霊畤顕彰会
うむ、この先を登っていけば目的の遥拝所があることは確認できた。
しかし「霊畤」がなにかについての記載はない。
兎に角行ってみよう。

© ill-health(ruephas) 2025

このような爽やかな感じの林の中の道を暫く登ると目的の遥拝所は直ぐあった。

© ill-health(ruephas) 2025

デカい石板に「霊畤拝所」と刻まれておる。
その周辺に霊畤とはなにかについて書かれているものがないか見渡したが、石碑の隣に立っておる歌碑の説明はあるものの、霊畤そのものに関するものは見当たらん。
これはいかん。
今から遥拝する対象によっては礼拝流儀が異なる。
礼拝対象は神なのか仏なのか幽霊なのか、はたまた松本零士なのか、それらとはまた別物なのか。
ワシは観念し、遥拝する前にiPhoneを取り出して霊畤についてその場で調べてみた。
以下は殆どWikipediaからのコピペじゃすまんな謝るワイ。
霊畤とは「まつりのにわ」という意味で具体的には大嘗会(日本の天皇が皇位継承に際して行う最初の特別な新嘗祭のこと)で、ここ鳥見山では初代天皇である神武天皇が、即位後の神武天皇4年の春2月に皇祖神及び天津神を祀った場所である霊畤(まつりにわ)と伝えられる 。又即位後初めて皇祖天神を祀ったという日本書紀の記述から大嘗会の起源であり、初の舞台ともされる。
ふうんそうか。
難しくて全然わからんが、新嘗祭ということはまあ神様系統ということじゃろう。
ワシは脱帽し、「霊畤拝所」と刻まれた石碑を通して神式儀礼で持って850mほど先にある筈の霊畤を遥拝した。
しかし、日本史上初めての大嘗会が行われた場所というと結構すげえ場所のように思えるけどそんな話は聞いたこともないし、神社境内にも特にその様なことを書いた案内もない。
もっとじゃんじゃん宣伝すればじゃんじゃん人も来てお賽銭も各種初穂料も稼げていいのにとか、俗っぽいことを考えてしまう俗っぽいワシじゃった。
この遥拝所から霊畤現場までは僅か850mくらいなので全然余裕で行ける筈じゃが、今回の目的はあくまで遥拝。
現場を参拝しては意味がないと言うそれこそ全く意味のない理由を無理やりひねり出し自分に言い聞かせてワシはそのまま下っていった。
正直な理由としては、これ以上山道を登りたくないのと、ここであまり時間をかけると昼呑み時間が確保できないためと言うことは秘密じゃ。
ワシはてくてく山道を下って神社本殿に行き、神社分と霊畤分合わせて200円をば賽銭箱に投入して参拝し、次の目的地である忍坂山口坐神社に向かった。

石寸山口神社から等彌神社に向かう途中にあった
鳥見山霊畤参道記念碑
Google Mapsに未記載だったので登録申請したら
何故か拒否られてしまった
なんでだろう
© ill-health(ruephas) 2025

オリジナルだと暗くて字が見えんので
明るさ補正したのがこちら
© ill-health(ruephas) 2025

[1]
畤という漢字そのものは、
部首は田部に属し、画数は11画、漢字検定の級は1級の漢字です。読み方には、シ / ジ / まつりのにわなどがあります。(漢字辞典オンライン
もろ「まつりのにわ」って読むんだ、へえ。
意味としては、
1. まつりのにわ、天帝を祀るところ。
2. さかい、土封を設けて区画する。
3. たくわえる、食糧をたくわえる。
4. 沚と通じ、ほとり。
5. 蒔と通じ、うえる。(コトバンク

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たぶん。