この間の日曜、4月27日の早朝にワシはふと思い立って早朝メルくん(ワシの持ってる大事なロードバイク。Eddy Merckx EMX-3)を引いて出かけた。
以前から気になっていた神社が目的地じゃ。
その神社は竜王社(奈良県奈良市藤原町830)。
鎮座地の説明はテキストでは難しいので地図を見てくれろ。
奈良市街の東南側に広がる奈良盆地を形成する丘陵地の縁にある、神社というよりは祠という感じらしい。
甚兵衛池という池というか沼のほとりに建立されとる模様。
Google Mapsでのクチコミは今から6年前(2019年位?)の1件のみ。
引用すると、
引用すると、
鉢伏峠から奈良方面の鹿野園下る途中、宅布世神社辺りで峠道を外れ山中に通称甚兵衛池と呼ばれる池があり、池の北畔に小祠があって竜神を祀っている。瓦葺きの覆いが設けられ、正面に格子戸がついている。場所が場所だけにかろうじて神社というか祠の形態は保っているが、かなり古くなっている。
これ以降のクチコミは皆無。
どうってことない小さくて古びた祠があるだけらしいが、前から何か妙に気になっていて今日思い切って出かけてみたわけじゃ。
目的地は奈良県護国神社から一貫して上っていく舗装路を兎に角東にまっすぐ進んだところにあるんじゃが、メルくんを引いていったのはその結構な坂道を踏破(というか登破か)してやろうという野心によるものではまったくなく、行きの上りは引いていって帰りは下りをしゃ~っと降りていって気持ちよさを体感しつつ行程全体の時間短縮を狙うためじゃ。
膝が痛いので上りは無理じゃ。
奈良県護国神社をスタート地点として、鹿野園町まで歩く。
この道は山の辺の道を楽しむため何回も歩いとるので慣れたものじゃ。
普段山の辺の道を歩きに行くときは、鹿野園町集会所の少し先の四ツ角で左か右に曲がるんじゃが本日は直進。
此処から先は初めて進む道になる。
このまま兎に角どんどんまっすぐ山の方に進めば良くて、迷いようのない道じゃ。
途中に道路改修記念碑という古びた石碑があり、その周りにちょっと枯れかけてはいるけどまだきれいな藤の花が咲いていたので立ち止まって眺めていると、近くで何か作業していたおっちゃんがワシに声をかけてきた。
「どこまで行くんじゃ」
「えっと、ここからちょっと先に宅布世神社という神社があってそのへんまで」
宅布世神社(たくぶせじんじゃ:奈良県奈良市鉢伏町62)は春日系の神社じゃが、本日の目的地はその手前を南に入ったところにある。
「へえそうか。ここから宅布世神社まではちょうどいい距離なんで、ワシ毎朝散歩しとる。で、その後は?」
「はい、実はその宅布世神社のちょっと手前に南に入る道があって、その先に竜王社っていう祠があるんでそこに行ってみようかなと。ご存知ですか?」
「ん~、ああ、あるな。名前は竜王社かどうかはわからんが池のとこに確か祠がある。でも多分行けんと思うよ。道荒れてるから」
「そうなんですか。あと、その南に折れる道がある辺りにカミサクジンジャ?カミツクリジンジャ?って呼ぶんですかね、神が作る神社と書く神社があるみたいで、そこにも参拝したいんですが」
これはGoogle Mapsには乗っていなかった神社で(帰宅後申請して現在は表示されてます)、これまた正確な道が載っていないGoogle Maps情報を補完するために使っているゼンリンのいつもNAVIという地図サイトで見つけた神社じゃ。
「そんなのあったかなあ。うーん、ああ何かあったような…。だけど多分見えないと思うよ」
うーんそうか。
地元の人がそう言うくらいなら今日はちょっとダメかもしれんなあ。
「いい自転車に乗ってるな。電動かい?」
電動な訳が無い(が、電動だったらいいなあとは思うことはある)。
「いや。普通の自転車です」
「この道はクルマが殆ど走らんから、競輪選手が良く練習に来るんじゃ」
「へえ、そうなんですね」
「で、ちょっと先にあるすごくきつい坂は流石に降りるじゃろ、って聞いたら、いや、僕らはどんな坂でも絶対足つかないようにしてるんです、って言ってたな。あんたはどうだ」
そのような変態行為をワシがするわけがない。
「見ての通り、上り坂は自転車引いて進む主義なんです」
その返事を聞くとおっちゃんはワシを少しケーベツしたような眼差しで一瞥し、
「まあ気をつけて行ってな」
と声をかけて作業に戻っていった。
その先は神作神社まで特にイベント性のある出来事があったり、興味深い人物が登場することもなかった。
オレは乗るためにあるんだようと 少し悲しげに見えるメルくん すまん、帰りはしゃ~っと行くからね © ill-health(ruephas) 2025 |
ずんずん歩いていくと道の左手に白っぽい建物が出てきて、これは青蛾窯(奈良県奈良市鉢伏町58)というやってるか廃業してるかよくわからん陶芸関係かなにかの建物。
この青蛾窯の斜向かいに神作神社があるはず。
しかしどうせここまで来たのならと、少し先にある宅布世神社に参拝することにした。
赤い祠のみの神社で、境内の灯籠などには春日社と刻まれとるから春日系の神社で、もしかしたら春日大社と関係あるかもしれない。
© ill-health(ruephas) 2025 |
山の中にあるのにきれいに維持されとる神社じゃった。
参拝を終えていよいよ神作神社の探索じゃ。
探索と言っても、神社のある辺りには竹藪に囲まれた人家があってクルマも停まっており、踏み込むのも憚れる。
踏み込むどころか写真を撮るのも憚れる雰囲気じゃ。
写真を撮るどころか、目視でジロジロ観察するのもちょっとやばいかも知れん。
従って充分な探索は出来ず、結果としては発見できなんだ。
ワシを一瞥したおっちゃんの1つ目の予言は的中した。
まあ仕方ない。
では本日のメインである竜王社を目指そう。
神作神社があるはずの竹藪を左に眺めながら簡易コンクリ舗装の道をほんの少し下るとこんな様子になっとる。
© ill-health(ruephas) 2025 |
あー、こりゃダメだ。
倒れた竹が折り重なるように道を塞いどる。
でもまだ諦めてはダメじゃ。
諦めたら試合終了じゃ。
遠目に見てダメに見えても、近くに行って良く観察すれば突破口が見いだせるかもしれん。
© ill-health(ruephas) 2025 |
あかん。
これはあかん。
無理じゃ。
撃沈。
やめとこう。
いや実は、頑張ればもしかして行けたかもしれん。
しかし、本日はメルくんがお供じゃ。
メルくんをこの辺に放置して進めばもしかしたら行けたかもしれんが、やはりそれは出来ん。
盗難に合う確率は殆どないとは思うが万が一ということもある。
今日はやめとこう。
ワシは竜王社をあっさり諦めてメルくんに跨がり、下り坂をしゃ~っと気持ちよく下って行ったのじゃった。
途中、奈良盆地を見渡せるビューポイントを見つけた。
その風景がこれじゃ。
本日はまあ、これが一番の収穫かなあ。
© ill-health(ruephas) 2025 |
© ill-health(ruephas) 2025 |
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。