2022年10月9日日曜日

温泉に行かない日(512) ワインセラーでワインを買ってきて飲んだ(其の2)

味とか酒の良さなんてものに対する感度は人並みから遥かに劣るのは充分自覚しておるから、前に書いた其の1よりかなり短文になるかもしれんが、まあ数日に渡り産地や味の異なるワインを飲むことはそうあるまいと思うので、素人なりの感想を書いてみようと思う。
ワシの感想なんざ屁の突っ張りにもならんが、ワインボトルのラベルに書いてある説明を書き写すからそっちをメインに読んでいただくのもよろしいじゃろう。
ホントは、店員さんに貰った5本セットのバッグに入れてある添え文(それぞれのワインについて説明している)を書き写そうかと思ったんじゃが、ワシが飲んだワインがどれに当たるかがわかんなくなったので混乱を避けるためにそれはやめとく。
記載は飲んだ順で、その順番に何らの意味はない。
《ワシの感想》は無論飲みながら書いたものであるので、支離滅裂感が漂っておる。
酔っとるから仕方ないじゃろう。

①シャルル・メラ・メルロー2020 ヴァン・ド・フランス

《ワシの感想》
「なんか白っぽい赤
悪い意味ではなくて
少なくともこれとは合わないな」

読めば分かる通り、100%酔っ払いの戯言じゃ。
そして白っぽい赤とは果たして何か?
哲学性にあふれる謎の感想。
「これ」というのはマックスバリュで買ったフランス産なれど安物のチーズのこと。
瓶のラベルにはチーズが合うと書いてあるので、ワシの舌が如何に機能不全を起こしてるかの証左じゃろう。

《ラベルの解説》
「豊かなルビー色を湛えたワイン。卓越した力強く繊細な味わい、ベリー系果実とスパイスが溶け合う複雑な香り。
合う料理:サラダ、赤身肉のグリル、ジビエ、チーズ」

© ill-health(ruephas) 2022

© ill-health(ruephas) 2022

確か300円くらい
ワシにとっては少し物足りん味じゃったので
オリーブオイルをかけて食べた
© ill-health(ruephas) 2022

②コート・デュ・ローヌ・ルージュ2018

《ワシの感想》
「もう少しだけどっしり感があるといいなあ
口ん中でふわっと広がる香りがいいなあ
合鴨のローストで呑んでる
鯖の塩焼きとか合いそう」

赤を飲んで「鯖の塩焼きが合う」とはまさに神をも恐れぬ野蛮な感想としか言いようがない。

《ラベルの解説》
「熟したラズベリーが溢れる可憐な香りにスパイスが表れる。ミディアムボディでヴェルベットのように滑らかなタンニンと適度な酸を伴う。バランスが良く、果実がとても凝縮している。
合う料理:うなぎ、牛丼、肉料理、チーズ」

なあんだ。
鯖の塩焼きまで突き抜けてはおらんものの、牛丼なる言葉がデーンと書いてある。
一緒に食う飯関係は余り気にしなくて良さそうじゃ。
今度、鯖の塩焼きで飲んでみよう。
勿論、牛丼でもじゃ。

© ill-health(ruephas) 2022

© ill-health(ruephas) 2022

③オーガニック・シャルドネ2020 ヴァン・ド・フランス

《ワシの感想》
「白いのになんかコクある
味しっかりしてる
あたり前田のクラッカーだけど、スーパーのフルボトル800円のやつとは全然違う
わたし、これ好き
日本飯に合う感じ
マグロの山かけ
海老とアボガドのディッシュ(マカロニみたいなヤツ)」

なんじゃい「わたし」じゃと!?
ワシなんざ「ワシ」で充分じゃ。
「マグロの山かけ」「海老とアボガドのディッシュ(マカロニみたいなヤツ)」とは飲んだときに食っていたアテじゃけど、特に「海老とアボガドのディッシュ」は結構合ったような気がする。
このワイン、コクがあってほんとにうまかった。

《ラベルの解説》
「南仏の古来の土地で有機栽培されたブドウを使用。マンゴーやパイナップルなど南国の果実を感じさせる香り高いミディアムボディです。中程度から高めの酸を伴い、バランス良く長いフィニッシュに続きます。
合う料理:刺身、若鶏唐揚、幕の内弁当、天ぷらなど」

来たぞきたぞ。
遂に幕の内弁当が来たなあ。
こういう書き方をしてくれると、ワシのような素人でもワインの敷居が随分と低くなるのでありがたい。
今んとここれが一番好きじゃ。


© ill-health(ruephas) 2022

© ill-health(ruephas) 2022

これが、
海老とアボガドのディッシュ(マカロニみたいなヤツ)
です
© ill-health(ruephas) 2022

④ボルドー・ルージュ2020

《ワシの感想》
「あー、こりゃ美味い
トカップにもう少しコクを加えた感じで味というか旨みがその分強いなあ
しかし、個人的にはあと一歩、どっしり感が欲しい
合鴨のロースト」

要するにワシは赤に関しては、どっしりしてればあとはどうでもいい傾向があることが伺われるわけじゃった。

《ラベルの解説》
「プラムなど赤系果実の豊かな香りに、土・コショウの等の(ママ)スパイスが加わる。ボディは軽めのミディアムで、長めのフィニッシュに続く。様々なシーンに合うワインです。
合う料理:焼き鳥、牛肉コロッケ」

このワインは赤じゃけども、ラベルの人も「焼き鳥が合う」と書いとる。
白はこれが合うだ、赤にはこれが合わんだなどということは余り考えず、自分で好きなように飲めばいいようじゃから、しつこいかもしれんが鯖の塩焼きだってやってみる価値は十分あるじゃろう。
しかし「土」がスパイスなんじゃなあ。
ワシには「土」感なんて全くわからなんだが…
外国の人の感覚は日本人にはわからないし、多分逆も同様じゃろうと思う。

© ill-health(ruephas) 2022

© ill-health(ruephas) 2022

⑤ボルドー・ブラン2020

《ワシの感想》
「色目はライト
残念ながら、味もライト
ん?そうでもないな、後から爽やかな旨みがさあーッとくるな
批判覚悟で書くと、和食の朝食で飲みたい
その場合、残念ながら納豆なし⤵︎
ヤマチョウの揚げを薄目の出汁醤油でさっと煮込んだヤツで呑んだ」

朝飯でこれを飲みたいなる発言で分かる通り、この感想を書いた男は確実にアル中じゃろうと思われるが、実際そう感じたんじゃから仕方ない。
軽い味で、朝飯とは言わんまでも休日の昼飯と一緒に飲むには手頃かもしれん。
ドイツの人やフランスの人は昼から飲んどるわけじゃから、日本人だってそうして責められる理由はないじゃろう。

《ラベルの説明》
「濃縮したレモンと爽やかなハーブの香りに、ほのかな土の特徴が加わる。ミディアムから高めの酸を伴い、長めのフィニッシュに続きます。さまざまなシーンに合うワインです。
合う料理:魚全般、寿司」

日本の朝食といえば、納豆がなければ画竜点睛を欠くわけじゃが、もしこのワインを朝飯時に嗜むとなればやはり納豆は禁忌じゃろう。
せっかくの香りがぶち壊しになること必定じゃ。
しかし、干物には確かにとても合うじゃろう。

© ill-health(ruephas) 2022

© ill-health(ruephas) 2022

以上、5本セットを4日かけて飲んだわけじゃが、この中でまた飲みたいと思ったのは、
③オーガニック・シャルドネ2020 ヴァン・ド・フランス
④ボルドー・ルージュ2020
の2本じゃろう。
飲みたければ買えば良し。
ワシは本日早速浜松ワインセラーを再訪し、店のお兄さんといろいろ相談しながら、③に比較的近いと思われるこれを買ってきた。

© ill-health(ruephas) 2022

瓶には何も書かれておらなんだが、購入する際ワインの前に掲げられとった説明書きを書き写しておこう。
サン・ヴェラン・レゼルヴ・ジョベール ドメーヌ・イノゾンティ

自然の力が生み出す無農薬のハイクオリティワイン
ドライフルーツのニュアンスが仄かに香るフレッシュでフローラルな ワイン。口当たりはしなやかでレモンを思わせるピリリとした後味が広がります。素晴らしく豊かなアロマと極めて完成度の高い端正なバランスを備え、張りのあるミネラル香がリッチでフルーティな果実味をすっきりとバランス良く引き締めています。 魚、寿司には抜群の相性です。
辛口
国/地域 使用ブドウ
フランス/ブルゴーニュ シャルドネ
¥3,100
Hamamatsu Wine Cellar
かぼすを少し絞った秋刀魚の塩焼きで飲んだんじゃが、どっちもうまかったあ!
次は、④ボルドー・ルージュ2020に似たやつを買わんといかん。
せいぜいどっしり感があるやつを選んでもらおう。

2022年10月8日土曜日

温泉に行かない日(511) ワインセラーでワインを買ってきて飲んだ(其の1)

先日、単身赴任先で仲良くなった人がこっちに来ていただけると云うので一緒に遊ぶことにした。
厚顔にもわざわざ遠方から来たその人のクルマで天竜方面をゆるりだらりと廻ることにした。
他人様が関わることでありその詳細はここでは書かぬが、その行程では目的の店が臨時休業じゃったり、代わりに行こうとした店が途中道の崖崩れでとんぼ返りを余儀なくされたり、ちょっとした予想外な事が少し起きて、しかしそれはそれで楽しい思い出じゃろう。

今回書くのは、その帰りしな寄ったワインセラーの事じゃ。
天竜でワインセラーとくれば、この辺をちょっと詳しく知っとる人であればすぐに思いつくじゃろう。
道の駅 天竜相津花桃の里(みちのえきてんりゅうそうづはなもものさと:静岡県浜松市天竜区大川31-10:053-923-2339:店舗9:00〜16:30:食堂11:00〜14:30)のすぐ脇にある、浜松ワインセラー(静岡県浜松市天竜区大川 相津トンネル:0539‐62‐9399:11:00~17:00:土日祝のみ)じゃ。
このセラー(正直「セラー」と「カーブ」の違いもわからん素人じゃけどね)の存在は当然知っておった。
薄い記憶じゃが何年か前のローカル紙か何かで「佐久間線のトンネルを利用したワインセラー開業」というニュースを見た記憶があるし、それより何よりお気に入りのカフェであるcafe de clarkの行き帰りにはすぐ横を通るし。
ただ、見てくれから来る敷居が極めて高い。

本格感があって素人には厳しそうじゃけど…
© ill-health(ruephas) 2022

入り口はこんな感じで、「右も左もわからぬヤツは入るべからず」的オーラ満載。
従いまして不肖ワタクシ、これまでここには一歩たりとも足を踏み入れたことはなかった。
敷居が高い場所は大抵、商っとるものも高いのが通例じゃという常識もある。
而して本日ワシは単身ではない。
心強い友人を共にしとる。
二人であれば何とか出来る。
一歩足を踏み入れ、値札を素早くサーチし、それが度外れたものであった場合には、
「あ、あれ?ここ道の駅じゃないんすか?」
「なあんだ、道の駅は手前の方か、やあ間違えたな。こりゃ失敬失敬」
などというバレバレな小芝居を打ちながら撤退するのも一人でやるよりは容易い。
じゃから蛮勇を奮い立たせてワシらはこのセラーに突入することにした。

写真を見れば分かる通り、ここは佐久間線の廃トンネルを利用したセラーじゃ(正直「セラー」と「カーブ」の違いもわからん素人じゃけどね)。
従ってトンネルの断面が自動車用のやつより縦長くなっとる。
佐久間線というのは1967年に起工して旧国鉄二俣線の天竜二俣駅(現:天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅)から現JR飯田線中部天竜駅までをぶち抜こうとした線区じゃが、国鉄民営化の流れもあり1980年に中止となった。
正直やめといてよかったと個人的には思う。
まあそれは置いといて、その遺構を活用しとるわけじゃな。

車を停めて中に入ると涼しい。
今は晩夏と云うか初秋じゃからそうなるが、冬に来れば温かいとなる。
要するに外気から厚い山肌に遮蔽されとるから、通年同じ18℃前後の温度が保たれとる。
しかしそんなことはどうでも良い。
問題は、値札じゃ。
ぱあっと見た所、どのワインにも5桁の数字はない。
大抵4桁で収まっとる。
この時点で、ここで売っとるワインは最大9999円であることは確定した。
しかしまだ油断はならん。
例え9999円としても精算時には10%足されてえっといくらじゃ、1万円超えの可能性もありえる。
更に良く見ると何と、殆どの瓶には2000円前後の値札しかかかっておらん。
瓶に貼ってあるラベルは何れも異国のもので、宮川大輔的には「見れば分かる、たっかいやつやん」的なものばかりが並んでおるが、殆ど2000円前後のものばかり。

いやあ。
これはいいなあ。
ほんとにその様な価格のものがず〜っと並んでおるんじゃよ。
ワシは内心感嘆し、あとはどれを買うかという悩みだけになった。

セラー内には若いお兄さん(こりゃいかん、この比喩は頭痛が痛いと同じじゃ)がおって、その説明がワシのようなワイン素人に安堵させるもの。
彼の説明は「ワインを気軽に楽しんでね」ということに尽きる。
ワシは本当に安堵し、しかしワインを味わう舌を持ち合わせてはおらんから、若いお兄さんの助言をそのまま受け入れ買ったのは、ワインのミニボトル5本セット(税込3000円)。

破格。

5本のそれぞれについては次回書くよ
© ill-health(ruephas) 2022

「少しずつ楽しんで、これがいい、これが美味しかったって試してもらって、一番好きなやつに近いワインをまた買って味わっていただければいいですよね」

そのとおり。

5本セットの試飲の結果は改めて書きますわ。
予告的には、ほぼうまかった。