2011年5月29日日曜日

温泉に行かない日(18) 貸切について

見知らぬ人と肩を並べて大きな温泉に浸かり、たまたま隣り合わせた人と少しずつ親交を開いて行くのは温泉の楽しみ方の一つだと思う。
一方で、誰にも邪魔されずに独り(或いは家族や恋人だけで)温泉を楽しみたいと思う人もいる。
わたくしは前者の考えにシンパシーを抱くので、別に貸切で温泉に入ろうとは思わないけれど、その割には実質的に貸切状態の風呂に入っている事が多いように思う。
つまり、わたくし以外にだーれもいない状態が結構多いのだ。
それはもともと、わたくしが人が余り行かないタイプの温泉が好きであるためだろう。
ここ数年通っている温泉の殆どは、行くと大抵わたくししかいない。
参考のため示すと、貸切状態になる可能性が高い温泉は、私が何回か行った事のある温泉に限れば次の通りだ(順不同・一部略称・主観及び経験則に基づく)。
  1. 山王峡温泉しらかば荘(静岡県)
  2. 倉真赤石温泉(静岡県)
  3. 星山温泉(神奈川県)
  4. 湯の島温泉(愛知県)
  5. 平山温泉龍泉荘(静岡県)
  6. 森林露天風呂(静岡県)
まあ、3.の星山温泉は、そもそもその浴室構造(狭い浴室に家庭用ステン浴槽が1つ設置されているだけで他にはなーんもなし)からして貸切しかあり得ないというか、見知らぬ二人が入浴するのは可成り難しい(が、全く不可能ではない)から、別格ではある。

他の温泉は、いつ行っても本当に人がいなくて、たまに先客がいたりするとビックリする。
4.の湯の島温泉なんかは、人によっては「いやあ、○○さん(わたくしの事)が、いつ行ってもガラガラだって言うから行ってみたら、芋洗いだったよ」と言う人もいたりして、全くの偶然かもしれない。
1.の山王峡温泉しらかば荘や、2.の倉真赤石温泉なんかは、混み具合と交渉次第では、ひょっとしたら家族での貸切が可能になるかもしれない雰囲気が漂っていたりする。

まあ、貸切料金を払う事なく一人ゆったりと温泉を楽しみたい向きは、出来るだけ田舎の温泉に、可能な限り早めに赴くとその可能性が高くなると思う。

蛇足ながら、3〜4年前に兵庫県が、公衆浴場(まあ言えば、日帰り温泉やスー銭みたいなタイプの浴場)で貸切風呂(家族風呂)を条例で禁止するという騒ぎがあった。
なんでそんな事わざわざ条例で禁止するのかはだいたい想像はつくけれども、そーゆー目的で家族風呂を使う奴がバカなら、それを法的に禁ずる方もバカだよね。
今は、そのバカな条例は撤回されたそうだ。

寸又峡温泉露天風呂美人づくりの湯(1)

颱風で人の移動が少なくなるから、普段混んでいる観光地もきっと空いている筈。
だから思い切って遠くへ行こうと決心し、西伊豆の大沢温泉に心を定めたものの、ルートを検討するとクルマで片道4時間以上かかる事が解ったため、涙を飲んで中止(だって、一日の1/3を移動に費やすなんて…ねえ)。
西伊豆はいずれ、宿泊して温泉を楽しむ事にして、今日は伊豆よりはずっと近い寸又峡に行ってきた。
上手いことに、朝5時30分頃起きる事に成功したので(高齢化の証)、一通り新聞に目を通し(我が国の政治は全く目を覆いたくなる程の惨状である事を確信した次第)、飯を炊いていなかったため、近所のスーパーで買ってあったPBのシーフードヌードルを朝飯代わりに食して出発。
結構激しい雨の中、国道1号線バイパス経由で約2時間、111kmを走りに走って目的地である町営露天風呂美人づくりの湯(静岡県榛原郡川根本町千頭368-3:0547-59-3985)に到着。
着いたのは10時少し前だったが、温泉は既に9時30分から開いており、一組の先客が丁度出る所で、彼らが出ると誰もいない理想的な状態になった。
素早く脱衣し、十分に掛け湯をしてから、どんな光の具合によるのか解らないものの、綺麗な水色をしたお湯に身を預けて、はぁ〜っと一息ついた。
浴槽には2本の竹が突き出されていて、うち1本は加熱された温泉、もう1本からは(多分)非加熱の源泉が、いずれもどばどばと注ぎ込まれている。
お湯はこの辺り、例えば接岨峡温泉会館(静岡県榛原郡 川根本町梅地187-2:0547-59-3764)や旧赤石温泉白樺荘(静岡県静岡市葵区田代1005:054-260-2021:2009年6月14日で閉鎖され新規施設に移転)に見られるようなぬるぬる系で私の好みにあっている。
聞こえてくる音は、浴槽に温泉が注ぎ込まれる音、すぐ横にある川が流れる音、雨が屋根を打つ音だけ。
他の雑音なし。
ベスト入浴人数5〜6人程度の浴槽に独りでゆったりと浸かり、何も考えないで湯に身を預ける素晴らしい1時間を過ごした。
残念だったのは、浴槽の作りがやや雑であった事。
もう少し浴槽が浅くて、全体にもう少し丁寧な作りをすればいいのにと感じた次第。

湯屋を出て、雨のなか帰途についたのが10時過ぎ。
帰宅はお昼過ぎだった。
こんな感じの「早朝温泉」はなかなかいい感じだと解ったので、次回もそうしてみよう。

2011年5月28日土曜日

温泉に行かない日(17) 明日は颱風

颱風2号とやらが、明日日本を蹂躙するらしい。
蹂躙するから人々は守りを固め、外には出かけない。
それはつまり、絶好の機会である。

つまり、普段はババ混みの(これって関西方面の方言ですかね?こちらでは余り聞かない[1])温泉に赴く、これ以上ないチャンスだ。

だから、仕事から帰ったあと「俺が行きたい温泉って、ホントはどこだ」という思いでいろいろ捜したのだが思いが上手く定まらない。
思い浮かぶのは、既に行き慣れた温泉の事ばかり。
自分ながら「俺ってホントに創造性がないよなあ」と感じ入ってしまう。
例えば、この方のように新たな温泉に浸かる事を至上の喜びにしている人が羨ましい。

わたくしは何故か保守的で、かつて木村晋介が「発作的座談会」で語っていたのと同様「馴染みの場所」が好きである。
だから、行く温泉も固定的であり、気に入った温泉にはどんなに遠くてもリピートする傾向が強い。
だけど、明日は別だ。
今から真剣に検討し、多少遠くても行った事のない温泉に訪れてみよう。
復活なった「沢田温泉野天風呂」が、今現在のターゲットである。
あと、「大沢荘 山の家」かな。

こんな事に悩んでいる私、東北地方で艱難辛苦を舐めている方々、本当にごめんなさい。
で、明日は早い。
さらばです。

[1]
「ババ」=「凄く」という意味だとおもう。
または「ババ」には、まあはっきり言って「うんこ」という意味もある。
だから「くそったれ混んでるぜ」位の意味かな。
静岡県ではこの言葉はあまり聞かない。
因に筆者は九州出身で本籍は岐阜、社会人のスタートは大阪。
静岡に移り住んでから遠隔地勤務したがそれは兵庫というように、はっきりくっきり関西系の人間。

大洗鴎松亭(1)

ネモフィラという花が素晴らしく綺麗だという噂に惹かれて、ひたちなか市にある国立ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4:029-265-9001)に行ってきた。
普段は花を愛でる性格ではないのだが、一山全部がネモフィラというのは流石に一見の価値有りだし、ついでに近くの温泉に浸かって行こうという算段も働いた。
現場に行くと確かに素晴らしく、雄大な光景であり、視界一杯に広がる花のその映像は、映画「ひまわり[1]を思い起こさせる。
見た人じゃないと解らないと思うが、その一旦が少しでも解るかもしれないので、ケータイで撮った稚拙な写真をご覧下さい。

丘一面に咲き広がるネモフィラ
© ill-health(ruephas) 2011

ひたち海浜公園自体が少しく辛い前歴を持つ場所であることも手伝って、ネモフィラの丘に暫く佇み、柄にもなく何とも言えない感慨に耽った。
その後、大洗鴎松亭(茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8179-5:029-266-1122)で温泉に浸かる。
町内にある源泉からのローリーではあるが、極薄い黄緑で、微かに海の香りが立つ泉質であった。
施設を出るとき、偶然その温泉ローリー車がいたため、運転手の目を盗み、車の下に潜り込んでホースから漏れる源泉を手にとって香ってみると、流石に浴場のものより強い香りを感じる事が出来た。
ローリーではなく、直接源泉を使っている浴場があれば、是非体験してみたいものだと思わせるものだった。

この度の天災で、大洗でも被災者が出たと聞いた。
また、常磐道からは、屋根にブルーシートを被せている家屋を数多く見た。
そんな中、優雅に花を眺めたり、ゆったり温泉につかったりすることは、何か罪悪感を感じるのではないかとも思ったが、実際にやってみるとそうでもない。
普段通り、平時に赴いた観光客のように振る舞えば良いし、迎えてくれる地元の人もそのように対応してくれる。
皆さんも是非出かけられたらどうかと思う。

[1]
映画のストーリーはなかなか切ないもの。
映像については、1982年6月に行われた「Off course Concert 1982 “over”」で演奏された「言葉にできない」で使用されたので、ご存知の方が(中年以上の方を中心に)多いのではないか。

温泉に行かない日(16) 車の選択

カーマニアではないけれども、わたくしは車が好きだ。
「クルマに実用性があってはならない」が持論であるゆえ、人が乗らない車が特に好きだ。
若い頃は金もないくせにトヨタの「セラ」[1]という実用性ゼロのクルマを衝動買いしたし、その後は日本で600台限定発売の「シビッククーペ」(左ハンドル)[2]等というものも買った。
今は事情により好きでもない「スイフト」に乗っているのだが、燃費は悪いわ、分不相応にも15インチ等というでかいタイヤをはいているがゆえか小回りは効かないわ、リアシートは実質的に座れないわで心的ストレスが大きい。
クルマに愛を感じていないため、滅多に洗車もしないし、車内は埃まるけである。

で、基本的に本田宗一郎ファンのわたくしはホンダびいきなので、今は「CR-Z」[3]の購入を一人密かに画策している。
…のだが、困った問題が一つある。
新たにクルマを買うことにより、今のクルマが持つ強力最大の利点を放棄しなければならないという問題である。
その「強力最大の利点」とは何か?
それは、
「クルマに対する愛がないゆえ、どんな悪路を走っても平気だし、クルマに多少の傷がついてもまったく痛痒を感じない」
というものである。

いま、悪路を駆けて山奥の温泉に行けるのは、言ってみればスイフト君のおかげである。
あの狭隘な愛知県道1号線をぐいぐいせめて湯の島温泉に通えるのも、幻の名湯であった明石温泉白樺荘に行けたのも、すべてスイフト君(*4)のおかげである。
それがもし、あの上品でかっこいいCR-Zに乗り換えたとしたら、その愛の深さで出かけるのを躊躇してしまうのは確実だ。

今、温泉への愛を選ぶのか、それともクルマへの愛を選ぶのか、重要な岐路に立たされている私である。
はは。

[1]

[2]

[3]

[4]
敢えてわざわざ画像を掲げるには及ぶまい。
車道に向かって石を投げて当たった車がそれ即ちスイフトである。
というくらい、うんざりするくらい走っている。

2011年5月24日火曜日

星山温泉(2)

星山温泉。
自宅からこんなにも長距離にある温泉なのに、行く事が既に習慣化しつつあるというのが怖いと同時に、それだけ魅力ある場所なんだとも思う。
前々回訪れた時は、風呂上がりで上半身裸のおじ(何となくチャールズ=ブロンソン似)が敷地内を闊歩しており、いやぁワイルドだなあと思ってそれを眺めていたのだが、前回訪れた時は、そのチャールズ=ブロンソンと同じ事をわたくしはしていたものだ。
そんなことが普通に出来るような、へんな魅力というか、開放感がここにはあるのだ。(*)
薪で沸かしてる為なのか、泉質に寄るのかは知らないけど、汗が引かないんだ。でも、野鳥の声が響く中、風呂上がりの火照った体を直接、自然の風でクールダウンするのはとっても気持ちがいい。

今週末、また行く可能性があるけれど、敷地内に車を止めて、一晩過ごしていいかどうか交渉してみようと思っている。

他のヒトはいざ知らず、わたくしに取って、とても落ち着ける場所になりつつあり、風呂上がりの夜は、そこでそのまま過ごしたいと思う気持ちが強くなってきた様だ。

(*)
ちなみにこの星山温泉は、葉山の御用邸近く、更に言えば、御用邸で過ごされる陛下がお使いになる水を汲んでいる「水源地」近くにある。
従って、もし時代を間違えれば、わたくしやブロンソンは不敬罪で手が後ろに回りかねなかったわけだ。
今の人間的な陛下であれば、多分笑ってお許しになられるだろう。

温泉に行かない日(15) 桶の中身

お風呂、特にスー銭とかの客によく見られるのは、100均とかで売ってそうな手頃な大きさの篭に入浴グッズを入れてる人。
成る程確かにシャンプーや歯磨きセットや櫛なんかを入れるのに便利そうなので、わたくしもそういうのを買おうかなと前から思っていた。
で、そうだなあ、一年一寸前くらいかな、事務所で女性社員が「うーん、偏頭痛がするぅ、ケロリン買おうかなぁ」と言いながら内外製薬のサイトを見ていて思いついたのが、ケロリン桶を篭代わりに使ったらいい感じじゃないかということ。
カイシャの出張で出向いた岐阜でLoftに寄り、早速購入し入浴グッズ収納用として使っている。
収納力も申し分なく、お洒落でもあるし、大変気に入っている。
でも、いろんな問題が発生してきたのだった。
  1. 銭湯等では今もケロリン桶を使っている所が多く、下手をすると桶ドロボーと間違われる。
  2. 他の客が浴場備品と間違えてしまい、掛かり湯等でわたくしの桶を使用したりする。
  3. 特に宿泊施設系の日帰り温泉の場合だが、車を降り⇒フロントでカネを払い⇒宿泊客が多く屯している施設内を通過して⇒浴室に入る、という浴場へのアプローチの全ての仮定で、無垢な宿泊者達の好奇に満ちた視線を感じる
等が主なものである。
それらに対する自分なりの回答・対策だが、上記記載番号に対応して記載するなら、次の通りである。
  1. 桶には自分の名前を印字したテプラを貼付し、さらに入浴する前に職員に「これはオレのだかんな」と申し送っておく。
  2. 桶を空っぽにせず、必ず何かを入れておく。
  3. 視線に慣れる
まあしかしこれらは実はたいした問題ではない。
それより最大の問題は、ケロリン桶を使うことにより温泉通ぶっているわたくし自身の事である。
自分は俗物だなあと本当に納得し、たまに自己嫌悪に陥ったりしている。

2011年5月15日日曜日

温泉に行かない日(14) 東日本の温泉を目指そう

平山温泉龍泉荘を堪能して帰宅し、パーカーの世界に浸りつつ昼寝をし、夕方起きて夕食と飲酒を楽しんでの今。
全く怠惰ではあるけど、楽しい一日だった。

ところで、今の日本人、いや日本人に限らずセンシティブな人間だったら誰もが気になるのが東日本である。
実は先日、少しでも役立てるのならと思い、こんなわたくしでも泥掻きくらいなら出来るかなぁ、と思って東日本へのボランティアが可能かどうか少し調べてみた。
で、まあ取り敢えずボランティアは可能である。
新聞にも「弾丸ボランティアツアー」についての記事も出ていたように思う。
でも週末ちょこっとボランティアをするのは、お互いにとって効率的ではないということ。
なんというか「根を下ろす」までは行かなくても、少なくとも一ヶ月くらいは腰を据え、何かの作業だけではなくて、そこに暮らす人の声に耳を澄ませながら活動するのでなければ、いろんな意味で現場の迷惑になるだけだというのが結論である。

東日本の方々も辛い毎日を送っているが、申し訳ない。
こんなわたくしにも仕事をしてカネを稼がねばならない事情がある。
はっきり言って、一ヶ月も仕事を休むのは不可能だ。
であるなら、やっぱりお客さんになるしか道はないだろうと思う。

誤解を恐れず言うと、極論すれば敢えて今、観光目的で東日本に行けばいいと思う。
本当に誤解を恐れず言えば、野次馬的に津波の傷跡を見に行くだけの目的でもいいと思う。
はしゃいで行けばいいと思う、往路は。
で、現地で自分なりにいろんな事を見て、復路は、往路とは変わった自分を感じればいいと思う。

わたくしの場合、普通に温泉に行きたい。
どこに行くかは今から考えるけど、少なくとも泊まりがけで行きたい。
泊まりがけで温泉に行くからには、2011.3.11以前と同じように、普通に温泉を楽しみ、普通に美味しい食事とお酒をたしなみたい。
それに対して、きちんと謝意と代金を払いたい。

わたくしは貧乏ではあるが、どうせカネを使うなら、そういう使い方をしたい。
東日本の何処かにある温泉に浸かりに、近々行こうと思っている。

平山温泉龍泉荘(2)

昨夜は事務所の歓送迎会でやや深酒気味だったが、奇跡的にも午前8時前には起床出来た為、お茶漬けを食べ、煙草を一服しつつどこの温泉に行こうかと考えてみた。
気になるのは矢張り、静岡県西部地区最強の温泉である(と勝手にわたくしが決めている)山王峡温泉しらかば荘である。
過日もここに書いたが、前回訪れた時から、あの素晴らしい硫黄の香りが失われているような気がしており、それはこの度の大きな地震によるものかとも思うのだが、どっちにしてももう少しインターバルを空けてから行った方が変化が解るかもと思い、きょうはやめておくことにした。

まだ時間も早い為、少しくらいなら遠方に出かけても良いだろうと考え、本日の温泉は平山温泉龍泉荘に決定。
片道100kmの道程である。
同じような物理的距離にある温泉としては、例えば森林露天風呂(静岡県榛原郡川根本町犬間62-1:0547-59-3721)とか湯の島温泉があるけれど、時間的距離で言えば龍泉荘の方が格段に便利である。
早速車に乗り込み、途中ガススタンドで給油してから現地に向かう。
いい具合に比較的道は空いており、2時間弱で到着。
で、本日も殆ど貸切。
充分掛け湯をしてから、3分割された浴槽のそれぞれ異なった湯温と、何とも言えない素晴らしい硫黄の香りをゆっくり楽しみながら1時間を過ごした。
もう少し入っていたいと思う所で浴槽を出る[1]と、休憩所から耳を劈くカラオケの音。
地元の爺さん婆さんたちが早くも一杯やりながら楽しんでいる様子だ。
その余りの音量とその余りの音痴具合(失礼)に一瞬辟易しかけたが、よく考えればこの温泉はこの集落唯一の娯楽施設であり、私はこの集落の人間ではない闖入者だ。
辟易する資格はないであろう。
温泉に出たり入ったりしながら、カラオケ唄ったり、少しお酒を飲むくらいの楽しみは、爺さん婆さん達にとって数少ない骨休みの時間で、あって呵るべしだろう。
という事で、へヴィーメタルバンドのライブもかくやと思わせる大音量のド演歌を背に、わたくしは龍泉荘を後にしたのであった。

龍泉荘の建物を出てすぐ、ハイキング姿をした若い女性がペットボトルの水を飲みながら龍泉荘へ向かう階段を下りてきたのだが、あんなきれいな女性なのにマニアなのか、それとも散策中たまたま温泉を見つけたので、汗をかいたしお風呂にでも浸かって行くかという感じだったのか、気になる所である。
ま、それはそれとして、幸せな気分で帰途につく。

途中、磐田にある幸楽苑 磐田岩井店(静岡県磐田市岩井2019-8:0538-39-2155)に寄り、昼飯としてぬるくてあまり旨くない味噌ラーメンと餃子を食してから帰宅。
このブログを書いてから、リチャード=スターク(ドナルド=E=ウェストレイク)の「悪党パーカー/略奪軍団」を読みながら昼寝する予定。

[1]
小学生の頃、母親が作った茶碗蒸しを大量に食べ過ぎて気持ち悪くなり、成人過ぎるまで茶碗蒸しが食べられなかったという貴重な経験により、好きなものは少な目でやめといた方が、残りの人生はきっと楽しいものになるだろうという学びを得たわたくしであった。


2011年5月14日土曜日

温泉に行かない日(13) 誰からもアクセスがありません…

温泉には、ま~ったく関係ない投稿ですがおもしろ哀しいことを発見したので思わず書くのだ。
先日から、ブログの投稿要素の一つである「場所」を指定出来なくなってしまったため[1]、解決方法をBloggerのヘルプサイトで捜していた所、こんな哀しいトピックを見つけてしまった(一番下のトピック)。


「誰からもアクセスがありません」
ふっ…
投稿者はわたくしではないが、まあ、気持ちは解らないでもない。
しかしただ一つ言える事がある。
これは「問題・バグ」ではないと思われる。
誰からもアクセスがない、か…
答えている奴がいるけど、そいつは篦棒な人格者だな。
見習わなけりゃ。

[1]
bloggerでは、ポストの末尾に「場所」という項目を付け加える事が出来ます。
それをつけておくと、それをクリックすればその「場所」のGoogle Mapに飛ぶというサービスです。
ところが数日前からその設定が全く出来なくなったり、以前設定した「場所」が飛んじゃったりするというトラブルが発生していたことを指します(現在は解消)。

温泉に行かない日(12) 入りたくはないが見てみたい温泉

@nifty温泉を始めとする大きなサイトから個人サイトに至るまで、Webの世界には温泉情報が溢れている。
お休みの日、朝起きるとそれらのサイトをつらつら眺めながら、今日はどこへ行こう、明日はどうしようと思いを巡らすのは楽しいものである。
また、Webの世界だけでなく、伝聞での情報も結構耳に入るものである。
その中で一つ、先日誰かに聞いて大変気になっている所がある。
正式名称なのか俗称なのかは知らないが、犬猫温泉(静岡県伊豆市湯ヶ島1647:電話なし)という変な名前の温泉である。
人間というのは例えというのが好きで「猫の額」と言えば狭い事を表していると思うのだけど、わたくしはこの温泉の事を、
「犬や猫くらいしか入れないくらいのせま~い温泉」
なんだろうと思っていた。
ところが実際は違うらしく、本当の意味で犬や猫の為の温泉であるらしい。
調べてみると伊豆湯ケ島のあたりに実在するらしく、近くの人間用温泉のオーバーフローを利用して動物専用に作ったという。
たぶん、変人や温泉マニアかなんかは入ってるんだろうけど、流石にわたくしはそこに入浴する気にはなれない。
なれないが見てはみたい。
犬も猫も好きなので、猫がにゃ~と言いながら湯船に浸かっている所を是非見たい。
或いは犬と猿が仲良く混浴してるところを見てみたい。
誰か、一緒にいきませんか?

2011年5月12日木曜日

温泉に行かない日(11) お酒とお風呂の両立

は、難しい。
わたくしは、車が好きで、温泉が好きである。
従って、大抵の場合、車に乗って温泉に出かける。
車で行くのは他にもいくつか理由があって、公共交通機関を利用して行くよりは結局は安価で、短時間で移動出来るし、そもそも車じゃないと行けない温泉も多い。

そこで困るのは、風呂上がりのビールである。

わたくしは、温泉も車も大好きであるが、それと同じくらいに酒が好きである。
だから温泉で汗を流した後は、矢張りビールで喉を潤したいと思う。
それはとても美味いものだ。
缶ビールのプルタブをぱきっとあけて、一気に喉に流し込むあの快感。
その後落ち着いてから、日本酒をゆっくりと味わうあの楽しさ。
でも、車だったら、それは出来ない。

まあはっきりと書くが、20代の頃(だからもう20年も前の話だな)は世間的には普通に飲酒運転が行われていたし、思い切って告白すれば、うーん、私もかつては何度かやった事を否定はしない。
ただし今はやっていない。

こう見えても、おじさんになって分別がやっとついてきたのか、それは最低限人間としてやっちゃいけない事と解っているし、酒を飲んだときの自分がどんなにヤバい状況なのかも「人から聞いて」解ってるし(酒を飲むとしばしば記憶が飛ぶ)、だからカイシャをクビになるリスク、もっと言えば酔っぱらい運転で他のヒトを殺してしまうリスクを負ってまで飲酒運転はしたくない。

しかし、やはり風呂上がりの一杯は、捨てられない。
こたえられない。
では、どうするか。

ということで、一度は否定したが、やはり温泉同好会を作るしかあるまいと思い直している。
会長職は言うまでもなく、酒が嫌いで、でかい車を持った奉仕精神で溢れ返った善人が適当であろう。
で、会長職を出来そうな人物が何人か目に浮かぶ。
彼らを上手く籠絡して会長に奉り、車を運転させて好きな温泉に行き、湯をゆっくり堪能してから、ぱきっとプルタブをあけ、んぐんぐんぐとビールを飲んでぷはーと言おう。
明日から早速組織化を目指して動いてみよう。

2011年5月9日月曜日

温泉に行かない日(10) 温泉の事なんて欠片も

思えない。
ただ忙しいだけで、今日は思えなかったな。
朝、お茶漬けを食べ、出勤し、子細表現出来ないような仕事をこなし(こなし?やり遂げていないじゃないか、何一つ)、昼にはうどんを食べ、疲れ切って帰り、昨晩飲み残したワインを飲んで寝るだけ。

温泉に行ける、いや、温泉でなくてもいい、水道水を沸かしただけの浴場に行ける幸せを、幸せと感じないと。
温泉や浴場に行った時に、その事に全力で感謝しないと。
おやすみなさい。

2011年5月8日日曜日

温泉に行かない日(9) で、どうなったかというと

起きたのは今。
つまり午後10時57分。
本当は、みよし湯に行くつもりだったんだけど、まあ人生こんなもんだね。
今からワインを少し飲んで、またそのまま寝る予定。
みよし湯、すまん。

国民宿舎奥浜名湖(1)

という事で本日は、諸条件を勘案し熟慮の結果、2カ所の浴場を巡る事に決定。
朝食として自作のかつをたたき丼を食し、前ポストの書き込みをしたあと、先ず出かけたのは国民宿舎奥浜名湖(静岡県浜松市北区細江町気賀1023-1:053-522-1115)。
ここは人工温泉ではあるが、露天風呂以外の浴場基本スペックが一通り揃っており、清潔で、曜日と時間を上手く計って行けば適度に空いており、やや穴場と言ってよい。
人工とは言っても、要するに湯にひと手間掛けている訳なので(掲示によれば下呂温泉の泉質に近いとの事)、水道水+塩素という普通の風呂に比べれば浴感は強い。
また、宿舎の名が示す通り、浴場窓から望む奥浜名湖の景色は素晴らしく、多少混むのを覚悟して夕方入浴してもらえれば、暮れなずむ浜名湖の景色を堪能出来ると思う。

たまたま同じタイミングで入浴していた同年輩のオッサンは、
「ここはいいですね。眺めを見てると 、いろんな事なんてもうどうでもいいやって感じになれますね」
と言っていた。
わたくしも、このオッサンの様に、素直で感受性の高い人間になりたいものだと感じた。
今更無理だが。

一旦帰宅する。
次の浴場が開くまで少し時間があるため、このブログを書き、昼飯は食べずに偽麦酒を飲り、一眠りする。

温泉に行かない日(8) 行く温泉の選択基準

どこに行こうか、休みの日の度に大変に迷う。
迷うといっても、例えば伊豆方面にお住まいの方のように、温泉が一杯あり過ぎて、どこにいこうか迷ってしまうわい、わははのは。
という状態ではない。
先般書いたように、基本的固定的環境として、わたくしの住むエリアには温泉が比較的少ないというものがあり、それに当日起床した時間・天候・健康状態・経済情勢(つまり当日における小遣いの多寡)・世間情勢等の変動的条件を当てはめて決めていく。
例えば、
起床時間=遅い
天候=晴れてやや暑い
健康状態=昨夜遅くまで飲み過ぎてからだが重い
経済情勢=悪い
世間情勢=今はGW中で浮かれた奴らが世の中に溢れている
という条件の場合、カネもないし、しんどいし、無理して遠い天然温泉に行くよりは、温泉じゃなくても近い浴場にしておこうという事になり、暑いから露天風呂があって、昨夜の酒を落とす為にサウナがあって…等と対象を絞り込んで行くと、まあ例えばしおさい竜洋(静岡県磐田市駒場6866-10:0538-59-2641)くらいがいい感じかな、という具合に決めて行く。
で、よし行こうと決心し車に乗り込み、走り出して暫くして、ハタと気付くのだ。

いかん!世間情勢を選択条件考慮に入れてなかった。
今はGWだから、浮かれて騒がしい奴らが世に溢れているぞ。
しおさい竜洋の隣はオートキャンプ場で、わたくしの大嫌いな「フル装備キャンプ」[1]で浮かれたアホがきっと沢山いる。
そいつらが絶対に浴場に押し寄せている筈だ。
だめだ、やめとこう。
今日は近場で最も良心的な和合の湯で、我慢しておこう。

ということもままある。
今日も何処かの温泉に行きたいのだが、思いあぐねている。
贅沢な悩みではなく、深刻な悩みである。
困ったものだ。

[1]
わたくしは、野外での調理は嫌いではない。
だが、その為に大枚叩いてアウトドア用調理グッズ等を溢れるほど買いそろえ、それをでかい車に積み込んで、そのまま車で川辺までおり、ラジカセやテレビを最大音量で流しながら大騒ぎしてソースにつけ込んだ肉等を焼いてBBQをやる奴らを全面的に毛嫌いしている。
完璧にバカ丸出しである。
そんなフル装備で飯を食うなら、最初っから家ん中でやりゃあいいじゃねえかと思う。
貧乏な私の場合、ホームセンターで購入した七輪([2]以外の僅かながらの用具は、全てダイソー等の100円ショップで調達したものであり、それで十分である。
焼いて食べるのは、いつでも食える肉ではなく、マンション住まいではなかなか口に出来ない秋刀魚やくさやの干物等お魚系が殆どである。


[2]
若い人は七輪という言葉は知らないかもしれないけど、これの事。
一度は見た事があるだろう。
写真は七輪業界では有名な有限会社丸和工業(石川県珠洲市正院町平床立野部26:0768-82-5313)のもの。
一般的に七輪は、珪藻土を一度溶かしてそれを型に入れ形成するのだが、ここのは違う。
掘り出した珪藻土の固まりを削って形成して行くのだ。
素晴らしい職人技であるが、価格はビックリする程には高くない。
残念ながら私は持ってないが、いつかは欲しい「七輪界のフェラーリ」である。

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温泉に行かない日(7) 車で5分で行ける秘湯

なんだかんだ言いながら、みよし湯に行かなかった件についてはひとまず措くとして(ふふ)、今回はわたくしの家からごく近くにある変な浴場についてである。
変とは言え、そこは決して怪しくはない。
ええい、記載してしまおう。そこはですねいそのシティホテル(浜松市中区小豆餅3-1-15:053-472-6000)というところで、自宅から車で5分程度の所にある。
名前の通りラブホではないが、
「おいおいオマエがシティホテルってかい?いやにデカく出やがったなこの野郎」
と誰もが思うホテルである。

そこの中に、何と天然温泉があるという。
うーん、その辺は近所な故、わたくしもよおく知っているのだが、従って断言するが、温泉なんてゼッタイに出ない。
しかし同施設のウェブサイトには、確かに「浜松市街地で天然温泉が堪能出来るシティホテル」と書いてある。
風の噂では、わたくしの勤務する会社に入浴した人物が存在するらしい。
これは調べてみなければ、と思う。
調べるまでもなくローリーしてるんだろうが、兎に角現場に行って確かめねば。
そして状況が許せば、思い切って入浴しなければ、と思う。

思うのは思うのだが、ホテルのサイトのどこを見ても日帰り入浴についての記載がない。
とすると、宿泊客しか使えないのかもしれない。

そうか。

そうするとこれは、とても近所にある天然温泉なのに入浴する事が出来ない、ある意味「秘湯」であるとも言えなくはないか?

うーん、秘湯となると、やはりどうしても入りたい。
いつの日かきっと入ってやるぞ。
これで、生活の張りが違うってものである。
目標をもって生きる人生は、素晴らしい。

(2012年1月9日 追記)
のみ可かどうかはまだ調べていませんが、ここの源泉は「浜北温泉 あらたまの湯」である事が確認出来ました(両者の泉質表の内容が一句違わず一致)。
ということはやはりあらたまの湯からのローリーという事ですね。
「なんだ、だったらもう行く可能性は消えましたね…」
と普通の人は思うかもしれない。
ローリーされたお湯だったら、それの元の温泉に行けばいいじゃん、と思うのは人の常でありますが…
いやいやそうではないよ。
あらたまの湯の源泉は結構素性がいいと思うのですが、結構ヘタリ感が強いです。
温泉敷地内の足湯(無料)を体験すればよくわかります(足湯の方は恐らく源泉を加熱したのみ)。
しかし、このホテル向けにローリーされたお湯が、もし源泉から直接汲み上げられているとしたら、ご本尊であるあらたまの湯よりヘタリ感が少ない、意外にコンディションの良好なお湯を体験出来るかもしれません。
そしてそれに加え、私は「怪しい場所」が好き。
「怪しい場所」で、例えローリーとはいえ「いい温泉」に入れる可能性があるんなら、こんなに嬉しい事はないですね。
今後も狙いますよ、いそのシティーホテル。

2011年5月7日土曜日

温泉に行かない日(6) 怠惰な日々

わたくしは怠惰である。
とは言っても、例えば、仕事もせずに、親の脛を齧りながらぐうたらな日々を過ごす等という事ではない(が、それはそれでいい人生だとは思うけど)。
今日だってちゃんと午前中はお仕事だったし、場合によってはお休みの日にだって(嫌々ながらではあるが)仕事に行く。

怠惰なのは、仕事以外の時間の事だ。仕事から帰るなりスーツを脱いで楽な服装に着替え、先ずする事はごろ寝である。
大昔に買った文庫本等を捲りながら、眠りに落ちて行く。
近所を散歩するとか、映画に行くとか、習い事をするとか、音楽に親しむとか、ボランティアに励むとか、そういった類いの事からは本当に遠ざかってしまった。
非生産的であり、リタイア後には一気に腑抜けになるライフスタイルだとは思うが、どうしようもない。

うつらうつらしながら時間が経って行き、気付くと夕方。
重い体を起こして近所のスーパーでお酒を買い込み、呑んで寝る。
で、眠りに落ちる寸前、眠気とお酒で朦朧となった頭で大抵いつも反省するのだ。
--------------------------------
ああ、なんて無意味な時間を過ごしてしまったんだろう。
もう少しだけ頑張って、せめてこの間友人から教えてもらったあの銭湯に行けば良かった。
そこは駐車場があんまりないから、自転車で行かなくちゃいけない。
少しは運動にもなっただろうし、帰りに少しばかり呑めれば[1]気晴らしも出来たのに…
--------------------------------
で、今は午後3時。
今ならまだ間に合う。
この間友人から教えてもらったあの銭湯[2]に、自転車で出かけてみようか。
そして隣にある炉端焼屋で、少しお酒を飲んで帰ろうか。

[1]
言うまでもなく、例えチャリだろうがお酒を飲んで漕いだらそれは立派な飲酒運転である。
よゐこは決して真似せぬように。
わたくしはよゐこではないので、たまにしてるけど…
[2]
みよし湯(静岡県浜松市中区曳馬6-5-30:053-471-3844)
「隣にある 炉端焼屋」とはろばた焼き曳馬路(静岡県浜松市中区曳馬6-5-28:053-473-5959)

2011年5月5日木曜日

温泉に行かない日(5) 静岡には温泉が少ないという事実

え?何言ってるの?
静岡には温泉が少ないって?
そんな訳ないじゃないの。
と思う人が殆どであろう。

確かに、この「静岡には温泉が少ない」という書き方にはやや誇張がある。
ごめんなさい。
正確には「静岡県西部エリアには温泉が少ない」という事になる。
伊豆などの温泉観光地は別格としても、例えば静岡県中部エリアである静岡市及び周辺にはいくつもの魅力的な温泉がそれなりに存在する。
静岡県西部エリアの代表都市は浜松市ということになるのだが、静岡市より面積・人口ともに上回るのに、温泉が本当に少ないのだ。
しかも私の住む静岡県西部からは中部も伊豆も遠いのだ。

わたくしが行った事のある浜松市近辺の天然温泉(中には「これが天然?」みたいな怪しいのもあるが)を順不同に列挙してみるとこうなる。
所謂「ローリー温泉」[1]は除く。

■行った事のある浜松近辺の天然温泉■
名称住所等営業/廃業情報感想等
あらたまの湯静岡県浜松市浜北区四大地9-921
053-582-1126
営業中美人の湯
遠州天然温泉 八扇乃湯 静岡県浜松市南区松島町1690
053-426-8000
廃業かつて排水問題で法規違反あり
マグネシウムの含有量が日本トップクラスだったそうだが怪しい
勝手に自滅してしまった
かんぽの宿 浜名湖三ヶ日静岡県浜松市北区三ヶ日町都筑2977-2
053-526-1201
営業中多少のOFがみられる
茶色の塩辛い温泉
泉質意外におっけー
源泉掛け流し 薬石汗蒸房 風と月静岡県浜松市浜北区平口2861
サンストリート浜北1階
053-584-6199
営業中かんぽの宿 浜松三ヶ日の泉質に似ている
掛け流し浴槽は露天風呂のみ
山王峡温泉しらかば荘静岡県浜松市天竜区水窪町地頭方2299-9
053-987-0938
営業中施設の老朽化が進んでいるため、いつ廃業するかハラハラしている
このエリアでは珍しい硫黄臭のある温泉
突発休してる場合がありので、行く場合は出発前に営業状況を電話で聞いといた方がいい
大東温泉シートピア静岡県掛川市国安2808-2
0537-72-1126
営業中やや海藻の香りがするヨードチンキ色のお湯
お湯のヘタリ感が結構あり
相楽子生まれ温泉静岡県牧之原市西萩間672-1
0548-54-1126
営業中ごめんなさい
露天風呂が激狭だった事のほか、あまり記憶にない…
倉真赤石温泉静岡県掛川市倉真5984-1
0537-28-1126
営業中湯の花が舞い踊るいい泉質
1050円という入泉料は高いとは思わない
くらみあかいしおんせん

くらいである。
多くは新しい施設で「来客○○万人突破!」みたいな事をレーゾンデートルとしている。
私の場合、近代的設備を持つ温泉や人が多く集まる温泉が全く好きではなく、言い換えれば今にも潰れそうな(建物・経営両面において)古びた温泉を好んでいるのだが、その条件に合致するのは、つまり積極的に訪れたいと思うのは、上記温泉のうち山王峡温泉しらかば荘くらいのものだ。
浜松市周辺の天然温泉は上記以外にも勿論いくつかあるが、ホテルだったり非常に入湯料が高価だったり設備が近代的すぎるなどにより、足を踏み入れた事はない。
従って、最近では「温泉の在庫不足状態」に陥っており、非常に困った事になっている。

加齢が進むと、如何に自らが嗜好する趣味ではあっても、その為にわざわざ遠方まで出向くのは億劫になるものだ。
いま、対応策を考えている所だが、リタイアしたら温泉多発地帯に引っ越すしかもう道は残されていないのかなあ。

或いは自分で温泉掘って一山当てるか。
…そんなカネはない。

[1]
どっかの泉源からタンクローリーでお湯を持ってきて循環させて使い、「天然温泉」を標榜しているケース。
浜松近辺ではあの悪名高かった「極楽湯 浜松幸店」(廃業)などがそれに当たる。
ローリーである事を解りやすく明示していれば何の問題もないけど殆どの場合そうではなく、後から気付いてほぞを噛む事が多い。

温泉に行かない日(4) 流石にやんなった

今日は何の日だっけ?こどもの日だっけ?
ワタクシ的には、今日がどのような理由で休みなのかはどうでも良いのだけれど、兎に角今日は連休最終日で(通常の土日は仕事有り)、だけど午前中はお仕事。
普段から周囲に対して憚る事なく「俺は仕事がキライ」と発言しており、発言するだけでなく事実嫌いなのだけど、サラリーをもらっている以上は仕方がない、必要があれば休みでも働くくらいの意識はぎりぎり持っている。
でも流石に、休みの日に働くのはやんなってきた。
ところで、もし今日が完全に休みだとしたら、どんな事をしていたのだろう?

温泉に行くという線は十分にあり得た。
例えば伊豆方面。
大震災の関係で客足が減っていると聞くので、例年の混雑よりはマシな状況だったかもしれない。
2年前の颱風被害を被り休業中だった沢田公園露天風呂(静岡県賀茂郡西伊豆町仁科沢田2817-1:0558-52-0057)が最近復活したと聞いた。
国立公園だか国定公園だかの法的規制で復活は難しいとされていたらしい(静岡新聞で読んだ記憶有り)のだが、誰かの努力が実って復活したとなれば、ひょっとして行っていたかもしれない。

或いは、思い切って朝早く起床し、汽車に乗って東日本方面への強行弾丸日帰り温泉ソロツアーをしていたかもしれない。
もしかしたら、長年わたくしの中で懸案事項となっている東河内温泉(静岡県静岡市葵区内:詳細住所不明:連絡先不明:地図はこちら)に行っていたかもしれない。

温泉以外の方向性として考えられるのは、斯界において「King of 険道」と呼称されるところの静岡県道288号線(浜松市天竜区水窪町奥領家<JR東海飯田線大嵐駅付近>〜浜松市天竜区佐久間町佐久間<佐久間ダム付近>:全長18km)完全踏破を目指していたかもしれない。

でも結局、わたくしは疲れて草臥れたしがない中年男。
一日仕事がなかったとしても、多分朝飯食ってベッドに横になっているのがせいぜいなんだろうと思う。

で、要するに現実の話としては、業務終了時間が昼を過ぎていたため、そのままカイシャでコンビニ弁当を食べ、一旦帰宅してから自転車を取り出し、スーパーでカップ酒とおつまみを少々買い込んでから、少し離れた場所にある花川運動公園(静岡県浜松市中区西丘町724:053-437-0605)に行って、公園昼酒[1]を楽しんだ次第。

流石に近所の児童公園でそれをする勇気は、私にはない。
哀しい生き方である。

[1]
公園に於ける昼酒に関しては、いいざわたつや氏(公園飲酒評論家・フリードランカー)のサイト、自棄酒マン、(元)カップ酒マニア内に記載あり。
或いは同氏による文庫本カップ酒スタイル(ちくま文庫:著者名義は「いいざわ・たつや」:税込み840円:現在メーカー在庫なし)で更に詳しい。

2011年5月4日水曜日

山王峡温泉しらかば荘(1)

今日は恐れていた呼び出しもなく、テルマエ・ロマエIIIでも読みながら昼酒でも楽しもうかと思っていたのだが、温泉に行きたい気分は止み難く、やっぱり出かけてしまった。
自宅を出て途中、カインズホーム 浜松都田テクノ店(静岡県浜松市北区新都田3-1-1:053-428-1000)内にあるスガキヤ 浜松都田テクノカインズ店(053-428-1081)に寄って昼食を摂る。
目的地はそこから約70km、時間にして1時間ちょっとの所にある山王峡温泉しらかば荘(静岡県浜松市天竜区水窪町地頭方2299-9:¥400:053-987-0938:11:00-15:00:日帰りは土日のみ)。
ここはもともと林業者の為の福利厚生施設であり、従って林業従事者は一般客より安く、またチェーンソー等による職業病(案内には「振動病」とあった気がしたけど、多分「白蝋病」とかの事かな)を持つ人等は無料で利用出来る温泉だ。
「荘」という文字が示す通り宿泊も可能で、随分前、職業的に行き詰まった時、気分を変える為に一度泊まった事がある。

で、わたくしは個人的に、この温泉は「静岡県西遠エリア最強の温泉」と思っている。
一寸した旅気分を味わえる適度な距離感であり、水窪の市街地(といっても、田舎だけど)から更に山奥に入った所にある年期の入った一軒宿で秘湯感も味わえ、 立地条件・道路条件的に客は極端に少なく大抵の場合貸切状態であり、お湯からははっきりとした硫黄の香りが味わえるという場所。
従って何回も訪れている場所である。
どうです、あなたも行きたくなったでしょ。

残念な事にこの間まで「浴槽が壊れてお湯が溜まらない」という深刻なアクシデントに襲われており、暫く訪れていなかったのだが、今日電話してみると「復旧して営業再開してます」との嬉しい返答を得た。
で、早速出かけた次第。

が、…

今日のお湯の状態は、何だか変だった。
いつも感じるあの「硫黄の香り」があまり感じられなかったのだ。

蛇口から出る源泉を手に掬い、よぉ~く鼻を利かせてみたのだが、殆ど香りがしない。
暫く入っていると、泡付きが見られるのだが、今日はそれも少ない。
うーん、おかしいなあ。

ひょっとしたら、今回の大地震のせいかも知れない。
そういえば、神奈川県葉山町にある星山温泉の所長も「震災から濁った源泉しか出てこなかったので、今は予備の源泉井戸を使っている」と言ってたっけ。
泉質が変わっても、雰囲気が大好きな温泉なのだが、やはりあの泉質、あの香りは不可欠だ。
もう暫く通って、どう変化するか観察してみよう。

帰宅は午後3時。
帰宅直後は何処か呑みに出かけようかと思ったのだが、行きつけの店がGW中に営業してるかどうか解らない為、何時もの如く家呑みに変更。
今からスーパーに出かけておつまみとお酒を仕入れ、一杯飲ろうと思う。
明日はGW最終日だが、朝から仕事。

和合の湯(1)

連休中は自宅に引きこもり、だらだら過ごすつもりだった。
だから昨日5月3日も、朝起きてカップうどんを食べ、これの前のポストをした後、少し前に1500円で購入した流行遅れな形の、安っぽいちゃらちゃらした茶色の靴に少しでも高級感を持たせるべく、ダイソー ロックタウン浜松葵店(静岡県浜松市中区葵西3-25-1:053-430-6255)で購入した105円の黒の靴墨を塗り込んでいた[1]所、勤務先から電話があり、結局そのまま仕事場に行った。

唐突だが、全社的システムの更新を実施する時期と言えばGWか年末年始が定番である。
現在、勤務先でもたまたまシステムの大規模な更新をしていて、その関係で電話があったのだ。
暫くそれに付き合って業務終了後、和合の湯(静岡県浜松市中区和合町1146:053-482-8888) で一汗流した。
ここは温泉ではなく、俗にいうスーパー銭湯。水道水を加温循環させている全くフツーの銭湯であり、暫く入浴していると、やや強めの塩素が目や鼻や肺に沁みるわけだ。
こういう書き方をすると、つまり「この和合の湯ってのは、とんでもない銭湯なのだと、オマエは言いたいのだな」と思われるかもしれないけど、わたくしは単に事実をありのまま書いているだけだ。
とんでもないとか、二度と行くかとは書いていない。
実際の所、月に数回は出向いている。
要するに気に入っている。

ここには頑張っている感が溢れている。
施設はくまなく清潔で、そこで働く社員さん達に、だらだら感は一切ない。
つまりわたくしとしては、お湯の質はどうでもよくて、運営方針や社員さん達が気に入って通っているようなものだ。
最近、シャンプー類がより質の高いものに変更された。
また暫く前には、やや使いづらかったシャワー設備が全て一新され、随分使いやすくなった。
この銭湯は、何よりお客さんの事を考えている様だ。
お客の方もそれを感じて、更に来客数が増えるという塩梅なのだろう。

一浴した後、スーパーで鰹のタタキ・焼き鳥・偽麦酒・日本酒を買って、例の如く自宅呑み。
昼間、慣れぬ仕事をしたせいか眠気が非常に強く、本も読まずに寝入ってしまった様だ(これを書いている今は「翌日」)。
先日買ったテルマエ・ロマエIII(ヤマザキマリ著:株式会社エンターブレイン発行:月刊コミックビーム連載 :680円+税:阿部寛他主演により2012年映画化決定)は、明日(つまり「今日」)読む事になる。

[1]
手前(右足)が処理前、向こう側(左足)が処理後。
処理前の靴を見て「俺は是非これが履きたい」と思う人は高度な検査が可能な総合病院での受診が必要だろう。
兎に角、質感の変化は歴然だ。
105円+努力でこれだけの差が出る。


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2011年5月3日火曜日

温泉に行かない日(3) 連休中は引きこもるに限る

経理屋の哀しさで、毎年GWは決算業務多忙のため大抵仕事しており、遊びには出た事はなかった。
これには、元々出不精で騒々しい事が大嫌い、混雑も大嫌いというわたくしの性格も手伝っている。

しかし流石に今回の連休ばかりは無理してでも出かけて、しかも可能であれば東日本方面に出かけて、多少なりとも現地でカネを使うのが吉とも思う。
うーん、そうは思うが、道中の混雑や目的地での観光客どもの落ち着きのなさ(若い女が遠慮のない大声で笑い、節操のない親どもとそのガキどもが辺り構う事なく喚き散らす…という状態の事)を想像するだけで怖気が感じられ「出かけるのはやっぱりやめよう」と思ってしまう。

だから、GWが終わった後にゆっくりと東北へ出かけようと決めた。
GWだろうがそうじゃなかろうが、東北でお金を落とす事による経済効果には変わりがなかろうと思う(が、言うまでもなく、わたくしはそんなに巨額なお金を持ってる訳はない。「経済効果」等と偉そうに言ってごめんなさい)。

ところでわたくしは「温泉名人」等では決してないが、それでも一般のヒトビトよりは、少しは多めに各地の温泉に出かけているつもりだ。
しかしその北限(東限?)はせいぜい栃木県にある湯の宿 城の台荘(那須郡那珂川町大字小口1735:0287-92-4311:本日現在、東日本大震災の影響で設備が破損し営業休止中)であり、そこより遠くには素晴らしい温泉が沢山ある事は、書籍的知識として持っている。
その書籍的知識を実践的知識に置き換えたいと予々思っていた。
今年はいいチャンスだ。
年内には東北の温泉を目指すとしよう。

で、東北の温泉を目指すわたくしの本日の朝食は、ばんやむを得ず、昨夜88円で購入したカップうどんであった(こんな事してるから太るんだ)。
夕食はちゃんとしたものにしなければ…

2011年5月2日月曜日

星山温泉(1)

先日、4月30日の事だ。
現代に残された秘湯、星山温泉(神奈川県三浦郡葉山町下山口230:0468-78-8377:正式名称は「稲龍神山スポーツランド」だが、スポーツを楽しむ要素はそこには一切ない)に行ってきた。
ここについては、ちょっとググればいくらでも情報が取れるので、詳細はそちらに譲る。
いろんな意味で兎に角グレイトな場所であり、非常にお気に入りの場所でもある。
今回は2回目の来訪。

敷地には源泉加熱用の薪として集められた住宅廃材が山を成しており、その奥に浴槽が格納された掘っ立て小屋が二つ。
一つは今でも薪で沸かしており、もう一つはかつてボイラで沸かしていたとの事だが、ボイラの方は現在故障中で、修理するカネもないため、休止中との事。
しかし薪で沸かした湯の方が風情があるため、これはこれでよしと思う。
浴槽は家庭用ステン浴槽。
壁面にはお世辞にも上手とはいえない、所長お手製の温泉絵画。

しかし、侮るなかれ。
わたくしの数少ない温泉経験では有るが、つるすべのいわゆる「美人の湯」系統では日本屈指の泉質である事は間違いない。

前回(このブログを始める前)の入湯時は温泉のご主人(入湯料と引き換えに貰える領収書によれば「所長」)と殆ど何も話せなったのだが、今回はたまたま他の客がいなかったため、今回の大震災の事や、この温泉の事や、所有しているスーパーカブの事や、昔持っていた車の事など1時間以上も話し込んでいた。

月並みな言い方だけど、この温泉は一昔前のインドと同じで病み付きになってしまって、
「何回も行きたいぞ」
と思う人と、
「二度と行くかあんな廃墟みたいなとこにボケ!」
と思う人ときっぱり二分されるだろう。
で、わたくしの場合は前者であったわけだ。
もう少し入っていたい、というところで浴槽を出て帰途についた。

帰りは、EXPRESS予約で溜まったポイントを利用して、人生初の新幹線グリーン車に乗ったのだが、そもそもわたくしにはグリーン車に乗る人間的器は皆無であり、更にわたくしが選んだ席の車両にはわたくし以外は誰も乗っていない状態であったため、どうも尻がうまく落ち着かず困った。
ただ、誰も乗っていない事これ幸いと、ケータイで写真を撮れたことは嬉しかった[1]
下車後、近くのスーパーでお酒とおいなりさんを購入し、自宅で食した後就寝。

この温泉は、場所が非常に解りにくい為、わたくしなりのアプローチマップ星山温泉への道を作ってみた。
参考になれば幸いだ。

[1]
通常、グリーン乗車客がその車内を撮る事は「田舎者」の所作とされている。
しかし、筋金入りの田舎者であればそんな不文律を無視して写真を撮りまくる。
わたくしのような弱っちい田舎者は隙を見て写真をこっそり撮るのだ。
下の写真は決死の思いで撮影したグリーン車内の様子。
撮影後、座席にあった「WEDGE」と「ひととき」を密かに鞄に納めたのは言うまでもない事だ。 


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