2020年9月21日月曜日

やぎさんが好き!(34) ㈱粂田鉄筋工業所

意外なタイトルじゃろう。
やぎさんと鉄筋工業所。
斬新なコラボレーションと言わざるを得まい。
㈱粂田鉄筋工業所(静岡県掛川市上西郷765-1:来客者用駐車場は表側に数台と奥に数台)という会社がある。
掛川の西郷と云えば、ワシが大好きな倉真赤石温泉(くらみあかいしおんせん:静岡県掛川市倉真赤石5986:0537-28-1126:予約制)に行くために国1バイパスを降りるとこじゃからしょっちゅう通るんじゃが、そこにそんな会社があることなんてワシは知らんし、そもそもその会社そのものそれ自体も知らん。
公式サイトを見るとかなり大きく、かつ、理念をしっかり持った立派な法人のようじゃ。
当社は通常の土木工事・建築工事における鉄筋の加工、組立工事はもとより、当社独自の技術を持って、特殊な加工・施工等、お客様のご要望にお応えすべく努力してまいります。
蜘蛛の巣検索で偶然見つけた場所じゃが、道路や建物を作るために鉄筋を加工する会社とやぎさんとの関連がどうもイメージできん。
イメージできんなら行くしかあるまい。
現場に着いてまずワシの目に突き刺さったのはこれじゃろう。

ピンク地に「やぎ」!
潔くワクワク感のある幟旗
堂々とはためいておる
via Instagram
© ill-health(ruephas) 2010

こんな幟旗はワシは見たことない。
ワシの胸を射抜いたわけじゃ。
さらにすぐ横の広場を見ると、幟旗に書いてあるとおり、やぎさんがおったよ。

白いしばやぎさんが2匹
わかりにくいが白黒のとからやぎさんが2頭
via Instagram
© ill-health(ruephas) 2010

もういい。
もうこれだけでいい。

これを書いとる今は21時過ぎで、実際ワシはだいぶ酔っとる。
じゃから、文章を書くのが好きなワシじゃとてもう面倒じゃから、兎に角写真だけ見て満足してくれろ。
あ、その前に、現地に行ったときにワシとやぎさんたちのために、わざわざビワの葉っぱをたくさん採ってきてくれたおっちゃん。
ありがとう。

ワシはおっちゃんが採ってきてくれたビワの葉をやぎさんたちにあげられて嬉しかったし、それをじゃんじゃん食べれたやぎさんたちも嬉しかったはずじゃ。
ありがとう。

ということで、基本「写真拒否」なこのブログにしては珍しく、Googleフォトのワシのアルバムリンクをまるごと貼るよ。
珍しく変な感じじゃが、これで勘弁してくれい。
酔っとるし眠いし、すまんことじゃ。

とは一旦思ったものの、流石にこれで終わるのは憚られる。
何故この会社でこのような金にならぬ事業(?)を行っとるのかが不思議なところじゃ。
唯一カネになりそうな取り組みは、

K-honeyすなわち粂田はちみつのことじゃろう
© ill-health(ruephas) 2010


はちみつ箱
© ill-health(ruephas) 2010

ミツバチを飼育してはちみつを販売しとる雰囲気があり、カネになると云えばまあこの程度じゃろう。

要するに社費を投入しての一種の社会貢献と思われるが、そのようなことならば会社の公式サイトに記載があると思い見てみたが残念なことに見当たらん。
やぎさん広場は公式か非公式かはわからぬが「KUMETA FARM」と呼称しておるようなのでそれをキーワードでググってみたけど、引っかかるのは大阪にあるはちみつ農園。
ならばとKUMETA FARM 掛川でぐぐってみたらば、関連する情報が載っとりそうなPDFを見つけた。

これじゃ。

見ると、9ページ目に「社会貢献」という章があり、そこには、
当社は地域とともに生きる企業でありたいと考えております。
とあり、取組事例として、
  • ★未就学児童による梅摘み体験★
     毎年の恒例行事となりました。(掛川中央幼保園)
  • ★KUMETA FARMの運営★
     地元の子供たちと動物との触れ合いの場を提供しています。
が紹介されとった。
詳しくはリンク先のPDFをご覧いただければよろしかろうが、本社敷地とその周辺環境を生かしてまさに本格的な地域貢献を進めておる会社のようじゃ。
俗物っぽい感想を繰り返し書くんじゃが、カネはかかれどカネにならんこのような取り組みを行う会社は、素直に大変に好感が持てる。
そう云えばワシが訪問したときはやぎさん広場の横にある工場からはなんの音もせず、最初は「廃工場を活用した地域貢献を行っとるんじゃろか」と思ったんじゃが、暫くすると社員さんたちが工場に戻り始めて活気のある雰囲気と変化した。
工場に入る若い社員さんに「こんにちは」と挨拶すればあちらからも気持ちよく(多分「何じゃいこの如何にも怪しいおっさんは」と内心思いつつそれを毛ほども表面に出さず)「こんにちは」と返してくれる。
要するにそのような社風ということなんじゃろう。

掛川近辺の皆様、ぜひお立ち寄りしてみたらいかがじゃろうか。

2020年9月20日日曜日

やぎさんが好き!(33) 石窯パン工房ちゃっと&手打ち麺処ごんべえ

武漢ウイルスの野郎のせいで、原則県境を超える移動は自粛しとる。
とは云っても、ワシの住んどる場所から西側すぐ近くは愛知県であり、愛知県東部の豊橋や豊川、もしくは新城と云ったエリアは目と鼻の先であり、かつ優れたやぎさんポイントや温泉銭湯が数多く存在する。
武漢ウイルスがある程度落ち着いて来た際にまず訪れたのも豊田市の白鷺温泉 白鷺館(しらさぎおんせんしらさぎかん:愛知県豊田市篭林町塩平21:0565-62-0151:¥800:日帰り11:00〜20:00:公式サイトはhttp且つFlash Player使っとるから用心してネ)じゃし。

やぎさんに関して云えば、新城に石窯パン工房ちゃっと(愛知県新城市中宇利三社五所33-3:0536-26-0383:原則水木土日祝営業じゃけど正確な情報は公式サイトを参照:駐車場は充分)というところが前から気になっとった。
ワシの事務所に出入りしとるヒト(素性が割れるため属しとる業界や個人名は書かないヨ)は自転車が好きで、よく新城方面に走りに行くらしいんじゃけどそういったときには必ずこの店によるそうじゃ。
「いや、おじさんとおばさんがやってるんですけどね、石窯で焼いたパンが凄く美味しいんですよ」
「へえ、そうなんですか」
「はい。冬なんかだと表で薪を使って焚き火をしてましてね」
「ほほう」
「同じ敷地内には『ごんべえ』といううどん屋さんも併設してて、ここが手打ちでまた美味い」
「いいですね。行ってみたいですね」
「そうですか。今度自転車でご一緒しますか」
「自転車はやめときます」
その方面に行くには三ヶ日から抜けるのが近いんじゃが、途中には宇利峠なる大変に厳しい坂道があり、かつクルマの交通量が多い。
そんなところを走るのは嫌じゃ。
「そうですか。でもあれですよ、そこにはやぎさんもいるんですよ」
「へ?今なんと云いましたか?やぎさんがいるですと!」
「います。ちっちゃくてかわいい白黒模様のやぎさんがいます」
「困るなそれを早く云ってくれないと。すぐにクルマで行きます。は?いや違いますって。自転車じゃないですクルマです」
ということで先週行ってきたわけじゃな。

ま、出かける前には一応Google Mapsで高低差について確認してみた。
三ヶ日から現地までは185m上がり120m下がると出た。
この程度であれば篦棒に頑張れば行っていけんことはないとは思うが、矢張りちょっと自信が持てんので当初計画どおりスイスポくんで出かけた。
自転車はまたの機会にしよう。

到着したのは日曜日の10時過ぎというか11時前というかそのくらいの頃合いじゃったが、驚くべきことに決して狭くはない駐車場に結構な台数のクルマがすでに停まっておる。
峠を超えたところにある田舎の広い田んぼの中にポコンとある店なんじゃが、相当な人気店のようじゃ。
結構な台数は停まっとるが、ワシのクルマを停めるのには問題ない枠は空いとる。
クルマを停めて、すぐ脇にあるやぎさん小屋にワシは一直線に向かった。
そこにはこのようなやぎさんがおったよ。

小さくてかわいいやぎさんじゃヨ
© ill-health(ruephas) 2020

見ての通り如何にも手紙を食べるのが好きそうなくろやぎさんじゃけども、脳天から鼻面にかけてきれいに白くなっとるめすやぎさんじゃ。
左右の角もきれいに後ろ側に伸び揃っとる。
名はメイちゃんという。
訪問当日は生憎の雨で、やぎさんは大抵雨が苦手と来ておる。
メイちゃんもご多分に漏れず雨が嫌いなようで、おひとりさまには明らかに広すぎるやぎさん小屋の中をウロウロしとるばかりでなかなか外には出てくれん。
「へーいほれメイちゃん、ほれ外に出てこんかい」
としきりに呼ばわってみてもなかなか外には出てくれん。
それでも諦めずに暫く呼ばわっとると、藪から棒にガバリと外に出てきてくれた。
おっと来たねと喜んだが、メイちゃんはワシの方には来ず、やぎさん小屋に設えてある軒の下に行って、エサ箱に頭を突っ込んで干し草をもぐもぐし始めた。

一心不乱かつ美味そうに干し草を食い込むメイちゃん
© ill-health(ruephas) 2020

そして時折頭を上げては遠くを見つめながら美味そうに反芻しとる。
その後小さな声でべへへえと啼く。
その声は特徴的で、なんじゃろうか、掠れたハスキーボイス。
メイちゃんはめすやぎさんであることじゃし、その声を聞いたワシはメイちゃんのことを「やぎさん界のマリリンモンロー」とすぐさま認定した。

アンニュイな感じで右手をだらりと伸ばし
外を眺めるメイちゃん
© ill-health(ruephas) 2020

暫くメイちゃんのことを眺めたり声をかけたりしてから、併設されとるうどん屋さんである手打ち麺処ごんべえ(愛知県新城市中宇利三社五所33-8:電話なし:10:30〜13:30だが売り切れ御免:うどんは¥350でトッピング関係は¥50〜各種あり:土日のみ営業)で手打ちうどんを食うことにした。

本日の季節のうどんは冷たいころうどん
今日のように蒸して暑い日には美味かろう
© ill-health(ruephas) 2020

このうどん屋さんの注文方法は、店先に置いてあるかごに積まれておる漢数字が書いてある木札を取って、店の外にある空いとるテーブル(店内には席はないよ)で暫く待ち、その番号が呼ばれたら店内に入り、好きなうどんを注文し、併せて天麩羅などのサイドメニューを選んで精算するというもの。
あとは席に座ってずるずるすすり上げるばかりじゃ。
まあ、セルフうどんということになろう。
程なくしてワシの番号が呼ばれ、店に入ったワシは基本であるかけうどんを注文し、サイドメニューとしてかきあげを選んだ。
そこそこ腹が減っておったため焦って食い始めてしまい写真を取り忘れたが、最近大のお気に入りである宮内うどん(みやうちうどん:静岡県御前崎市宮内377-3:080-5823-8070:水〜金10:30〜14:00:土日8:00〜14:00:定休月火:駐車場は店の横に6台程度)とはまた違った、より讃岐寄りの美味しいうどんじゃった。
うどんは季節にもよるのかもしれんが3〜4種類あるが、創作ものはないようじゃ。
食い終わってふと横を見ると、うどん以外にもかき氷をセルフ販売しとることが判明。

重要な掲示じゃヨ
© ill-health(ruephas) 2020


これは面白そうだし、あつあつのうどんを食して流汗淋漓状態のワシは、ぜひこのセルフかき氷を食べたいと思い、掲示してある手順に従ってかき氷機が納められとるはずの箱を開けてみたが残念なことにその姿はなかった。
本日はお休みのようで少し残念じゃがまあ仕方ない。
次回のお楽しみとしよう。

その後ちゃっとの方に戻り、お土産用に梨酵母を使ったパンをいくつか購入した。
店の奥を見ると耐火レンガで作られた石窯があり、今まさに薪が投入されとるところじゃった。
お断りしてから写真を撮ったが、かなり本格的な窯で店主の意気込みがそのまま伝わってくるように感じた。

店主の本気度とこだわりが見える
© ill-health(ruephas) 2020

距離的には近いところにまたいい店を見つけた。
ワシのような初老は、このような場所をたくさん知っておったほうが生活にハリが出る。
また来ようと思う。
メイちゃんと遊べるよう、今度は晴れの日に。

2020年9月19日土曜日

塩ノ段鉱泉(1)

変な鉱泉を見つけたので、腰に爆弾を抱えつつ速攻行ってきた。
塩ノ段鉱泉(しおんだんこうせん:読みは「しおのだん」ではないようです:静岡県御前崎市新野5057:¥0:00:00〜24:00:現場のすぐ東側道路の路側帯が広いのでそこに駐車可) という鉱泉じゃ。
Google Mapsを使っての大山くん検索の時に偶然見つけて、その他の媒体による情報に触れることが一切なかったため、見つけたときは相当驚いたから速攻行ったわけじゃな。
R150を走り、現場近くに付くとこのようなものがあった。
おうこれじゃ、ここじゃろう。

© ill-health(ruephas) 2020

路駐して現場に行くと、周辺はなんだか不思議というかなんというか、そのような場所じゃった。
この塩ノ段鉱泉の道挟んで向かい側には塩ノ段池の云うのがあり、田畑耕作用の溜池のように見える。
人工的な溜池なのか自然に出来た池なのか判然とせん感じの池で、写真ではわからんかもしれんが水面がやたらに黒っぽい。

写真では明るく見えるが
これよりはもう少しどよんとした感じ
© ill-health(ruephas) 2020

ワシは大山くんとか温泉には非常に興味があるけれど池には全く興味がない。
しかしながらこの池はほれ。
なんだかあれだなあ、横溝正史のほれ、あのような池になんとなく似とる。

ワシはついったあをしとらんから
このようなキャプチャの著作権表示を
どうしていいかわからん
投稿者の名前とアカウントは出とるから
それで勘弁してくれい

繰り返すが、ワシは犬神家であろうが無かろうが、池から突き出たおっさんの足には全く興味がない。
どんよりした池に一瞥をくれたワシは、早速鉱泉に向かった。
塩ノ段鉱泉はこのような感じじゃ。

© ill-health(ruephas) 2020

塩ノ段鉱泉と書かれた案内表示の向きがちょうど指し示しておる格好じゃが、目を凝らせば写真左奥の方に土管の頭が地面から突き出とるのが見えるじゃろう。
そのすぐ右に白っぽいというか灰色の丸い水溜りのようなものも見えるじゃろう。
それが塩ノ段鉱泉の本体のようじゃ。
泉源の周りはなんだか幹がうねうねと曲がった奇妙な木が生えており、引いた画角で泉源の全貌を捉えられる写真がなかなか撮りづらい。
仕方ないので近づいてみることにした。
泉源の周囲は地面がじとじとぐずぐずしており、下手に足を踏み入れるならばずぶりと嵌ってしまいそうな気がして少し怖い。
アプローチのルートを慎重に検討し、何とか間際から泉源を安全に観察できるポイントを見出し撮ったのがこれじゃ。

なんだかアマゾンの奥地を撮った
写真のようじゃ
© ill-health(ruephas) 2020

前の写真の逆側から撮ったものじゃ。
すなわち、写っとらんが土管の頭は右側にある位置じゃ。
周囲には甘ったるいというかなんというか、曰く言い難い香りがほんのり漂っとる。
一見、泉源にはなんの動きもない。
屈み込んで更に良く観察すると、水溜りの中で何かの生物のようなものが蠢いとる。
ワシは全く詳しくないんじゃがほれ、釣り針の先につける虫が居るじゃろう。
ああいうのが水中をゆっくり移動しとるのが見えた。
本人さん的には恐らく気分の良い環境なんじゃろう。
事前に読んだGoogle Mapsの口コミでは「一応何か湧き出てはいますが…」とのコメントがあったので、この泉源からはある程度の水量の鉱泉が湧き出とらんかと少し期待しとったが、少し眺めておってもなんの変化も見られない。
しかし、何十kmの距離を走ってきた事でもあるし、
雰囲気だけは不思議で灰色な水溜りを見てそのまま帰りました。
ついでに犬神家の人が脚突き出しとるのに似た池も見てきました。
こちらからは以上です。
では自分としては流石に情けない。
じゃからわしはもう少し粘って観察を継続した。
すると出し抜けに水底から「ぶくぶく」と気体が浮き出てきた。
決して吹き出るという勢いではない。
下品との誹りを受けるのを覚悟して敢えて形容するならば、風呂の中で極めて慎重に屁をこいたという感じじゃろう。

おお、これか。
これが塩ノ段鉱泉の湧出か。
気体が一旦浮き出始めると、ある程度定期的にぶくり、ぶくりとしとる。
更に非礼との誹りを恐れず書くならば、これはまさに「屁の間欠泉」ということになろう。
しばらくその様子を眺めておったが、ふと気づいてその様子を動画に撮ることにした。
iPhone(まだまだ6Sで踏ん張っとるヨ)を取り出し、撮影を始めると皮肉なことに屁の間欠泉は力を失い始め、その結果何とか撮れたのはこの動画じゃった。
よおく見て貰えば、1回だけぶくりとしとる様子がわかるはずじゃ。


それに満足したワシは、塩ノ段鉱泉のすぐ横にある怪しげな仏小屋の中に入っとった3体の石仏にお参りをして帰途についた。

各々どのような仏さんかは未確認じゃ
© ill-health(ruephas) 2020

あ、そうじゃ。
一応書いておくが、流石のワシでも、この塩ノ段鉱泉の泉源を舐めてみることは愚か、指を差し入れることさえも憚かられた故、温度も感触も味もわからぬ。
その辺り全く気にしませんよというヒトがもしおられたら、その結果をワシにご報告くだされば嬉しい限りじゃ。

2015年時点での分析表が掲示されておったので、一応それは載せておくよ。

© 御前崎市教育委員会 / 新野公民館
© ill-health(ruephas) 2020



温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
0.0
風情ポイント
4.5
やぎさんポイント
0.0
入浴料
0
温泉コスパ
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2020年9月2日水曜日

温泉に行かない日(457) ぎっくり腰?になってしもうた②

事務所でのドタバタ劇の末、ワシは部下が運転するクルマに載せられて勤め先の近くにある整形外科やリハを得意とする病院に向かう事になった。
事ここに至ってしまうと本日はクルマを運転して帰宅できる可能性は0なので、事務所向かいにある契約駐車場からクルマを出しておかねばならん。
昼間のみの契約のため、夜まで停めると余分にカネがかかってしまう。
ワシ自身は運転できる状況に無いため誰かに出して貰わんといかん。
しかしワシのクルマはご承知の通りスイスポくんであり、トランスミッションは当然マニュアル。
今日日マニュアルトランスミッションのクルマを転がせるヒトは相当に限られておる。
どうするか考えておったら、先程色々段取りをしてくれた常勤役員が来て、
「マニュアル?大丈夫俺が出しといて事務所敷地内の駐車場に入れといてやるよ」
と申し出てくれた。
ありがたい話ではあるが、同時に「大丈夫か?」との疑念が頭をよぎる。
まずこの方はワシより相当エラい職位にある。
そのような人物を使ってワシのクルマ(剰え真っ黄っ黃のスイスポ)を出してもらうのが会社的にどうなのかという点。
次にそれがOKだとしても、果たして運転できるのかという点。
この方は普段某高級ブランドの車に乗っとる。
ワシのサラリーではとても贖えん価格のクルマじゃね。
当然多段式のオートマチックじゃ。
年齢からして限定免許ではないことは明らかじゃけど、免許があるのと乗れるというのは全く関連がない。
しかし四の五の云っておられる状況でもないので思い切ってお願いしてみた。
そしたらアレじゃなあ、自転車とマニュアル車の操作って体が覚えとるんじゃなあ。
全くギクシャク感のない運転でワシのクルマを移動させてくれた。
なかなかかっこいい。
ありがたい話じゃ。
さてスイスポくんも無事救出できたことじゃし、ワシはクルマに乗って病院に向かった。
クルマに乗っとる間に幸か不幸かロキソニンが効き始めてきたようで、先程のような激痛一歩手前な感じの痛みは薄らいできておって、じっとしとれば痛みは感じん程度に治まってきた。
ただ、ギャップを乗り越えたりすると腰が動いて痛みは感じる。
20分ほどで病院についたが、この病院は昨年夏に五十肩と戦った病院じゃ。
冬に入って大分に病状が完全したことと、システム関係の仕事が篦棒に忙しくなったため通院は勝手にやめてしまっておった。
何か云われるかもしれんな。
痛いのを我慢しながらクルマから降り、麦踏みをする爺さんよりも遥かに遅い超低速度でにじにじと歩いて院内に入る。
玄関には若い職員2人がおって、拳銃型の体温計で検温され消毒用アルコールを手に噴霧されてから院内に入る許可を得た。
外来受付に行って診察券と保険証を提示し「さっき電話があったと思いますが」と云うと「はい、上司から伺っております」との回答。
は?上司?
誰だろう。
医事担当の課長あたりならまだいいけど、事務長とかじゃったら何か嫌じゃなあ。
受付を終えて立ったまま問診票を書いとると、再び若いおねえちゃん職員がワシに近寄ってきて「車椅子をご用意します」。
ワシももしかして車椅子の方がいいかなと思っとたんじゃが、一度座ると立てなくなるかもしれんという恐怖のほうが強くずっと立っておったわけじゃ。
しかしまあ親切な申し出をすげなく断るってのもアレじゃから素直に使うことにした。
使ってみると確かに楽じゃった。

診察室に入り色々触診され、結果としては椎間板ヘルニア等の面倒な病名ではないことがわかった。
一般撮影もする必要がなくとりあえず数日鎮痛剤で様子を見ましょうと。
ぎっくり腰というのは俗名で正式には「急性腰痛」ということじゃから、まあワシがかかったのは「ぎっくり腰」なんじゃろうと思う
基本は安静にしておれということじゃが、痛くなければできるだけ普段どおりの生活行動をとった方がいいとのことだったので、翌日は1日休んで、痛みがなく歩けるようであれば近所のコンビニに買い物行く程度の運動はしてみようと思う。
診察が終わり、ロキソニンとモーラステープを院内で貰い受け、バスで事務所に戻った。
机に広げっぱの書類などがあったからじゃ。

片付けたらそのまま帰るつもりじゃったけど、矢張り問題は敷地内駐車場に停めてある真っ黃っ黃のスイスポくんじゃ。
役員用及び来客用としての駐車スペースじゃから何日も停め置くわけにはいかん。
しかも黄色じゃ。
こんな物停めてあったら法人のイメージが傷ついてしまう虞が高い。
こうなれば手は一つしか無い。
ワシの直属上司である部長を経由しておそるおそるお願いしたのは、そう、ワシの直属最高上司たるあの役員じゃ。
結果は「いいよいいよ、俺が運転して◯ちゃんちまで送ってやるよ。◯◯くん(ワシの上司の部長)と2台で行けば帰れるし」
じゃった。

いやあ誠に申し訳ない話じゃ。
デキの悪い部下のためにここまでしてくれるとは本当に素直に感謝じゃ。
恵まれた職場で良かったなあとつくづく思った次第じゃ。

追記①
Sくんによれば、ワシが病院に行ったあと矢張りいっちばんエラい方は「やっぱやつは体操が下手だからああなったんだよ」と冗談で云ってたらしい。
やはりそうなるよなあ、最近は真面目にやってるんだけどなあ。

追記②
病院から帰ると、ワシのクルマのワイパーに「連絡済」と書かれたデカい紙が挟まれておった。

© Y.H / ill-health(ruephas) 2020
こんなことをする男は事務所内で一人しか見当がつかんし、実際見当通り犯人は矢張りその男じゃった。
少し前の温泉に行かない日(450) 職場装着可能顔当ての臨界点を探るで、福助顔当てとか護謨製顔当てを所持しとる妙な男として紹介した人物じゃ。
この人物曰く、
「詳しいことを何も書かずに単に『連絡済』とだけ書いておけば、いついかなる人物がどこに対して何の目的でどういう連絡をしたのかがわからず、結果猜疑心恐怖心の塊と化すから一番効果的なんだ。どうだオマエもビビっただろう」

温泉に行かない日(456) ぎっくり腰?になってしもうた①

昨日の9時過ぎの事じゃ。

ワシは事務所のエラい方々が参加するWEB会議を執り行うための準備をしとった。
ノートPCを小脇に抱え、エラい方々が普段勤務しておられるフロアに上がり、エラい方々が普段会議を開く荘厳な部屋に侵入し、先ずはPCを起こさねばならん。
電源スイッチを押し、壁面に装着されたバカでかいディスプレイに線をつなぎ、WEBカメラとスピーカーとマイクを接続し、あとは今回の会議ホストは社外のヒトであるため、ワシらが普段使っておらんMicrosoftのTeamsなるWEB会議用アプリをインストールしておった。
その時、PCに電源コードが接続されておらんことに気づいたワシは、床に這わせておいた電源タップにPCの電源コードを差し込もうとして腰を曲げた。
しゃがまず、腰を曲げてじゃ。
その瞬間、腰の後ろの部分、お尻の割れ目が始まるすぐ上の広い部位に、激痛一歩手前くらいのまあまあな痛みが走ったわけじゃ。
その際手にしておったのは、電源コードの先っちょのみ。
体勢を少しでも動かすと痛みが走るため、やや屈んだ状態のまま痛みが収まるのを待ったが、痛みはいっかな引く様子を見せん。
いかん、痛くて動けん。
これでは準備ができん。
困ったことに、今回は新しい環境のため事前に先方との接続のテストをせねばならん。
つまり普段より準備時間がかかるが、開催時刻は迫っておる。
更に困ったことに、準備しておる会議室の隣が実はワシの事務所(というか務めとる法人)のいっちばんエラい方の執務室で、現代の経営者らしくコロナの有無は関係なく常に部屋のドアは開かれており、つまりワシの作業の様子は多分筒抜けじゃ。
厄介なのは、その方は月一回行われる朝のラジオ体操の際、
「オマエはラジオ体操が下手だ。やる気が見えん。ダメだ出直せ」
等とワシに必ずダメ出しするという点じゃ。
いや、実はその時期ワシは五十肩を患っておって大きく手を回したり体を後ろに反らせるなどの動きができんかったからなんじゃが、それをいくら説明しても「ちゃんと体操できるようになるまで鍛えろ毎日」と返されるのみ。
そんな方が隣からこっちに来て、腰を屈ませたまま痛みに耐えとる姿を見ればこれは、
「ほらやっぱり見たことか。ラジオ体操もできんやつの哀れな末路がこれじゃ」
等と茶化されること必定であろうことは想像に難くない。
トップの人間が一介の中間管理職をおちょくらなくてもいいのにもう…。
いろいろ困ったワシは、やや屈んだその体勢のまま、数m先にある電話に向けてにじにじと移動していった。
普段なら瞬間移動できる距離を30秒ほどかけて電話にたどり着き、ワシの課のスタッフに電話をかけた。
「あ、ごめんSさん?今大丈夫?あのさあ、今WEBの準備してたらさあ、何かぎっくり腰みたくなっちゃって痛くて動けなくなってさあ、ちょっと来て手伝ってくんないかなあ」
と伝えた。
「へ?マジですか?大丈夫ですか?今行きますね」
ワシはSさんに状況をわかりやすく手早く説明するために「ぎっくり腰」という呼称を用いたが心の中では、
「かなり痛いは痛いけど、まあ一過性のもので所謂『ぎっくり腰』ではないだろう」
と思っとった。
すぐにSさんが飛んで来てくれて、その後驚いたことに間髪置かずワシのセクションに所属する役員クラスの人々が次々に踊り込んできた。
会議室があるフロアで勤務している人々も何事かという感じで部屋に踊り込んできた。
うち一人は薬剤師のライセンスを持つ男であり、元薬剤師らしく机に常備しているロキソニンを手にして「とりあえずこれ飲まなきゃ」とワシにくれた。
ロキソニンありがとうございます助かります。
しかしですね、こんなに大勢がわっと寄ってくるようなそんな感じじゃないんです。
そりゃ確かに痛いは痛いですけどそんな大それた事案ではないんです。
心中そのように思いながらも、それを口に出せる状況では既になくなったことも感じておった。
そしてこれはまずい。
このような騒ぎは大変にまずい。

ほら、やっぱり。

隣の部屋で繰り広げられているドタバタを鋭く感じ取ったうちの一番エラい方が遂に登場しなすった。
「お!オマエどうした。はあ?何だぁぎっくり腰だぁ?◯◯(ワシの名字)大丈夫かぁ?」
「はいスミマセンお見苦しい所をお見せしまして。大丈夫じゃないけど大丈夫です。わたくし、すぐにハケますのでスミマセンご迷惑かけます」
「まあいいけど、無理すんなよ。今日は病院行ってうちで休んどけ」
「はい、そうします。スミマセンスミマセン」
更にはうちのセクションの常勤役員が同じ建物に入っている健保組合の看護師を呼んでくれ症状を見てもらい、矢張り午前のうちに病院に行ったほうがいいだろうとなり、それを聞きつけたワシの上司たる常勤役員が病院に自ら電話を入れてくれ、ワシの上司たる部長が別のスタッフに電話してクルマで病院へ送るよう指示し、ワシは車椅子代わりの会議椅子に乗せられて部長自らがそれを押して表に手配されたクルマまで連れて行ってくれた。

こんなに事を大きくするつもりはまったくなかったんじゃが、そんな自分の思惑に反し、自体はだんだんスラップスティックな方面に拡大していくのであった。

痛い!
© K.U / ill-health(ruephas) 2020

2020年9月1日火曜日

温泉に行かない日(455) 遂に来たか恐怖の垢BAN

ワシゃ年甲斐もなくInstagramなるSNSを使っており、やぎさんや大山くんの素晴らしさを世に広めるべく日夜ド下手な写真を送信しておる。
その世界の中ではあるが、やぎさん関係のお友達も増えとるし、誠に些少ではあるがいいねをいただけることもたまさかにはある。
勿論、ワシがいいねをすることは日常じゃ。

一昨日の話じゃったか、新規フォロワーの申請を頂いたもんじゃからそれを受託すべくボタンを押そうとしたら、変なメッセージが出てボタンを押せん。
それだけではない、かわいいこやぎさんの写真にいいねをしようとしても、ワシが手持ちのかわいいやぎさんの写真をあげようとしても、もう要するに何をしようとしてもこれが出る。


一応書き出してみよう。
しばらくしてからもう一度実行してくださいコミュニティを守るため、特定のアクティビティは禁止されています。このブロックが何らかの間違いであると思われる場合はお知らせください。
なんじゃこりゃ?
これはアレじゃろうか、いわゆる垢BANの前触れなんじゃろうか?
これは要するに、
「を!お前、今、妙なことをやりくさったな。こんなことばっかやったらテメエ、そのうち垢BAN食らわせるぞ」
というのの婉曲表現であるのは間違いないところじゃろう。
しかし、ワシとしては友達申請を許諾したり、いいねしようとしたり写真を掲載しようとしているだけであって、それらがコミュニティを乱したり破壊せしめるような行為とはとても思えん。
であるがしかし、Instagramの中の人は「コミュニティを守るため」それらの行為を排除しようとしておる。
そりゃ勿論アレじゃよ、児童ぽるのの写真をあげようとしたり、投稿者をボロカスにけなすコメントを書こうとしたり、そのような行為であらば阻止するに問題はない。
しかしワシは既に書いたとおり、いいねをしようとしたり、お友達の許可をしようとしたり、やぎさんの写真を載せようとしとるだけじゃ。
世の中にはやぎさんが嫌いだと言う人も中にはおるかもしれんが、それでもしかしやぎさんの写真をInstagramに載せるのが反社会的若しくは犯罪的行為とはとても思えん。
いいねをするのがダメじゃとは何をか言わんや、じゃ。
それらがダメなら、それはそもそもInstagramそのものを自ら否定することになること、これは自明の理じゃろう。

ということで、これは垢BANの前触れではなく、単にInstagramの中の人の暴走じゃろうと見当を付けたワシは、蜘蛛の巣の世界を探し始めるとすぐに、ワシと同じようなつらい思いを抱いとるご同胞を見つけることが出来た。
それによれば2020年7月16日位から、ワシと同じようなエラーが全世界で発生し始めており、原因としては多分Instagramの仕様変更の影響じゃろうと。
対応としては「しばらく様子を見ろ」。
「しばらく様子を見る」などという消極的な対応はワシが最も忌み嫌うところじゃから、他に何か手立ては無いかと更にシツコク探してみると、
「もし自分のプロフィールに何かのURLを書いているのであらば、即刻それを消せ。さすればこの妙なエラー地獄は霧散するであろう」
なる解決策を提示しておる善人がおった。
確かにワシのプロフィールにはこのブログのURLが貼り付けられておる。
物は試しとそのURLを削除してみた所あら不思議、Instagramの挙動は正常に復したのじゃった。

全くはた迷惑な話じゃ。
仕様変更するのは良いが、テスト環境を使って充分な検証を行ってからリリースしなさい全くFacebook社め。

そしてまた矢張り、プロフィールにはこのブログのURLを貼り付けておきたい。
早く根っこから正常に戻しなされ。