A:
ちょっと小便をしてくる
小便か…、死語だ。
D:
おう。
してこい。
A:
いわゆるしっこだ。
ところで「大便」は生き残ってるのに「小便」は死語だ。
D:
うーん…
「小便器」
なら、生きてる気がするが。
A:
貴様は既に死んでいる
D:
ぐわっ!
A:
いや、マジで死んでる
小便器って、最近ホントに聞かないよなぁ。
D:
言わないか。
聞かないな、うむ。
口語では言わないが、文語体でも書かないか
書かないな。
A:
では、小便器のことはなんと言う?
大便器は?
つまり、男子にとってはそれら全体として、トイレだ
それらを区別しない。
D:
うーん。
A:
ふうむ。
これって結構説明しづらいな。
D:
説明しづらいのか。
では、死語認定とするか?
A:
いやまて。
女子は、便器はひとつ
男子は、二種類だ。
D:
そうだな。
A:
で、小学生くらいだと。
D:
何だ。
A:
男子が学校でクソするというのは、ほぼ死刑判決、犯罪視されていた。
D:
確かにそのとおりだ。
笑。
A:
男子は小便器だけしかありえないんだ、観念としてな。
あ、思い出した。
D:
なんだ?
A:
そうだ、アサガオと言っていたぞ。
小便器のことだ。
D:
おおおお!
あったな、確かにそんな呼び名。
A:
で、多分、その感性が今も脈々と続いていて、
大便器を個別的に呼称することが、
D:
ふむ。
A:
禁忌とされているというか、
D:
ああ、小学生の犯罪感覚か?
A:
そう。
うんこしてることの犯罪性を隠蔽するために、総体として、大小ひっくるめて「トイレ」という呼称になっているというか。
言いたいことわかるか。
D:
ふむ。
わかるぞ。
敢えて曖昧にしているというか。
タブーというとおおげさだが、
はっきりさせない。
死刑判決にならないように。
A:
うん。
学校でうんこは即ち「死」だ。
ゴルゴに狙われるより確実な死だ。
したがって未だに、オッサンでさえ、所属する組織の中でうんこするのは…
D:
してるだろ。
A:
してることは否定しない。
しかし、若人とオッサンの排便感、或いは排便観は自ずと異なっているようだ。
実際今日も、おれは部下たちに「ちょっと下痢気味なんで席外す」と言ってひと下痢してきたが、別部署のヤツ、あいつ、ほらあの若くてカッコいいやつは、果たしてどうかなぁ?
D:
わはは。
確かに言えんかもだ。
いえないだろうな。
いや、お腹壊してるというのは、割合イケるかも
A:
ざまあ。
そうでないときは言えないだろ。
オレは言えるぜ。
でも健全な大便しか放り出せない時は、逆に恥ずかしいよな。
ん?おかしいなこれ。
なんで恥ずかしいんだ?
普通にもよおしてるだけなのに、
「お腹壊してる、下痢気味なんです」
と言って席を立つ。
みんなが同情する。
一方、
「固形便だしますから、トイレ行きます」
みんなが嘲笑する。
どっちが正しいんだ?
D:
笑笑笑
A:
これは凄い価値論争に成るぞ。
お腹壊してると、犯罪でなくなる。
やむを得ない認定がされる。
正常な排便が犯罪視される。
どっちが正しい?
倫理的、生理的、観念的にどっちが正しい?
D:
やはり前者の方が、やむを得ない感がにじみ出ている。
A:
だよなあ
そういう意味で、前者に正義がある
犯罪を犯したがやむを得ない理由があった。
D:
そう。
A:
よって執行猶予。
D:
そのとおりだ
A:
後者、つまり固形のやつは確信犯だ。
ある意味、◯◯◯的犯罪状態だ
要するに禁錮だ。
固形便のやつは、全員禁錮だな。
D:
うむ。
A:
大変有意義な考察ができたぞ。
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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。