2019年9月8日日曜日

温泉に行かない日(392) 遠鉄バス44系統(渋川線)で渋川儀光まで行ってみる(2)

コンパクトながら可成り凶暴な威力を持っておるらしい台風15号の動向が気になったが、取り敢えず今夜迄は大丈夫らしいとの情報を得たため、本日渋川線完乗を敢行することにした。
完乗というからには始発から終点まで乗らねばならん。
即ち、44系統を浜松駅から渋川儀光まで乗り通さねばならん。
実はワシの住処は本日完乗予定の路線の途中にある。
じゃから「終点の渋川儀光まで行く」事が目的ならば家の近くから乗れば合理的と言えようが、今回目的はあくまで完乗。
じゃからワシは家を出て逆方向にある浜松駅までわざわざ出向いた。
尋常なことではないが、趣味というのはまあこんなものであろう。
念の為、前回ポストでご紹介した路線図を今一度掲載しとく。



まるで一匹の白蛇のような感じじゃ。

浜松駅バスターミナル15番乗り場が44系統が出発する場所じゃからそこに行った。
この乗り場からは44系統を含め、40系統気賀三ヶ日行きなどのバスが頻発しとる

相変わらず写真が下手っぴいですまんのう
© ill-health(ruephas) 2019
バスが来るまで時間があったので、時刻表横に掲示されとる路線・運賃図を見とったんじゃが、その文字を見て驚いた。

浜松駅からの経路と運賃
690円の一点張り状態
© ill-health(ruephas) 2019
浜松駅から井伊谷まではどんどん運賃が上がっとるが、その次の上町から終点の渋川儀光迄はず〜っと690円と書いてある。
これは一体どういう事じゃろうか?
果たして他の系統はどうなっとるんじゃろうかと思って、比較的長い距離を走る路線を見てみたら、全て690円を上限とした運賃となっとることがわかった。
そういやあ以前までは、遠鉄バス諸路線の中で(多分)最も最長である40系統気賀三ヶ日行きバスの運賃箱に、両替用とは別に運賃支払い用の千円札投入口があったんじゃけど最近はとんと見かけんかった事に気づいた。
帰ってから調べてみると、何だか「上限運賃制度」というのがあって、コトバンクによれば、
「鉄道や、乗合バスなどにおいて、運賃の上限を決め、それを上回る運賃の設定はできないが、それ以下であれば柔軟に運賃の設定ができるようにする制度」
であり、
「従来の運賃規制においては、総括原価主義によって決定された運賃のみで交通サービスの提供が行われており、これは事業者の経営努力のインセンティブを削ぐという欠点があった。しかし、上限運賃制度を採用すると、企業に利潤動機が生まれ、経営努力のインセンティブを与えることができる。また運賃設定の自由度が高まるので、市場の変化に機動的に対応できるという利点がある」
との事じゃ。
ホントむつかしすぎてワシにはさっぱりわからんが、まあ云ってみれば医療における「まるめ」(DPC)のようなもんかも知れん。
更に調べると、この制度が適用される前の渋川儀光までの運賃は1400円を優に超えとったらしい。
道理で運賃支払用千円札投入口が消えたわけじゃ。
なるほど。
しかして今じゃ半額以下の690円で乗り通せる。
有り難いような申し訳ないような気分じゃ。

また時刻表の横には路線図とは他にこんな案内も掲示されとった。

う〜む仕方ないとは云え
実際見ると寂しいもんじゃ
© ill-health(ruephas) 2019
誠に残念じゃが、これもご時世じゃ。
仕方ない事なんじゃろう
さて、ワシの乗るバスは11時55分発じゃ(低床バス運行)。
発車予定時刻の数分前に15番乗り場にバスがすいっと入ってきた。

まだLED化されておらん乗降口横の方向幕
バス正面はLED化されとるよ
写真が下手っぴいですまんな謝るわい
© ill-health(ruephas) 2019
これだけ見ると終点は渋川儀光の手前の渋川のように見えるが、実際にはちゃんと渋川儀光まで行く。
ナイスパスを乗車口横の機械に当ててバスに乗り込む。
乗車口やや後方に席を取り、さていよいよ出発じゃ。
始発の浜松駅の時点での乗客数は全部で7人で、多いのか少ないのかよくわからん。
平日じゃともっと多いのか、日曜日じゃから7人でも少ないのかさっぱりわからん。
まあよい。
7人を乗せたバスは定刻通り浜松駅を発車した。
ざっと見た所ワシ以外の乗客は所謂「マトモな乗客」のようで、「乗ることだけを目的に乗る」というようなおかしな客はワシだけのようじゃ。

さて数少ない読者諸賢よ。
諸賢はこの先、宮脇俊三ばりの紀行文を期待されとるかも知れん。
しかし告白するならば、そんなものは一切出てこん。
拍子抜けかい?
だって、路線バスでそんなドラマチックな展開なんかあるわけ無いじゃろ。
まあ強いて言うなら、
  • この路線の途中にはかわいいやぎさんがおってお気に入りのお好み焼き さわ田があるから車窓越しにやぎさんたちが見えるかと期待しとったのに休業でなんもおらんかった。
  • 伊平付近から明らかにワシと同類の客が乗車してきて、大いちょう前で下車した。
  • スズキアルトに乗った撮り鉄ならぬ撮りバスみたいな人がパパラッチのごとくバスを追いかけ先回りしてしきりにバスの写真を撮っとった。
  • 途中に「ちんだ」「ちんだ峠」という少しくエッチっぽい名前のバス停があるが、その地名の正式な書き方が「珍撓」「珍撓峠」であることが判明した(珍撓峠を越える林道珍撓線をロードバイクで踏破した人がおる。詳細はこちら参照)。
くらいのもんで、あとは特に何もなく只々ひたすらバスに乗っとっただけじゃ。
現実なんてそんなもんじゃ。
という事で、1時間30分乗車して終点渋川儀光に無事着いた。

終点 渋川儀光バス停
バス停標と蜘蛛の巣が張った待合小屋
この風景も今月いっぱいで終了
© ill-health(ruephas) 2019

時刻表
1日4便で通学対応と思われるが
お子さん方はおられるんじゃろうか
© ill-health(ruephas) 2019
ところで終点の渋川儀光には、はっきり言ってなにもない。
数件民家があるようじゃったけど、その他にはホントになにもない。
渋川の中心地は2つ前の渋川大いちょう前か1つ前の渋川のバス停のあたりで、その大いちょう前バス停のすぐ横にはバスを停めて運転士が休憩できる施設もある。
なのに何でその先にある周りにイベント観光要素が一切何もない渋川儀光までバスを通しとるかと云うと、これは想像じゃが恐らく「儀光温泉」が理由じゃと思う。
実はこのブログを始める遥か前、2004年の7月初めにその儀光温泉に来とる。
その時の本来の目的は「渋川温泉 湯元館」に入ることだったんじゃけど、実際渋川温泉に訪れてみたら「6月末に閉館しました」というような貼り紙がしてあった。
くっそお僅か僅か本当に僅か数日の差で入りそこねたか!と残念がったんじゃが、諦めきれずにそこらに掲示してあった観光案内図のようなものをチェックしてみたら、渋川温泉とは別に儀光温泉というとこもあることがわかった。
これは行かねばと思い実際に行ってみた。[1]
入り口には確か「儀光温泉」と大書されたアーチのようなものもあったような記憶じゃ。
そのアーチをくぐり敷地に入って見てみると儀光温泉は一軒宿のようで、扉は閉まっとった。
呼び鈴を鳴らし、出てきた人に「日帰り温泉やってますか」と問うた所、結構冷たい感じで「いやウチはやってない」とお断りされて帰ったという体験をしとる。
ああもう15年も前の話かぁ。
思えば遠くに来たもんじゃなあ。
その儀光温泉はどうなっとるんじゃろうかとあたりをウロウロ探してみたが、そのアーチのようなものが見つからん。
多分もう廃業しとると思われる。
ワシのブログ仲間になってもらっておる山神さんが2014年に書かれておる記事でも「やっとるかどうかよくわからん」となっておるし。
儀光温泉は恐らく廃業と確認し、浜松駅に戻るバスが発車するまで1時間あるため周辺を散策することにした。
バスで来たし今日はとても暑いし、もし酒屋があればビールを購入しグイと飲み干そうと思ったが開いておる店はない。
渋川つつじ公園というところがあるので、そこに行ってベンチに腰掛けて持ってきた握り飯でも食おうと行ってみたが、結構な急坂を登っていかねばならんことが判明したため断念。
大いちょう前方面に戻り、凱旋門(浜松にもあるんじゃよ)に行って日陰になっとって涼しい風が吹いてくる階段に腰掛けて握り飯を食った。

これが渋川の凱旋門
国内に「凱旋門」は数箇所しか
ないらしい
凱旋門越しに例の恐ろしい看板が見える
© ill-health(ruephas) 2019
地獄は永遠の苦しみ…、か
スミマセン謝る許してジーザス
© ill-health(ruephas) 2019
なんだかんだしとると、あっという間に1時間が経過してバスに乗る時間となった。
凱旋門を後にして大いちょうを拝んでから始発の渋川儀光バス停に戻る。

これが大いちょう
凱旋門のある六所神社の御神木
© ill-health(ruephas) 2019
バス停まで戻る途中、こんな看板を見つけた。

廃業した2004年以降も交通安全を叫ぶ渋川温泉
電話番号をボカそうかどうか悩みましたがそのままで
© ill-health(ruephas) 2019
先程乗ってきたバスを運転しとった同じ人が運転する先程乗った同じナンバーのバスがやってきて、ワシはそれに乗り込んだ。
因みに先程大いちょう前で降りたワシの同類もバスに乗り込んだ。
再び1時間30分バスに揺られて浜松駅に到着。
はい、ということで今回はこれにて終了。

渋川でももう稲刈りが進んどった
誠にご苦労さまなことじゃ
© ill-health(ruephas) 2019

屋外における女湯の実例
期待を込めて暖簾をめくってみたが…
© ill-health(ruephas) 2019

野菜販売所でした、くっそお
おいもさんもピーマンも1袋100円でした
© ill-health(ruephas) 2019
[1]
儀光温泉に行ったことは確実な事実ですが、時期的にはもしかして渋川温泉に行った2004年ではなく、数年後に改めて出直した可能性もあります。
う〜ん、実は記憶がはっきりしておりません。

4 件のコメント:

  1. 毎度です
    渋川温泉も儀光温泉もすでに閉鎖しておりますね
    儀光温泉のわたくしの記事にコメントくれた方が教えてくれましたよ
    (もう数年前の話になりますが)
    ちなみにわたくしも風の湯記事にしてますよ
    眉毛のあるアヒル見つけてますw

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    1. どうもこんにちは山神さま。
      儀光温泉には入ってみたかったですが、やはり廃業してましたか…
      この手の場所にあるこの手の温泉宿は、もうやっていけないんでしょうなあ。
      風の湯の眉毛アヒル、見つけたんですね。
      わたし、発見したときは結構狂喜乱舞してました。
      一人しかいない浴室内でね。

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  2. はじめまして(^^)
    浜松駅から「てんてんゴーしぶ川」までの
    公共の乗り物を死にものぐるいで探していて
    こちらの記事に辿り着きました。

    たいへんたいへん参考になりました(^^;
    感謝の気持ちでいっぱいです笑
    ありがとうございました。

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    1. こんにちは。
      現在この路線は途中の伊平車庫前まで行ってます。
      https://goo.gl/maps/8cUF1JcLM4uvcNfBA
      その先についての現状は詳しくないのですが、もしかしてオンデマンドのコミュニティバスが走ってるかもしれませんが、見つけられませんでした。
      何でしたら、指摘交通機関ですが、伊平からてんてんゴーまで私のクルマで送りましょうか?

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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。