A:
大変なことが起きた。
円周率がついに割り切れたようだ。
D:
西岡[1]さんがかわいそうだ。
君は円周率を暗記していたか。
A:
3だ。
D:
ゆとり世代か!
A:
オレはゆとりではない。
本当に3とおぼえていた。
D:
うを⁉️
どーなってんだ、◯◯県[2]の義務教育は!
A:
さっきニュース見て、
「あとに数字がこんなに続くんだあ」
って思った。
これは本当だ。
14かあ。
D:
わたしも3.14までしか覚えていない。
A:
14というのは今ニュース見てわかって、それでも14迄しか覚えられなかった。
今な。
まて!
D:
何だ?
A:
15だ。
3.15だ。
その後が16か。
すげえな、下4桁もあるのか。
D:
3.141516?
ほんとうに?
そんな規則正しい?
A:
違うぞ。
今見なおしたら、3.15だった
今覚えた。
3.1516だ。
あとは覚えられん。
D:
いやいやいや、3.14…続く
だ
A:
え、でも、
「同大の発表では円周率は『3.151673980』。3.1415・・・と続く、従来考えられていた数値は全くの誤りで、早急に修正が必要だという。」
だぞ。
15だろ。
D:
そうだった。
うん。
A:
でもそんなのどうでも良くて、要するに3でイイような気がするが。
D:
ゆとり世代だ。
A:
だから、オレはゆとりではない。
今も昔もゆとりなどない。
しかしそれはさておき、意味を見いだせるのは3までだぞ。
いや、それは嘘だ。
その3にも意味が見出せないことを表明せざるをえないのは屈辱だ
でもまあ3でいいぞ。
D:
わかった。
A:
よしじゃあ今日から3だ。
君は3で困った事があるか?
D:
ないな。
A:
そうだろ。
オレは場合によっては2でも大丈夫だ。
D:
大胆な!
A:
いや、オレはいつでも2でおっけだ。
D:
うむ。
確かにわたしの人生においても、それでも困らないことに今気づいた。
A:
だったら思い切って1はどうだ。
D:
よし
A:
それでいくか。
抑、円周率って何を何でかけたら出てくるかというのも分からないしな。
意味を忘れている。
よく考えたら、直径と半径だったはずだ。
それらをかけると1.5か最悪3になるはずだ。
そんなんだったらもう1.5でいいだろ。
半径✕直径=1.5
これで決まりだ。
D:
調べたぞ、わかった。
A:
お、どうだ?
正解は何だ?
D:
しかし、もう1.5でいい。
A:
諦めるな。
正解は何だ?
D:
正解は、直径と円周の比率だ。
A:
へ?
D:
へ?
A:
直径と遠州の比率?
じゃあ聞くが、
D:
なんだ?
遠州って、クソ、演習、くそ、円周って丸いのの周りの長坂?
長さか?
D:
そうだ。
A:
それをどうやって測るんだ?
定規か?
D:
メジャーだ。
巻尺ともいうな。
A:
よし。
巻き尺で測る。
直径って円の中のデカさのことだろ。
それはわかる
D:
うむ。
A:
それも巻き尺か?
D:
いや、それは定規でもいい。
巻尺でもよい。
定規のほうが測りやすいから定規だ。
A:
よし。
で、測った。
で、なんだっけ?
D:
おい。
記憶力は大丈夫か?
A:
まてまて、問題が発生した。
楕円の場合は、円のデカさはどうなる?
D:
そんな!
A:
長いのと短いのがあるぞ。
難問だ。
実際の長さは巻き尺で何とか測れるとしても、計算に使うのは長いのと短いののどっちなんだろう?
D:
ありとあらゆる長さのけいだ。
A:
ああ、足していくのか
ありとあらゆる長さの径があるんだろ?
足さないのか?
D:
足さない足さない。
A:
ふうむ…
つまり「あり」と「あらゆる」のどっちを選ぶべきかってことだな。
D:
そうきたか。
A:
いや、それは簡単だ。
どっちか好きな方を選べってことだろうな。
気分による。
今日は疲れてて出来るだけさっさと済ませたいときはシンプルでショートサイズな「あり」の方、つまり短いほうだ。
余裕のあるリッチな中高年は時間をじっくりかけて長い方、要するに「あらゆる」を選ぶだろうな。
パイプとか葉巻をくゆらせながら、
「うん、今日の『あらゆる』はちょっと奥が深くて味わい深いな」
D:
そうだろうな。
A:
でも結局、円周とかデカいのとか短いのを巻き尺で測って掛けたり足したり割ったりしてそれが何だとオレは言いたい。
1でいい。
[1]
円周率を5万4千桁も覚えたと言われる度外れ超人のこと。
[2]
Aが小学校から高校まで過ごした中部の某県。
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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。