2025年3月7日金曜日

温泉に行かない日(554) 温泉銭湯データDB化に伴って思うこと(廃業が多いなあ)

今回は短文。
先日書いたように、温/泉/週/記Mapに登録している800ヵ所弱の温泉銭湯データをGoogleスプレッドシートに再集計するというような作業を進めておる。
初期に登録しているのは14年くらい前の2011年のことじゃから、今あらためて見るといろんな変化があるのがわかる。
変化というと聞こえがいいが、ズバッと書くならば結構廃業してしまっている温泉銭湯が非常に多いということじゃ。
ワシが地元の静岡県西部にはかつて知る限りでは6ヶ所の銭湯(昔ながらの銭湯。堅苦しく言うと公衆浴場法で規定する「一般公衆浴場」)があったが、現時点ではみよし湯みどり湯だけになってしまった。
そんな傾向が当たり前じゃが全国的に見られると言うことじゃろう。
本日時点でリストに移し終えた361ヶ所の温泉銭湯のうち、1回でも入ったことがあるのが119ヶ所、その中で残念ながら潰れてしまっているのは41ヵ所。
公開している温/泉/週/記Mapリストで、適当にフィルタをかけてみてくれたら確認できる(ちなみにこういうときにDB化しておくと便利は便利じゃな)。
それで、119ヶ所に対する廃業割合は実に34.5%。
意外に高いという印象じゃ。

調べる前は銭湯の廃業率が高いじゃろうと思ったがそうでもなく、スーパー銭湯など(堅苦しく言うと公衆浴場法で規定する「その他の公衆浴場」)や宿泊施設で日帰り入浴OKなところが施設ごと廃業している件数が意外に多い。
当然ながら、燃料などの物価や修繕費など施設維持費の高騰、後継者不足などが原因じゃろうけどその他各施設の個別的な事情や地域状況もあるかと思う。
逆にしっかり生き残っている施設もあり、その違いは何か、温泉銭湯の専門家や大学の地域学あたりの先生は是非調べてほしい。

ワシが現在住んでいる奈良近辺には、調べた範囲では昔ながらの銭湯が4ヵ所あるが、そのうち近鉄奈良駅からほど近いところにあった「大西湯」というところが最近廃業してしまって残りは3ヵ所。
また、市内にはかつてそこそこの共同浴場があったみたいじゃけどほぼ全滅したようじゃ。

時代の流れとかのせいかもしれないけど、温泉銭湯施設の廃業は新規参入数より多分多くて、全体ではすこしづつ減っていくものと思う。
奈良での勤務は期間限定なので、その間に行けるところには行っとかないとだめだなあと感じた。

京都駅八条口からすぐにあった九重湯が解体されている
2016年3月4日
九重湯(2) *廃業*
photo © y/ill-health 2016 / 2025

かつての九重湯
2013年3月20日
九重湯(1)
© ill-health(ruephas) 2013 / 2025

2025年3月2日日曜日

入之波温泉 山鳩湯(1)

先週は吉野温泉元湯(奈良県吉野郡吉野町吉野山902-1:0746-32-3061:¥800:11:00〜15:00:駐車場4台くらい)に行ったんじゃが、その後暫くの間、お肌の調子がちょっと良いことが実感できとる。
温泉にもよるじゃろうが効能が実感できる温泉はやはり存在するなあ。
これに味をしめたワシは、この週末にも別の温泉に行こうと決めた。
奈良に引っ越してきてすぐに温泉銭湯事情を調べたんじゃが、今回はその中でちょっと気になっとったとこにしよう。
かつその温泉は勤め先の上司が激推ししとって、先日も「行くならもうここしかないで。すごいでここ」(嘘くさい関西弁ですまん謝るわい)と熱く語ってくれた温泉でもある。
ということで昨日訪れたのは    入之波温泉 山鳩湯(奈良県吉野郡川上村入之波391:0746-54-0262:¥900:10:00〜17:00:店の前に4台・少し離れたところに7〜8台)じゃ。
「なあA君。ここな、入るに之に波って書くけどどう読むか知っとるか」
「はあ、そりゃ『いりのは』でしょ」
「ちゃうんや。これで『しおのは』(Shionoha)って読むんや。すげえだろ」
「ははあ。しおのは、ですか?そりゃ読めないですね。マジですか」
「当たり前じゃ」
と、まるで我が所有する温泉かの如く自慢げに喋った通り、ここは「しおのはおんせんやまばとそう」と読む、まあ偶にある難読温泉名が冠された温泉。
ちなみに入之波は地名由来じゃ。

アパートからクルマで約1時間30分。
吉野から大台ケ原方面に向かう方面にある。
途中、大山くんが祀られとる十二所神社(奈良県吉野郡川上村寺尾110)と丹生川上神社上社(奈良県吉野郡川上村迫869‐1:大山くんは本体におる他、筆頭摂社にもおる)に寄ってお参りしてから、営業開始の10時ぴったりに現地着。
お店の前にある駐車場はすでに4台停められとって満車。
ワシは少し離れたところにある第2駐車場に停めた。
橋を渡って建屋に向かい階段を降りると受付があり、そこで料金を支払い、更に階段を結構降りていったところに温泉入口がある。
暖簾くぐって脱衣室に入るとコインリターン式のロッカー完備でありがたい。
タオルを持って浴室に入ると、こりゃすごい。
浴槽に温泉成分がびっしりがっしり付着しとって、もとの浴槽地肌が見えん。
元々は木製の浴槽らしいんじゃが、石製の浴槽にしか見えん。
温泉は濃い茶色で、まだ誰も入っとらんせいかお湯にはカルシウム分?炭酸の泡?のような白いものが浮いとる(一人入るとやがて消えてしまった)。
シャワーで体を軽く洗ってから温泉でかかり湯をすると、ワシにとっては極めて適温。
つまりだいぶぬるめのお湯でこれは嬉しい。
ワシは内湯に入る前にまず外湯に入ることにした。
内湯にあるドアを開けて外湯の浴槽に行くと、いやあこっちもすごい浴槽。
曲線デザインの変わった形の浴槽で温泉成分がびっしり。
温泉は外湯より少し高い場所に位置しとる内湯のオーバーフローを使って供給されとる。
内湯から外湯への温泉流れ込みのところには、その飛沫により温泉成分トンネルのようなものが自然形成されちゃっとる。
これはちょっと形状を説明しづらいので、実物をぜひ見てほしい。
そして外湯浴槽からは内湯から供給されとる温泉と同じ量がそのままザバザバ外に流れ出とる。
完全かけ流し。
加温はしとるようじゃが加水はしてないらしいのでつまり源泉かけ流し。
この濃い温泉がそのままだばだば吉野川に捨てられとるわけじゃ。
捨てた温泉を流している辺りはやはり茶色に染まっとる。
すげえなあ。
外湯は内湯のオーバーフローをそのまま利用しとるから内湯より若干温度が低く、これは本当にワシにとって好都合。
これなら途中浴槽から出て体を冷ます必要はなく、ずっと入り続けられる。
外湯の浴槽は決して広いわけではなく、そうだなあ最大5人ベスト2人位。
先客が1人いたため最初はベスト人数での入浴じゃったが、しばらくすると3人ほど来たので最大人数の入浴状態になったが、いずれも寡黙なおっさんやジジイだったので静かに入浴できた。
外湯に30分浸かりっぱなしで温泉を味わい、その後広い内湯に移った。
温泉の色が濃いため浴槽内の段差などの様子が全く見えん。
恐る恐る足を差し入れゆっくり浴槽に入った。
そこで更に30分。
内湯の浴槽は深めで浴槽の底に直接尻を下ろすことは出来んが、窓側ではなく洗い場側には尻を引っ掛けられるようになっとるので寛げる。
温まる泉質のようで、内湯外湯合わせて1時間経つとぬる湯好きなワシでも流石に汗が少し流れるようになってきた。

もっと入っていたいが、その手前で出るのが肝要じゃ。
そうしておけば再訪しやすい。
最初から完全に堪能してしまうと足が遠ざかってしまう気がする。
再訪するためにワシは浴槽から出て、温泉限定ラベルを貼った日本酒を1本買い求めてから帰宅の途についた。

オリジナルラベルの日本酒
デザインから分かる通り中身は八咫烏
吉野の地酒です
© ill-health(ruephas) 2025

ここは基本は宿泊施設じゃから泊まることもできる。
また食事処もあってメニューも充実しとる。
どうやら釜飯が有名らしいので次回はそれも楽しむかな。
それとも泊まってお酒も楽しむかな。


温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
5.0
風情ポイント
4.5
やぎさんポイント
0.0
入浴料
900
温泉コスパ
1.1