2018年9月25日火曜日

温泉に行かない日(347) 長島ダムともう1ヶ所(2)

長島ダムの件をウェブで調べとると、その長島ダムの上流にある井川ダムによる湖に渡船があることが判明したなあ。
静岡市営の渡船であり、基本的には本村という静岡市役所井川支所近くにある乗船場と井川ダム間の定期航路を中心にして運行されてます。

どうやら周遊航路もやっているらしいですが、少なくとも2018年9月現在は運行されてません(要問合せ)。
この渡船にはこれらだけではなく、もう一つ航路がある。
それは、本村の対岸にある宮向への航路じゃ。
本村、宮向間は決まったダイヤ(っていうのかな、船関係でも)はなく随時運行、つまりお願い(軽い交渉)すれば、まあ宮向に連れてってくれます。

わたしを宮向につれてって!

ってことで長島ダムをあとにして更に畑薙方面に向けて走り、なまっちろい井川大仏を過ぎて暫くすると静岡市葵区役所井川支所がちょいとわかりにくい場所にあります。
そこに車を停めて井川湖方面に数分歩くと乗船場の係員詰め所があり、その先湖に向かって少し歩くと船着き場であります。

これが本村側の乗船場でバス停までありますな
写真にはないけどすぐ横に船員の詰め所があって
宮向に行くためには詰め所で乗船をお願いします

© ill-health(ruephas) 2018
上記の通り、詰め所に詰めてる方に恥ずかしがらずにお願いすると、多分「こいつ物好きなおっさんじゃのう」と思われつつありも船に乗せてくれて、な〜んもない宮向まで船で渡してくれます。

これが渡し船で結構デカい
船名は明石丸
もう一艘小さな船がありますがこちらに
乗せてもらいました

© ill-health(ruephas) 2018
航行時間は約10分。
もうあっという間。
着いた対岸の宮向には船着き場はまったくなく、船は舳先を直接岸にずざっと突っ込んで、その船首にある梯子でワシは岸辺にランディング。
ワシを岸辺におろした船は素早く踵を返し、本村に帰っていきます。

説明があとになって恐縮じゃけど、何故にしてこんな航路を体験しようと思ったかと云えば、宮向から本村方面へこの渡船に乗ろうと思う旅人は、船着き場に装備されし赤旗を掲げると本村から迎えに来てくれると静岡市の公式ウェブサイトに書かれているからであります。

赤旗を掲げれば船が来る。
ワシだけのために船が来る。
こんな体験が出来るのは、日本広しと云えども恐らくここだけではあるまいか(調べたわけではないが)。
これは是非体験すべきであろう。
やらないという選択肢は全くありえないと断じて良かろう。
で、乗った。
で、船は帰っていった……

自ら望んだ状況とは云え、いくつかの表示物とか昔は待合場所だったと思われる朽ち果てた構造物以外の人工物が殆どな〜んもない岸に取り残され、剰え自分が乗ってきた船が舳先をもと来た方向に向けてさっさと帰っていく姿を見ると、嘗ての俊寛もかくやと思われるちょっとした絶望感のようなものを体験できます。
つまりですねえ、IF今この瞬間に天災か何かが起こって船の運行が長期間止まってしまったと思いねえ。

これは辛いや。

宮向船着き場から車を停めてある本村乗船場まで井川湖の北側をぐるりと回って約12km、状況が通常ならば時間にして約4時間の行程を、それ以上の時間を徒歩で突破せねばなりません。

とかなんとか不安な想像を必要以上に膨らませながら、去りゆく船を可成り寂しい気持ちで見送りつつ、とりあえず写真撮ります。

旅情もへったくれもなくただ事務的に本村方面へ
取って返す明石丸
この寂寞感は何だろうか
© ill-health(ruephas) 2018
ここが宮向船着き場であることを示す掲示と、赤旗を掲げるポール。
廃墟と化した(多分)かつての待合所。

船着き場からいきなり急な勾配があり
そこにはここが船着き場であることを
記した掲示と赤旗掲揚用のポールが
© ill-health(ruephas) 2018

掲示の内容読めますかね
ほらちゃんと書いてあるでしょ
赤旗掲げれば迎えに来るよって
すげえ
© ill-health(ruephas) 2018

これが問題の赤旗
長年の酷使に伴い可成りのくたびれっぷり
© ill-health(ruephas) 2018
それらを写真に収め、船着き場から崖に続く細い山道を少し歩くと仏像が3体と「大日古道」と大書された掲示看板があります。
そこには、
「さあ、気分は持子か修験者か。峠までルンルンの6kmです。」
等と書かれておる。

ルンルン、か…

この道の荒れっぷりと勾配のキツさではとてもルンルンできそうもない。
そもそもそれをやるために船に乗ったわけではないので。

この道をルンルン歩ける方とは友人関係を
断ち切ろうと思う
© ill-health(ruephas) 2018
で、10分も滞在すればもうやることは何にもなく、少し湿った岸辺にへたりこんで井川湖を眺めたりお茶飲んだりしてました。
さあもう帰ろう、帰らねばならん。

本来ならばここでワシとしては赤旗ポールに歩み寄り、その赤旗を力強く掲げるべきであります。
しかし、正直に告白しますと実は下船時に船員さんから、
「少ししたら迎えに来てあげるからね」
とのお言葉を頂戴してしまっておったのであった。

くううううう。

ワシの目的は船に乗ることでもなく、宮向に行くことでもなく、赤旗を掲げて船を呼ぶというのが目的じゃったのに、既に下船時に先手を越されてしまっておったんじゃよ。
もしあなたが強心臓の持ち主ならば、
「いや船員さん。私としては赤旗を振ったら船が来るという異次元な体験をしに来たんですよ。ですので赤旗掲げるまで暫く待っていて貰えませんか」
と言えるだろうよ。
だがワシには云えんかった。
船員さん的には恐らく、
「ははあんこいつ、タダで船に乗れると聞いて来たんだな。くっそう面倒な仕事増やしやがって」
というように乗船そのものが目的であると考えていたに違いなく、まさか「赤旗を振る」ことが目的であるなんて思ってもいないだろうから。
かつ、乗船料はタダでありますから、無理は言えない感じもあります。
ということで、赤旗を振ることもなく寂しい気持ちでこの場を去ったのでありました。
まっこと、竜頭蛇尾とはこの事。
すんませんでした。

もしあなたが「赤旗を振って船を呼ぶ」ことが心底やりたい人で、かつ気の弱い人であるならば、静岡市南アルプスユネスコエコパーク 井川自然の家(静岡県静岡市葵区井川3055-1:054-260-2761)辺りに車を停めて、厳し目の山道をほんの1時間程度歩けば宮向乗船場に着きます。
その状況であれば何の気兼ねもなく赤旗振れますので、ワシとしてはそっちを強くおすすめします。



もしかして上の地図には表示されないかもですけど、宮向乗船場の位置は最近Google Mapが採用しているPlus Codeで云うと、668W+PM 葵区、静岡県静岡市 となります。

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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。