「大きく息を吸っておなかに力を入れてください。で、おなかを私がぐーっと押すのでそれに逆らっておなかがへっこまないように我慢してください」
という処置のあとは200以上という心拍数が急激に収まって(それでも)100前後で落ち着いた。
胸骨真ん中あたりの違和感と云うか痛いのの寸前的な感覚も同じように収まった気がする。
そのままストレッチャーの上で寝転んでぼ~っと天井を眺めていたら、
「確認のためにもう一回採血と、あと心エコーします」
と声を掛けられ注射針をぷすりと刺され、心臓の周りにプローブをグルグル当てられいろいろ調べられた。
それも終わり、ERに担ぎ込まれてから2時間ほどたった概ね14時ごろに看護師さんが来て、
「本日はこれで終わりです。入院は必要なくてご帰宅できます」
「ただ、心拍200以上の状態が4時間以上続いていますので心臓に可成り負担がかかっていて、血液検査でもそれが分かる結果になっています」
「ですので、明日の月曜日、循環器科にかかっていただいてもう少し詳しく検査して今後の対応について決める方が良いと思います」
「受診はここでも、開業医さんでもいいんですがどこか行きつけのクリニックとかありますか」
行きつけの医療機関と云えば、今いるこのB病院の皮膚科にかかっているくらいで他にはない。
行き帰りを考えたら外来受診するとなればここB病院か、最初に救急お断りされたA病院がいい。
あとここには当然今日のカルテもあるし、だいぶ待ち時間があるとは思うがここにかかるのが合理的と考えて、そう伝えた。
「わかりました。では明日この用紙を持って循環器科の受付をしてください。救急からの予約は出来ませんのでかなりお待ちいただくことにはなりますがご了承ください」
「今日受け入れてから検査や処置の相談をしてくれたM医師の外来になります」
ああ、そうか。
そうするともしかしてあの「大きく息を吸っておなかに力を入れてください。で、おなかを私がぐーっと押すのでそれに逆らっておなかがへっこまないように我慢してください」というのは、そのM先生の遠隔指示だったのかもしれんなあ。
「はい、じゃあ荷物を確認して頂いてお帰り下さい」
ありがとうございました、と感謝を述べて荷物を確認しているとその看護師さんが、
「Snoopyとやぎさんが好きなんですね」
と云った。
ワシのボディバッグには、阪神タイガース×Snoopyの缶バッジ、やぎの諭吉の缶バッジ、やぎのマサオが飼い主のレギンスを噛んでいる写真キーホルダーなどがついていて、それに対する感想じゃろう。
TシャツもSnoopyだしなあ。
ちょっと恥ずかしかった。
今回の診療費は自己負担3割で9,790円、総額で32,620円。
自己負担としては決して高くない。
今から4時間前、おひさまでクソ暑い路上で歩けずに座り込んで、自宅まであと数百メートルの距離も歩けないかもと絶望感にさいなまれていたことを考えるとありがたい話だと本当に思った。
会計を済ませて明日休む事を上司に連絡し、帰宅してベッドに転がり込んた。
当然、酒は飲まなかった。
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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。