2016年2月19日金曜日

湯ノ島温泉浴場(1)

1月21日のポストでは「精神的に病んでいる系の話ではない」と書きましたが告白するとそうでもなく、実は先月より心身(と言うか正直、心だけですけど)状態が非常によろしくなくて、遂には仕事に行く事に強い不安・恐怖を感じてしまうという状態に陥ってしまったため、2016年2月17日から3日間、つまり本日まで勝手ながら仕事を休んでしまっています。
自分は精神科医ではないので判定はできませんが、20年位前に体験した鬱病の時と同じような感じです。
当時は強い自殺念慮に囚われ、幸いなことにはそれを実行するまでには至りませんでしたが、寛解後に改めて振り返ってみれば危ないところであったのは間違いなく、今回はそのような最悪の状況に至る前に、完全に心が折れ切ってしまう前に兎に角休みました。
この3日間は基本的に自宅アパートに引き籠ってカーテンも開けず、ただ時間が流れるのを待つという状態で、却って唯でさえ落ち込んでいる気持ちが更にどんどん悪化するようだったので、今日は気分を変えるために温泉に行きました。
行ったのは湯ノ島温泉浴場(静岡県静岡市葵区湯ノ島304-3:054-291-2177:¥500:9:30~16:30:定休木曜)というところです。




類似の名称を持つ温泉には愛知県の湯の島温泉というところがあり、このブログの第1回のポストがその湯の島温泉でした。
まあどうでもいいことですが。

温泉はアパートから1号バイパス経由の下道で1時間30分程度の距離に有ります。
現地について築20年を超えるやや古びた建物に入ると、その建物に似合わず意外に若い女性が受付係で、彼女に500円払って中に入ります。
温泉に入る前に別棟の食堂に行ってお蕎麦の定食を食べたのですが、結構旨かったです。
湯ノ島温泉浴場
天麩羅は揚げたてで、旨かった
© ill-health(ruephas) 2016
掻きこむように食べ終わると母屋に戻って階下にある温泉場に行きました。

脱衣室に入ると、右肩口に青っぽい色の粋な絵画を入れたおじさんが丁度浴室から出てきたところでしたので、こんちは、と挨拶して服を脱ぎ始めると、
「あんた、ここでは服とか鞄はちゃんとロッカーに入れて鍵しとかなあかんよ」
というアドバイスを貰いました。
100円リターン式のロッカーも完備してあるので言われるまでもなくそうする積りでしたが、
「何でです?」
と問うと、
「そりゃ、盗まれるからさ」
へえ、こんな田舎なのに板場荒らしがいるんだ。
「やられちゃったことあるんですか?」
「やられた。2回」
相当運が悪い人のようです。
「1回は、何も考えずにYシャツの胸ポケットにお金入れたままロッカーに入れず脱衣籠に入れたまま風呂に入っていたらやられた。風呂から出てきたらカネが…」
この時点で当方は全裸化していたのですが、板場荒らしの被害者(しかも肩口に絵画入り)に直接被害状況を聴ける体験もそう無いだろうと思い、もう少し話を聴くことにしました。
「ははあ、カネだけ抜かれてYシャツが残ってたわけですね」
「違う。カネが残っていてYシャツを盗まれた」
はあ?
「え、カネじゃなくてシャツを?」
「そう。シャツ」
何か変な板場荒らしだな、本当かなあ。
「2回めは?」
「弁当」
「は?」
「弁当だよ。ここで買った弁当じゃなくて、新幹線の中で買った弁当をここで食おうとして、休憩所のテーブルに置いて食う前にションベンに行ったんだ」
「はあ。それで?」
「し終わってテーブルに戻ったら、知らん奴がオレの弁当を食っていて」
「なんですって?」
「オレは怒って『おい、お前何で人の弁当勝手に食ってんだよ』って言ったら、そいつ『この弁当がお前のものって本当に証明できるのか』って抜かしやがったんで『てめえ、ちょっと待ってろ今おまわりに電話する』ってホントに掛けたんだ」
「で、どうなりました?」
「おまわりは『何とも出来ません』って」
ううむ、これが民事不介入ってやつの非情な現実だな。

貴重なお話も伺えたので、温泉に入ることにしました。
メインの浴槽は最大10人ベスト4人くらいの大きさで長方形。
隣にはおそらく非加熱源泉が貯められていると思われる扇型の浴槽。
メインの浴槽には窓側の湯口からジャンジャン温泉が注ぎ込まれていますが、オーバーフローは殆ど無いので循環式なのでしょう。
ただ不思議な事に浴室の壁には、
「源泉掛け流しに出来るだけ努めますので、タオルを浴槽につけるなどはやめてください。お湯が汚れて殺菌薬などを入れることになってしまいます」(一言一句覚えているわけではないですがこのような内容のもの)
という謎の張り紙がしてあります。
源泉掛け流しについてどう判断すればいいのか分からなかったんですが、こういうことを深く考えても疲れるだけなのでこの件については忘れ、かけ湯をしてメインの方に入ってみました。
泉質はヌルツルのナトリウム炭酸水素系の温泉ですね。
この手の泉質は大好きなので、うほほーいって思いながらお湯の中でヌルツルするお肌を触ってました。
他のヌルツル系温泉だと、入って暫くするとそのヌルツル感が弱まって消えたりすることが多いのですが、ここのお湯は何故かはわかんないですが、お湯に入っている限りいつまでもそれが消えない。
あと、やはり他だと温泉で顔を洗ってもヌルツルしないことが多いんですが、ここのはお顔にも有効でした。
ヌルツル感自体はそんなに強くは無いのですが(これまでの最強は旧赤石温泉白樺荘のそれ)、持続性が強いというか効果の範囲が広いというか。
このお湯、ちょっと気に入りました。
好きだ。

お湯はやや熱めですが篦棒な熱さではありません。
何度くらいかなあと思って、温泉でよく見かける温度計(丸い温度計で、センサ部分が細長くお湯の中に伸びているあれ)を見ると、表示温度は30℃となっていました。
うむ。
まあ何度でもよい。
ただ、30℃以上あることは確実で、それが証拠に凍えるどころか汗がだあだあと噴き出してきたので、隣の扇型源泉浴槽にえいやっと入り、数分体を冷やしてから再度あったかい浴槽に入り直し、出ました。
体を拭いて脱衣室に戻り着衣していると、物静かそうなジイサンが入れ替わりに浴室に入っていき、その途端大声で演歌のようなものを歌い出して、歌い終わると「へや~」「ひゃあ~」などという掛け声を発し、また歌い出すという事を繰り返していました。
歌っている間に、新手の若い客が入って行きましたが、そんなことは全くお構い無く、
演歌 ⇒ へや~ ⇒ ひゃあ~ ⇒ 演歌 ⇒ へや~ ⇒ ひゃあ~
のヘヴィーローテーションは止まる事はありませんでした。

つまり、総体的に不思議な温泉でした。

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たぶん。