2024年11月26日火曜日

温泉に行かない日(552) 遥拝所について

貴兄は遥拝所ってのをご存知か?
神社仏閣、まあ神社のほうが多いけれどもその境内に石柱とか石碑があって、そこには例えば「伊勢神宮遙拝所」とか「神武天皇遙拝所」とか刻まれておるのを見た人も多いじゃろう。
あれのことじゃ。
ワシは大山祇命という神様が好きで大山くんについてはここでも100個くらい書いとるくらい大山くんの神社に結構な頻度で出かけとるが、最初のうちは遥拝所については歯牙にもかけとらなんだ。
兎に角目的は大山くんじゃから。
しかし何時のころからか忘れたが、遥拝というのが気になってきた。
遥拝の意味は字面でなんとなくわかる。
遥は「はるか」で拝は「おがむ」じゃから、遠くの神社の方角に向かってその神社を拝むという意味だと思う。
念のため調べてみたんじゃが、
[名](スル)遠くへだたった所から拝むこと。「東方に向かって—する」
(Weblio辞書・goo辞書・コトバンク)

遥拝とは、はるか遠く離れた場所から神仏に向かって拝むことを意味する。
(ホームメートリサーチ)

(「参拝」を説明する文中で)祈願した神社や寺院に参詣せずその方角に向って参拝することは遥拝(ようはい)という。
(Wikipedia)
ということになる。
そこでワシはいつものクセで、数年前からGoogle Mapsで確認できる遥拝所を片っ端からリストアップして可能であれば実際に遥拝するという作業に取り掛かった。
そのリストこそすなわち長距離短距離遙拝所GRAND-PRIXというGoogle Mapsのリストじゃ。
最初の頃は、
「遥拝というからには距離が重要。遥拝距離(ワシの勝手な造語で、遥拝所から遥拝対象神社までの直線距離のこと)が一番長いのはどこかを調べてやろう」
と思っていたので「長距離遥拝所GRAND-PRIX」としておったんじゃが、調べているうちに遥拝距離がゼロと思われるヘンな遥拝所があるのがわかったため、途中で「短距離」を追加した。
ちなみにそれは防府天満宮 貞宮遥拝所(山口県防府市松崎町14)で、なぜ遥拝距離がゼロかもしれないのかはご自身でGoogle Mapsでご確認くだされ。
さて遥拝所への思いについてはリスト冒頭に記している通りじゃが、ここにも再掲しておこう。
神社に参拝に行きたいけど遠すぎて行けない、近くにある神社だけど山の上にあって自分の足ではとても行けない。
そんなあなたの悩みを一掃してくれるのが「遙拝所」です。
遙拝所さえあれば、たとえそれが千里の距離でもあっという間にゼロにしてくれる。
どんな断崖絶壁があろうがそんなの関係ない。
残念なのは神社を実際に見れないことぐらいですが、「心眼」で見ればそれでよし。
全国各所にある遥拝所でどのくらい先の距離にあるどの神社を遥拝できるのかリスト化してみました。
遥拝距離は単純に直線距離です(Google Mapsの「距離を測定」利用)。
参拝距離は徒歩による道程距離です。
要するに遥拝所を数値の面で見える化したもので、我ながら斬新なアイデアだと思うのじゃが他人にとっては暇人の暇つぶしとしか思えないのは重々承知じゃ。
道程距離については基本はGoogleMapsの経路検索を使用して、徒歩で参拝した場合の距離・所要時間・アップダウンについて記載している。
兎に角、数位化することを心掛けておるわけじゃ。
例えばこんな具合じゃ。
北海道函館市青柳町17にある「宮城遙拝之所」はこんな感じじゃ。
遥拝対象神社:皇居(東京都千代田区千代田1-1)
遥拝距離:680.73km
参拝距離:814km(179時間:↑4047m↓4007m)函館ー大間間はフェリー利用
ここなどは津軽海峡のせいで昔だったらもう参拝など望めず遥拝するしかないので、天皇に思いを馳せる人にとっては大事な場所かもしれん。

遥拝対象神社(まあこの場合は皇居じゃけど)の下にあるURLは遥拝対象神社のGoogleMapsの所在地を示すもので、参拝距離の下にあるURLは参拝経路のデータじゃ。
このように記載すると遥拝所のありがたみがわかる。
直線にして680km先、実際に歩いて参拝するとなると814kmの距離を179時間、つまり1週間と11時間もかかる皇居をその場にいながらにして一瞬にして拝むことができるというこれはまさにSFの瞬間移動に勝るとも劣らない状況が簡単に体験できるわけじゃ。
どうだすごいだろう。

ちなみにワシが初めて意識的に遥拝したのは浜松にある東三方神社というところで、2022年11月5日の早朝のことじゃ。
ここには「奥山半蔵坊赤松遥拝所」というのがある。
遥拝対象神社:奥山半僧坊大権現(静岡県浜松市北区引佐町奥山1577-1)
遥拝距離:13.50km
参拝距離:16.5km(3時間29分:↑128m↓69m)
奥山半僧坊というのは浜松市の北のほうにある方広寺の中にあって、鼻高天狗という天狗さんを本尊とするお寺?かなあ。
奥山半僧坊にはいったことがないし、遥拝所へは散歩距離としてはちょうど良いのでまずはここから遥拝生活を開始したんじゃが、時刻が早朝という事も相まってなかなか清々しい遥拝ができた次第じゃ。

© ill-health(ruephas) 2024 / 2022

© ill-health(ruephas) 2024 / 2022


遥拝所は意外にそこかしこに存在する。
近所の神社やお寺の中を少し探せば存在する確率が高い。
暇なときには探してみて、遠くにある伊勢神宮や三島大社、皇居なんかの姿を心眼で見つめながら遥拝してみてはいかがじゃろうか。
「いやいや近所に遥拝所なんてないよ」とお嘆きの貴兄。
いい方法がある。
玄関とか庭、あるいは居間でもいいが「なんとか神社遙拝所」と書いた札を作ってそこに置けばその瞬間いきなりその場所は遥拝所と変化する。
そうすれば自宅にいながらにしてもう遥拝し放題状態じゃから。
ああ、そうだ。
一つ貴兄に助言をしておこう。
遥拝札設置の際には、言うまでもないが札を見ればちゃんと遥拝対象神社に向かうような角度にするのが肝要じゃよ。

2024年11月12日火曜日

プロジェクト "山神社"(98) 山の神石碑(大谷) ⇨ 山の神石碑(長町) ⇨ 山の大神(月ヶ瀬)

今回のポストは「月ヶ瀬温泉周辺の様子調べを兼ねて、大山くん関連かもしれないところに唯いってきて、結果としては何もわかりませんでした」という全く内容がないやつなので覚悟してくれ。

月ヶ瀬はワシのアパートから大体40分ほどの距離にある。


月ヶ瀬には日帰り入浴施設が一つあり、アパートからの時間的距離も適切なのでもう少しお肌の調子が整ってきたら温泉に行こうと思っとる。
その月ヶ瀬とそこに至るまでの道に大山くん関連かもしれないポイントが3ヵ所あるので、偵察かたがた行ってみることにした。

月ヶ瀬へは奈良市街地からだと紀寺のあたりから東に向かい、山添を抜ける山道を走る。
大山くん関連かもしれない最初のポイントは月ヶ瀬に至る手前にある「山の神」の石碑(奈良県奈良市丹生町)じゃ。


県道172号線から25号線に入ったすぐのところにある「山の神」の文字が彫られた大きな石碑。

山の神の石碑は各地でみられるが
この石碑は新しめで結構立派
© ill-health(ruephas) 2024

人の身の丈くらいはありそうな石碑で三角柱みたいな形状をしとる。
表には「山の神」とあり、右の上には「大谷」と刻まれとる。
「大谷」というのは多分この辺の字だと思われる。
由緒書的なものはなく、裏側にも何もなく、つまり何も情報はなく詳細はわからんかった。
神様なので神社式のお参りをし、正面にお賽銭を置いた。
丹生町の「山の神」石碑は以上じゃ。

丹生町(大谷)の「山の神」を600mほど北上したところに布目ダム(奈良県奈良市北野山町)という堤高が72mのロックフィルダムがあって、水道水確保と治水(布目川の流量調整)が主たる役割のようじゃ。
その管理事務所に入る手前の県道25号線東側にも「山の神」(奈良県奈良市北野山町630)の石碑がある。


形状的には先ほど行った丹生町の「山の神」とほぼ同じ、大きさも同じ感じじゃ。

こちらもなかなか立派
© ill-health(ruephas) 2024

ここにも「長町」という恐らく字と思われる文字が彫られておる。
で、繰り返しになって本当に申し訳ないけど、由緒書的なものはなく、裏側にも何もなく、つまり何も情報はなく詳細はわからんかった。
神様なので神社式のお参りをし、正面にお賽銭を置いた。
丹生町の「山の神」石碑は以上じゃ。

次に向かったのは「山の大神」(奈良県奈良市月ヶ瀬桃香野)という鳥居も備えた小さな神社じゃ。
北野山町の「山の神」からは県道25号線から4号線に入り約10分ほど。


神社の道挟んで反対側にあるスペース(正式な駐車スペースではないぞ)にクルマを停めて早速参拝する。

清潔感がある小さな神社じゃ
© ill-health(ruephas) 2024

写真の通り、山肌にある磐座(いわくら)の下に隠れるようにして祠がある。
このタイプの神社はよく見るもので、大抵は山そのものを信仰対象にしとる山間にある古くからの集落にある。
恐らくこの神社もそうで、祭神がどの神様だとかなんだというようなこととは無縁な神社じゃと思う。

祠オンリータイプ
© ill-health(ruephas) 2024

ワシが言う「祠オンリータイプ」の質素な神社だけど、静岡県東部や伊豆にある山神社は大抵こんな感じなんで、ワシは好きじゃ。
よく見ると祠の前に山の神様には似合わない小さなぬいぐるみが置いてあって、Googleアプリで調べてみたがよくわからん。

ねえ、君は一体だれで何でここにいるんだい?
© ill-health(ruephas) 2024

画像検索では名探偵コナンが多く引っ掛かるがそっち方面は詳しくないので断定はできん。
しかし誰がどんな思いで設置したのが気になるなあ。
で、繰り返しになって本当に申し訳ないけど、由緒書的なものはなく、裏側にも何もなく、つまり何も情報はなく詳細はわからんかった。
明らかに神社なので神社式のお参りをし、賽銭箱にお賽銭を投入した。
月ヶ瀬の「山の大神」は以上じゃ。

訪問当日には気づかなんだが、ちなみにこの辺りにはもう1か所「山の神」の石碑がる。
布目ダム湖をちょっと南に下った腰越ふれあい広場(奈良県山辺郡山添村北野648)というところにある。


参拝出来なんだのは残念じゃが、次回月ヶ瀬の温泉に行くついでに行けばよろしかろう。

あ、そうだ。
月ヶ瀬の日帰り温泉施設である梅の郷 月ヶ瀬温泉(奈良県奈良市月ヶ瀬尾山2681:0743-92-0388:¥700:10:30~20:30:定休火曜)の下見というのが今回の主要目的だったんじゃけどすっかり忘れとった。
まあいいや。

2024年11月5日火曜日

温泉に行かない日(551) 奈良近辺の日帰り温泉銭湯事情

単身赴任で奈良に引っ越してきてまる9ヶ月、11月には10ヶ月目に突入する。
引っ越してきてからここで書いた事と言えば、山の辺の道とか、奈良にある大山くん関連神社とか、奈良の昼呑み事情とか、メルくん(ロードバイク)に使うトルクレンチのことばかりで温泉銭湯の件は一切出てこない。
そもそも前回直接的に温泉銭湯のことを書いたのは、2022年7月16日土曜日にポストしたKAReN HaMaNaKo かんざんじ荘(1)というのが最後で、それ以降2年以上も温泉銭湯については書いとらん。
振り返って考えてみるまでもなくこのブログは「温/泉/週/記」というタイトルじゃ。
なのにここ数年風呂に関しては殆ど書かなかったわけじゃ
タイトル通りもともとは週に1回は風呂にでも浸かってそのことでも書くかなあ、という方針だったのに、13年も経つとこのような仕儀となる。

奈良に来てからは温泉銭湯にまだ行っとらん。
それには実は理由があり、こっちに来てからお肌の調子があまり良くないからじゃ。
ワシはもともとアトピー持ちのため敏感肌なんじゃが、こっちに来て気づかぬうちに心身ともにストレスを受けたのかも知れん。
ワシとしては肌に効能のある温泉にゆっくり浸かってお肌の調子を整えたいのは山々じゃけど、ワシと一緒に風呂に入る他人的にはあまり気分が良くないことじゃろうから控えておるわけじゃ。
したがってここ数ヶ月は、奈良の皮膚科で処方された塗り薬をしっかり塗って治癒に努めてきた。
その甲斐あって最近は公衆浴場に入ってもまあまあ大丈夫じゃろうというくらいまでには整ってきた。
となれば、奈良の温泉銭湯に早速行ってみたい気分になるというもんじゃ。

ただ、奈良で温泉に入った事がないかと言えばそうでもない。
ワシは2002年の秋頃から、暫く兵庫県の宝塚市というところで仕事をしとった。
その関係で、西宮にある武田尾温泉 元湯(兵庫県西宮市塩瀬町名塩4205‐1:現在は休業中)という温泉に時々行っておった。
武田尾温泉は昔ながらのいい温泉で気に入っとったが、武田尾温泉だけでは飽き足らず、遠く奈良の十津川村まで足を伸ばして湯泉地温泉 滝の湯(奈良県吉野郡十津川村小原373-1:0746-62-0400:¥800:8:30~20:00:定休木曜)というところに何回か訪れとる。
宝塚からじゃとクルマで片道4時間以上を要し、朝早めに出かけても帰宅は夜という感じでほぼ一日がかり。
当時はまだ若かったのであまり疲れは感じなかった(今はいざ知らず、じゃが)。
しかし失礼ながら、流石にそんな遠くにある十津川村。
いつ行っても誰もいなくて(本当にいないんじゃ。当時少なくとも4〜5回は訪れとるけど全て貸し切り状態じゃった)、川っ縁にある露天風呂は小さいながらも風情がありなかなかいい温泉じゃった。
嗚呼、あれから20年以上経ったか…。
随分トシを食ったけど改めて奈良の風呂を味わいたいと思う。
ワシは早速、奈良の温泉銭湯事情を調べてみた。
それがこの奈良の日帰り温泉銭湯一覧じゃ。
奈良市街地近くにある昔ながらの銭湯からそれこそ十津川村の辺りまでいくつか記載しとる。
しかしまだまだたくさんあると思うので、今後も調べを進めつつ実際に訪れてみようと思っとる。
これから季節は秋から冬に向かっていく。
温かい温泉銭湯をありがたいと感じるじゃろう。