2025年4月29日火曜日

プロジェクト "山神社"(100) 桜井駅近の大山くん(2) 石寸山口神社

大山くん参りをする場合、ワシは今まで徒歩圏内の場合を除きすべてクルマを使っとる。
しかし今回は電車で行くことにした。
いずれの神社もクルマが停められる環境にあるかどうかがわからん事が主な理由で、特に最初に行こうと思っとる石寸山口神社はいかにもなさげじゃ。
あとこれは個人的には大きな理由じゃが、帰りに桜井とか大和八木あたりで昼呑みしてから帰ろうという素敵かつ邪悪な計画によるものじゃ。

ワシは身支度して部屋を出て、桜井線の最寄り駅である京終駅(きょうばてえき)まで歩いて行った。
基本的には1時間に2本しか走ってないが、運良くすぐに桜井方面行の電車が来たので飛び乗り、約30分で桜井に着いた。
目指す石寸山口神社(いわれやまぐちじんじゃ:奈良県桜井市谷502)は桜井駅南口ロータリから1km足らずの至近距離にある。
距離は近いが桜井は奈良市同様戦争による被害を被っていないので、道は昔のままで区画整理されておらず、ちょっと迷いそうな感じもある。
ワシはGoogle Mapsを見ながら歩き神社まで到達した。

静謐という言葉がふさわしい境内周辺
© ill-health(ruephas) 2025

この神社は祈年祭山口社6社の1社で格式は高いと思うのじゃが、実際来てみると偉ぶった感じが全く無い、小さくて慎ましやかで質素で清潔感のある神社じゃ。
鳥居の左手には石板で出来た立派な由緒書きがある。

木材協同組合なんだから木製にすればいいのに…
って一瞬思ったけど、石のほうが耐久性あるからこれでいいか
© ill-health(ruephas) 2025
式内石寸山口神社
御祭神 大山祇神
大山祇神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)の生み給うた山の神にして磐余の大地を守護せらる山の神水の神として御祭祀になり上古より朝野の崇敬厚く中にも当社は大和の六山口神社の一社に数えられ延喜式内の大社に列せられた
近代以来桜井木材業界繁栄の守護神としてその崇敬を高めている
桜井木材協同組合
奉賛会
なるほど確かに山口神の定義通りここ桜井、すなわち高見山地あるいは紀伊山地という「山の端」で木材関係業務守護の役割を立派に果たしていることが記されておる。
ちなみに桜井市は奈良県の中程に位置している人口5万2000人位の市で、主な産業は製材。
なーるほど。
と言うことは大山くんは大きく言えば桜井市全体を支える守護神ということになるなあ。
誠に立派じゃあ。
桜井市長・桜井市役所及び桜井市民は是を以て肝に命ずべし。
ちなみに参考情報じゃが、桜井市の他の産業としては、蜂蜜と三輪素麺。
蜂蜜はちょっとイメージないけど、三輪素麺はあんなにか細いのに普通の素麺と比べるとしっかりとした腰があって誠にうまい。
桜井ではその三輪素麺づくりの技を活かして細麺パスタなども作っていてこれまた美味い
で、三輪素麺といえば大神神社。
大神神社は桜井市内にある式内社じゃ。

さて石寸山口神社じゃ。
鳥居をくぐって石階段の参道を上がると本坪鈴以外には何も無い拝殿があり、その柱には「石寸山口山神社参拝方法」という掲示がある。
神社にはよくこのような「神社の参拝方法」というやつが貼ってあるが、どこのやつも神社庁かどっかから配布されていると思われる標準的な内容じゃ。
しかしここではわざわざ自分とこの社号を冠した表題にしとるということは、なにか特殊な参拝方法なのかもしれん。
確かに、以前どこだったかの神社で、正確な内容は忘れてしもうたが「三拝三拍手一拝」みたいな結構アクロバティックな参拝が必要なとこがあった。
これを間違えては、大山くんが中でムッとしてワシに軽く神罰を噛ましてくる可能性があるので慎重にその内容を確認した。

礼拝できるそのもの、その事自体にも感謝しようね、
って感じかな
© ill-health(ruephas) 2025

ふんふんなるほど。
基本的には標準フォーマット通りじゃが、前後に「軽く一例」というのが明記されとるのがちょっとした違いじゃな。
フォーマットと言うよりは気持ちの問題じゃろう。
さて礼拝の前にお賽銭を差し上げたいんじゃが、賽銭箱がない。
拝殿にはないし、塀の中にある本殿前にも見当たらん。
強いていうと、その塀に何故かポストが備わっとる。

本殿祠を囲む塀にある謎の住宅用ポスト
© ill-health(ruephas) 2025

人間の個人のお宅じゃあるまいし、なんでポストなんかあるんじゃろ?
まあ大山くん宛に郵便物が届くことが絶対ないかといえばそうとも言い切れんのでアレじゃけど、兎に角ポストが備えられとる。

母からの教えの1つに、
人んちのポストを勝手に開けてはいけない
ってのがあったようななかったような…
あとはピンポンダッシュもダメだとも
© ill-health(ruephas) 2025

もしかしてこれが賽銭箱としての機能を併せ持っとるのかと思って塀の中に入ってポストの裏蓋を開けてみようとしたが、なんか蓋がひしゃげとってうまく開かん。
これだと折角投入したお賽銭が日の目を見ん可能性も否定できんので、ワシは本殿(といっても祠オンリータイプの小さなものじゃ)前に直接100円お供えして、ここでのフォーマットどおりの流儀で無事参拝を済ませた。

祠オンリータイプの小さな社殿じゃけど
ちゃんとした作りで立派なものじゃなあ
© ill-health(ruephas) 2025

木材の神様だけあって周りは木に囲まれとる。
境内の広さ自体はそんなでもないが、それなりに立派な鎮守の森じゃ。
夏などは涼しくてここで過ごせば爽やかそうじゃ。


よし、では次の場所である等彌神社に移動じゃ。

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貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。