2020年9月2日水曜日

温泉に行かない日(457) ぎっくり腰?になってしもうた②

事務所でのドタバタ劇の末、ワシは部下が運転するクルマに載せられて勤め先の近くにある整形外科やリハを得意とする病院に向かう事になった。
事ここに至ってしまうと本日はクルマを運転して帰宅できる可能性は0なので、事務所向かいにある契約駐車場からクルマを出しておかねばならん。
昼間のみの契約のため、夜まで停めると余分にカネがかかってしまう。
ワシ自身は運転できる状況に無いため誰かに出して貰わんといかん。
しかしワシのクルマはご承知の通りスイスポくんであり、トランスミッションは当然マニュアル。
今日日マニュアルトランスミッションのクルマを転がせるヒトは相当に限られておる。
どうするか考えておったら、先程色々段取りをしてくれた常勤役員が来て、
「マニュアル?大丈夫俺が出しといて事務所敷地内の駐車場に入れといてやるよ」
と申し出てくれた。
ありがたい話ではあるが、同時に「大丈夫か?」との疑念が頭をよぎる。
まずこの方はワシより相当エラい職位にある。
そのような人物を使ってワシのクルマ(剰え真っ黄っ黃のスイスポ)を出してもらうのが会社的にどうなのかという点。
次にそれがOKだとしても、果たして運転できるのかという点。
この方は普段某高級ブランドの車に乗っとる。
ワシのサラリーではとても贖えん価格のクルマじゃね。
当然多段式のオートマチックじゃ。
年齢からして限定免許ではないことは明らかじゃけど、免許があるのと乗れるというのは全く関連がない。
しかし四の五の云っておられる状況でもないので思い切ってお願いしてみた。
そしたらアレじゃなあ、自転車とマニュアル車の操作って体が覚えとるんじゃなあ。
全くギクシャク感のない運転でワシのクルマを移動させてくれた。
なかなかかっこいい。
ありがたい話じゃ。
さてスイスポくんも無事救出できたことじゃし、ワシはクルマに乗って病院に向かった。
クルマに乗っとる間に幸か不幸かロキソニンが効き始めてきたようで、先程のような激痛一歩手前な感じの痛みは薄らいできておって、じっとしとれば痛みは感じん程度に治まってきた。
ただ、ギャップを乗り越えたりすると腰が動いて痛みは感じる。
20分ほどで病院についたが、この病院は昨年夏に五十肩と戦った病院じゃ。
冬に入って大分に病状が完全したことと、システム関係の仕事が篦棒に忙しくなったため通院は勝手にやめてしまっておった。
何か云われるかもしれんな。
痛いのを我慢しながらクルマから降り、麦踏みをする爺さんよりも遥かに遅い超低速度でにじにじと歩いて院内に入る。
玄関には若い職員2人がおって、拳銃型の体温計で検温され消毒用アルコールを手に噴霧されてから院内に入る許可を得た。
外来受付に行って診察券と保険証を提示し「さっき電話があったと思いますが」と云うと「はい、上司から伺っております」との回答。
は?上司?
誰だろう。
医事担当の課長あたりならまだいいけど、事務長とかじゃったら何か嫌じゃなあ。
受付を終えて立ったまま問診票を書いとると、再び若いおねえちゃん職員がワシに近寄ってきて「車椅子をご用意します」。
ワシももしかして車椅子の方がいいかなと思っとたんじゃが、一度座ると立てなくなるかもしれんという恐怖のほうが強くずっと立っておったわけじゃ。
しかしまあ親切な申し出をすげなく断るってのもアレじゃから素直に使うことにした。
使ってみると確かに楽じゃった。

診察室に入り色々触診され、結果としては椎間板ヘルニア等の面倒な病名ではないことがわかった。
一般撮影もする必要がなくとりあえず数日鎮痛剤で様子を見ましょうと。
ぎっくり腰というのは俗名で正式には「急性腰痛」ということじゃから、まあワシがかかったのは「ぎっくり腰」なんじゃろうと思う
基本は安静にしておれということじゃが、痛くなければできるだけ普段どおりの生活行動をとった方がいいとのことだったので、翌日は1日休んで、痛みがなく歩けるようであれば近所のコンビニに買い物行く程度の運動はしてみようと思う。
診察が終わり、ロキソニンとモーラステープを院内で貰い受け、バスで事務所に戻った。
机に広げっぱの書類などがあったからじゃ。

片付けたらそのまま帰るつもりじゃったけど、矢張り問題は敷地内駐車場に停めてある真っ黃っ黃のスイスポくんじゃ。
役員用及び来客用としての駐車スペースじゃから何日も停め置くわけにはいかん。
しかも黄色じゃ。
こんな物停めてあったら法人のイメージが傷ついてしまう虞が高い。
こうなれば手は一つしか無い。
ワシの直属上司である部長を経由しておそるおそるお願いしたのは、そう、ワシの直属最高上司たるあの役員じゃ。
結果は「いいよいいよ、俺が運転して◯ちゃんちまで送ってやるよ。◯◯くん(ワシの上司の部長)と2台で行けば帰れるし」
じゃった。

いやあ誠に申し訳ない話じゃ。
デキの悪い部下のためにここまでしてくれるとは本当に素直に感謝じゃ。
恵まれた職場で良かったなあとつくづく思った次第じゃ。

追記①
Sくんによれば、ワシが病院に行ったあと矢張りいっちばんエラい方は「やっぱやつは体操が下手だからああなったんだよ」と冗談で云ってたらしい。
やはりそうなるよなあ、最近は真面目にやってるんだけどなあ。

追記②
病院から帰ると、ワシのクルマのワイパーに「連絡済」と書かれたデカい紙が挟まれておった。

© Y.H / ill-health(ruephas) 2020
こんなことをする男は事務所内で一人しか見当がつかんし、実際見当通り犯人は矢張りその男じゃった。
少し前の温泉に行かない日(450) 職場装着可能顔当ての臨界点を探るで、福助顔当てとか護謨製顔当てを所持しとる妙な男として紹介した人物じゃ。
この人物曰く、
「詳しいことを何も書かずに単に『連絡済』とだけ書いておけば、いついかなる人物がどこに対して何の目的でどういう連絡をしたのかがわからず、結果猜疑心恐怖心の塊と化すから一番効果的なんだ。どうだオマエもビビっただろう」

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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。