2022年2月13日日曜日

プロジェクト "山神社"(84) 堀谷アラハバキ(荒鎺)神社

最初にお断りするが今回のポストはシステムの環境により、一部の漢字が化けて読めんかもしれん。
スマンことじゃが、環境を最新にしておらんご自分を責めるがよろしかろうが、可能であれば文字セットの設定をUnicodeにすればいいじゃろう。。

今日は連休の最終日じゃけれども午後から雨が降り出す気配なので、降り出さない午前中のうちにちょっと変わった神社に行ってきた。
Google Mapsでの表記に従うと、堀谷アラハバキ神社(静岡県浜松市浜北区堀谷509)という神社で、偶に見かける岩そのものをご神体として祀っている原始的な信仰形態を持った神社らしい。
このタイプの神社の究極形はなんと云っても山宮浅間神社(静岡県富士宮市山宮740)じゃろう。
神殿に相当するものは一切なくちょっとした広場があるだけで、そこからは富士山を望むことが出来る。
この神社はその富士山そのものをご神体としとるわけじゃ。
興味があるならちいと調べてみなされ。
このような別格的な神社はさておき、一般的にはその手の神社は磐座・磐倉(どちらも「いわくら」と読む)などとして御神体たる磐(岩)を表現しとることが多いようじゃ。
社名にはなっとらんものの、磐座の存在を明確にしとるのはここら辺でいくと渭伊神社(静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1150)で、社殿の北側に天白磐座遺跡というのがあって神社と一体の存在となっとる。

ワシはもちろん大山祇命が大好きで、主には大山くん物件を探して狙って参拝しとる。
ただ時々思うのは、上記の事もあって全国に存在する数多くの大山くんのうち結構高い割合で、
「わしら元々は山そのものを崇めてきたんじゃけど、なんか最近近隣の村とかではどうやら山の場合は大山祇命をご神体とするのが流行りらしいぜ」
てなノリで事後的に大山くんが割り当てられとる物件があると睨んどる。
もしかしたらこの堀谷アラハバキ神社も何かきっかけがあったら今頃大山くん物件になっとったのかもしれん。
そんなわけでワシは早速でかけてみた。

境内全景
© ill-health(ruephas) 2022

場所的に云うと、浜北区四大地にある「あらたまの湯」を過ぎてとにかくじゃんじゃん道なり(静岡県道296号線)に北へ進んだところにある。
最近この道は拡幅されたので運転が下手くそな人でも問題なく行けると思う。
木製で小振りな神明形式の鳥居があるが額束もなければ扁額もない。
鳥居をくぐって階段を登ると正面に大きな岩の塊が見える。
これが御神体じゃろう。

鳥居をくぐったとこ
© ill-health(ruephas) 2022

手前の小さい屋根のようなもの(正式名称を知らんが、もしかしてこれ拝殿じゃろうか)には扁額が掲げられとるが、達筆すぎてなんと書いてあるかはわからん。
「山」の字で終わっとるから山号なのかなと思ったんじゃが、ここ神社じゃしなあ。

通常通り参拝してから失礼して磐座の周辺を観察させてもらうことにした。
いくつかの石碑のようなものがある。

磐座の下手(しもて)
© ill-health(ruephas) 2022

上の写真にはないが、境内左手端っこには大きな忠魂碑がある。

忠魂碑
© ill-health(ruephas) 2022

「故陸軍歩兵一等卒勲八等氏原孫蔵之碑」と刻まれておる。
そういえばこの辺りには氏原姓が多い。
ここに来る途中にも「氏原組」という土建会社があるし、新原の辺りには氏原歯科ってのもある。

磐座下、手前左側にある小さな石に刻まれた文字は殆ど読めないが、一番下の2文字は「大神」かなあ。
大山祇大神だといいなあ。
多分違うじゃろうけど。

全然読めんわ、こりゃ
© ill-health(ruephas) 2022

その後ろには「正七位 念力霊神」と刻まれた石碑。

これは読めるなあ
© ill-health(ruephas) 2022

念力霊神を蜘蛛の巣で調べてみたがよくわからんかった。
正七位ってのは神階(神社や神様のクラス付け)の事じゃが(ほれ良く「正一位 稲荷大明神」とか名乗っておる神社があるじゃろ。あの正◯位とか従◯位とかじゃ)、何かの本で神階は正一位〜正六位までと読んだことがある(うろ覚えじゃ)。
しかしてここは正七位。
ちょっとした謎じゃな。
へりくだっとる可能性はある。

磐座の真ん前にはお供え物用として使われておる台状の石があり、酒といくばくかのお賽銭が供えられておる。
右手には石像(仏様かなあ)のようなものがある。

人か仏かはわからんが
とにかくヒトガタは見える
© ill-health(ruephas) 2022

文字も刻まれとるがやはり読めん。
ここはまあ村外れじゃからもしかして道祖神かもしれん。
神社があるのは田舎じゃから(失礼)もしかして神仏分離の影響をあんまり被っておらんのかもしれんなあ。

そしてその後ろには「荒◯士(土?)神」と刻まれた石碑がある。

うーん、2文字目が判然とせんなあ…
3文字目は土か士か?
© ill-health(ruephas) 2022

2文字目が読めん。
金偏に旦のように見えるがよくわからん。
もしそうだとすると、鉭ということになるんじゃがこれは鉏の異字体で、意味は「くいちがい」「くいちがう」「くわ」「ころす」「すき」「ほろぼす」「すく」というようなあまりいいものではない。
金偏と旦の間に何か刻まれとるような気もするが全然読めない。
よくわからん。

以上の通り、この神社には少なくとも大山くんを匂わせるような物証はない。
まあ多くの神社では残念ながら、御祭神の出自や由緒を書いておらんからの。
ここもその一つじゃろうと思って諦めた。
境内右手には集会場のようなプレハブ小屋があるので、念の為そちらも見てみることにした。
たま〜にそういったところにちょっとした情報が掲示されていることもある。
するとその予感は当たり、このようなものを見つけた。

© ill-health(ruephas) 2022

ここが浜松地域遺産であることを示す掲示と、その上にはかつて行われたこの神社に関するセミナーのフライヤーも貼ってある。
この浜松地域遺産ってのは、昨年末に訪れた山の神(静岡県浜松市浜北区平口5261-7)にも掲示されとった(ここについてはまだ書いとらん)。
ここアラハバキ神社の浜松地域遺産についてはこのようになっとる。

© 遠州山辺の道の会
© ill-health(ruephas) 2022

浜松地域遺産
認定文化財 堀谷 荒鎺(アラハバキ)神社境内
番号・種別 416 史跡
認定年月日 令和2年3月22日
上に観える磐座にアラハバキ神が宿っていると崇拝されています。 以前は道路を挟んだ岩との間に注連縄が渡されていたそうです。
遠州山辺の道の会

ははあ、この神社の漢字表記は「堀谷 荒鎺神社」なんじゃな。
となると先程の読めなかった一文字は「鎺」なんじゃろう。
金偏に祖(祖の異字体)。
意味を調べると「ハバキ(鎺・鈨・はばき)とは日本刀の部材の一つで、刀身の手元の部分に嵌める金具である」(Wikipedia)だそうじゃ。
刀に何らかの関係がある神社じゃろうか。
なんとなくそうは感じられんのじゃが。
単なる当て字だと思う。

そしてセミナーのフライヤーがこれじゃ。

© 遠州山辺の道の会
© ill-health(ruephas) 2022

仮説 堀谷アラハバキ神と式内社
歴史講座 受講無料
遠州山辺の道
日時 令和3年11月4日 (木) 午後19時~21時
講師 小野田正吉氏
会場 尾野公民館
定員 50名
浜北区堀谷にあるアラハバキ神社。
日本神話の神々を祀っていない神社でチョッと聴きなれない名前の神社は、 いつから在るのか?どの様な神なのか? 実は全国的に疑問、論議を醸す存在です。
浜北の郷土史家 小野田正吉さんが仮説を皆さんに披露いたします。

ほほう。
これは興味深い。
やはりここには普通の神様はおらんようじゃ。
勿論、大山くんもおらんと思う。
是非聴きたいものだと思ったが、昨年の11月に終わっとる。
この手の資料は地元の図書館に何らかの形で収蔵されとることが多いので、今度暇なときにでも浜北近辺の図書館をあたってみようとは思う。


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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。