2014年7月26日土曜日

湯らっくすの湯(1)

前日まで、今日の土曜は仕事だと思い込んでいました。
金曜日の夕方、課のスタッフに「明日オレ出勤だけど申し送ることはないか?」と訊ねていると、よその課のやつに「あれAさん。明日はMさんが仕事のはずですよ」と云われてしまい、慌てて勤務表を見ると確かにその通り。

ということで本日は自分としてはゆっくり起床し(といっても7時過ぎですけど)、何をすべきだろうかと考えました。
春先や秋口、あるいはもしかして冬もそうかもしれませんけど、そういった時期には「自宅を警備する」という選択もありなんですが、本日の場合は起床時点で既に蒸し暑く、今後気温も篦棒に上昇することは確実なので、自宅にはとてもいられません。
冷房が効いて一日本読んだり山神社のこと調べていられる図書館という線もありますが今は夏休み期間で、ガキども(私は子供が嫌いだ)が溢れかえっているに相違ない。
であれば、寧ろ「暑い」事をアクティブに「熱さ」で撃退するのはどうかと思い、熱そうな温泉を目指すことにしました。



行ったのは湯らっくすの湯(静岡県伊豆の国市長岡157-5:055-948-0776:¥310:6:00~10:00:13:00~21:00:定休火曜:駐車場あり)です。
伊豆長岡に幾つかある共同浴場は熱い源泉を基本そのまま使っていて、ものすごく熱いというのが定説になってます。
この熱さにより、この酷暑を撃退する。
毒を以て毒を制す。
毒を食らわば皿まで。
熱さ・暑さは一蓮托生。
このような妙に男氣あふれるフレーズを繰り返して、自らを鼓舞し、精神を煽ります。
恙無く精神高揚が終わったので、10時過ぎにアパートを出ました。
暑い!
暫く走って車の車外温度計を見るともう34℃になってやがります。
エアコンは十分すぎるほど動かしてますがわたしの車の塗装は黒なので思ったとおりに効いていない気がする。
途中、別のライフワークである山神社探索の一環として、沼津市内にある未参拝の山神社2社を探訪してから伊豆の国市方面に向かいました。
山神社
沼津市志下にある山神社の鳥居
よく見てもらえばわかりますが、鳥居(この形式は神明鳥居)の
柱の部分が地面にめり込み、台石はなく
全体に寸足らずになってます
擁壁造成の関係でこんな可哀想な仕儀とあいなったのでしょう
神社を見つけること自体が大変でしたが、やっと見つけた
山神社の鳥居がこの状態とは
大変珍しいと思います
© ill-health(ruephas) / 
©プロジェクト "山神社" 2014
寄り道した山神社から目的の場所は時間的には大変近く、あっという間に到着しました。
駐車場は関係者のものと思われる青い軽トラ1台のみでガラ空き。
ちなみにこの時点での車外温度計は37℃をマークしてました。
やれやれ、今年もまた暑い夏がやってきたようだ。

ここ湯らっくすの湯の営業時間は2部制で、午後は13時から始まりますが到着したのはその30分ほど前でしたので、近くにある湯らっくす公園(静岡県伊豆の国市長岡613-1:足湯あり:駐車場あり)で時間を潰しました。
屋根付きのシェルターの存在を期待したのですがそれはなく、ただ足湯のところには屋根がかかってました。
足湯には痩せぎすのばあさんが一人、膝上までスカートをたくしあげて足湯を楽しんでましたんで、ばあさんと少しお話して(結構楽しかった)から浴場に戻ります。

おじさんが来て扉を丁度解錠してくれていたので、こんにちはとご挨拶して中に入りました。
待合は冷房が効いていて涼し〜!
湯らっくすの湯
一見の素人客に対する熱さ警告文書が玄関脇に
掲示されとります
これ見てあらかじめご理解したつもりですがね、現実は更に…
© ill-health(ruephas)
これならばお風呂あがりに何とか一息つけそうです。
券売機で切符を買っておじさんに渡すときに、
「この辺の共同浴場は凄く熱いって聞いてるんだけど」
と訊ねると、本日の管理人たるおじさんは深く頷き、
「そうだね、そう云われてるけど、俺らには普通だな。それでも今の時間はまだ少しぬるいんだ。夜にかけては今より熱くなるよ」

今ならまだぬるい。

この一言に勇気づけられ、まだ誰もいない脱衣場に入ると、山神社探索で汗まるけになったTシャツを脱ぎ、もちろん云うまでもなくパンツも脱ぎ、浴室に入りました。
浴室内には僅かながらも温泉らしい香りが漂ってます。
いいぞ。
浴槽の片隅にある湯口からはドバドバとは云いませんが絶え間なく透明な源泉が注ぎ込まれており、それと全く同じ量のお湯がそのままオーバーフローして流れ出ています。
おお!掛け流しだ。
しかしいきなりその浴槽の湯でかかり湯をするガッツはなかったので取り敢えずシャワーで丹念に汗を流しました。
で、浴槽にイン。
いや、インする前に先ずは手に触れてみました。
覚悟はしていましたが、その覚悟以上に熱い湯であります。
この間入った吉田温泉も熱かったが、ここもそれ並、いやそれ以上です。
しかし私には「毒を以て毒を制す」たる崇高な使命があります。
心中、大山くんに「我を守り給え」と祈りを捧げ足先をお湯につけます。
熱い。
胸熱ならぬ足熱。
極めてゆっくりお湯に侵入していきます。

いきなり尾籠な話で申し訳ないが、おちんちんの話だ。
嫌だったらこの項は読み飛ばしてくれたまえ。
男性は一般に寒いところにいるとおちんちんは縮み上がって小さくなってしまいます。
平常の気温ですと、そのような状態にはなりません。
で、今回ワタクシが身を持って学んだのは、逆に熱すぎる環境下に置かれた場合、寒い環境下に置かれたのと同様におちんちんは縮み上がり、縮小するという紛う方無き事実・現実であります。

時間をかけて源泉に肩まで身を沈め、おちんちんを縮こませたまま皮膚の表面に出来た「ぬるい湯の膜」(熱い温泉が苦手な人ならこの感じ、わかるよね)を極力破壊しないようにぴくりともせず我慢すること30秒。
すぐに限界が訪れ、たまらず浴槽をゆ〜っくり出て、浴室の外に設けられた濡れ縁のような場所に避難して体を冷やそうとしました。
しかしその場所は建物的に言うと、凹のへこんだ部分にあって、あまり風が通らない。
浴室に戻り、誰も居ない事これ幸いと「節水しましょう」と書かれた掲示を横目に見ながらシャワーから水を出してじゃんじゃんかぶりました。
しかるのち再度濡れ縁に出て十分に涼んでから浴槽へ。
今回は初回よりも抵抗感なく入れたような気がします。

先週行ったのは相当熱かった吉田温泉[1]ですが、ここは銭湯でつまり沸かし湯で、今考えると何となくつんつんした感じのお湯だったんですけど(それが悪いって云ってる訳じゃないよ)、こちら湯らっくすの湯は流石温泉ですので熱いながらも丸みを帯びた感じを受けます。
そのせいか、出たり入ったりを何回か繰り返していると泉質と熱さがだんだん体に馴染んできて、最終的には5分ほども温泉に入れるまでにワタクシ成長いたしました。
しかし「夕方にはこれより熱くなる」って、すごいなあ。
今度夕方に行ってみよ。

十分堪能し、自分では十分に体を冷ましてから浴室を出たんですけど、今日の暑さのせいか、浴室から温泉の熱さが伝わってくるのか脱衣場は蒸し暑く、従ってなかなか汗がひかず、着衣することが出来ません。
扇風機を最強にして風を浴びても状況は変わらず、これであれば汗かいていても無理やり着衣し、冷房が効いた待合に非難するが得策であろうと考えてそうしましたが、先程あれだけ快適に思えた冷房は全く弱っちい感じであり、今の私には全く効果がありません。
着替えたタンクトップはあっという間に汗みずくとなり、顎からは汗がぽたぽた滴り落ちてます。
この温泉は可成り温まり、それがずっと続くようです。
冬に入れば、もしかして帰宅してからも暖かさが続くかもしれないね。
良い温泉です。
帰宅後のビールが美味かったことは書くには及ばないでしょう。

[1]
(法的な)温泉でもないのに温泉を名乗るのは如何なものか、なんて思う人もいるかもだけど、昔ながらの銭湯で名称に「温泉」の文字を入れているのは特に珍しくなく、私としてはこれはいわゆる「詐称」には全く当たらないと思っています。
統計取ったわけではありませんが、こういうケースって吉田温泉のように古くからやっている銭湯に多い印象があります。
法的な定義は別として、実際「温かい泉」だしね。
ただし、最近出来たスーパー銭湯とかで温泉でもないのに「温泉」を呼称していたら、これは間違いなく詐称と言えるでしょう。
或いは、かつて溢れていた源泉が今や完全に枯渇して、止む無く水道水や井水を使い始めたのにもかかわらず温泉名義を使い続けるのもどうかと思う。
幸いなことに、これまで前者のケースにあたっちゃったことは無いですけど、ひょっとしたら後者のケースって結構あるんじゃないかって疑ってます。

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貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。