2019年7月7日日曜日

温泉に行かない日(387) 醒ヶ井のお手製とび太くんは表と裏の顔を持つ

幼少の砌より両親や先生から「裏表のある人になっては決していけません」と云われ続けて五十有余年。
実際大人になってみると、軽く裏表のあるナニモノかになってしまったのは残念じゃけれども寧ろ今こそ皆に問いたい。
あんた、絶対裏表がないか?
と。
総理大臣から俺等の如きパンピーまで、派手地味はあるにせよ裏表を必ず持っとるはずじゃ。

さてこの間の週末のことじゃ。
在来線を乗り継いで滋賀県の醒ヶ井というところに行った。
醒ヶ井というのは日本で最初に養鱒場ができたことや、清流でしか育つことがない梅花藻で有名な旧中山道の宿場町じゃ。
この時期咲き始めた梅花藻を見たのは当然じゃけれど、それだけでなくヴォーリズ設計の旧醒井簡易郵便局を見学したり、名神高速道路にめちゃくちゃ近接しとることで一部マニアに名が知られとる加茂神社に参拝したり(残念ながら大山くん物件ではない)、毛髪よ少しでも復活せよ!と心より念じつつ梅花藻ソフトを食べたりしながら街道筋をぶらぶら歩いとると、日本全国どこにでもある「子供飛び出し注意」の看板が沢山設置されとることに気づいた。
その手の看板としては当然とび太くんが圧倒的に有名なわけじゃけども、残念なことにモノホンはちいとばかり高価なのが難点。
従いまして予算がない御町内の場合は大抵お手製看板で何とか駕いどる例が多い。
とび太くんはとび太くんで大変に可愛く事実ワシ自身もファンで、クルマにもとび太くんのお守りをぶら下げとるし、事務所の机にも犬に尻を齧られてズボンが破れとるとび太くん(猛犬注意タイプ)を飾っとるくらいなもんじゃが、各地で見られるお手製とび太くんもそれはそれで味わい深いものじゃ。
ここ醒ヶ井も予算が逼迫しとるらしく(失礼)、街中に溢れとるとび太くんは誠にハンドメイド感溢れなかなかに味わい深いもんじゃと思いながら見とった。
ところがじゃ、無邪気に遊び回り走しくり回っとるだけの純粋な存在であるお子さんを単純に表現しとるだけと思っとった醒ヶ井とび太くん。
裏と表のデザインが違うことに気づいた。
ワシは今の今まで、未来を背負う純真なとび太くん及びお手製には裏表はあるはずがないと思っとった。
しかして実際にはこれら醒ヶ井とび太くんには画然と裏表があり、人間の奥深さを強く思い知らされた次第じゃ。
ほれ、これらを見なさるが宜しい。

Aくん表
© ill-health(ruephas) 2019

Aくん裏
© ill-health(ruephas) 2019
いつもはにこやかなんじゃけれども、実際には冷静に世の中を観察しとる風に見えるA君である。

Bくん表
© ill-health(ruephas) 2019

Bくん裏
© ill-health(ruephas) 2019
表は何か利発そうな雰囲気が漂っとるが、恐らく出かける前にお父さんからベタなオヤジギャクをカマされたのか苦笑いを浮かべとる。
その場ですぐに苦笑いを浮かべたならば、お父さんがハートブレイクすると判断したんじゃろう。
となるとやはり結局利発なお子さんと云えるかも知れん。

Cくん表
© ill-health(ruephas) 2019

Cくん裏
© ill-health(ruephas) 2019
Cくんも例に漏れず表はにこやかな少年じゃ。
しかし裏の顔はこれは何があったんじゃろうか?
ムッツリしとる。
口をへの字に曲げとる。
少し怒っとるようにも見える。
何か不快な思いを抱いとるんじゃろうが、通りすがりに過ぎんワシには何があったのか想像もできん。
嫌なことは早く忘れるが宜しいとアドバイスしておいた。

Dくん表
© ill-health(ruephas) 2019

Dくん裏
© ill-health(ruephas) 2019
電信柱の影に身を潜めて微笑みながら周囲を観察しとるDくんじゃが、この子は関西弁で言うところの「いちびり」なのは間違いない。
あの微笑みから一瞬にしてこの変顔じゃ。
将来はM1優勝間違いなしじゃろう。
あるいは任天堂スイッチを徹夜でやっとって寝不足かも知れん。
子供は早めに寝るが吉じゃとアドバイスしといた。

他にはこんなのもおる。

Eくん表
© ill-health(ruephas) 2019

Eくん裏
© ill-health(ruephas) 2019
ああ!
これはいかん!
表を見た時「この子は年季が入っとる。とび太くん一筋30年といったところか」と思ったんじゃが、それ以上の年季のようで裏はすっかりのっぺらぼうになってしまっとる。
街に新規とび太くんを増設する予算をこの子の補修にまわしてほしい。
これを是非お願いしたいと思った。
因みにワシはこのタイプを「経年タイプ」と呼称することに決めた。

Fちゃん表
© ill-health(ruephas) 2019

Fちゃん裏
© ill-health(ruephas) 2019
この子も「経年タイプ」に分類してよかろう。
さてお気づきの方もおられると思うが、Eくんまでは被っとる帽子に「K」と書かれておる。
しかしFちゃんの帽子には「S」と書かれておる。
表を見たときには「これは男の子じゃろう」と判断したんじゃけど裏を見るとこれは確かに女の子。
女の子には「S」と書くのかも知れん。
K及びSが何を意味するのか、なんの略なのかは諸兄ご推察の通りワシにはさっぱりわからんちんなんじゃよ。
知っとる人がおったら誰か教えてください。

鱒と梅花藻で有名な醒ヶ井なんじゃけど決してそれだけではなく、これこの通りまた別の魅力が満載じゃ。
中部地方からも関西方面からも案外近い場所にあるし、中部地方からじゃったらJR東海が販売しとる青空フリーパス(PCサイトなのでモバイル端末ではちいと見づらいよ)を使えばかなり安く来れる。
たまには鈍行の旅をして醒ヶ井まで来てゆっくりした一日を過ごされるのもいいじゃろうよ。
自転車でゆっくりのんびり走るのも良いかもしれんなあ。

ちなみに醒ヶ井駅前の風景はこちら。

仏像とエロ本満載の白ポストのコンボ
© ill-health(ruephas) 2019
今では既にレッドデータブック入りしていると思われる白ポストと古いタイプの郵便ポスト(丸ポスト)がある。
中学生のころ大抵の駅前には白ポストが設置されておって、何とか中身を出せんものかと官憲や駅員の目を盗んでしきりに取り組んだものだった。
最近はとんと見かけんが、ここではまだまだ健在の様子。
収蔵されとる各種図書の回収の瞬間をぜひ目撃したい。

そしてそのような邪悪な書籍を保管する白ポストを守るように立っておるのが霊仙三蔵という業界では有名らしい人の像。
説明書きがあったので少し読んでみたがむつかしすぎてよくわからず途中から諦めた。

以上、醒ヶ井の勧めであった。

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貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。