2020年3月1日日曜日

プロジェクト "山神社"(53) 合祀・境内社について③

もしかしたら、維持手がいなくなった神社をM&Aして貰うという理由以外で合祀や境内社という事をやったのかも知れん。
例えば財政的理由とか運営効率化がまず容易に思い浮かぶ。
神社という信仰の拠り所に財政とか運営とかいうのはそぐわない気がするんじゃが、しかし例えば図書館の郷土史コーナーでどこでもおいてある地元の神社一覧という類の本をちょっと調べて貰えば判る通り、複数の神社を兼務しておる神主さんはゴロゴロしとる。
下の写真は、ワシが崇敬しとる神社の一つである浜松市中区和合町にある大山祇神社に掲示されとる年間行事表じゃ。

© ill-health(ruephas) 2020
中を読んでみると、
  • 2月11日(火)・・・祈年際(としごいのまつり)11:30〜12:00
    ※本当は2月17日(宮司様用事の為)
  • 12月29日(火)・・・年越の大祓 15:00〜16:00・・・茅の輪くぐりと紙人形
    ※本当は12月31日(宮司様用事の為)
という記述がある。
「宮司様用事の為」本来の日付を已む無く変更しておる。
「本当は」という言葉がこれらリスケの無念さを強く示しておる。
どちらも神社氏子さんたちにとっては残念至極なリスケじゃろうと想像するが、特に年越の大祓の方はやはり、年の締めくくりの日である大晦日にやりたかったじゃろうと思う。
この神社の神主さんはやはり複数の神社を忙しく兼務しとるのは確認済みじゃから、「宮司様用事」というのは恐らく他神社とのスケジュールバッティングと思われる。
例えそれが個人的な所要だとしてもそれはそれで仕方ないことじゃろう。
最近は宮司神主さんのなり手も少ないことは想像に難くない。
宮司神主さんの収入は想像もできないが、恐らくそんなに大儲けというわけでも無いじゃろうし。
それじゃったらいっそのこと、1人の宮司神主さんが兼務している神社をひとまとめにしてしまって宮司神主さんの業務軽減・働き方改革を推進しつつ、同時に本来あるべき姿やスケジュールで催事を執り行うほうがいいのではないかというような考えも、まあありかも知れん。
とは云っても、やはり氏子さんにとっては長く信仰してきた神社が合祀・境内社化により今までの場所からなくなるのは寂しい気持ちじゃろうし、特に年寄にとっては神社までの距離が確実に遠くなるわけじゃから、日常の行為として気軽に参拝できなくなる恐れもある。

財政的理由という事で云えば、2つの神社で合わせてしまって行事を行えば、それぞれの氏子さんにとってみれば単純に神社運営負担コストは半減することになる。
何か真っ当な理由があるのであれば、そのコスト分を少しでも生活費に回したいと考える氏子さんも多少はおるかも知れん。
また神社側にしても、例えば何十年かごとに到来するであろう大規模修繕コストを削減できるのは純粋に魅力的かも知れん。
修繕資金は多分、氏子さんを対象に募ることになると思うんじゃが、それだけではとても不足じゃろうから、場合によっては氏子さんではない近隣住民さんたち対象に寄付を募って手当することになるじゃろう。
が、これはこれで一筋縄ではいかん話じゃろうと思う。
勿論、信仰を対象にコストカットを語るとはまさに罰当たりの所業かも知れん。
そのような批判は当然想像しつつ書いとるんじゃが、やはりこの世知辛いご時世じゃ。
このような理由で大規模なM&Aが各所で進められた可能性はないとは云えん。

じゃけどなあ…
まあ無いとは云えんけどなあ…
確かに運営効率化やコスト削減は神社が生き残るために必要かつ重要な要素とは思いはするが、それだけでM&Aをじゃんじゃん推し進めるかなあ。
あと、このような状況が起こるとすれば大なり小なりどの地域でも同じようなもんじゃろうと想像するが、地域によってM&Aの度合いに明らかな濃淡が見られるの理由がいまいちわからん。
どういうことじゃろうかなあ…

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