2021年4月12日月曜日

やぎさんが好き!(46) ヤギーズファーム

堀之内公園を出発する頃は昼時になっておったので、近くに何か飯が食えるところが無いか調べてみたら、クルマで数分のところに寿蘭(じゅらん:静岡県藤枝市堀之内1782:054-643-8219:11:00〜14:00・17:00〜20:00:定休月曜)というラーメン屋があることを発見しそこでごまあじラーメンなるものを食べた。
詳細は書かぬが、美味かった。
この店は間違いない。
うまいうまいと声に出して云いながらラーメンを啜っておったら、厨房の親父さんが黙って肉団子3ケを差し出して「食え」というような身振りをする。
「へ?あ…」
ありがとうと云おうと思ったが、もしかしてこれはすべての客へのサービスではない可能性があると思ったので、軽く頭を下げるに留め、その代わりお店を出る際には大きな声で「ごちそうさま。美味しかったです」と声を掛けた次第じゃ。
その肉団子も、そりゃあ美味いものじゃったよ。


満腹になったワシはクルマに乗り込み、再び国1バイパスに乗って少し東に進み、潮という集落に向かった。
目的地はもうもうBBQ(リンク先はhttpsではないのでご注意:静岡県藤枝市潮663:080-5114-4129)というBBQハウスがやっているヤギーズファーム(静岡県藤枝市高田917−5:080-5114-4129:管理人さんは「もうもうBBQ」にいます)じゃ。
名前からしてやぎさんの雰囲気が強力に漂ってくる。
最初は、もうもうBBQの敷地内かすぐ近くにやぎさん広場のようなものがあるかと思ったので近くにクルマを停め、敷地内に入っていった。
珍しく外だけでなく屋内でBBQが楽しめる施設で、多くの客人が談笑しながら盛んに肉を食い、ビールを飲んどる。
しかし、店員さんというかスタッフの方が見つからん。
暫くウロウロしとるとそれっぽい女性の方が見えたので事情を説明すると、ヤギーズファームはここではなく、少し離れたところにあるとのこと。
「クルマでもう少し奥に行くと青い建物があります。そこの横にクルマを停めて建物の反対側に伸びる坂道を頑張って登って行ってください」
なるほど。
云われた通り行くと青い建物があり、細い道が確かにある。
そして細い急坂もある。
ワシは掛け声を掛けながら急坂を登っていった。
直ぐにやぎさん広場によくある柵のようなものが見えてきたが肝心のやぎさんは見えぬ。
道は右の方に切れ込んで続いておるので更に進むと、おった!
たくさんおるよ!

ほれどうじゃ
全員ニヤリとしておるじゃろう
やぎさんはいいなあ
© ill-health(ruephas) 2021

結構広い敷地に、もう数え切れんぐらいのやぎさんがおる。
おっきいのもおれば、まだ生まれたばっかのようなちっちゃいのもおる。
やぎさんだけでなく、茶色いひつじさんも何匹かおる。
数的には例の、豊橋にあるMaui(愛知県豊橋市大村町黒下77:営業時間などは不明で多分気まま:¥200で餌を買えます)には劣るかも知れんが、でもまああの位のやぎさん人口じゃろう。
ワシは嬉しくなって「うひゃあいいなあ」と声を上げてその辺の葉っぱをあげようとしたが、待てよ。
柵を見ると「感染症にかかるかも知れんからここから先は立入禁止」的な札が架かっとる。
そうか、ここは普通の牧場じゃ。
この間行ったオーバーザレインボーと同じ感じで、餌を管理しとる可能性が高い。
うむ、仕方ない。
ワシはごく少量の草を千切って柵の近くにおったこやぎさんに差し出すと、あっちからこっちからわぁ〜っとたくさんのやぎさんが集まってきて草を奪い合う格好になってしまった。
これはいかん。
餌はやりたいが、管理されとるようじゃから迂闊にはあげられん感じもする。
これは困ったなあと思っておると、下の方から茶色い軽トラが坂道を駆け上がってきた。
さっきの女の人が運転し、荷台には小さな男の子が乗っとる[1]
軽トラから降りてきた女の人がワシの方に歩いてきて、
「ここ。どうやって知ったんですか」
と訊ねてきたので、
「いや、ネットで偶然見つけたんです」
「ああ、成程ね」
「ここのウェブサイトにソフトクリーム売ってるみたいなことが書いてあったけど、もうやってるんですか」
「ああ、来週から下で『メェメェCafe』っていうのを始めるんですけど、そこで売るんです」
そうか、残念。
今日はまだ駄目のようじゃ。
小さな男の子もワシに、
「やぎ、好きなんですか?よく会いに行くんですか?」
といやに核心的な事を訊いて来たんじゃが、ワシは臆することなく、
「うん。おじさんやぎさんが大好きでねえ、ほぼ毎週色んなとこに行ってやぎさんと遊んでるんだ」
と胸を張って答えたヨ。
ふたりはいつの間にか姿を消し、ワシは寄ってくるやぎさんの頭をなでたり口をぎゅっと掴んだりして遊んでおったが、ふたりは直ぐに戻ってきた。
裏の山で今取って来たと思われるたけのこを何本か抱えておってワシの方に差し出し、
「やぎ、このたけのこが好きなんだよ。あげてもいいよ」
と篦棒に嬉しいことを云ってくれるでないか。
「え、いいの?いやあ嬉しいなあ」
と云って素直にたけのこを貰い受け、皮を剥がしてじゃんじゃんやぎさんにあげたわけじゃ。

たけのこを求めてぬっと顔を出す
2匹のこやぎさん
© ill-health(ruephas) 2021

大きなたけのこが3〜4本もあるので、正にやりたい放題じゃ。
たけのこをあげとると、いろんなことに気づく。
皮が好きなのもおれば、本体のたけの部分しか食わんのもおる。
他のやぎさんが食べかけたやつは絶対に口にせんのもおれば、そんなの関係なくわしわし食うやつもおる。
がっつくやつもおれば、おしとやかにもぐもぐ食べるのもおる。
他のやぎさんに構わずグイグイ突っ込んできて奪うようにたけのこを食うやつがおると思えば、その強引やぎさんに対して頭突き制裁を加えるアントニオ猪木さんのような正義感の強いのもおる。
これだけたくさんのやぎさんがおると、それぞれの個性がわかってなかなかおもしろい。

人懐っこいやつは顔を出すだけで
このようにしてくれる
© ill-health(ruephas) 2021


この3匹はどうやら母子のようじゃ
左のこやぎさんのにこやかさと行ったらどうじゃ
© ill-health(ruephas) 2021

そんなこんなでどうじゃろうか、1時間以上はここでやぎさんと戯れてしまった。
いやあ、本当に楽しい時間じゃった。
聞けば、近い将来の計画として観光農園的な要素も入れていくとのことじゃった。
そうなれば、より多くの人たちがやぎさんの素晴らしさに気づくことになろう。
そしてあとからここの公式サイトを見ると、軽トラの女性はこの牧場の主であって、非常に真面目にやぎさんに向き合っとる人ということがわかった。
その真摯さは、公式サイトを見ればわかるので是非ご覧いただければと思う。
しかし、ヤギアイス、食いたかったなあ。
しかしもう来週から売っておるはずじゃから、また行けばよろしかろう。

たけのこをたらふく食べて
腹がくちくなったのでへたり込み
遠くを見てニヤリとしながら
居眠りしたり反芻したりするやぎさん達
© ill-health(ruephas) 2021


ほれ、これを見れば
やぎさんのかわいいニヤリが良く分かるじゃろ
© ill-health(ruephas) 2021



[1]
道路交通法 第55条
「貨物自動車に貨物を積載している場合は、貨物を看守する必要最低限の人員を荷台に乗車させて運転することができる」から問題ないじゃろう。

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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。