2021年10月29日金曜日

プロジェクト "山神社"(83) 久根神社 山神社

本日はちょっと興味深い山神社に行ってきた。

久根神社 山神社の参道石階段
© ill-health(ruephas) 2021

久根神社 山神社(くねじんじゃ さんじんじゃ:静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間102)というところじゃ。

浜松の天竜周辺は、今やその雰囲気は殆ど消えてしまっておるが実は鉱山で有名な所じゃったらしい。
嘗てはいくつかの鉱山があり大変に賑わっており、山の中には従業員用のアパートがたくさん建っていて、何と病院や映画館まであったとか何とかという話を以前誰かから聞いたことがある。
そんな諸施設の明かりで、夜中に山道を上り下りするのも難儀ではなかったという話も聞いたことがある。
またそんな鉱山設備の廃墟みたいなのが今なお残っておるという話も聞いたことがある[1]
ただワシは鉱山マニアでもないし、廃墟マニアでもないので聞いただけですぐに忘れてしまっておった。

さて先日、暇にあかせて例によりGoogle Mapで大山くん物件探索をしておったら偶然この久根神社 山神社というのを見つけた。
全く未知の山神社であったんで気にはなっとったんじゃが、本日時間があるので早速出掛けてみた。
天竜川沿いに通っとる国道152号線をじゃんじゃん北上し、水窪と佐久間の分かれ道のところにかかっとる大井橋を左に入って佐久間方面に進み2kmほど走ると、山側の擁壁に階段がある。

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階段の反対側にはちょうどよい退避スペースがあるのでそこにクルマを停めることは可能じゃ。
この辺の道は中央線が引かれた広い2車線道路なので、ここに停めても迷惑にはならん。
駐車ポイントのあたりにGoogle Mapsには何も目標物が無いので具体的にポイントを説明しづらいんじゃが、35.087179, 137.834305でGoogle Mapsで採用されておるPlus Codeだと「3RPM+VPF 天竜区、静岡県浜松市」になる。

(違法)駐車スペースと神社入り口階段の位置関係
写真は佐久間方面を向けて撮っとる
おっと、ワシの真っ黃っ黄のやつがおるな
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写真右側に見える苔むしたコンクリの階段をを登って行くと、神社に通じる山道に繋がっとる。
階段を登りきると、昔はあちこちでよく見かけたことのある「リスさんの山火事注意」看板があった。
下の方には「久根鉱山」と書かれておる。
この道で間違いないようじゃ。
しかし纏を持ったリスさんかぁ。
いやあ、懐かしいなあ。

下の方に久根鉱山と書かれとる
ところでなんでリスさんなのか?
この年になっても不思議じゃ
しかさんとかやぎさんではだめじゃろうか
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懐かしがりながら先に進むんじゃが、この道は山道とは云っても一部を除いてコンクリ舗装されておるので歩くに難儀を感じることはない。

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ただ余りヒトは通っておらん様子で、ところどころ木の枝や葉っぱが落ちとったり、コンクリの一部が割れておったりする。
山道と云うと途中案内もなく枝分かれしておって道を間違えることがあるんじゃが、この未知は九折ではあるが一本道で迷う心配はまったくない。
途中、嘗ては資材などの搬入出に使っておったと思われるロープウェイなどがあったりするし、

ケーブルは一部外れておる
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山道の山側はずっと石垣が組まれておったりする。
そんな道をグイグイ進んでいくとコンクリの道から右に枝分かれする未舗装の道があり、その地点には幟旗立てと思われる石柱が立っとる。

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おや、と思って周囲を見ると、道の上に何かの構造物が見える。

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ああ、あれが目的の山神社じゃろう。
ワシは早速枝分かれの道を進んでみた。
すぐに立派な石造りの鳥居に到達した。
それが冒頭の写真じゃよ。
再度載せておこう。

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山中にある神社の鳥居は設置するのが大変じゃから木造にしたり、新しく建て替える際にはアルミのポールを使ったりするケースが多いが、ここは立派な石造り。
帽子を脱いで一礼してから鳥居を潜り、かなり荒れて草木が降り積もった参道の石階段をのぼると、左手に手水舎がある。

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これもなかなか立派じゃが、いかんせん建屋の柱が傾いで潰れかけておる。
右側を見ると、何らかの建物(四阿じゃろう)の屋根が地面に落ちてしまっとるのが見える。

ああ…いかん…
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こちらもおそらく柱が腐って屋根が落ちてしまったんじゃろう。
ヒトが関わっておらんと、建造物はこのようになってしまうものじゃ。
そして更に数段の石階段を登ったその先に拝殿が見える。

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メインの拝殿があり、奥には本殿がある様子じゃ。
そして拝殿の左右には木製の祠がある。
まずは本殿にお参りじゃろう。
お賽銭を扉の隙間から賽銭箱に向かって投げ入れ(いやあ、外したヨ)、帽子をとってお参りした。
そして頭上を見上げると、真っ黒い扁額のようなものがかかっておる。
珍しく鉄製の扁額で、黒く錆びておる
おそらく嘗てはきれいな鉄板で、神社名が鮮やかに認められておったんじゃろうが今は真っ黒。
ワシは何が書かれておるかじっと見てみたが、暫くすると何とか読めた。
白い文字の右書きで「山神社」(社神山)と書かれておる。

やあ、うっすく「社神山」と書いてあるな
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よし。
これでメインのデカい建物が山神社確定じゃ。
となると、左右にある祠のどちらかが「久根神社」ということになる。
まず左側の祠にお参りした。

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そして覆っている屋根の中入り祠をよく観察してみたら「招魂殿」と書かれた扁額があった。

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この名前からすると恐らくじゃが、久根神社の開発運営などに伴い命を落とした方々を慰めるところじゃろうと思う。
右側にある祠は赤く、お参りしてから失礼して中を見てみたら狐の焼き物があったので、多分倉稲魂命を祭神とする神社じゃろう。

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もしかしてこれが「久根神社」かもしれん。
その赤い祠の更に右側にやはり傾いだ物置のような建物があり、中にはお神輿や電飾などお祭りグッズが入っておる。

主にはお神輿の部材が入っとる
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嘗てはこの小屋に入っとるものがすべて表に出され、にぎやかにお祭りが行われたんじゃろう。
小屋の周りを見ると、空になった一升瓶やビールの缶が結構散乱しとる。
ざっと見回しただけで一升瓶が5〜6本、ビールの空き缶は数知れずという数量感じゃ。
探せばもっと多く散らかしてあるに違いない。

© ill-health(ruephas) 2021
© 2007-2021 Kirin Holdings Company, Limited.

その中にキリンラガービールの空き缶があった。
余り見たことがないデザインじゃが、これがどの時期に販売されとったかがわかればこれがいつ頃捨てられたのかがわかると思い調べてみた。
iPhoneに入れてあるGoogleアプリは大変便利で、画像を元にして色々世界を検索してくれる。
上の写真を元に検索してみたら、何と一つ引っかかった。
「30年前の貴重なキリンラガービール缶。大好きな能登へ行った時に売られていた品」
とある。
この商品は10ヶ月前に出品されているので、記載が正確ならば約31年前のもののようじゃ。
今から31年前というと1990年。
久根鉱山が閉鉱したのは1970年じゃから、時間軸は全然一致しない。
もしかすると、閉鉱後も暫くは鉱山関係者が時折この神社に集ってはお祭りをして旧交を温めておったのかも知れない。
ただ、1990年というと閉鉱後すでに20年経過しとる。
皆年取ってきて集うのがむつかしくなり誰も来なくなり、その後この神社も荒れ果てていったのかもしれんなあ。

さて、参拝終えて山を下ると、反対側の天竜川側に何かの設備や貯水池のようなものが基の間から見える。
何じゃろうと思って調べてみたらここは公益財団法人資源環境センター久根事業所(静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間2)というところじゃった。
一般に鉱山からは閉鉱後も有害物質を含む坑廃水が半永久的に流出するそうで、久根鉱山から流れ出る坑廃水対策のために2001年にこの事業所が開かれとるとのことじゃった。
そう云えばさっき参拝した山神社の近くには何かの貯水池があり、そこだけ真新しい監視カメラのようなものがあって(写真失念)池の方を監視しておる。

草原に見えるが草が生えとるのは池の底
監視カメラはこの写真でいうと右上にあって池を見とる
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「こりゃあなんじゃろうなあ」と不思議に思ったんじゃが、これももしかして資源環境センターの業務の一環なのかもしれんなあ。
閉鉱しても、このような形で地元に関連しとるということがなんか不思議な気もしたなあ。

あ、あと久根鉱山に関しての地元伝説じゃが、江川卓の親父が古河の社員でこの久根鉱山で働いとったらしい。
そんでもって子供の江川卓も付いてきておって、このへんで野球のボールを投げたりしとったらしいが、ホントか嘘かはワシにはわからん。

[1]
これらはいずれも天竜区下平山にあった峰之沢鉱山の話で、今回行った久根鉱山のことではないじゃよ。


2021年10月24日日曜日

プロジェクト "山神社"(82) 大峰神社を参拝するために竜ヶ石山に登ってみた

浜松市北区には観光洞窟としてはまあまあ有名な竜ヶ岩洞(りゅうがしどう:静岡県浜松市北区引佐町田畑193:053-543-0108:¥1000:9:00〜17:00)がある。
観光嫌いなワシとて1回行ったことがあるが、まあまあ楽しめるし変な顔ハメがあるのも更によろしい。
その北東に竜ヶ石山(りゅうがしやま:標高359.1m:静岡県浜松市北区引佐町田畑)があって、その山頂のすぐ近くに大山くん疑惑物件があるとの情報が某地元民から寄せられたんでワシは出掛けたが、実は内心憂鬱たるものもあったのは否めん。
何故ならば、行き先は山頂。
山頂を目指すと云えば、此れ即ち登山
登山と云えば登路。
登路と云えばシンドいし、ワシは最近膝の調子がよろしくない。
おそらく行きの登路は明後日あたりの筋肉痛の原因となり、帰りの下り道は膝痛の原因となることこれ明白じゃ。
まあたかだか標高359mの低山じゃし、こうは見えてもワシは高校時代には一時期登山部に所属し、クソ重くて安定性のないキスリングを担いで前穂西穂辺りを縦走したことのある漢じゃ。
なんとかなるじゃろうし、更に自らを鼓舞するために先日購入したイワタニのカセットガス ジュニアコンパクトバーナー CB-JCBを持って行って山頂でお湯を沸かしてカップラーメンを喰らうというちょっとした楽しいイベントを行うことした。 
因みに目指す神社は白山大神・秋葉大神・大峰大神(静岡県浜松市北区引佐町田畑:Google Mapsには申請し登録済みじゃが何故か出てこん。Google Mapsで34.849689,137.654626か「VM23+5F 浜松市、静岡県」で検索すれば宜しかろう)じゃ。
大峰大神というのがやはり誰が見ても大山くんを想起させるわけじゃ。

竜ヶ石山の麓には有り難いことにかなりの台数が停められる無料駐車場がある。
そこにクルマを停め、ビジネス用ではあるが大容量の背嚢に水やらカップラーメンやらコンパクトバーナーやらを詰め込んでいざ出発。
すぐに嫌になった。
ず〜〜〜〜〜〜っとダラダラ登るアスファルト道路が続いとる。
全く山道ではなく、木陰もなく暑い。
ダラダラと云っても時には勾配がキツくなる。
はあはあ息をつきながら暫く歩くと、急に山林が出現し「林道 起点 田畑線」という標識がある。

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その先の路面はアスファルトからコンクリートに変わり、木陰を歩くためハイキング感が高まる。
しかし上り坂であることは変わらん。
途中「貞雄桜」という個人名を思いっきり強調した桜があり、竜ヶ石山で一番キレイだと書いてあるが今は秋なのでただの木じゃ。

いやあ、光が映り込んでしもうた
心霊現象にあらず
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駐車場をスタートして30分ほどじゃろうか、コンクリの道から右に切れ込む細い山道が現れ、そこには「竜ヶ石山・峠の登山口」との標識がある。

竜ヶ石山の各種表示物はこのように
緑色に統一されておるのでわかりやすく
見落とすこともない
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ワシはそれに従い、細くて急坂で歩き辛い山道を進む。
ぐんなりしながら登っていくと、変な形状の岩がある。

なんだかハーフタレントの芸名みたいじゃな
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条溝カレンというらしい。
ワシはこのようなものに興味はあるもののタモリではないので、なんでこうなるのかはさっぱりわからん。
地元民によるものと見られる「鬼の洗濯岩」なる看板もあるが、その名前で有名なのは確か宮崎の日南海岸。
ここは山のてっぺん近くなのに不思議なことじゃ。
あと写真を取り忘れたんじゃが、帰り道にはこの条溝カレンに野球ボールくらいのきれいな穴があいとるのもあった。
同じようなものが川で時々見られるが(ポットホールという)、これは川を流れてきた石が岩に引っかかって同じ場所をぐるぐる回り続けると出来ると以前聞いたことがあり、ワシは2015年に富士市入山瀬の潤井川というところで見たことがある。
川で出来るものと同じようなものが山頂近くで見られるのも解せん話じゃが、ワシはタモリではないのでどうでも良いことじゃ。

登山口から30分ほど歩くとこれまで最高にキツい勾配が現れ、それを抜けるとやあ、竜ヶ石山の山頂じゃった。
ちょっとした広場になっており遠く太平洋まで見渡せる素晴らしい風景が見える。
苦労した甲斐があったというものじゃ。

よお〜く見るとアクトタワーも見えるなあ
空と地面の境目には太平洋(遠州灘)も見えるぞ
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富士山が見える台というようなものもあったが、その方向には木が茂っとって富士山は見えんかった。
本日の最大の目的は、この山頂から先のすぐ近くにある大山くん疑惑物件への参拝じゃがちょうど昼時で腹が減った。
早速カップラーメンを喰らうことにした。

カップラーメンとかカセットボンベと
比較すればバーナーのサイズが分かるじゃろう
かなり小さい
ちなみにこのカップラーメンは賞味期限半年越え
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流石にMade in Japan。
小さくて精密な仕上げのバーナーじゃ。
その脚と五徳を開き、カセットボンベを装着してベンチに安置する。
そこに水を入れたヤカンを乗せてカチリと火をつけた。
小さいのになかなかの安定性があるようじゃ。
しゅ〜っという音を立ててガスは燃焼し、そうじゃなあ中火で10分掛からずお湯は沸いた。
賞味期限を遥かに超過したカップラーメンにお湯を投入し5分待ち、持参の握り飯とともに食べたがこれは大変にうまかった。
腹もくちくなったので一休みし、早速大山くんのとこに行ってみた。
大山くんのとこと書いとるが、実際のところは不明じゃ。

小さな石祠が3つ
身を寄せ合って並んどる
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ドーム状に積まれた岩の中に3つの石祠がある。

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傍らの表示を見るとこれらはそれぞれ、
・大峰大神(山の神)
・秋葉大神(火防守護・火難除け)
・白山大神(家内安全・縁結びの神)
ということらしい。

一番左(大山くん?)と真ん中の祠は
右側の柱が折れてしもうとる…
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この表示の順番通りだと、一番左の祠が大峰大神(山の神)ということになるが、これだけでは「大峰大神=大山祇命」という等式が証明できん。
帰宅後、蜘蛛の巣でちょっと調べてみたんじゃが、この点について突っ込んだ記載のあるサイトは皆無じゃった。
神様名が書かれた表示を作ったのは「田畑崇敬者」であり、田畑とはこの辺の地名じゃ。
もしかしたら地元民に聞けばわかるかもしれんが、この規模の祠じゃと大昔からの自然信仰かもしれず、元々神様の名前が明確に割り当てられておらん可能性もある(太古から神様として祀られていた石とかに対して、後付で有名所の神様を割り当てることはまああることじゃ)。
ならばそれで良し。
ワシとしては勝手に「大峰神社の御祭神・山の神=大山祇命」と解釈し、それで良しとしよう。
まあ一応、地元にある図書館で何か情報が無いかは確認してみよう。


2021年10月10日日曜日

温泉に行かない日(510) 対応がクソ速くて吃驚したぞJVCケンウッド

朝の通勤では、通学のお子さんがわらわら歩いとるのでワシは制限速度をきっちり守ってゆっくり走っとるんじゃが、結構な頻度で腐った水のようなボディ色の日産ノートにワシのスイスポは煽られることが多かった。
狭くて子供さんがたくさん歩いとる道で前車を煽るとは下手くそな証そのものなんじゃが、追突されては困るので、ワシは一念発起して熱帯雨林でJVCケンウッドのGC-TR100-Bというドラレコを買って車屋に取り付けてもらった。
効果は覿面で、腐った水のようなボディ色の日産ノートは車内のドラレコ本体とリアカメラを視認して以降、ワシを煽ることをピタリと止めた。
誠に根性無しな野郎じゃと思う。
それは兎も角、お守り若しくはオマジナイとしての実効性能は抜群なこのドラレコなんじゃが、ここひと月くらい、ブラケット(ドラレコを固定するステイのようなもの)のネジが上手く締まらないことに気づいた。

赤丸のナットが効かなくなったわけじゃ
© 2020 JVCKENWOOD Corporation

まあプラ製じゃし、夏など車内は50℃とかになるから狂いが生じるのも仕方あるまいと考え、JVCのドラレコサイトに入って別売していないか探してみたが一向に見つからん。
カー用品店に行って探してみても見つからんし、店員に聞いても要領を得ん答えしか帰ってこない。
ワシは仕方なくJVCの問い合わせサイトから窮状を訴えることにした。
訴えたのは先週の木曜日じゃったと思う。
内容は、
レコーダ本体の話ではないのでS/Nは省略しています。
フロントカメラ固定用ブラケットのねじ部分がいわゆる「ばか」になってしまい、固定することが出来ません。
修理は不可能だと思いますのでブラケットだけ交換したいのですが、別売しているのでしょうか。
ウェブサイトなどを見ましたがわかりませんので質問させていただきました。
宜しくお願いします。
という感じじゃ。
これこのとおり、ワシとて書く必要があるときは常識的な言葉遣いが出来るんじゃよ。
その問い合わせをした翌日、仕事しとると0570から始まる見慣れん番号からワシのiPhoneに電話が入った。
妙な電話ではないじゃろうと思い出ると、
「こんにちは、JVCケンウッドカスタマーサポートセンターの◯◯と申します」
まあJVCじゃろうと思いつつ電話に出たんじゃが、通常メールでの問い合わせにわざわざ電話で対応するのは珍しいことではある。
「はい。お世話になります△△(ワシの名字)です」
「先日お問い合わせしていただいた件で電話を差し上げましたが、いまお時間は大丈夫でしょうか」
実際のところ勤務中じゃし、ワシの上司も2人共席に座って仕事若しくは仕事をしとるふりをしとる。
じゃから本来ならば「ちょっとまずいです」というのが正しい答えじゃがそこはそれ、ワシとてこう見えてもそこそこ高い立場に居るし、朝は始業1時間以上前に来て退勤は定時を1時間以上経過してからという日々じゃ。
勿論残業はつかんがの。
じゃから平気で大きな声で「ええ大丈夫です。どんな話ですか」と返した。
◯◯さんは、
「ネジの部分を無理やり締めたとか言う感じの無茶な使い方してませんか」
と問うてきたためワシは、
「月1回のSDカードフォーマットの際に緩みを感じたら増し締めする程度で、力づくで締めたりするようなことはしてません」
と実際の通り答えた。
「なるほど承知しました。では新品のブラケット代替品を無料で送付いたしますので、恐れ入りますがお客様自身で交換していただき、ネジが効かなくなったものについては同梱しております返送用の箱に入れてお繰り返していただきますでしょうか。着払いの扱いにさせていただきます」
「ははあ、なんか申し訳ないですがありがたくお受けします」
「よろしくおねがいします。ご返送いただいたブラケットについては確認の上、今後の品質向上に役立たせていただきます」

で、本日。
JVCケンウッドから代替品が届き、先程早速交換させていただいた。
当然ながらきっちり固定することが出来るようになり、大変満足じゃ。
今回の件や、前回のモデム交換の件で実感したのは、安物買いの銭失いと云うか、日本ブランドの誠実さというか、そういったものは流石に凄いなあということじゃろう。
これが例えばはっきり書くが、中華製のやっすいドラレコ(怪しいブランドの中華製ドラレコは数千円から売り出されとる。わしのは3万円弱のやつじゃった)じゃったり、やっすいが名も知れぬ通信事業者じゃったりしたら、物事こうは進まんかったじゃろうと思う。
何回電話しても通じず、メールで窮状を訴えてもまともな返事も来ず泣き寝入りするしか無いという事態も充分に予測される。
やはりなんだかんだ云っても、日本の会社、ブランドはそれなりの矜持を持っておるんじゃろうと実感した。
まあ最近はそうでもない会社も散見されるが、ワシの場合はたまたま結果としてじゃがきちんとした対応を誠実にとってくれる日本のブランドで本当に良かったと思った次第じゃ。

プロジェクト "山神社"(81) 権現谷山神神社

前回は浜松市中区和合町にある大山祇神社の例大祭に参列したヨ、というお話を書いたんじゃが、その関係で調べ物をしておるとその大山祇神社の近くにもう一つ大山くん物件と思しき神社があるのを偶然発見した。
権現谷山神神社(ごんげんやさんじんじんじゃ:静岡県浜松市中区和合町211−23:駐車場は勿論無いが、住宅地ゆえ短時間ならば路駐は可能)という神社で、ソースは和合町自治会の公式サイト内にあったPDFじゃ。
ファイル内の2ページに「山神神社」の記載があり、更にその先の4ページに有る「町内の神社」にその場所が指し示されておる。
神社名からして如何にも大山くん臭いが、この神社は今までどの文献にも出てきておらなんだ。
要するに初めて知った神社ということじゃ。
小さい神社じゃから文献には載らんかったんじゃろう。
ワシは早速でかけてみた。
勿論Google Mapsに記載はないが(ただし昨日ワシが登録済み。「PPM6+JW 浜松市、静岡県」で検索できます)、近くに「権現谷片身が池公園」(静岡県浜松市中区富塚町1560)が対面にあるのでそれが目標じゃ。
着いてみると、大きなお宅の端っこにお社がある。
個人宅のため全体像をカメラに収めるのは流石に憚れたが、その代わりGoogle StreetViewで確認できる。

赤枠内が権現谷山神神社(多分)
著作権表示は画像右下参照(Google)

私有地内、家の西側にあるようじゃ。
しかも参道入口にはフェンスが設けられておって、基本ヒトをシャットアウトしておるように見える。
ただしその扉には鍵がかかっておらず、誰でも入れる。
ワシは扉を開けて入ることにした。
まあ真っ昼間じゃし、もし誰かに誰何されるようなことがあっても、これこれこのような経緯でこの神社を見つけたのでぜひ参拝したいんです、と答えれば許してくれるじゃろう。
砂利が敷き詰められた参道が伸びており、きれいに保たれた祠と云うか本殿と云うかに続いておる。
小振りながらも全体に大変綺麗に保たれておる。

擁壁と住宅に挟まれとる
© ill-health(ruephas) 2021

参道脇の黒くマルチされた部分を進んで奥まで入り込んでみた。
参拝前に拝殿(神殿兼用かな)の中を覗き込んでみたが賽銭箱の類のものはない。
大きめの木の祠が1つ、その左右に小さめの祠が2つ置いてあるのが見える。
供えられておる榊は真新しく、もしかして隣の家の方がこまめにお手入れなさっとるのかもしれん。

© ill-health(ruephas) 2011

ワシはお賽銭を扉の隙間から床に落とし込んでからお参りを済ませた。
普段ならば祠の裏に回り込んだり、しつこく社殿の中を観察したりするんじゃが、矢張り私有地内かもしれないと思うとさっさと退散したほうが無難に思えたため今回はやめておいた。
帰宅後、更に情報がないか調べてみたところ、浜松市高台公民館が発行している「台地と水と輝き」という書籍にやや詳しい記載があるのを見つけたので引用してみる。
権現谷山神神社(和合町権現谷)
祭神 正一位山神大明神・稲荷大明神・大弁財天
建立 万延元年(1860)
Aさん(原典には氏名が明記されていますがここでは伏せます)が所有する山林の谷合いに、権現谷川が流れている。そのかたわらに、かつては湧水地であった片身の池がある。この池のほとりに山神神社(さんじんじんじゃ)がある。
山神神社は、近くの住民の氏神様として祭られている。
例祭日:毎年10月17・18日
ふうむ、やはり大山くんが主祭神と見て間違いないじゃろう。
左右の祠のどっちがお稲荷さんでどっちが弁天さんかはわからん。
さて余談じゃが、上記由来書きの中にある「片身の池」というのが気になる。
変な名前じゃが、往々にしてこのような名前のスポットには特異な話がつきものじゃから。
で、調べてみるとやはりあった。
サマって書くと、この池はこのあたり(浜松市高台地区)によくある家康話(「銭取」とか「小豆餅」でググってみなされ。色々出てくるよ。まあ殆どはギャグ話ですわ)の1つの舞台で、家康が武田にボロ負けした例の三方原合戦のとき、この辺に陣を敷いていた家康が何故か急に魚が食べたくなり、家来に探させて近くの池でデカい鱸を捕えた。
早速片身をおろしてうまそうに食っておったら急に敵が踊り込んで来たため逃げ出したんだけど、半身が残っておった鱸をみやって「こいつも命が惜しかろう」と思い元の池に逃がすと、その鱸は片身のまま嬉しそうに泳いで逃げていったとさ。
その池というのが「片身の池」ということじゃが、今はもうなくなっておる。
この話を読んでワシがすぐに思ったのは、
「自分がとっ捕まえておろして食ってたクセに『こいつも命が惜しかろう』もクソもないじゃろう」
ということじゃ。
そう思わんか?
まあいいや。
例えば銭取の話にしても要約すれば「三方原合戦の際、家康が茶店に寄って小豆餅を食っとったら、急に敵が踊り込んできたんで馬にまたがるや金も払わず慌てて逃げ出した。それを見て激怒した茶屋のババアが走って追いかけて追いついて金を払わせた」などというにわかには信じられない話だし、この辺のヒトはまあこんなんが好きなんでしょうな。
「敵」とは当然武田じゃろうが、騎乗の武田氏よりこのババアのほうが速かったわけじゃ。
ワシ(浜松出身ではない)に云わせりゃあり得ん話じゃが、浜松市民の98%はこの話はガチじゃと思っておるらしい[ 要出典 ]
家康という人物は戦に負けてようがなんだろうが、食い物に目がなかったらしい。
何かを食っていたら急に敵が踊り込んできて慌てて逃げるが、その後にありえない何かが起こる、という共通項があるな。

兎に角新たな大山くんを発見できてワシは大変に満足したヨ。
あと、このような小さな神社のことは発行元がメジャーどころな書籍(例えば静岡県神社庁の資料とか)には未記載じゃけど、市内各地区が自主的に編纂しとる郷土史系の資料を丹念に当たれば、もしかして未知の大山くん物件を見出すことが出来るかもしれんと思った今回の一件じゃった。

2021年10月9日土曜日

プロジェクト "山神社"(80) 大山祇神社の例大祭

いやあ、今年は8月から9月末にかけてガチ猛烈に仕事が忙しく、土日祝出勤も多く、たまの休みはぐんなりしてベッドで横になっておることが殆どじゃった。
じゃから前回の投稿から間が空いてしもうた。

最近になってやっと余裕が出てきたもんじゃから、以前からぜひ見てみたいと思っとったお祭りに行ってきた。
浜松市和合町にある大山祇神社(静岡県浜松市中区和合町189)の例大祭じゃ。

いつもは閉じられておるお社も今日は全開♪
氏子さん方や町内関係者が中で段取りなさっとる
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神社のお祭りというとたくさん出店がきて賑わうというのがイメージじゃが、武漢ウイルスのこともあり神事のみというシンプルな内容じゃ。
あ、ちなみにワシはこの神社の氏子ではない。
氏子の正しい定義をワシは知らんが、まあその神社の近隣に住んどる信者ということになろうが、ワシはこの神社からだいぶんに離れたところに住んどる。
ではなぜお祭りに出たいかと云うと云うまでもなく、御祭神の大山くんが好きじゃからじゃな。
また社名も「大山祇神社」とそのものズバリであり、それも気に入っておる。
まあ「崇敬神社」に近い感じじゃろう。
例大祭は10月6日となっておるが、実際には多くの神社と同様にその周辺の土日に執り行われることが多く、今年は10月2・3日に開催された。
ワシは神事が行われる3日に行ったわけじゃ。
事前の情報では「オリジナルお守りや安全運転ステッカー、更には大山だんごさえ売られとる」とのことであった。
この規模の神社でオリジナルのお守りやステッカーを作るというのはそうそうないと思うのでワシはぜひ買おうと思っておった。

境内に入ると右手にテントが張ってあり、そこで大山くんグッズを販売しておる。

やあ、事前情報通りじゃ
これは買わねば!
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早速行ってみると「大山祇神社」と縫い込まれたお守り(500円)、「無事かえる」という文字と「大山祇神社」の名を印刷しておる交通安全ステッカー(100円)、そして大山だんご(みたらしとあんこの2種類:300円)が事前情報通り売られておる。
ワシは屋も盾もたまらずすべて購入した。
売店のお母さんは「今回のお祭りで最高額のお買い上げ」といっておった。
ちなみに大山だんごのチョイスはみたらしじゃ。

見事な品揃えと云わねばなるまい
「無事かえる」のコピーはどストレートすぎてむしろ秀逸
© ill-health(ruephas) 2021

ワシは買い物するのは好きでも嫌いでもないが、今回は珍しく「ああ、買ってよかった」ととても満足できた。
大山くんの名を冠したグッズは三嶋大社とか四国の大山祇神社など、デカい金持ち神社くらいでしか売っておらんじゃろうし。

境内を暫くウロウロしておると、女性の宮司さんとそのアシスタント役っぽい男性が現れた。
いずれもマスクをなさっとる。
この女性宮司さんは新聞でも紹介された方で、もともとはキャビンアテンダントとか大手商社で受付をしておったというヒトじゃ。
拝殿にはパイプ椅子が並べられ、マスク姿の氏子さんが腰掛け始めた。
ワシは氏子でもなんでもないので拝殿の外から見物しようと思ったおったんじゃが、売店担当のおっちゃんが「おーい、◯◯さん(多分氏子総代のヒト)。まだ座れるじゃろう。このヒトも上にあげられんか」と声をかけてくださった。
「おう座れるよ」とそれに答え、ワシに向かって「ぜひご参列下さい」と云ってくれた。
「氏子じゃないですけど大丈夫ですか」
「大丈夫ですよ」
これはもしかしたら、高額購入者たるワシへのサービスかも知れぬな。
ワシは恐縮しながら拝殿に上がり、用意してくれたパイプ椅子に神妙な面持ちで腰掛けた。
前には式次第が掲示されとる。

いくつもやることがあるようじゃが
時間的には全部で30分程度
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ワシは大山くんが好きでたくさんの大山くん物件に来訪しとるが基本は無宗教であり、この例大祭のような正式な儀式に参加するのは実は2回めで作法も何も知らぬ不心得者じゃ。
なにか間違いを犯して神事をぶち壊しにすることだけは避けたいものじゃと思ったが、実際には進行役の総代さんがポイントポイントで頭をお下げ下さい、お直り下さいなどと指示をくれるので助かった。
最初に宮司さんが神事とは関係なく「最近はやっとコロナウイルスも下火になってきましたが、まだまだ油断せず気をつけて生活いたしましょう」などという感じのご挨拶があった。
それから本番の神事が始まるわけじゃ。
式次第を書き写してみると、
一 修祓(お祓いのこと)
二 宮司一拝(宮司さんが御祭神に深くお辞儀すること)
三 開扉の儀(神殿の扉を開けて御祭神に出てきてもらうこと)
四 献饌(お米とかお酒を御祭神に献上すること)
五 祝詞奏上(宮司さんが御祭神に祭文を申し上げること)
六 玉串拝礼(玉串を御祭神に掲げて拝礼すること)
七 撤饌(御祭神に献上したお米とかお酒を下げること)
八 閉扉の儀(神殿の扉を締めて御祭神に戻ってもらうこと)
九 宮司一拝(宮司さんが御祭神に深くお辞儀すること)
本当は最後に「直会」(御祭神に捧げたお供え物をみんなでいただくこと。まあ打ち上げの軽い宴会みたいなもんじゃろう)というのがあるらしいんじゃが、今回は武漢じゃしやめておきましょうとなっとるようじゃ。

神事は滞りなく進み「開扉の儀」になると、宮司さんが前に進み出て大山くんが住まわっておる奥の神殿の扉を開き始めた。
わしは、
「おお!凄い!大山くんの家の中を見れるぞ、やったなあ!」
と思わず目を凝らしてその様子を見ようとした。
他の氏子さんたちも同じ思いらしく、皆さん前に座っとるヒトの頭と頭の間から何とか奥の方を見ようとしとる。
ぎぎぎぎぎ〜っ、という音がして、さあ開き始めたぞいよいよじゃなあと胸熱になりながら更に目を凝らしたその瞬間、氏子総代の「頭をお下げ下さい」という重々しくも冷徹な一言が放たれ、ワシは渋々頭を下げた。
他の氏子さんたちも同じく悔しそうにして頭を下げとる。
「お直り下さい」の声がかかったのでワシは頭をあげ、開かれた扉の奥を見てみたが中は真っ暗でなんも見えなんだ。
残念じゃ。
また、祝詞奏上は宮司さんが唱えておる内容は殆ど読み取れるのがお寺の儀式と異なりいいところじゃと思う。
祝詞の最後のあたりでは「この禍々しき(まがまがしき)疫病が速く退散して平和な生活が戻りますよう、大山くんよろしくお願いします。私や氏子さんたちもがんばります」みたいなことを付け加えてくださっとった。
有り難いことじゃと思う。

そんなこんなで30分ほどですべての儀式は終了と相成った。
外国と違い日本では仏教と神道を同時並行に信仰しても問題ないし、事情が許せば拝殿に上げてもらえることもあるようじゃから、機会があれば一度例大祭に参列するのもいいことじゃと思う。
ワシも今回の件で味をしめた。
ここ大山祇神社での次回イベントは年末にある「年越しの大祓」じゃろう。
これにもぜひ参加して心身を清めて次の年を迎えようと思うヨ。

ああ、いつ見ても立派な幟旗じゃなあ
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