2020年11月29日日曜日

温泉に行かない日(463) 木工旋盤同好会とは一体何か

ワシは地図が好きである件については何度も書いとる。
事務所での昼飯時は大抵Google Mapsを開いて、PCの狭い画面の中で近隣から遠方まで色んな所に妄想の旅に出かけておる。

先日も浜松近辺の短い旅を楽しんでおったら、偶然こんなところを見つけた。


わかるじゃろうか。
木工旋盤同好会と書いておる。
ワシは特段木工が好きだとか、旋盤には目がないとかいうような性癖は一切ない。
ただ、なんで気になったかというと、まあこの近辺はちょくちょく通り掛かるんじゃけども見かけた範囲では普通の住宅地で、工場地帯ではない。
木工とか旋盤とか、そのような雰囲気とかからは隔絶された一帯なわけじゃ。
また、名前そのものが気になる。

同好会。

ワシはかつて大学時代、フォークソング同好会という団体に所属しておった。
名前に反してやっておったのはハードロックとフュージョンのドラムじゃったがまあそれは置いといて、同好会と云えばそういった単なる集団であり、それが所在地を持っておって剰えGoogle Mapsに載っておるの云うのが何だか奇天烈に感じたわけじゃ。
気になったワシは現場に行ってみることにした。
このあたりは路駐なんてできる幅の道路はなく、クルマをどこに停めようかと一瞬悩んだが、幸いにしてすぐ近隣にはABCというパチ屋がある。
ワシはパチンコは大嫌いじゃから一切やらないため[1]そのようなギャンブル場の敷地には足を踏み入れたことはないが、今回ばかりはちいと利用させてもらおう。
代償として、パチンコをやる代わりに今度敷地内にある寿がきや[2]に行って餃子でビールを飲ませてもらえば充分じゃろう。

パチ屋もそれに群がる人物も大嫌いなんじゃけれども、今回は流石に一般のパチ屋客の迷惑にならんようできるだけ店舗から離れたスペースにクルマを停めさせてもろうた。
クルマを降りたワシは、パチ屋の広い敷地を横切り現場に向かった。
所在地である中区葵西6-1-43まではパチ屋からは数分の距離で、難なく着いた。
しかしその辺にはやはり木工旋盤同好会なる看板もなければ、旋盤が回るブンブンというような音も聞こえてこない。
木工旋盤同好会があるはずの道は袋小路になっておるんじゃが、行き止まりまで何回か往復してよく観察してみたんじゃけどもやはりわからん。
本当にその通りに面した建物はすべて一般のお宅、住宅であり、木工とか旋盤とかに関わる雰囲気を持つ建築物は皆無じゃ。
と、一人の爺さんがにこやかな感じでワシに声を掛けてきた。
「どこかお探しですか」
これは、道に迷った哀れな初老を助けてあげようという意思が5%、残りの95%は「不審者を誰何する」に間違いない。
まあ確かにそうじゃ。
見たこともない初老の男が通り沿いにある家を覗き込むようにして一軒一軒確認しとるわけじゃから、ワシとて逆の立場じゃったら不審に思うじゃろう。
(え、いやそのですね。ワシは怪しいものでは決してございません)と心のなかで訴えながらワシは正直に、
「えっと、実はこの近所に『木工旋盤同好会』というのがあるのを地図で偶然見つけまして、興味があったんでどんなところか確かめに来たんです」
「は?木工…?なんですか、木工、旋盤…?」
「はい、『もっこうせんばんどうこうかい』、です」
「うーん、しらんなあ。ここは見ての通り住宅地だし」
「そうですよね」
「工場ではないけど、この横には会社はある」
「はい、キーストンですね」
「そう。でもそれではないんだね」
「キーストンじゃないです。木工旋盤同好会です」
キーストンとは、まあ無理やりまとめれば建物屋とか不動産屋じゃ。
木工とは若干関係しとるかも知れんが、旋盤とは無縁じゃろう。
「この通りの一本北側の通りにはなんか会社だか何だかがあるけど、あれは工場じゃないしなあ」
「ううむ、そうですか。すみません、ありがとうございました」
ワシはその爺さんに礼を申し述べて、でも一応その「一本北側にある」という建物も確認してみたが、2階建ての建築物があり今は空っぽの様子で目的としているものではなかった。

結果から云うと要するに、現地には木工旋盤同好会の建屋そのものはもちろん、それを匂わせるようなものを全く見つけることは叶わなんだ。
謎じゃ。
もう少し調べてみよう。

[1]
正確に言うと過去には少し楽しんでおった。
1992〜1993年のあたりじゃな。
正確には覚えてはおらんが、ヒコーキ台からフィーバー台に移行した時期で、要するにパチンコの射幸性が次第に問題になり始めた時期に少しやっておったが、何が面白いのかが全くわからずすぐにやめた。
ただ、トータルで3000円か4000円は勝った状態でやめており、それがワシの誇りじゃ。
アマチュアでパチ屋に損害を与えた状態で現役引退したという人物はそうはおるまい。

[2]
一般的な「スガキヤ」ではなく「寿がきや」。
多くはパチ屋の店舗内店舗であり、単価もかなり高いのが特徴。
メニューも普通のスガキヤとは異なっていて、餃子やビールも提供しとる。
今日、敷地を横切ったときに客入りの様子を伺ってみたが誰もいなかった。

天然温泉きらら(1)

先週金曜日、武漢ウイルスが三度猛威をふるい出した最中ではあるが、四国は香川県高松市にどうしても行かねばならん所要が出来たため行ってきた。
(この旅の帰着後に関西や関東中心にかなりよろしくない状況になったので、結果論じゃけどこのタイミングで良かったかも知れん)。

これは本論には関係ないが、今回は行きはクルマ、しかもいつもの真っ黄っ黃なスイスポくんではなく軽自動車、まあ告白すれば中古のワゴンRであり、走行距離550kmにも渡る旅路は決して楽ではなかった。
特に恐ろしかったのが淡路島から徳島に渡る大鳴門橋じゃ。
差し掛かるときには既に夕刻すぎであり、ワゴンRのハロゲンライトはあまりに暗い。
その上かなりの強風で、背が高くて車重の軽いワゴンRは自然の風だけでもかなり揺れたのじゃが、かてて加えて追い越し車線を走る大型車が起こす風に巻き込まれて安定して直進できん。
60km/hでも危険を感じるほどじゃった。
軽くとも重心が低くパワーがあるワシのスイスポくんじゃったら、大分に楽じゃったろう。
改めてスイスポくんはありがたいなあと思った。

まあそんなことで、目的地に到着したときには疲労困憊とまでは云わぬともまあまあ疲れておった次第じゃ。
普段ならそのまま酒に突入するんじゃが、長距離慣れぬ道を走ったおかげで全身に強張りが目立つため、酒より前に大きな浴槽でゆっくりしたいと考えた。
そこで行ったのが天然温泉きらら(てんねんおんせんきらら:香川県高松市一宮町800-1:087-815-6622:¥700:6:00〜24:00:駐車場潤沢:宿泊できます) というところじゃ。
ここを選んだのは特に理由はなく、その日の宿泊場所から近いのと、天然温泉を標榜しとるというただそれだけのこと。
知らぬ土地ゆえたくさんの候補から厳選したとかそんなことはまったくないわけじゃ。
行ってみると、武漢ウイルスの影響なのか時間のせいなのか(19時位じゃった)普段からそうなのかは判然とせんが、駐車場に停めてあるクルマの台数に比して館内はさほど混んでおらん印象じゃ。
券売機で入浴券を購入し、広々とした脱衣室に行ってもそんなに人はおらず、混雑を恐れておったワシは一安心した。
浴室も非常に広く、浴槽も数多いので入りたい放題。
泉質については、施設の人に怒られるかも知れんがあまり特徴的ではない。
メタケイ酸が豊富とのことじゃが、現場で温泉分析表を見つけることが出来ず、公式サイトにも載っておらんのでどの程度豊富なのかは不明じゃけども、泉質を求めてここに来てもがっかりするかも知れん。
ただ、既述の通り広くて浴槽の種類が実に豊富なので、混雑感がかなり低くて落ち着いて入れるのがいい。

それ以上にワシが一番気に入ったのは、循環の方式じゃ。
一般的には浴槽内で回収したお湯を浴槽内で戻すという方式が多く、これだと浴槽の縁を越えてお湯が流れ出すことは当然ながらありえない。
しかしここは、浴槽の縁上部からオーバーフローさせたお湯を下で受けてそれを循環させるという方式。
どちらも循環させとることには変わりはないが「掛け流し」気分が味わえるし、お湯の汚れ(頭髪や垢など)はプカプカ浮いとることが多いから、掛け流して下で受ける方式のほうがよりお湯は清潔じゃろうと思われる。
これらのことを考えると、700円という値付けは大変に良心的じゃろうと思う。
泉質の件にしても、近隣の人が足繁くここに毎日通うとして、その理由は「泉質がいいから」ではありえない。
毎日、いつでも行けて広々してて、たまには併設のレストランで風呂上がりの一杯を楽しめるといったことのほうがより重要じゃ。
普段遣いする入浴施設に泉質の高さは不要じゃろう。
前回のポストでも同じようなことを書いたんじゃが、泉質を求めるならどうぞそういうところに行って下さい、じゃろうよ。
更にここは、昔よくあったヘルスセンターの如く宿泊が可能じゃ。
広間にごろ寝ではなく、ちゃんとしたベッドで泊まれてしかも安い。
飯も豊富じゃから、ワシが地元民じゃったら金曜の夜来て風呂入って酒のんでそのまま止まってしまうかも知れん。
以上、たまたま行った天然温泉きららじゃったが、存外いいところじゃったよ。



温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
1.5
風情ポイント
2.5
やぎさんポイント
0.0
入浴料
700
温泉コスパ
0.6

2020年11月23日月曜日

温泉に行かない日(462) お好み焼き さわ田のメニューが凄くなってきた

お好み焼き さわ田(静岡県浜松市北区引佐町渋川4131-1:053-545-0160:営業は土日のみ:11:00~18:00:お好み焼きが¥350から)と云えば知る人ぞ知っとる安くて美味しいお好み焼き屋さんであり、それよりも何よりもかわいいやぎさんがおるのでワシがお気に入りの店の一つじゃ。
もう何度も行っておるのでご主人や奥さんにもすでに顔なじみであり、お好み焼きで使うキャベツの外側の使えない葉っぱや芯などをやぎさんたちに食べさせるために貰い受けることも毎度のことじゃ。
で、先日。
ちょっと時間も空いたし久しぶりにお好み焼きが食べたくなったので行ってみた。
いつものごとくまずやぎさんたちに路傍の草を引きちぎって上げたりしてひとしきり遊んでから、ワシは普通のお好み焼きを頼んだ。
常連客が手作りしておいていったという蒟蒻を使ったおでん(特別価格0円!しかもふんわりしとってたいへんうまい。寿司にして食べたいくらい)を勧められるままにかじりつつ、ふと壁を見るとこんな掲示が出ておるのに気づいた。

値下げ決行!
それはいいとして、ん?
この店、ラーメンなんか出してたっけ?
© ill-health(ruephas) 2020

まず、焼きラーメン(焼きそばではない。焼いとるんじゃが普通のラーメンの味がする不思議なメニュー)が値下げられとるのが目を引く。
ここのメニューはどれもこれも大変安くて、今しがたワシが頼んだお好み焼きも焼きそばも盛りが良いのに350円というとんでもない安さであり、もう少し値上げしたらどうじゃろうかと思っとるくらいなので、これは驚いた。
更に、新メニューとして「塩タンメン」と「キムチチゲラーメン」が登場しとる。
へえ、と思って、
「あれ、なんかラーメンも始めたんですか。それだったらそっちを頼めばよかったなあ」
と奥さんに声をかけると、
「別にええねん。次のときでもええし、次の時かて無理して頼まんでもええし」
等と云う。
ちなみにご夫婦は関西方面出身じゃ。
しかしこれはもしかしてアレかも知れん。
旦那さんが提案し実行した新メニュー提供に対し、何らかの理由で奥さんが強硬に反対しとるのかも知れん。
それが原因で夫婦の雰囲気がギスギスしとるのかも知れん。
これはいかん。
そんなことが原因で店を畳まれたらワシが困る。
ワシも困るし、最近この店はバイク乗りに人気のようで、遠くから来るバイク乗りの人達も困るし、近所の人たちも困るじゃろう。
モーニングもやっとるみたいだし、持ち帰りの方も結構繁盛しとるから。
じゃからワシはこの店の危機を何とかすべく、
「いや、でも折角の新メニューだし、次回はどっちか食べてみようかな」
と云ってこの険悪な状況を打開しようと試みた。
「それやったら別にええけどなあ、別にこのラーメンにこだわりなんか全然あらへんからなぁ。なあ、そうやろ?」
最後の「なあ。そうやろ?」と云うのは、奥さんが店主である旦那さんにかけたものじゃ。
これはダメだ。
すでにもう救いはないかも知れん。
ダメかも知れん。
ああ、ジーザス!
すると旦那さんは焼きそばを焼きつつ、
「こだわり?そんなん全然ないわ。美味しいの食べたかったら街場の旨い店行けばええねん」
は?
何だこの人達は。
「そやねん。だからどっちでもええで」
いや、変わった人たちだなあ本当に。

まあどっちにしても次回はこの「こだわりがないラーメン」を試してみようと決めた次第じゃ。
もしあれなら、メニュー名も「こだわりがまったくない塩タンメン」とか「こだわりなんてものから無縁のキムチチゲラーメン」とか、こだわりのなさを全面に出せば名物メニューになるだろうに。
でも、その提案をするのはワシはやめた。
返事は多分、
「こだわりあらへんから、名前なんてどーでもええねん」
に決まっとる。

ちなみにいつの間にかお酒も少し充実しておって、従来からある生ビールや酎ハイに加えて、カップ酒も登場しとる。
更には焼酎のボトルキープもしとるようじゃ。
それらを飲んでから、シメに塩タンメンを食ってみたいものじゃ。

2020年11月14日土曜日

温泉に行かない日(461) 君はラバーダムを知っているか?

今年も銀杏の季節がやってきた。
ワシが好きな三嶋神社(静岡県浜松市北区細江町中川347)では毎年この時期、神社の御神木である「なかよし銀杏」から取れる銀杏を無料で分けてくれるので今日も行ってみた。
ちいと早いかなと思ったんじゃが行ってみると毎年の如く、拝殿前に備えておるプラケースの中にはすでにビニール袋に入った銀杏が納められておった。
銀杏の実の処理には大変手間がかかると聞いておるので、無料ではなく毎回幾ばくかのお賽銭をお供えさせてもらっておるのは云うまでもない。

さて、今日は大変いい天気で暖かくのんびりした気分になったため、参拝及び銀杏の実の受領を終えたワシは、堤を挟んで南側を流れとる都田川のあたりを少し散歩してみようと思いついた。
堤の上の道を上流に向けて歩いとると、都田川の中に何かの構造物があるのに気づいた。

© ill-health(ruephas) 2020

藪から棒な感じで、川の中に橋脚のようなものがある。
その下流側は、板チョコのような感じでコンクリートブロックのようなものが敷き詰められとる。
ここの三嶋神社には結構な回数通っておるが、このようなものがあるのには今日はじめて気づいた。
最初は「橋を作りかけたんじゃがなにかの事情で途中でやめたので、結果として橋脚だけが残っとるのか」と思ったんじゃが、一方で利水施設のようにも見える。
川っぺりには簡単に降りることができるので、傍に行って見てみた。

© ill-health(ruephas) 2020

降りてみると板チョココンクリートブロックは結構数多く設置されておる。
それが見事な幾何学的模様を生み出しておる。
ワシはそれを見て何故か、何年か前に訪れた龍宮閣(静岡県熱海市田原本町1-14:0557-81-3355)の浴室床のブロック模様を思い出した。

これ多分iPhoneじゃなくて
ガラケーで撮影してますね
画質及び撮影の腕ともに低レベルで悪かったな
謝るワイ
© ill-health(ruephas) 2020

歩いて渡るには実に適切な間隔でブロックが設置されとるので、まずワシはぴょんぴょんと歩いて向こう岸まで行ってみた。
ブロックの間を流れる川の音が誠に心地よい。
なんだか楽しいぞ。
しかし向こうに行ったきりではおられんので、ワシは元いたところまでぴょんぴょんと歩いて戻り始めた。
その途中で橋脚状のものの近くまで行ってよく観察してみたら、橋脚には何か幅の広い布状のものが取り付けられておることはわかった。
で、それはワシがさっきまでおった岸のコンクリ壁にまで続いておるようじゃ。
もしかしてこれはダムの一種かもしれん。
その幅広の布は普段は沈んでおるが、何かの事情があればその布が縦に起きて水をせき止めるとか。
しかし、水の力は大変に強い。
布ごときであの川の水をせき止めるのは無理なように思える。
となると、流れてくるゴミを引っ掛けて川の水をきれいにするとかかなあ。
結局なにかわからんまま戻り、今度は堤の上から橋脚状構造物を真横から眺めてみることにした。
と、こんな掲示があるのに気づいた。

何だと!?
ここで遊ぶなだと?
もうすでに遊んでしもうたワイ
謝るワイ!
© ill-health(ruephas) 2020

ん?
ラバーダム?
なんじゃラバーダムって。
でもわかるぞ。
多分、あの布は布ではなくてラバーであり、なんかのときにはぷ〜っと膨らませて水をせき止めるんじゃなかろうか。
多分そうじゃろうとは思ったが、なにせこんなのは初めて見るから確信は持てん。
しかもじゃ。
危険ですから
せき(ラバーダム)で遊ばないで下さい
浜松市
などと書いてあるではないか。
これはいかん。
ワシはつい今しがた、まさに堰で遊んでしもうた。
これは迂闊じゃった。
すまん謝る、悪かった浜松市の人。
もうしません。
それはそれとして、なんとなくわかってきた。
で、ふと逆側を見ると何かの小屋が建っておる。


出入り口の横には錆びた銘板のようなものがあり、そこには「瀬戸堰操作室」とある。
なるほど、都田川にあるあの構造物はどうやら瀬戸堰(静岡県浜松市北区細江町中川355−2:地図から住所検索での検索結果)という名前で、堰じゃから要するにダムで、この小屋はダムの操作、つまりラバーの袋に空気を送り込んだり抜いたりする操作をする目的であるんじゃろう。
また、小屋の横にはこのようなものもあった。


書き写してみよう。
瀬戸堰の主要諸元
 堰高:2.30m
 堰長:24.50✕2連
 形式:空気膨張式
 自動倒伏水深:2.76m
 設計内圧:0.3kg/cm
 倒伏起伏時間:約30分
 起立方式:ブロワー(モーター式)
 ゴム材料:特殊耐候性合成ゴム
 ゴム引布の引張強度:430kg/cm
 ゴム引布の厚さ:5.5mm
 転石損傷防止対策:クッション材40mm
 工事期間:平成3年度〜平成5年度
 施工 上部工:住友電気工業株式会社
 施工 下部工:株式会社細江中村組
やはりそのようじゃ。
となるとやはりワシとしては、今のように水の底でぺっちゃんこになっとる状態ではなく、雄々しく立ち上がった状態のラバーダムが見たい。
更にじゃ。
更に欲を云えば、今まさに雄々しく立ち上がりつつあるラバーダム及び、役目を終えて今まさにしょぼんとなりつつある、そういった現在進行形のラバーダムを是非みたい。
我が阪神タイガースが日本一になるよりは、見ることができる可能性は高そうじゃから、何とか情報を集めて見てみたいものじゃ。
蜘蛛の巣の世界を探すならば、パンパン膨らみ、水をせき止めておる雄々しい瀬戸堰の姿が容易に見つけられるじゃろうから、ぜひ見てみなされ。

おまけに、三嶋神社のなかよし銀杏と銀杏の今日の様子も掲載しておくじゃヨ。

少し黄色がかってきてました
© ill-health(ruephas) 2020

気持ちと感謝のお賽銭を
忘れずにね
© ill-health(ruephas) 2020


 

2020年11月13日金曜日

温泉に行かない日(460) Facebook・垢BANの恐怖②

暫く間が開いてしもうたが、Facebook(FB)の倉真赤石温泉ページ、と云うか正確にはその親アカウントである会長の娘さん垢BANの顛末について書いておこう。
結果から云うとかなり竜頭蛇尾な感じじゃった。

垢BAN食らった翌週、出来れば倉真赤石温泉に行って現場で回復作業をしたかったんじゃが所要があってそれは叶わず、取り敢えず電話での遠隔操作、要するに会長の娘さんに電話であれこれ指示してなんとかしてみようと思った。
一般的な対応方法については蜘蛛の巣の世界で事前に確認しておいた。
簡単に書くと、取り敢えずFBのログイン前ページまで行き、そこにあるヘルプからいわゆる異議申し立てフォームに必要な事項を入力し、異議申し立て者が本人であることを証明できるもの、要するに運転免許証などの写真を送付すれば、無罪の場合は何日かするとアカウントが回復しているというものじゃ。
この程度であらばわざわざ現場まで行かずとも電話でことが済むかもしれん。
しかし明け透けに申し上げて、娘さんはこの手のリテラシが備わっておるとは思えん。
その点が不安じゃが、まあやってみよう。

ワシは電話した。
「まず取り敢えずは免許の写真撮って、PCに転送しといてください」
「うん。してある」
「で、PCでFBのログイン前ページに行ってください」
「はい」
「ページの下の方かどっかに、ヘルプとかヘルプセンターとかって書いてあるとこありません?」
「えー、わかんない。どこ?」
本当はワシも同じ画面を開きながらのほうが具体的に指示できるんでそうしたかったんじゃが、一度ログアウトすると再ログインするのが面倒、つまりログインパスワードを忘れてしまっておるからその方法は諦めたわけじゃ。
「多分、ちょっと小さい字でね、大抵画面の下にあると思いますよ」
「うーん、あ、あった。これか。ヘルプセンターね」
「それですね。それをクリックしてくれますか」
「うん」
「で、表示されたページをスクロールしてったら、どっかに『アカウントが停止した』とかいうような事が書いてるとこあるでしょう」
「うーん、待ってね、アカウント停止アカウント停止…、か。あ、ありました」
「ありましたか。更にその辺に『異議申し立て』のフォームとか何とかって書いてるところがあるんですけど」
「はいはいあります」
「そこになんだろ、名前とかメールのアドレスとか電話番号とか書くようなところがあるんでその辺の必須になってるのを全部入力して、最後にさっき撮った免許証の写真を添付して送信すれば何日かしたらアカウント回復するはずです」
「え、でも、写真を添付するようなとこないよ」
「いやいや、あるはずです。よく探してください」
「いや、ないです。その代わりなんだろ、これなんだ?えっと『これらの写真の中に橋が写っているものを選んでください』みたいなのが出てる」
「は?」
ははあ、これはあれですね。
歪んだ数字とかアルファベットが表示されてて、それを読ませて入力させるとかいうその手のやつじゃな。
私は機械ではなく、生身の人間ですってFBの中の人に伝えるための手続きじゃろう。
「あ、なるほど。じゃあ選んでください」
「うーん。6枚あるって書いてるんだけど、4枚しかない。あ、これもそうか、でも1枚足りない。5枚しかない」
ワシは自分のことでもないのに何故か焦りを感じたと云うか歯ぎしりをしたくなった。
しっかり探しなさいよ、もう。
「いや、あちらさんが6枚あると云ってるんならあるはずです。根性で探してください」
「うーんわかった。探すから待ってね、橋、橋、うーん。あ!あった、これだこれだ。これは橋かな、ま、いいや選んじゃえ。あ、OKみたい」
ワシは非常に安堵した。
「そりゃ良かった。で、どんな感じになりましたか。下調べでは写真送って終わりで、今やってるようなことをやるなんて情報がなくて、俺も様子がわかんないんですよ」
詳しくは忘れてしまったんじゃが、あと1回か2回、同じような感じの作業を求められた。
で、全部終わって何かのボタンをクリックしたら、
「あ。私のページが出てきたよ」
「ああ、すぐに垢BAN解除されたんですね。そりゃあ良かったねえ」
「ああ良かったですよ。もうどうなるかと思って。私だけじゃもうどうしようもないから助かりました」
「いえいえ」
ということで、娘さんのアカウントは無事回復し、それにリンクして倉真赤石温泉のページも閲覧可能な状態になったわけじゃ。

現在、倉真赤石温泉のFacebookページは全く問題なく誰でも閲覧できる状態になっとる。
温泉の情報や、その他の投稿もぼちぼちするねとの決意表明も聞いておるから、是非見に行ってあげてくだされ。
あと、前回のポストでは「FBで予約を受け付ける」というような事を書いたんじゃが、若干の運用上の課題があり、それをクリアしなければならないことがわかったんでまだ開始しとらん。
当面は、前日までに電話をして予約をとる方法が継続する予定じゃ。
当日電話して、もし空いとれば入浴可能じゃよ。

2020年11月3日火曜日

やぎさんが好き!(35) 釜炒り茶 柴本

先日の夜、帰宅後に酒飲みながらテレビを見とると、牧之原市の茶農家のことを伝えとった。
この手のブログには政争の具になるようなことは控えるべきじゃとは思うが、そのニュースの本幹は要するに、リニア新幹線によるトンネル掘削によりお茶を育てるのに必要な水が枯渇するから反対するというもので、まあその件についてはそれぞれの判断に任せるべきじゃろうとは思う。
ちなみにワシは、鉄分が高めであるのにも関わらず反対じゃ。
あんな宙を飛ぶような浮足立った電車に乗れるもんかい。

閑話休題。
そのニュースをぼぉ〜と眺めとると、なんだかしろやぎさんが茶畑のような場所で歩いとって、べへいとなきながら何かを食っておるではないか。
ワシは盃に満たされた酒を口に運ぶという作業を一旦中断しその画面に見入った。
なんでもその茶農家の方は「やぎさん農法」というのを実践しとるらしい。
やぎさんという単語を聞いて気持ちが焦っておったんで詳しいことは聞き取れんかったが、その茶農家の名前だけは何とかわかった。
釜炒り茶 柴本(かまいりちゃしばもと:静岡県牧之原市勝俣2695:080-5295‐7196:駐車は少しシビアでお店の下にある道路横のスペースに停めていいみたいです) という名前のお茶屋さんのようじゃ。
ワシはすぐに行こうと心に決め、ニュースを見たその翌日には真っ黄っ黃のスイスポくんを駆って牧之原に急行したわけじゃ。
現地近くに行き、なんとか駐車スペースを見つけ出してクルマを降りると「大地の茶の間」と書かれた掲示物が置いてある。
その中には小さくやぎさんが描かれておる。
お、これはいいぞと思い、店があると思しき坂の上に行くと、釜炒り茶の幟旗が何本か立っておる。
しかし人影はない。
庭先には電気式の呼び鈴が置いてあり「御用の方はこの呼び鈴のボタンを押してください」と書いておるので、ワシはボタンを押してみた。
しばらくするとお宅から女の子が出てきた。
ワシは、
「えっと、ここでお茶買えるんですか」
と訊ねると、
「え、はい、えっとちょっとまってください」
と一旦引っ込み、年配の女性を連れてきた。
ニュースで見た店主さんは結構若く見えたが、それからするとこの方は多分お母様と思われる。
「実はネットで見かけましてね。美味しいお茶が欲しくて来たんですよ」
とお願いすると、
「いやあ、種類も値段も全部知っとるからお売りすることはできるんですけど、どうせ買うならいろいろお茶のことを聞きながらのほうがいいでしょう」
と云われてなるほどなあと思いました。
お母さんは表に出てくる前に電話で店主さんを呼んでみたらしいんじゃが、電話には出てくれんかったらしい。
売らないことが素晴らしい対応になることもあるんじゃな。
ワシが再訪すればいいだけのことじゃ。
「ああなるほど、わかりました。なら改めて伺います」
「すみませんねえ」
「えと、あと、これもネットで書いてあった『やぎさん農法」というのが気になりまして」
「ああ、やぎさんね」(こう云ったあと何故か笑ったんじゃが何でじゃろうか?)
ワシは少しく力を込めて返事をした。
「はいそう、それです。やぎさんです」
そう、問題はやぎさんじゃ。
「大抵はここの少し西側の青い建物の横か、下の田んぼにいますよ」
と教えてくれた。
お母さんには丁寧にお礼を申し述べ、ワシはまず少し西側に行ってみた。
青い建物の横には小さいお茶畑に囲まれた空き地があって、いかにもやぎさんがいる雰囲気はあるが実物はおらん。
じゃあ次は下の田んぼを確認すべきじゃろう。
下に行ってみたが、周りは田んぼではなく牧之原らしいお茶畑ばかり。
田舎の人はクルマで行くべき距離の場所を説明するときに「下の田んぼ」という云い方をすることもあるので、多分少し遠方なのかもしれんと思った。
これは駄目かもしれん。
とは云っても、諦めきれん。
茶畑がある辺りの逆側(西側)に行くと、視界の端に刈り取ったあとの田んぼが見えてきた。
「お!」
と思いそっちの方に小走りでかけていくといた。
年甲斐もなく「あ!おったおった」と叫んでしまったほど嬉しかった。
叫ぶワシに気づいて、2匹のしろやぎさんはこっちをじーっとこっちを観察しとる。
こっちをじっと見ながら「べへい、べへへい」とないておる。
こりゃいいなあ。
ワシは田んぼの畦道を荒らさないように歩いてやぎさんたちの近くまで行った。

田んぼの草をもりもり食べとるな
© ill-health(ruephas) 2020

おっぱいがあるとこ2匹ともめすやぎさんじゃ。
食欲旺盛なしろやぎさん(ザーネンですかね)で、このこたちが美味しいお茶生産を支えとるな、えらいぞと思って頭を撫でようとしたら、
「こらこら他人が安易に手を出すんじゃないよ」
と言わんばかりに素早く軽く頭突かれました。
上の写真の角がない方がやや攻撃的で、角がある方が気持ちが柔らかいように見える。
もちろんどっちがいいとか悪いとかという話ではなく、やぎさんそれぞれの個性じゃからどっちでもよろしい。
名前こそわからんやぎさんたちじゃけども、牧之原のお茶づくりを支えてほしいもんじゃと思ったよ。
また行くぞお。
今度はやぎさんデザインパッケージの釜炒り茶も買って帰ろう。

© ill-health(ruephas) 2020

© ill-health(ruephas) 2020


© ill-health(ruephas) 2020