2011年6月18日土曜日

和合の湯(3)

本日はわたくし、重大な決意を持って和合の湯に望んだ。
即ち「韓国あかすりとは何か」なる疑問を実体験を通し解決しようと思い立ったのだ。
何だか、面白いように垢がぽろぽろ取れるという噂を耳にしていて、確かにそれは面白そうだ。
また私はアトピー気味でやや肌が弱く、お風呂で体を洗う場合2回に1回はタオルを使わず、素手で行う(勿論石鹸は使うけど)。
だからひょっとして一般人より大量の垢を出せるかもしれない、なる期待もあった。
「どれだけ大量の垢をこすりとれるかが男の器を決めるのだ」
等と言う今となってはさっぱり意味の分からない思い込みがワタクシを支配さえしていた。

本日土曜日、午前の仕事を終え、一旦帰宅してから着替えて午後2時過ぎに和合の湯に出かけ、震える手で千円札3枚(たいへん巨額な投資だ、わたくしにとっては)を券売機に投入し、出てきた切符をなくさないよう大事に握りしめ、韓国あかすり専用受付カウンターに歩み寄る。
気持ちはうわずっており、そのため微かに足が震えているのが自分でも解る。
未知の体験に怯え、多分そのときのわたくしの顔は蒼ざめていたであろう。
緊張のため掌は少し汗ばんでおり、3000円もするあかすり切符は少し湿っていた。
そして遂に、受付の瞬間がきた。
運命の時だ。





……。
おかしい。
受付には誰もいない。

通りがかった職員にわたくしは訊ねる。
「あかすりの受付人はいないのか?」
「おきゃくさぁん。韓国あかすりは4時半からですょ〜」

わたくしは3000円もするのにすっかり湿ってよれ切ったあかすり切符を職員に返却してカネを払い戻してもらい、和合の湯自慢の炭酸風呂に普通に大人しく浸かり、露天の岩風呂に普通に大人しく浸かり、暑さ(熱さ)を感じたため水風呂に普通に大人しく浸かり、普通に大人しく和合の湯を後にしたのだった。
それだけの話ですわ。
詰まらん話ですまんかったのう。

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