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2021年4月17日土曜日

平山温泉龍泉荘(8) 代替わりしてました

平山温泉龍泉荘(ひらやまおんせんりゅうぜんそう:静岡県静岡市葵区平山136-2:054-266-2461:¥500/h:¥1000終日+広間休憩:定休毎月29日30日:定休火曜日で祝日の場合は営業:平日9:00〜17:00・土日祝9:00〜18:00:駐車場約18台)にはちょっと遠い割には結構行っていて、このブログにも何回か書いとる。
おじいやんとおばあやんが湯主の古びた温泉で、その昔は湯治場として営業しとったらしいが、今は泊まりは止めて日帰り一本でやっとる温泉じゃ。
泉質は所謂硫黄泉で、更衣室に入ったその時点で硫黄の香りが漂ってくる。
このような素晴らしい温泉なんじゃが、武漢ウイルスの関係もありここ数年は県内含め遠出は避けとったので、ここ暫くは行けておらなんだ。
よし、今日はあの素晴らしい硫黄泉に浸かりに行こうと思い、ワシは真っ黃っ黄のスイスポくんにのって出かけた。
途中谷稲葉の前後でかなり混んだがまあまあ予定通りの時間で現地に着いた。
おや、何だか雰囲気が違うぞ。
駐車場が少し増えとる。
そして駐車場の脇には新しい掲示がある。




見ると、あの特徴だった定休日が変わっとる。
以前は毎月29・30日がお休みだったはずじゃが、毎週火曜に変更されとる。
前のままじゃと2月〜3月にかけては休みが無いはずなので、他人事ながら内心心配しておったんじゃが、やはりこのような休みのほうが人間的で良いじゃろう。
このような伝統ある温泉もやはり少しずつ変わっていくんじゃなあ、と思いつつ温泉に向かう坂道を下り始めると、また変化ポイントがあった。



これはみかん山とかに良くある、荷物や人を載せて山を降りたり登ったりする簡易モノレールのようなもので、以前も確かレールはあったが荷台の部分は古くて機能しとらんように見えた。
今は真新しい荷台がつながっとって使えるようになっておる。
写真奥に向かって結構急な階段になっておって、前から「年寄が歩くには結構たいへんじゃろうなあ」と思っておったが、これがあれば足が弱った人でも楽に上り下り出来るし、資材を搬入する業者さんたちも助かるじゃろう。
すべて良い方に変化しておるが、しかしこれはどういうことじゃろうか。
ワシは階段を降りていって玄関に入った。
この間まではおばあやんが受付のところに座っとったが、驚いたことに本日は若いお姉さんが座っておる。
バイトさんじゃろうか?
壁を見ると、いろんな写真が貼られておるし、InstagramやFacebookのQRコードが印刷された案内もおいてある。
はあ、何だか若返っとるぞ。
ワシは受付のお姉さんに話を聞きたかったが、まずはやはり温泉が先じゃろうと思い500円払って浴室に行くことにした。

さてここ平山温泉龍泉荘は温泉の名の通り、平山という山間の鄙びた場所にあるんじゃが、瀬名というそこそこ繁華な街から10分程度の距離にある。
即ち、瀬名の辺りの人にとっても、山間地区である平山の地元の人にとってもクルマさえあればアクセスが容易な立地じゃ。
山間地区の人は農業をしとる人が多いので晴れれば昼間は働いとる。
街場の人も休みの日は、晴れれば静岡市街の方に出かけることが多い。
そう、即ち雨の日だとやることが無いので温泉でも行くかということになる。
本日は結構強い雨が降っておる。
従って浴室は混んどるじゃろうと思ったが、その通りまあまあ混んどった。

ここの浴槽はオーバル型でそれを更に3つに区分しとる。
湯口から加熱された源泉が注ぎ込まれとる部分があり、そこがそうじゃなあ、大凡40〜41℃くらいか。
そこから反時計回りにだんだんぬるくなっていく構造になっておるが、どうしてそうなるか知りたければ席を蹴って現場に行けばわかるから行きなされ。
説明するのは面倒じゃ。

はい、話は戻るが、混んどるというのは具体的には、
  • 一番熱い部分に3人
  • 次に熱い部分には誰もいない
  • 一番ぬるい部分にじいさまが1人
という程度じゃ。
で、一番熱いとこにいたじいさまは、ワシと入れ違いで出ていった。
ワシとしては一番ぬるいところに入りたかったが、先客が居るので仕方ない。
2番めの部分に入って結構な時間を過ごした。
15分ほどすると、一番ぬるいとこにおったじいさまが出ていったので、ワシは速攻そこに移動した。
ワシ的には極めて理想的な温度・形状であり、残りの時間をすべてここで過ごした。
ワシは非常に暑がりなので、通常は浴槽から出たり入ったりするんじゃが、ここの温泉は充分にぬるいので、そのようなことをする必要はない。
入りっぱでも1時間では足りない、ワシにとっては稀有な存在じゃ。
硫黄の香りを楽しみながら時間を過ごした。

浴室から出て、ワシは受付のお姉さんと少し会話することができた。
受付のお姉さんはバイトではなく、列記とした跡継ぎじゃった。
代替わりして、伝統を守りつつも変えるべきところは変えておるようじゃ。
例えば大きく変わったのは、カラオケをやめたこと。
確かに以前までは、カラオケの大きな音が鳴り響いっておって、それはそれでじいやんばあやんたちのたまの娯楽ではあったじゃろうが、やめてしまってその代わりマンガなどをおいておるようじゃ。
はああ、たしかに今日は以前より若い客が多かった。
「変えてはいけないところは変えてません。浴室、浴槽そのものは全く変えてません」
うん、浴槽を取り巻くアメニティの部分を、多くの人に受け入れられるように変えている。
でも、コアな部分は変えない。
成程、その意気や良しじゃろう。

ワシはこの間届いた純温泉協会の名刺を差し出してお渡しし、また来ますねと云って帰宅の途に着いた。



温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
4.5
風情ポイント
3.5
やぎさんポイント
0.0
入浴料
500
温泉コスパ
1.6

2018年3月10日土曜日

平山温泉龍泉荘(7)

ここに関しては7回めの投稿ですけど、実際はもっと来てます。
今、月に2〜3回は富士の歯医者に通っていて今回はその帰りに寄りました。
どんな温泉なのかは過去のポストを見ていただければわかりますが簡単にまとめると、硫黄の香り高く素晴らしい泉質で、入浴客の数は常に適切で五月蝿い客はおらず、何回も行きたくなるいいところ、ということになりますかね。
静岡市街から篦棒に近いと云うのに、何時来ても全くいい温泉です。
500円でこんないい温泉に入れるなんて、静岡市葵区民が全く羨ましい。

今日は最初ワシ1人だけだったんだけど、10分位入っていると2人組の客が入ってきました。
その客はヤクザ屋さんかテキ屋さんのどちらかで、つまり体をキャンバス代わりに絵を描いていらっしゃる方々でした。
色合いがあまりよろしくないのが玉に瑕ではあったけど。
でもおかしいなあ、温泉の入口に「体にお絵かきしたヒトは入っちゃダメよ」って書いてあるんだがなあ。
まあ良いけど。
街場の銭湯で慣れてますので。

その方々はちゃんとかかり湯をして体を清めてから浴槽に入り、
「かぁ〜っ。気持ちいいなあ」
と唸るように感想を述べておりました。
ここの温泉は人種職業年齢性別に関係なく素晴らしいので、大抵の客がそんなことを云います。
何を隠そうさっきワシも云ったし。
で、湯に浸かって少し落ち着いたのか片方が、
「最近さあ、どんだけ寝ても更に寝れるんだよなあ」
「ほぉ、そうかい。体力が落ちてきたのかもしれんな」
「そうそう。それで多分さあ、眠り長いけど浅いんだよ。疲れが取れた気がしない」
うむ、わかる。
実はワシも全く同じ状況でなんとかならんかと少し悩んどったのだ。
浅く長い眠りについて悩むヤクザ或いはテキ屋。
なかなかシュール。
しかし浅く長い眠りについて、彼は何かソリューションを見つけたのだろうか?
それについてなんか喋るかなあと思って耳を澄ましておったんだが、彼は睡眠問題についてはあっさり棚上げとし、最近農作にハマっていることを喋り始めた。
うむ、農作業に勤しむヤクザ或いはテキ屋か。
それもまたよろしかろう。
ひとしきりTokioっぽく農作業の素晴らしさについて語り合ったあと、今度は椎茸について
熱く語り始めた。
「やっぱりさあ、椎茸ってさあ天麩羅なんだよな天麩羅」
「うん、天麩羅にすると旨いなあ」
「そう。夏にさあ素麺作って干し椎茸の出汁で食べるだろ。そん時に椎茸の天麩羅があるともうほかに何もいらない」
「そう。素麺だけだとあっさりしすぎてるけど椎茸の天麩羅があると腹が落ち着くもんなあ」
「その後一杯呑んでさあ横になるともう最高だよねえ」
うむ、そうか。
農作業を終えた彼は帰宅して、日本酒を飲りながらつまみ代わりに素麺と椎茸の天麩羅を食し、横になって長く浅い眠りにつくわけだ。
いいぞ、それでいい。

彼らの話はおもろすぎてもっと聞いていたかったんだけど、勿体無いことに10分ほどで上がってしまい残念であった。

銭湯とか古びた温泉って、温泉そのものももちろんいいんだけど、こんな感じで他人の面白い話を盗み聞きできるのがいいんだよなあ。
また会えるといいな、兄さん方。

ついでですが、以前にも一部をアップしましたが、浴槽内に掲示してある「入湯ご注意」という掲示がまた滋味に溢れた感じですこぶる宜しい。
字が小さくてワシくらいの年だと読みにくいかもしれんが、禁を破って掲載しますのでぜひご一読ください。
最後の注意が素晴らしいです。

平山温泉龍泉荘の浴室内掲示
最初の注意書きに僅かな営業努力を感じる
© ill-health(ruephas) 2018

2014年8月13日水曜日

平山温泉龍泉荘(6)

8月10日の日曜日は颱風11号の影響で四国・西日本は大変な荒天だったようですが、私の住んでいるあたりはそうでもなく、でも雨はしっかり降ってたので洗濯掃除のやる気もでず、どっかに行こうと考えました。
で、意味もなく「嵐の時の薩埵峠を訪れるものオツかな」と思い、富士から旧道を走って出向きました。

由比から薩埵峠への道は結構狭く、薩埵山を上り始める道に差し掛かるとその道は激狭凶悪道路となり、離合はほぼ不可能ですが、車幅+1㌢の道幅があれば通過できる自信のある(自信はあるが技量はちょっとわからないな笑)私は、道端に転がる夏みかんをタイヤで踏み潰しながらかまわずぐいぐい突き進み、程なく峠の駐車場に到着。
ちょっと苦労し、かつオツかなと期待して行った割には現実はぱっとせず、雨ゆえ当然富士山も見えず、雨の日なんてまあこんなもんです。
シケの影響で色が複雑に分かれた海を眺めてからふと横をみやると、駐車場の脇にこんな石碑が立ってました。
薩埵峠山之神遺跡
大山くん関連施設だった可能性あり
© ill-health(ruephas) 2014
「薩埵峠山之神遺跡」

ん、なに、山之神!?
そういやあ峠に至る道の途中に神社仏閣が幾つか集まってる場所があったがその関係かな。
山神社評論家としてはヒジョーに気になりますがお天気がお天気故、こちらの探索はいずれ後日ということに決め、きた道よりもシビア度が格段に低い興津側に抜ける道を下山。
目的地は、平山温泉龍泉荘です。

龍泉荘を選択したのは、
  • 薩埵峠から約40分と近いこと
  • 颱風下の環境にあっても行き帰りの道が崩落などにより通行止めになる可能性がほぼないこと
  • その割には山の中にある秘湯の雰囲気を味わえること
等によります。

現地につくと、颱風にもかかわらず道端の駐車場はいっぱい。
結構激しい風雨の中、少し入れにくい下の駐車場に停めて建物に近づくともう既に演歌を歌い上げるジジババたちの声。
これがまさしく龍泉荘のデフォだなあ。

玄関脇にある料金徴収所兼調理場みたいなところに座っているじいさまに料金を払い浴室へ行くと、こんな天気なのに先客が5人も居てこんなことは珍しい。
ただそのうちの若い4人は程なく浴室を退出しました。
そういやあ駐車場には他県ナンバーの車が停まってましたが、出て行ったのは彼らに相違ない。
温泉ファンなんでしょう。
残りは常連と思われる小太りのじいさまと私。
私は一番狭くて一番ぬるい浴槽でゆっくり手足を伸ばし、硫黄の香りを楽しみながら窓の外で風に煽られて大きく揺れる樹木を眺めていました。
平山温泉龍泉荘
写真ではわかりにくいけど、樹木は結構揺れてました
© ill-health(ruephas) 2014
一番熱い浴槽に入ってるもう一人のじいさまもお湯をゆっくり味わっているようで、やはりこれがいつもの龍泉荘です。

1時間程入ってましたがそのほとんどの時間をうたた寝をして過ごし、時折強い風が浴室内に入ってきた時に起こるごーっ、という音で目が醒め、落ち着いたらまた再び瞑目するという事を繰り返してました。
ここのお湯は泉質がいいし、いつ来てもほとんどの客は騒がず静かに浴槽に浸かるのが好きそうな人ばかりだし、それに私にとっては適温なので、こんな贅沢な楽しみ方が可能なのです。

ところで男湯と女湯を隔てる壁にはこの温泉の効能や、温泉にはお馴染みの「入浴時のご注意」みたいな掲示がされてます。
その一番最後の一文。
平山温泉龍泉荘
理由を後に持って行ってこういう終わり方すると
同じ注意でも柔らかい感じになっていいね
この感じ、オレも見習おう
© ill-health(ruephas) 2014
一、子供連での場合は(親が)必ず一緒に入ってください。危険ですし泳いだり他人に迷惑をかけることがありますから。
そう。
ある意味アタリマエの心がけなんだけど、最近はこういう配慮が出来る親が本当に少なくなりましたよね。

2012年12月31日月曜日

平山温泉龍泉荘(5)

今年最後の温泉は、今月16日に行った倉真赤石温泉だと思ってたんですが、本日大晦日に予定されていた所用があっさりとキャンセルになり、それならば冬場に相応しく如何にも温泉らしい温泉に行っちゃおうという訳で、平山温泉龍泉荘に足を伸ばしました。
予定が無くなったとはいえ流石に今日は大晦日でありますので、どんな伏兵的所用が飛び出すやも知れず、時間を節約するため新東名高速道路を使うという大盤振る舞い。
ホントにあの道は危険で、ふと気付くとメーターは常態的に1**kmを指しており、緩く長い下り坂等だと瞬間的に1**kmをマーク。
それが私だけじゃなくて周りの車殆どがそうという有様。
快適なドライブを約*時間**分、現地に到着。
駐車場からの長い石段を下りつつ、
「最初にここに来た時は何ともなかったのに、今じゃこの石段に膝が笑いかける有様か」
とやや気落ちして、玄関の引き戸を開けておばちゃんに¥500を払い、男湯へ。
浴室へのドアを引き開けた途端に鼻をくすぐる硫黄のいい香りがして、浴室内は朦々たる湯気に満たされており、いつもの事ですけど「ああわざわざ遠くから来てよかったなぁ」とつくづく思います。
中には先客が数人。
私よりやや年寄りのおじさんとじいさんの中間、マニアっぽい若いヤツ、あと普通な感じの爺さんが数人。
これだけでも結構満杯感ありで、ここでこんなに入浴客がいるのは初めて見ました。
おじさんじいさん中間の人と普通な感じの爺さんたちは、入り口手前の最も暖かい浴槽で汗をかいており、マニアっぽい若いのは窓側右手のややぬるい浴槽に長く全身を伸ばして独り占め。
私の好きな窓寄り左側の一番狭い浴槽、云うまでもなくこの浴槽は最もぬるい訳ですが、そこはがら空き[1]。
下半身を良く清め、早速そのお気に入りの浴槽に肩まで浸かり「はあぁー」っと息を吐きます。
お湯を見ると、結構そこそこの量の白い湯の花がゆらゆらしています。
今までその事には気付かなかったのですが、もしかしたら昨日一昨日と休みでしたので、それによるものかもしれません。
やはり良い温泉なんですね。
古い銭湯や温泉では良くある事ですが、隣の女湯からは盛んに喋り声が響いてくるのに、かたや我が方、男湯は誰一人として黙して語らず、窓の外を流れる風の音と、浴槽から溢れ出すお湯の音しか聴こえません。
そう、ここは完全なる源泉掛け流しであります。
で、そのまま暫く黙ってお湯に浸かってたんですが、その静寂を破ってマニアのヤツがいきなり驚くべき行動に出たので、そいつ以外の全員が目を丸くしてしまいました。

マニアはぬるめの浴槽から一番熱い浴槽にざんぶと移動し、何を思ったか浴槽に入ったまま洗面器を使って頭に湯をざばざばかけ始めたのです。
洗い場じゃないぞ、浴槽内だぞ。
そもそもここの温泉は温泉そのものを楽しむというコンセプトが強く、「浴室内」(浴槽内の間違いではないよ)での洗髪や、泉質に影響する為、石鹸の使用さえ控えてくださいということになってます(浴室内にキチンと掲示してあります)。
それを知って知らずか、いや、知っていたとしても浴槽内でお湯をかぶる等と言う事は温泉に限らず入浴時の常識以前の話でしょう。

わたしも爺さんたちもそこにいた全員、吃驚し過ぎて声も出なかったんですけど。
でも、こいつの為にならないし、いや違うな、こいつの事なんてどうなっても良いんだけど何より折角上質な温泉が汚れるし気分が悪いので、
「おい。あほかオマエ。もう出てけよ」
と流石に怒気を含んだ声をかけると、似非マニアはこっちを睨みつけて体も拭かずに脱衣場に出て行きました。
浴室を後にするときまで非常識なヤツだ、全く。
似非マニアの余りに非常識な行動に他のヒトたちは毒気を抜かれてしまったのか、暫くしたらみんなぽつりぽつりを浴室を後にして行きました。
きっとみんな、今年最後の日に良い時間を過ごそうと思ったんだろうにね。
私の方はまだ入り足りないので、一人浴槽に浸かってました。
暫くすると、またお客さんが入ってきました。
自動車整備工場主っぽい雰囲気の爺さん。
続いて、地方銀行支店次長っぽい感じのすだれハゲ。
続いて、パンチパーマの爺さん。
浴室内にはあともう一人、最近河童っぽい頭髪になってきている中年男。
即ち私。
この4人はもう兎に角圧倒的に寡黙であり、ただもう瞑目したままひたすら温泉に浸かっているだけ。
パンチパーマと河童(即ち私)に至っては暫くすると浴槽の縁を枕にして眠り込んでしまう始末。
いやあ、ホントに落ち着くんですよねー、ここ。
浴槽内で寝れる温泉は、大抵良い温泉ですがここも例外じゃないです。
変なヤツが一人いて、一寸気分を壊しかけたけど、あとは極めて上々。
今年最後の温泉とするのに相応しい場所でした。


[1]
ここの温泉の非常に秀逸な浴槽形状については、こちら(©MITSU@KARIYA)のサイトにある解りやすい写真資料をご覧下さい。
手前の一番大きな部分が最も暖かい浴槽で最大4人程度、右手の浴槽が中間の温度で同2〜3人程度、一番向こう側で岩の陰に隠れている部分が最もぬるく、同1〜2人程度、夫々入浴可能です。 
浴槽中央岩の手前から一番大きな浴槽に先ず温泉が注がれ、それが右回りで満たされて行くという仕組みで異なった温度の浴槽を3つ作り出しています。
旧赤石温泉白樺荘の瓢箪型浴槽も同じ仕組みでした。 

2011年12月20日火曜日

平山温泉龍泉荘(4)

寸又峡温泉に入れなかった悲しい気持ちを抱えたまま、平山温泉龍泉荘に向かうわたくしであります。
結構へヴィーな静岡県道77号線を駆け下り、川根の辺りでR362に入り、静岡方面に向かいます。
わたし、この国道362号線のこっち側って初めて走るんだけど、結構凄い道ですね。
場所により激狭部分があるんですけどまあそれは僅かな区間で、基本的には狭いものの整備された道です。
しかし勾配が凄い。
激坂で有名と言えばあの静岡県道11号線ですが、あれに負けるとも劣らないハードな激坂っぷりです。
勾配12%とか13%とかいう区間が殆どで、特に千頭から静岡市街方面に向かう場合、車のギアは殆どLowでした。
路面整備されている道なのでダンプとがガンガン突っ込んで来るし、久しぶりに楽しい道でしたよ。

で、1時間少々で平山温泉龍泉荘に到着。
駐車場に車を停めて階段を下りて行くと、龍泉荘の戸は閉まっている…。
う゛、またかよ、と思いつつ閉まっている引き戸を開けるとちゃんとあいたです。
良かった良かった、営業してる。

料金を払い、誰もいない脱衣場に入り服を脱ぎ裸になり、矢張り誰もいない浴室に入ります。
今日は気温が低いせいか、夏とか秋よりも湯気の濛々感が凄い。
浴室を素晴らしい硫黄臭が満たしています。
深呼吸して硫黄の香りを堪能し、早速入浴します。
理想的かつ神懸かり的奇跡的な形状で3つに仕切られた浴槽を移動しながら、異なった温度のお湯を楽しんでいると、お客さんが入ってきました。

その客はザバザバとお湯を体にかけてゆっくりと浴槽に入ってきたんですけど、浴槽に肩まで浸かったままの状態で、浴槽真ん中に設えてある湯口に躙りよって行きます。
へんな風景ですよね。
何するつもりなんだろと思い、ちら見ではなくガン見でそのオッサンを注意深く観察していると、オッサン、湯口から流れ出る源泉の香りを、鼻から嗅いで口から吐くという事を繰り返してるんですね。
形容は悪いけど、なんかさ、良くない禁止薬物をヤってる危険不良老人のように見えますけど…。

不思議そうに見ている私にオッサンはにやりと笑いかけると、教えてくれました。
そのオッサンの風呂友達(勿論、龍泉荘での風呂友達ですよ)に肺癌を患ったヤツがいたんですって。
で、そいつが湯口から漂う湯の香りを3ヶ月かいでいたら、直径何センチかあった腫瘍が数㍉になったんですって。
それを見て俺もこの温泉の香りを深くかぐようになった、んですって。

「気のせいだとは思うけど、なんか健康の維持とか、何かの予防になっているような気がするんだよな」

ふうん、そうか、解る気がする。
まあ、そのご友人は多分一通りの化学療法とかを受けていたと思う。
基本的にはそれが効いたんだとは思うんです。
でも、あの温泉の硫黄の香りも、何からの形で(少なくとも精神面で)有効に機能したように思いますよ。
たしかにそうだと思う。
病は気から、ってね。

あとそのオッサンは、
「ここに来るなら、一日いなけりゃだめだよ。個室の休憩室借りても数千円。浴衣やどてらも着いていて、ちょっとお風呂に浸かって、暑くなったら出て少し横になって、喉が渇いたらビールでも飲んでまた入ればいいんだ。安いもんだよ。天国だよ」
って言っていた。
確かに、そうだ。
今度行くときは、電車+バスにしてみよう。
朝いちから乗り込んで、夕方までタッブリ時間使ってみよう。

<営業情報>
硫黄匂い吸引オッサンによると、
「龍泉荘の年末年始の営業は特に普段と変わりなく、29・30日が休みで、31日からは平常通り営業する」
との事であります。
一年の疲れを取りに、12月31日には龍泉荘に御出かけしてみては如何ですかね、みなさん。

ということで、1時間ちょっと入浴した後、国1バイパスに乗り、焼津へ向かいます。

2011年7月9日土曜日

平山温泉龍泉荘(3)

私に取っては「クセ」になる温泉の一つであるここは、何回来ても飽きない。
ということで7月最初の週末は平山温泉龍泉荘で楽しんだ。
ここの浴室の構造は町中にある銭湯のそれと似ていて、「かなり頑張れば隣の浴室(男にとってはつまり女湯)が見れない事もない」感じなので、要するに女湯の声がまる聞こえ。

まあ、そういう温泉や銭湯は結構多いのだが、いつも思うのは「女どもは元気だなあ」ということ。
例えばこの平山温泉なんかだと、隣にいるばあさんたちはたいてい病気や薬などのことを話している。
で、病気の話題なんだから陰々滅々としているかというと全然そうではなく、極めて明るく笑いを交えながら、自らの病や不味い薬の話をしたり、腕の立たない医者のことをこき下ろしている。
声には張りがあり、とても元気そうに感じる。
一方我が男湯の方はどうか。
私を含め3人の男どもが温泉に浸かっていたが、寂として声なし。
じっと目を瞑り、だまっているままだ。
私を含めて。
時折、尻の辺りを掻いたり、静かに浴槽から出て開け放った窓の近くに行って火照った体を冷ましたり、希に「……う」と意味不明な呻きを漏らすのみであり、私を含め会話は一切ない。
浴室内を満たしているのは、倦怠感の伴った沈黙のみ。

女が長生きと言うことは、この辺にも現れているようである。

2011年5月15日日曜日

平山温泉龍泉荘(2)

昨夜は事務所の歓送迎会でやや深酒気味だったが、奇跡的にも午前8時前には起床出来た為、お茶漬けを食べ、煙草を一服しつつどこの温泉に行こうかと考えてみた。
気になるのは矢張り、静岡県西部地区最強の温泉である(と勝手にわたくしが決めている)山王峡温泉しらかば荘である。
過日もここに書いたが、前回訪れた時から、あの素晴らしい硫黄の香りが失われているような気がしており、それはこの度の大きな地震によるものかとも思うのだが、どっちにしてももう少しインターバルを空けてから行った方が変化が解るかもと思い、きょうはやめておくことにした。

まだ時間も早い為、少しくらいなら遠方に出かけても良いだろうと考え、本日の温泉は平山温泉龍泉荘に決定。
片道100kmの道程である。
同じような物理的距離にある温泉としては、例えば森林露天風呂(静岡県榛原郡川根本町犬間62-1:0547-59-3721)とか湯の島温泉があるけれど、時間的距離で言えば龍泉荘の方が格段に便利である。
早速車に乗り込み、途中ガススタンドで給油してから現地に向かう。
いい具合に比較的道は空いており、2時間弱で到着。
で、本日も殆ど貸切。
充分掛け湯をしてから、3分割された浴槽のそれぞれ異なった湯温と、何とも言えない素晴らしい硫黄の香りをゆっくり楽しみながら1時間を過ごした。
もう少し入っていたいと思う所で浴槽を出る[1]と、休憩所から耳を劈くカラオケの音。
地元の爺さん婆さんたちが早くも一杯やりながら楽しんでいる様子だ。
その余りの音量とその余りの音痴具合(失礼)に一瞬辟易しかけたが、よく考えればこの温泉はこの集落唯一の娯楽施設であり、私はこの集落の人間ではない闖入者だ。
辟易する資格はないであろう。
温泉に出たり入ったりしながら、カラオケ唄ったり、少しお酒を飲むくらいの楽しみは、爺さん婆さん達にとって数少ない骨休みの時間で、あって呵るべしだろう。
という事で、へヴィーメタルバンドのライブもかくやと思わせる大音量のド演歌を背に、わたくしは龍泉荘を後にしたのであった。

龍泉荘の建物を出てすぐ、ハイキング姿をした若い女性がペットボトルの水を飲みながら龍泉荘へ向かう階段を下りてきたのだが、あんなきれいな女性なのにマニアなのか、それとも散策中たまたま温泉を見つけたので、汗をかいたしお風呂にでも浸かって行くかという感じだったのか、気になる所である。
ま、それはそれとして、幸せな気分で帰途につく。

途中、磐田にある幸楽苑 磐田岩井店(静岡県磐田市岩井2019-8:0538-39-2155)に寄り、昼飯としてぬるくてあまり旨くない味噌ラーメンと餃子を食してから帰宅。
このブログを書いてから、リチャード=スターク(ドナルド=E=ウェストレイク)の「悪党パーカー/略奪軍団」を読みながら昼寝する予定。

[1]
小学生の頃、母親が作った茶碗蒸しを大量に食べ過ぎて気持ち悪くなり、成人過ぎるまで茶碗蒸しが食べられなかったという貴重な経験により、好きなものは少な目でやめといた方が、残りの人生はきっと楽しいものになるだろうという学びを得たわたくしであった。


2011年4月26日火曜日

平山温泉龍泉荘(1)

今月のわたくしは、旧ソヴィエトにおける労働者の如く「日曜日は無報酬で働こう」状態であった。
勿論、現在日本では無報酬なんてあり得ず、普通は代休とか超勤代が貰える訳だ(けど、決してそうじゃない状況もあるとは承知している)。
前から、皆が働いてる平日に温泉に出かけたかったわたくしは(だって、意味なく優越を感じるじゃない)今日は代休を取り、予々気になっていた平山温泉龍泉荘(静岡県静岡市葵区平山136-2:054-266-2461)に出かける。
わたくしは何だか貧乏性であり、高速代をケチって東名は使わず国1バイパスで行ったのだが、思ったより早く現地に到着。

この温泉は国1バイパス瀬名インターから車で10分程の好立地なのだが、なんだか東北の山間に建つ温泉宿ライクな雰囲気が全開であり、そのボロさと相まって、非常に好きなタイプの温泉だった。
静岡県道201号線の際にある駐車場に車を停めて、階段をどんどん下るとその温泉はある。
足が不自由な人には少しシビアな階段だが、もしかして階段沿いに設置してあるモノレール式の乗り物みたいなのに載せてくれるかもしれない。

歴史ある雰囲気の建物に入り、料金を払い、浴室に行く。
硫黄の香り立つ、さらっとした泉質。
客はわたくしの他に先客1人で、あとから1人。
どちらも爺さん。
三分割されたオーバル状の浴槽が浴室中央に設けられていて、湯温はそれぞれ異なっている仕組み。
私はやや低めの浴槽がこのみ。

お湯。風情・お客さん、全てがわたくし好み。
1時間程楽しんだ。
風呂上がりにビールを飲めれば最高なのだが、車なので勿論御法度。
次回は、瀬名に住んでいる友人宅に泊まるか、それともいっそこの龍泉荘に泊まって、湯上がりのビールを楽しみたいな。

で、少し湯疲れした為、帰宅前に静岡県立森林公園(<バードピア浜北>静岡県浜松市浜北区尾野2597-7:053-583-0443)に寄り、シートを倒して車内で暫く惰眠を貪る。
今帰った所だが、昨日断酒をしたため、今日はしっかり呑む覚悟。