2011年12月20日火曜日

平山温泉龍泉荘(4)

寸又峡温泉に入れなかった悲しい気持ちを抱えたまま、平山温泉龍泉荘に向かうわたくしであります。
結構へヴィーな静岡県道77号線を駆け下り、川根の辺りでR362に入り、静岡方面に向かいます。
わたし、この国道362号線のこっち側って初めて走るんだけど、結構凄い道ですね。
場所により激狭部分があるんですけどまあそれは僅かな区間で、基本的には狭いものの整備された道です。
しかし勾配が凄い。
激坂で有名と言えばあの静岡県道11号線ですが、あれに負けるとも劣らないハードな激坂っぷりです。
勾配12%とか13%とかいう区間が殆どで、特に千頭から静岡市街方面に向かう場合、車のギアは殆どLowでした。
路面整備されている道なのでダンプとがガンガン突っ込んで来るし、久しぶりに楽しい道でしたよ。

で、1時間少々で平山温泉龍泉荘に到着。
駐車場に車を停めて階段を下りて行くと、龍泉荘の戸は閉まっている…。
う゛、またかよ、と思いつつ閉まっている引き戸を開けるとちゃんとあいたです。
良かった良かった、営業してる。

料金を払い、誰もいない脱衣場に入り服を脱ぎ裸になり、矢張り誰もいない浴室に入ります。
今日は気温が低いせいか、夏とか秋よりも湯気の濛々感が凄い。
浴室を素晴らしい硫黄臭が満たしています。
深呼吸して硫黄の香りを堪能し、早速入浴します。
理想的かつ神懸かり的奇跡的な形状で3つに仕切られた浴槽を移動しながら、異なった温度のお湯を楽しんでいると、お客さんが入ってきました。

その客はザバザバとお湯を体にかけてゆっくりと浴槽に入ってきたんですけど、浴槽に肩まで浸かったままの状態で、浴槽真ん中に設えてある湯口に躙りよって行きます。
へんな風景ですよね。
何するつもりなんだろと思い、ちら見ではなくガン見でそのオッサンを注意深く観察していると、オッサン、湯口から流れ出る源泉の香りを、鼻から嗅いで口から吐くという事を繰り返してるんですね。
形容は悪いけど、なんかさ、良くない禁止薬物をヤってる危険不良老人のように見えますけど…。

不思議そうに見ている私にオッサンはにやりと笑いかけると、教えてくれました。
そのオッサンの風呂友達(勿論、龍泉荘での風呂友達ですよ)に肺癌を患ったヤツがいたんですって。
で、そいつが湯口から漂う湯の香りを3ヶ月かいでいたら、直径何センチかあった腫瘍が数㍉になったんですって。
それを見て俺もこの温泉の香りを深くかぐようになった、んですって。

「気のせいだとは思うけど、なんか健康の維持とか、何かの予防になっているような気がするんだよな」

ふうん、そうか、解る気がする。
まあ、そのご友人は多分一通りの化学療法とかを受けていたと思う。
基本的にはそれが効いたんだとは思うんです。
でも、あの温泉の硫黄の香りも、何からの形で(少なくとも精神面で)有効に機能したように思いますよ。
たしかにそうだと思う。
病は気から、ってね。

あとそのオッサンは、
「ここに来るなら、一日いなけりゃだめだよ。個室の休憩室借りても数千円。浴衣やどてらも着いていて、ちょっとお風呂に浸かって、暑くなったら出て少し横になって、喉が渇いたらビールでも飲んでまた入ればいいんだ。安いもんだよ。天国だよ」
って言っていた。
確かに、そうだ。
今度行くときは、電車+バスにしてみよう。
朝いちから乗り込んで、夕方までタッブリ時間使ってみよう。

<営業情報>
硫黄匂い吸引オッサンによると、
「龍泉荘の年末年始の営業は特に普段と変わりなく、29・30日が休みで、31日からは平常通り営業する」
との事であります。
一年の疲れを取りに、12月31日には龍泉荘に御出かけしてみては如何ですかね、みなさん。

ということで、1時間ちょっと入浴した後、国1バイパスに乗り、焼津へ向かいます。

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