2011年7月18日月曜日

森林露天風呂(1)

接阻峡温泉は可哀想である。

手前には、バカみたいな湧出量とこの辺じゃ珍しいアイソトニックな泉質と蒸機見物を武器に大量の客をかき集める川根温泉があり、近くには寸又峡という温泉付き強力有名観光地があり、その間にひっそりと踞るように存在しているのが接阻峡温泉だ。
マニア受けがいいかと云えばそうでもなく、そういう感じの人々は川根も寸又峡も接阻峡もすっ飛ばし、更に山奥にある赤石温泉や、場合によっては東河内温泉探検に行ってしまう。
どうだ、事実あんたも接阻峡なんて知らないだろ。
わたくしも自慢じゃないが一寸前までは知らなかったぜ。

だからと云って接阻峡をバカにしてはいけない。
理由はこうだ。
  • アプローチがやや困難
    • 全く困難ではないのがいい。
      少しくらい困難な方が、秘湯感が高まるというものだ。
    • クルマじゃなくて、大井川鐵道を使って行くのはこれまたGoo!
      鉄分高い温泉愛好者にはたまらんだろうな。
  • 意外によい泉質
    • かつての赤石温泉白樺荘には劣るかもしれないが、それなりにぬるぬるとろとろ感あり。 
  • 安い
    • 500円前後で入浴可能。
  • 怪しい
    • 接阻峡にある日帰り入浴可能な温泉施設はここを含めて2ヶ所あるが、わたくしに云わせればいずれも結構怪しい。それが好きだ。
ということで昨日、南アルプス赤石温泉白樺荘の帰りに接岨峡温泉にある森林露天風呂に寄った訳であった。
かつて、(旧)赤石温泉白樺荘に足しげく通っていた頃は一顧だにせずあっさりと通過していた接阻峡だが、最近ではなんだかんだ行って結構訪れている。
川根本町資料館やまびこの前に、大井川鐵道井川線「接阻峡温泉駅」に通じる極めて細い道がある。
それを暫く辿ると踏切を通過し、駅のすぐ前にロッジ風の建物が現れる。
それが森林露天風呂である。
まるで一般名詞のような施設名だが固有名詞だ。
しかもその名称からは日帰り温泉ライクな施設を想像するだろうけど、実は本業は民宿だ。
それが証拠に施設のマッチには「民宿 森林露天風呂」と記載されている。
階段を上り、看板犬(何だかちゃんと自我を確立しているような風貌をした犬である)の頭をなでてからお金を払って脱衣場に向かう。
日帰り入浴500円。

男女別内湯・外湯というシンプルな構成で、泉質はぬるぬるの「美人の湯」系統。
ぬるぬる具合は、現「南アルプス赤石温泉白樺荘」に勝り、(一寸遠いけど)「星山温泉」に劣る位。
浴室に装備された関東型ケロリン桶で充分に掛かり湯をしてお湯に浸かる。

内湯の温度はやや高く、外湯の温度は、ぬるい湯が好きな私が長時間はいってても全然平気なくらいの低さ。
普通の人であれば、内湯に入り直したくなる感じだろう。

わたしはここの外湯に入って、ぼーっとしているのが好き。
山の斜面に立地しているため結構眺望が良く、やや浅めの浴槽に仰向きに寝転んだような恰好で空や、飛んでる鳥や、遠くの雲をぼんやり眺めていると本当に気分が落ち着く。
脇腹やお尻の辺りで特に強く感じるぬるつる感を味わいながら、場合によっては居眠りしてしまう。

心をたっぷりと癒してから温泉から上がると、玄関には冷たいお茶が用意されているので遠慮なくごちそうになりましょう。
冬に行けば、おかみさんがお茶を入れて勧めてくれたりする。
これまた遠慮なくごちそうになりましょう。

ここは間違いなく、穴場であります。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。