2013年5月19日日曜日

松風苑(2)

少し前、と云ってももう昨年の10月か、湯谷温泉の泉山閣というホテルの日帰り温泉入浴に行きました。
久し振りの湯谷温泉で、7号泉の濁り湯を堪能したのですが、矢張り私のホームは松風苑です。
遙か昔、仕事場で柄にもなく麺減る、ちがう、メンヘルに陥り、3ヶ月ほど休んでいた時期があるのですが、気晴らしのドライブがてらここ松風苑へ連日のように訪れ、心身を解放させたものです。
その頃は温泉の泉質とかナントカってのには全く無頓着ということもあり、松風苑の冷めにくくて澄明なお湯がお気に入りだったんですが、湯谷7号泉のような少し特徴のあるお湯に触れると、果たして松風苑の泉質はあれから変わったんだろうか、と気になったので、本日これまた久し振りに行って見ることに決めました。

気になっていることは実は他にもあって、例えば、
等々です。


まずは松風苑。
相変わらず清掃の行き届いた清潔感のある旅館です。
入口のフロントで800円を支払い、スタンプカード[1]にハンコを押して貰ってから浴室に行きました。
個人的には、内風呂が従来の感じの泉質、露天風呂が濁り湯である7号泉、ってのが理想だったんですが、結果から云うと両方とも従来通りの泉質でした。
まあ「残念」という気持ちもないではなかったんですけど、別の見方をすれば湯谷温泉では2種類の泉質を楽しむことが出来るという事で、それはそれで良いんじゃないかとも思います。
いつもより長めの2時間と少し露天風呂に入り浸っていたんですけど、今日も本当にお客さんがいなくて全ての時間を実質貸切風呂状態で過ごしました。
隣の女湯ではどうも若い家族連れがホントの意味での貸切で使っているようで、
「お~やべ~。ちょー気持ちいい」
「ちょ~やべ~」
等という若い旦那の声に混じって女性や赤ん坊の声も聞こえてきます。
「しかもあれじゃん、ここ源泉掛け流しじゃん」
若者よ、残念ながらここは循環させているよ(T_T)
多分加水もしているよ。
だから、つまり、ここは源泉掛け流しじゃあないんだよ。
でもまあそれでも良いんだよ。
この温泉は清潔感と風情を楽しむのところなんだよ。

等と心の中で呟きながら、或いは線路を通り過ぎる飯田線の音を聞きながら、気持ちいい露天の湯船で長いこと居眠りこいてました。

松風苑を出て、歩いて湯谷温泉駅やゆ~ゆ~ありいな方面に向かいます。
線路を横切るとすぐに、グランドホテル鳳陽解体跡地があります。
変化の兆しは全くなし
敷地中央の大穴が何やら恐ろしい
© ill-health(ruephas) 2013
どこぞのコンクリート会社が土地を買い取って、みんなの意見を聞きながら跡地利用を進めるという地元紙による報道もありましたが、見たところ全く何の進展もないように見えます。
敷地中央にあいてる大穴が、何か将来を暗示しているようにも見えます。

ううむ。
JR飯田線の湯谷温泉駅の目の前にある好立地というのに、うまく使って欲しいのにもったいない、等と思いつつ歩き続けますと、少し先にある「はづ別館」の玄関先に、真っ黒い老犬がお座りしていて道路を歩く私をみてました。
正面からの写真がどうしても撮れなかった

© ill-health(ruephas) 2013 
温和しい犬で、右手でグーを作り顔に寄せていくと、くんくんしてきて誠にカワイイ。

しゃがんで頭をなでると、顔をなめたりしてくれて非常にカワイイ。
この辺には何回も来たことがあるんだけど、この犬に出会ったのは初めて。
もうだいぶ年寄りらしいのですが、出来るだけ長生きして欲しいな。

更に歩くと、泉山閣に出ます。
今日はどうもヒマらしく、玄関先には前回出ていなかった「入浴のみ1050円 食事付きは3150円」という案内も出ています。
きょうはもう入浴済みですのでパスしましたが、ここも結構良いお湯だと思うので是非どうぞ。

で、最後にゆ~ゆ~ありいなの対面にある「喰い処番屋 東吉郎」に着きました。
営業していたら何か食べようかと思ってたんですが、あいにく「準備中」の表示があり、暖簾はしまわれていました。
日曜日のお昼時。
本来なら書き入れ時だと思うんですが…
相変わらず謎めいているけど

味は折り紙つきです
© ill-health(ruephas) 2013
松風苑から喰い処番屋 東吉郎に至る片道500m、往復1kmの一本道で出会った観光客は僅か3人。
走ってたクルマも、地元の人のものと思える豊橋ナンバーが数台のみ。
松風苑のすぐ東側にある田舎茶屋 まつやには、さすがに何人かのお客さんが入ってるのを見ましたが、あのお客の婆さんたち、もしかしたら地元の人かもしれないなあ。
まあはっきり言って街全体として活気があるようには見えず、どうもこのエリアの凋落は止めようがないのかなあ。

ここ湯谷温泉という場所、私は決してキライじゃなく、逆にお気に入りの場所なので何とかならんもんかと思うのですが、私ごときの個人では何も出来ないしなあ。
まあ逆に例えば有馬温泉等のような有名温泉地のようにバカみたいな数の観光客・入浴客が押し寄せて、街中ひしめき合ってるっていうのも勘弁ですが。

それにしてもね、もう少し客がいて欲しいと思います。
多分「核になる目玉的な施設を一発作って一山当てる」って云うよりは、なんかこのエリアの既存施設が全体としてじわじわと魅力を高めていくような取り組みをしたほうがいいような気もするんですけどね。
例えばヨソモノの目から見ますと、お宿の顔である玄関先や建物の周囲にビールケースとか掃除道具とかが目に見える形で置かれていて、少し雑っぽくなっている旅館が結構あります。
そういうのは観光客的には少し侘びしい感じを受けます。
観光客にとって温泉旅館ってのはハレの場、非日常の世界なんで、生活感を取っ払って欲しいんですね。
そういうのを上手く片付けて生活感を消して、スッキリさせることは特にお金がかからないので、そういうとこから始めるとかどうでしょう。
それとか、これは少しお金がかかるけど、屋号を表示した看板とかを綺麗に設え直して欲しい。
建物正面なんかだと結構綺麗にしているとこが殆どですけど、建物の横とか、少し離れたところの看板とかだと、朽ち果ててたり壊れていたりシールが剥がれていたり文字が読めなくなっていたりすると、矢張りそれも侘しさ感や、場合によっては廃墟感をいだいてしまいます。
だったらもう撤去しちゃったり、少し手直ししてみてはと思います。
これだけのことでも、湯谷温泉全体の旅館や施設が一斉に始めたら、随分違う印象を受けると思うんですね。
こういうことって、どこか一部の旅館がやってるだけではダメですね。
逆にせーので一斉に取り組めは、湯谷の印象がある日突然変わりますよ。
そんな感じで、あんまり金かけずにできることから一致団結して進めて、全体として魅力を高めてほしいなあとおもいます。

スンマセン。
通りすがりのトーシロが、出すぎたことを書きましたm(_ _;)m

とにかくがんばれ湯谷温泉。

[1]
基本が旅館である施設の日帰り入浴でスタンプカードのシステムを採り入れているというのは、意外に珍しいと思います。


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たぶん。