2021年5月23日日曜日

プロジェクト "山神社"(75) 山神社(小國神社 末社)

静岡県森町に小國神社(おぐにじんじゃ:静岡県周智郡森町一宮3956-1:0538-89-7302:駐車場は心配なし)という有名な別表神社がある。
ワシは天邪鬼なんでデカくて有名な神社はあまり好きではない。
じゃからここには過去1〜2回しか行ったことがないが、ひょんな事をきっかけに境外社(かな)として山神社(やまじんじゃ:静岡県周智郡森町一宮)があることがわかったので行ってみることにした。
行く前にザクッとした情報を集めてみようと思ってちょっと調べてみたんじゃが、思うように情報が集まらん。
いつも頼りにしているGoogle Mapsには載っておらん。
それによれば、御祭神は大山祇命とあり「古来より神沢地区の守り神として奉拝されています」と書かれておるがそれだけじゃ。
詳しい場所については一切書かれておらん。
またサイトには境内案内図もあるが、山神社については左下の方に小さく大概の方向を示す矢印が書かれておるのみであり、ズバリの場所は書かれておらず誠に寂しい取り扱いじゃ。
場所のヒントとしては先程の紹介の中に出てくる「神沢地区」がある。
ワシはGoogle Mapsで小國神社周辺に神沢という地名があるかどうか調べてみたが見当たらん。
恐らく昔の字(あざ)名で今は存在しておらんと思われる。
周辺にバス停でもあればもしかして確認できるかと思ったがそれもない(バス停や古い橋等の構造物には、旧字名が残されているケースが結構ある)。
地図ではなく普通の蜘蛛の巣の世界で調べてみると、ズバリとした情報はないがヒントになりそうな個人系ブログサイトは幾つか見つかった。
その一つが、酷道・険道・死道(この業界では所謂ファイアロードってやつかな)愛好家と思われる方の林道探検記
その中に、
小国神社の前を過ぎて、県道280号に入ってすぐに、
林道発見
「林道 神沢線」
なる文章がある。
続いて、
ちなみに、上の写真の橋の名前は、
(橋の写真)
もちろん、「神沢橋」!!
とある。
ははあん、成程。
道路や線路の名前のつけ方には幾つかのパターンがある。
  • 起点の地名をつける(弥彦線【弥彦−東三条】)
  • 終点の地名をつける(武豊線【大府−武豊】)
  • 起点と終点の文字を合わせてつける(米坂線【米沢−坂町】)
  • 旧街道名をつける(東海道線)
  • その他(外房線【千葉−安房鴨川】)
という感じじゃ。
上記はJRの例じゃが、道路の通称も同じようなもんじゃ。
また橋などの構築物は、それがある地名がつけられることが多い。
となると、このブログの人が入った林道 神沢線の入り口が「神沢」という地名(旧字名)である可能性がある。
更に、となると、その辺りに大山くんがおる可能性もあると、ワシはそう判断した。
先程の個人ブログの内容から考えるに恐らく、こんな感じじゃろう。



右下から左上に青い点線が伸びとるが、その起点がさっきのブログで云う所の「小国神社の前を過ぎて、県道280号に入ってすぐ」のポイントで、右上から左下に流れておる一宮川と青い点線が交差するところにあるのが恐らく「神沢橋」。
神沢橋から先で点線は直ぐに途切れ、Google Mapsではその先には道が無いように見えるが、実際には道路が存在しており、その途中のどこかに大山くんがおるということじゃろう。
事実、森町整備計画概要図というのを見ると、Google Mapsに書かれているよりももっと先まで、この林道 神沢線は続いておることになっておる。

ワシは洗車したてで普段より更に真っ黃っ黄になっているスイスポくんに飛び乗り、森町に向かった。
ワシの上記の通りの予想があっているかどうかいきなり試してみる手もあったがそれはやめといて、先に小國神社に行ってご神職の話を聴くことにした。
その話によれば、山神社はだいたいワシの予想通りの方面にありそうなことがわかったが、アプローチの長さが結構ありそうなことと、道が細く荒れていてシビアそうな事もわかった。
そりゃそうじゃろう、林道じゃもの。
クルマ一台何とか通れる荒れた山道をずんずん進むと、右手に山を登る階段がある。
クルマもその階段の辺りに停められる、との事じゃった。
神沢橋近くに小國神社の駐車場があることはさっき通ったときに確認済みなんで、スイスポくんをそこに停めて歩いていくのが無難じゃろう。
その駐車場に行くと、入り口にはこのようなものがたたっておる。

昭和末期くらいまでじゃと
このフォントは近未来の象徴じゃった
© ill-health(ruephas) 2021

手前に立て掛けてある看板の下を見てみると「小國神社〔神沢口駐車場〕」と書いてある。
ここが「神沢」であることはもう確実。
クルマを停めて暫く歩くと直ぐに一宮川に架かる橋がある。

林道神沢線の起点にある神沢橋
橋の下を流れるは一宮川
© ill-health(ruephas) 2021

扁額を見ると確かに「神沢橋」とある。
此処から先はずんずん歩くのみじゃ。
このようなコンクリート舗装の道が続いておる。

コンクリ舗装ってアスファルトより
高いって知ってた?
どうでもいい情報をあなたへ
© ill-health(ruephas) 2021

暫く行くと、2つ目の橋がある。

交通量が極小なせいか
強度的には全く問題ないように感じた
© ill-health(ruephas) 2021

コンクリ製の可成り古い橋で、欄干につけられた扁額は風雨に晒されて殆ど読めん。
昭和37年に出来たことだけは辛うじて分かる。
先に進むと道は森の中に入り、随分と涼しくなりかつ路面が荒れてじとじとしておる。
そして3つ目の橋が現れる。

コンクリ製なんじゃけど何故か江戸の風情を感じる
© ill-health(ruephas) 2021

これまた古い橋で、全体が苔むしておる。
どんどん歩くと、やがて遠くに立て札のようなものが見えてきた。

あ、これじゃこれじゃ
あったあった!
© ill-health(ruephas) 2021

立て札と杭のようなものがあり、その右手に山の上に続く階段が見える。
これじゃろう。
今回は歩いてきたが、もしクルマであれな右への分かれ道のようなスペースに停められるじゃろう。
ワシは立て札と杭に近づいて何が書かれているか見てみた。
だが殆ど何も読めん。

むう…
のっぺらぼう、ここに極まれり…
© ill-health(ruephas) 2021

右の杭の方は中央に微かに「山」と読めるのみ。
左の立て札も極めて厳しい。

全く読めん
© ill-health(ruephas) 2021

この写真は一枚前のやつと比べればわかるが、陰影を可成り強く補正して文字を浮き上がらせようとしておるが、それでも何が書いてあるかが判然としない。
「山」「ネ 」「小國神社」「御神霊」「合祀」等の文字が何とか見えるのみじゃ。
ワシは読むのを諦め、山に続く階段を登り始めた。
先が見えないので、どんだけ登れば到着するのかわからんので不安じゃ。

写真ではわからんじゃろうが
結構な登りなんじゃよ
湿ってて滑りそうだし
© ill-health(ruephas) 2021

しかしまあそんな篦棒なものでもあるまいと思い登っていくと、ありがたいことに直ぐに木の祠が見えてきた。
ああ、あれが地図にない山神社じゃろう。

やあ、存外立派な木の祠じゃなあ
© ill-health(ruephas) 2021

ワシが大山くんに開眼した富士地区なんかだと、こんだけ山ん中にある大山くんちは多くの場合は傾いだ石祠じゃったが、ここのはそうではなく中々立派でそこそこの大きさがある祠で、しかもまだ新しい。
小國神社という大神社の末社ともなれば、本体から離れた山の中にあっても庇護の度合いが高いなあと感心した。
ワシは早速財布から100円(破格じゃ)を取り出してお供えし、二礼二拍手一礼を以て参拝し満足した。

よく見ると、この祠を設置するために山肌をくり抜いて平らな場所を作ったことがわかる。

© ill-health(ruephas) 2021

昔の神沢の人は、この大山くんを大事に末永くお参りするためにこのような事をしたんじゃろう。
また周りがシダ類に囲まれておって独特の雰囲気があるのもいい。
木漏れ日も適度に落ちてきとるから、どんよりした雰囲気でもない。
着くまでが少し大変じゃが、中々いい立地に住んでおるなと思った。

帰宅後ワシは早速Google Mapsにこの大山くん物件を登録申請し、即時に承認された。
誇らしいヨ。


あと小國神社の皆様。
もし余力があるなら、あの立て札を何とかリニューアルしてほしいものじゃ。
是非お願いしたい。
よろしくおねがいします。
なんぼかならば寄進するに吝かではないヨ。


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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。