森町にある某カフェのことを書いた個人ブログの中に「コーヒーを飲んどると、近所で飼っているらしいやぎさんが散歩しとるところを偶に窓越しに見れることがあって愉しい」というようなことが書いてあったんで、ワシは一か八かで行ってみることにした。
何で一か八かと云うと、店なんかじゃと来客を前提にしておるから敷地内にずかずか入り込んで行くのは問題ないんじゃけれども、個人宅となると当然そうも行かん。
行ってみて家人がいらっしゃればまだ交渉の余地はあるが、無人の場合じゃと勝手に入っていけば近所の人に然るべき場所、すなわちサツの兄さん方がおらっせるところに通報される可能性もあり、つまりこのようなむつかしい問題をはらんでおるからじゃ。
でも悲しいかなワシは、やぎさんがおると知ってしまったからには条件反射的に足が向いてしまうという人間に仕上がってしもうとる。
ワシは条件反射的にスヌーピーのサコッシュを肩にし、条件反射的に本田宗一郎マスクと麦わら帽子を装着し、条件反射的に真っ黃っ黄のスイスポに乗り込み、条件反射的に出発した。
クルマを走らせること約1時間、ワシは現場に到達した。
場所はここじゃ。
赤い線で囲まれた中のどこかじゃ。
個人宅なんで詳細な場所は紹介できん。
興味がある人は何らかの方法で探し出してくれろ。
明け透けに云えば森町はまあ田舎なんで(すまん森町住人の皆さん)、クルマを(とっ捕まることなく違法に)駐車出来るところは普通にあり、ここも例外ではない。
ワシはクルマを停め、歩いてやぎさんがおると思しき方向に歩いていくとすぐにやや甲高い声で「べへへへへへ〜〜い」と鳴いとるのがわかった。
ワシはだらし無くニヤけながら素早くそっちの方に駆け寄ると、個人宅の庭に小屋が建っておって、その中に中くらいの大きさのしろやぎさんが1匹、餌入れのかごの上にどんと乗って突っ立っておるのが見えた。
「やあ、おったなあ!」
と嬉しくなって、敷地に入らぬようやぎさんをよく眺めると、その下にはちっちゃいこやぎさんが2匹もおって、先程の鳴き声はどうやらこのこやぎさんのようじゃ。
大きい方のやぎさんは多分おかあさんやぎさんじゃろう。
おかあさんやぎさんとこやぎさん2匹 こやぎさんはキリリ系のお顔をしておる © ill-health(ruephas) 2021 |
暫く見ておると、庭の奥からこの家の人らしい農夫姿のおやっさんが出てきた。
この人、あまり人を疑うようなタイプではないらしくてワシを見ると笑いながら「いいよもっと近寄って見ればいいよ」とやぎさん戯れ許可を与えてくれたのじゃった。
ワシはお礼を述べてから失礼して庭に入り込むと、この3匹のやぎさんの隣の区切りにカフェオレやぎさん、また別のところにしろやぎさん、都合5匹のやぎさんがおったのじゃった。
妙なところから髭をはやしておるカフェオレやぎさん どうも雄らしい © ill-health(ruephas) 2021 |
少し離れたところに繋がれとるしろやぎさん 臆病なのか手をのばすとひょいと逃げる しかし草を差し出すと素直に食べてくれる © ill-health(ruephas) 2021 |
ワシは小躍りしながらまずは親子3匹やぎさんに千切った草をあげるとワシワシ食う。
隣に回り込んでカフェオレやぎさんに上げるとやはりワシワシ食う。
更に少し離れたところにおるしろやぎさんもワシワシ食う。
全員腹ぺこさんの様子じゃ。
みんなに平等に草を与えておると、いつの間にか姿を消していたおやっさんが両手に大量の枯れ草と云うか干し草を抱えて戻ってきて、藪から棒にそれをドサリと小屋の中に投入した。
また、外で繋がれとるしろやぎさんの前にもドサリとおいた。
どうもこの干し草はここのやぎさんたちの大好物のようで、皆一心不乱にわしわしばりばりむしゃむしゃ食い込んでおる。
誠にいい食べっぷりじゃ。
普通の人であれば「こうなるともう、手づから餌を上げるのはかなわんじゃろう」と思うじゃろうが、実は全くそうではない。
やぎさんが首を突っ込んで食っとる草の山から草を引き抜き、それをやぎさんに差し出すと不思議なことに先ずそれに口を伸ばしてシャカシャカ食い込み、食い終わるとまた山に戻ってそれを食い始める。
どちらも同じ草なんじゃが、ここのやぎさんだけではなくどこのやぎさんもたいてい同じようにするから、今度試してみれば宜しい。
しかしあれじゃよ。
このこやぎさんたちの可愛さと云ったらどうじゃ。
いやあ、誠にかわいいのう © ill-health(ruephas) 2021 |
むくむく系ではなくキリリ系じゃから、やぎさん特有のニヤリ感にはやや欠けるがそれでも相当かわいい。
そして角度に寄ってはこのようにニヤリとしとる様子もわかるじゃろう。
やぎさんは高い確率でこのように 木枯し紋次郎状態になるものじゃ © ill-health(ruephas) 2021 |
大人やぎさんと同じように、干し草に首を突っ込んでワシワシちまちま食べておる姿は誠に可愛いものじゃ。
最近ワシは厄介な仕事をやっとるため珍しくストレスがたまってイライラしとるんじゃが、これを見るとスカッとする。
これはワシが大のやぎさん好きだからというわけではなく、特段やぎさんに興味がない人でも同じように感ずること請け合いじゃ。
あまりに可愛いためワシとしては手を伸ばしてこやぎさんの頭をなでなでしたいところじゃが、そうしようとすると流石おかあさんやぎさん、伸ばしたワシの手に向かってガツンと頭突きをしてくる。
「私の子供に手を出すんじゃないわよ!」
といったところじゃろうと思ったんじゃが、おかあさんやぎさんが食いかけておる草をそれと知らずにこやぎさんが横から食おうとすると、おかあさんやぎさんは遠慮会釈なくこやぎさんに頭突きにかかる。
厳しい教育方針をお持ちの様子じゃった。
そんなこんなで暫くやぎさんと遊んで満足して帰ったのじゃった。
帰途、この間伺ったMei Fruits(静岡県浜松市浜北区平口243-1:080-5829-0276:9:30〜19:00:定休水曜)に寄ってみた。
前回はまだ開業前じゃったが、7月1日の開業以来半月ほども経っておるので美味いと評判のフルーツゼリーを食いつつ3頭のカフェオレやぎさんたちの様子を見たかったからじゃ。
ゴールデンキウイのゼリー¥350と やぎさんのご飯¥100と 3匹のやぎさん © ill-health(ruephas) 2021 |
本日も暑かったんで予想通り3匹とも小屋に引きこもっておったんじゃが、前回と同じく裏手に回り込み、千切った草で巧妙に屋外におびき寄せることに成功した。
そうしておいてワシはコンテナを利用した店舗に入ってゼリーを買った。
開店前に話をしたお姉さんが店番しとるかと思いきや、意外にも若いお兄さん3人がおった。
何れも例のMei FruitsのロゴがあしらわれたTシャツを着とる。
ワシはさんざん迷った末、ゴールデンキウイのゼリーを選び金を払おうとして傍らにある冷蔵庫を見ると「やぎさんのごはん」と書かれた野菜が売られておるのを発見し、それも迷わず購入。
冷たくて美味しいゼリーを食した後、やはり冷たい野菜をやぎさんにあげることができて、ここでも満足したのじゃった。
一番ちっちゃいのは小屋の中 © ill-health(ruephas) 2021 |
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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。