2012年3月28日水曜日

南アルプス赤石温泉白樺荘(3)

私は自分自身の勤務管理が非常に苦手で、この月末になって公休消化数が足らないという事が昨日になって判明し、本当は休みたくはなかったんだけど本日は無理矢理休みにしました。
以前だとタイムカード打刻しないで(まあ実際今日日はPCでぽちっとな、ですけど)仕事してましたけど、老人一歩手前の我が身ですので最近は素直に休むようになりました。
で、それなら少し遠くのお湯へ行ってみよう、でもある程度は行程の時間が読めるところが良い、ということで選択したのは南アルプス赤石温泉白樺荘でした。
この温泉についてはこのサイトでも過去何回か書いてますので、そちらもご覧下さい。
非常に簡単に言えば、
「この温泉は元々少し離れた場所にあったのが移転してきたのですが、旧施設が素晴らしすぎて現施設がどうしようもないです。でもまあ最近は少し改善してきてます」
というサマリーです。

朝9時前に自宅を出発しました。
下界は晴れて暖かかったのに、田代のオートキャンプ場を過ぎる辺りから雨が降り出し、11時過ぎに現地に到着すると霙。
外気温は3℃。
私が遊びに行くとその場所は大抵今の時期でも2℃とか3℃っていうのは何なんだと思ってしまいます。
駐車場に車はなく、
「お、ひょっとしてきょうは定休日か」
とビビりましたが施設内には灯りが灯っていて、玄関を入るとおじさんが迎えてくれました。
そのおじさんと食堂ホール係と思しきおばさん以外に人類は見当たりません。
入場料¥500也を券売機に払い(味気ねーなー)、脱衣場に入って素早く全裸となり、ちんちんやおしりの辺りをシャワーできちんと清めて(誰もいない事これ幸いと)どぽーんと浴槽に飛び込みました(剰え少し泳いだ。坊ちゃんみたいに。いけませんね)。

暫く内湯で暖まってから露天風呂に移動しようとして外を見ると霙は雪に変わっていて、おおこれは風情ある雪見湯。
引き戸を開けて外に出て、降りしきる雪を眺めながらお湯に浸かります。

個人的な感覚から言うと、ここの温泉は中より外の方が泉質が良いと思います。
内湯も外湯もOFと循環の併用ですけど、湯の花の量やお湯のとろみ等は外の方が格上です。
まあ、勿論旧施設時代に比べれば程遠いのは言うまでもないですけど。
だーれもいない浴槽に入って雪や雲の動きを眺めたり雪に降られたりしながら小一時間程ぼーっとしてました。

移転新築した直後に来た時は「もう二度と来るか」と思ったものですが、最近はまあ許せるかな、と思えるようになった白樺荘であります。

広い内湯と、薄曇って僅かではあるけれど何とか茶臼岳を望める露天風呂を正に私だけで独占する形で充分温泉を堪能し満足したので、さあ帰ろうと玄関ホールに行きますと、入る時にいた案内係のおじさんがまだいました。
「どうもありがとう、気持ちよかったです」
と挨拶して出ようと思ったら、可成り吃驚した表情で、
「…え゛、あ、もう帰るのですか???」
と宣う。
そう。
もう帰るのだが、それが何か?
と思っておじさんを見てると、
「あの、丁度お昼時ですし…」
ああ、成る程ね。

私は基本的願望として、
温泉に来たら、風呂上がりにはみかん水ではなくビールを飲んで寛ぎたい
というのを持ってます。
風呂上がり、Tシャツだけで休憩所兼用の大広間にのたくりこんでへたり込み、自販機で購入した缶ビールのプルタブをぱきっと開けてんぐんぐんぐ…
ああ、理想的だ!
ただ現実的には、私の好きな温泉(入浴施設)は山奥にある事が多く、そうなるとアプローチの手段としては車を使わざるを得ないため、この願望が満たされる事はほぼ皆無です。
じゃあ「せめて飯だけでも喰えばいいじゃねえか」と貴方は思うかもしれませんが、ちっちっち。
私の悪癖として、
「温泉に限らずどっか遊びに行った先で外めしを喰う時は、非常に飲酒したくなる」
というのがあるので、飯を食うのもやめている訳です(まあ要するにアル中ですわ)。
だから、残念ですけど基本的結果的には、どんな温泉に行っても飯を口にする事は殆どない訳です。
それに従い、風呂入っただけでさっさと帰ろうとした訳ですが、それがどうも珍しかったようです。
ま、確かにこんな山奥までわざわざ出向いてきて風呂だけ入ってそのまんま帰るのは一般的には変人なのかもしれない。
丁度ひるめし時だしね。

或いは静岡市役所のエラいヒト[1]から、営業的なプレッシャーをかけられているのかも知れないなあ。
「これ作るのに幾らかかったか知ってっか?!○億円だよ。高えんだよ。こんなにカネかけたハコモノなんだから、おいおまーら(従業員さん達の事だよ)しっかり稼げよ。そうだろ、おい!」
 「おいコラ山田!(山田欽一:白樺荘ホール案内係:静岡市シルバー人材センター所属:静岡市葵区井川出身:69歳:かつて井川大仏の建立に関わったことがあり、それが自分では誇りである)。オマエぼーっとつったってるだけじゃあカネ稼げねえだろ。風呂だけ入ってさっさと帰ろうとするよーな不埒なヤツがいたら、ぜったい補足して食堂に誘導するんだぜ」
なんてね。
勿論この節↑は冗談ですよ(私には夢想癖があり、ある状況に触れたのをきっかけに、その状況について頭のなかで勝手に物語を作ってあり得ない方向に広げて、一人くすくす笑う変な癖があります)。

ま、とにかくおじさんによる「食堂へのお誘い」を軽やかに振り切り、下界に戻るため車に乗り込む私でありました。
御免ね、おじさん。

[1]
条例に基づいて設置運営されている静岡市営施設です。
静岡市は他にもなかなか素晴らしい温泉をいくつか運営しています。

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