2012年9月17日月曜日

南アルプス赤石温泉白樺荘(4)

この温泉には前回、2012年3月頃に行っているんですが、その時、薬とかを入れたビニールポーチを現地に忘れました。
遥々3時間かけて自宅に帰着後それに気付き、直ぐに電話して事情を説明し、遠方のため中々再訪出来ぬ故、規定には反するとは思うが暫く預かってて欲しいと施設の人にお願いした訳であります。
あれから何と半年、如何に何でももうそろそろ取りに行かねば拙かろうと思い、昨日2012年9月16日、白樺荘に向かいました。
今回は忘れ物回収とは別にもう2つ狙いがありまして、それは、
  1. 新東名を走ってみたい
  2. 新東名を走る時、新たなきゅーちゃん(カーナビ)[1]はちゃんと機能するか[2]を見てみたい
というものであります。

1.の心理はまあ比較的多くの方にご理解頂けるのではないかと思います。
普段私は温泉目指して東に走るときは、東名を使う事はなく大抵国道1号バイパスに乗ります。
でもまあ折角新設なった新東名。
一度は走ってみたいじゃない。
で、実際走ってみましたが、確かに走りやすくて安全で、ストレスは感じませんでした。
しかし余りに走りやす過ぎて場所に寄っては(例えば緩く長い下り坂)意識せぬまま140㎞をあっさり越えてしまうことも。
思ったのは、名前に「新」が付く高速は何となく同じ様なイメージがあるなあということで、新名神を最初に走ったときも同種の感想を持った記憶があります。
まあ私の場合、東京方面に向かうときは上手く使えそうという事が実感出来たのは収穫でした。

2.についてはキチンと更新されていましたので問題はありませんでした。
ただ、浜松から静岡の井川方面に向かうのに、わざわざ静岡経由(新東名浜松浜北IC⇒新静岡IC⇒静岡県道27号線)を選ぶ意図がわからんとは思いました。
普通は浜松浜北IC⇒島田金谷IC⇒静岡県道64号線だと思うんだけどなあ。

で、そういった事を確認しつつ半年ぶりの白樺荘に到着。
施設の開場は10時ですが、私の到着時間は10時過ぎ。
連休中日であり、既に観光客や登山客がわんさか来ているのではとの危惧を抱いていたのですが、現場に着いてみれば駐車場には数台の車しか見えません。
意外に結構空いてるみたい。
浴室に行く前にフロントに立ち寄り、ビニールポートを無事回収。半年もの間保管していてくれてありがとうとお礼を言い、500円払って早速入浴。
想像違わず、浴室に入っても3人程度しか先客はいませんでした。
そのうち二人は親父とジジイだったんだけど、露天風呂の縁に腰掛けてしきりに、
「昔のバイクのエンジンは良かった。面白かった」
という話をしていて、横から聞いているといちいち頷首できる話題ばかりだったんだけど、如何せん大声でかつ際限なく続けているものだから煩わしくなり、一旦内湯に逃げ帰りました。

ところでこの温泉のお湯のコンディションに関しては前回ポストで書いた通り、移転開設直後はまあ酷いものでしたが、最近はまあ何とかなってきています。
勿論旧施設と比べられるレベルではまったくなく、ヌルツル感・お湯のとろみ・香り・湯の花の量、等々、それら全てに店において旧施設の10段落ちです。
でもまあただ露天風呂の方であれば、湯口付近限定だけどある程度の湯の花が見られるし、旧施設では叶わなかった「露天に入りながら雄大な赤石山脈を眺める」という味わいもありますので、最近は余り文句も悪口も言わず、素直にお湯を楽しんでます。

ところがですな、驚くべき事に、露天風呂に戻った私の耳に例の、
「昔のエンジン大好きジジイコンビ」
のこんな会話が入ってきました。
「湯の花なんて、あんなもの別にうっとおしいだけだし、あってもなくてもいいわねえ」
「うんそう。ありゃ別にいらん」
「たぶんみんなそうだろうから、施設の方でも機械通して濾しとってくれてるんだろうなあ」
「そうしてもらうとお湯がすっきりしていいなあ」
「そうだねえ。ここのお湯はなんかすっきりしとっていいなあ」
「あんまり色がついてたり臭いがしたりしても疲れるしなあ」
「透明で清潔なかんじのほうがいいわなあ」
それを聞いて、わたしゃ~脳天に杭を打ち込まれた様な衝撃を受けました。
私を含め、一般的に温泉好きな人が思うことと全く真逆の事をこのジジイコンビは言っています。
オレらの感覚がオカシイのか、ジジイコンビの感覚がズレてるのか解らないんだけど。

湯の花なんてなくていいから濾し取って欲しい。
お湯は特徴なくすっきりしていた方がいい。

う~むむむ…
すげえ割り切りというか、何か一寸違うんじゃないの、と正直思った。
だったらこんな山ん中の温泉にわざわざこなくていいじゃない。
別に家の近くのスー銭かどっかにいけばいいじゃん。
そう思う訳です。

でも一方でこうも感じた。

確かにワタクシ、普段は泉質は気にしないと宣言している。
宣言している割には、ヤッパリ気になってるんですよね、改めて考えるとね。
このブログにも泉質がいいとか悪いとか、知ったかぶりして書いてます。
そういうのって、はっきり言って、やらしいよね。
貧乏でも構わないと公言しているのに裏で小金を貯めてるヤな人みたい。
そう言う臭いがプンプンする、自分で。
そう考えると、意外にジジイコンビの方がマトモで普通なのかもしれない。

似た様な話があります。
一昔とか二昔くらい前の話です。
地酒を矢鱈に有り難がり、所謂ナショナルブランド(例えば「大関」とか「白鶴」とか「松竹梅」とか、誰もが知ってる全国的ブランドのこと)の酒をさげずむようなブームがありました。
その頃地方のジジイ達は大抵ナショナルブランドを愛飲してて、最近酒を飲み始めたばかりのオレのようなまだケツの青いガキどもが地酒や純米酒を有り難がっていた訳です。
で、ナショナルブランドを愛飲しているジジイどもを、
「日本酒の味もわかんねえ可哀想なジジイ」
扱いして軽蔑し、バカにしていた訳です。
味は当然、金かけて少量作った酒を高いカネ払って買って呑んだら旨いに決まってる。
でも、ジジイ達は日本のどこに行っても安く売っていて、どこで呑んでも安定して同じ味がする酒で充分だし、安心して呑めると思っているんだよね。
それはそれで正しくて、地酒好きな人たちは自分たちだけで勝手に地酒呑んでりゃいいだけの話で、ナショナルブランド好き(というかそれしか知らないのが正解かな)なジジイ達をわざわざさげずむ必要はなかったんです。

温泉(泉質とか風情を含めた)についても同じかな。
やたら過剰に泉質や風情に拘って追究し、そう言う事に拘泥しないでただ一日の疲れを癒す為に湯に浸かるだけの人たちを「無粋だ間抜けだ」という風潮が一部にあり、どっちかって言うと私はいつの間にか最近そっちサイドに立脚点を移しつつあったかもしれないです。
塩素臭ばかりが臭いたつ浴槽しかない風呂に嬉々として入っている人たちに対して、心の中で若干「バカにする」気持ちがあるのは事実だし。
いい温泉に入りたいという気持ちは当たり前なんだけど、他のヒトのことは関係ないねと思わないとね。

人それぞれ、物事の楽しみ方や感じ方は違うからね。
人が自分が思っている事とは逆のこと思ったり言ったり感じたりする人が世にいるのは当たり前の事で、そういう事や人に対していちいち必要以上に反応したり非難するのは、大人じゃないと思います。
相手を認めたり、相手と理性的に話せたりする成熟した大人にならないとね、と50前にして悟った未熟なわたくしでありました。

[1]
以前使っていたカーナビと同様、新しいナビの型番にも数字の9が含まれるため、引き続き「きゅーちゃん」と名付けましたが、変ですかな?

[2]
最近のカーナビは何年か限定ではあるけれどもネット経由であれば地図データを無料で更新出来ます。
私の買ったきゅーちゃんを買った理由の一つも地図無料更新サービスがあるからですが、まあ大変苦労致しました。
私はデータのダウンロードはメーカのウェブサイトから直接行うか、まあ精々ウェブアプリを使ってやるんだろうと思ってました。
ところが意に反してWindows OS上でしか動かないアプリを使わなければならないと知って大変動揺しました。
恐らくSDカードのフォーマットがWindowsのものなのでしょうね。
私はMacユーザです。
日頃使ってるMacBookには一応Boot Campにより最低限のWindowsXP環境を作ってはありますが、そのパーテーションの広さは極く少なく今回は使えません。
ということでWindowsPCを持つ友人にかなりの無理を言って、なんとかかんとか更新まで辿り着きました。
その更新自体も大変面倒で、マニュアル通りにやったのに上手く行かず何回もリトライし、時間がかかったとその友人から聞きました。
こんなに苦労したのでちゃんと更新されているかどうか試したかったんですね。
地図データ更新作業については、メーカに再考をお願いしたい気分ですねえ。

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