2019年3月23日土曜日

やぎさんが好き!(12) お好み焼き さわ田にこやぎさんが生まれそう

初老に似合わずやぎさんが好きになって、そのことについて「やぎさんが好き!」なる実に軽薄なるタイトルで書いとるわけじゃが、その1回めがお好み焼き さわ田(静岡県浜松市北区引佐町渋川4131-1:053-545-0160:営業は土日のみ:11:00~18:00:お好み焼きが¥350から:ビールも飲めます)じゃった。
その、お好み焼き さわ田に本日も行ってきた。



ここには白「ゆきちゃん」、黒い「ゆみちゃん」、一番デカい茶色い「きいちゃん」という3匹のやぎさんが住んでおって、今日も店の横にある山の斜面を元気に歩き回っとる。
今日は昼飯にさわ田のお好み焼きが食いたかったのもあるが、前回訪れたときに「もうすぐこやぎが生まれそう」という話を聞いておったので、その後どうなったか確認したかったのと、お好み焼き さわ田からもうちいと奥に入ったところにある里山民宿 丸(静岡県浜松市北区引佐町渋川1811-1:電話番号不明:宿泊予約はhttps://stayjapan.com/area/shizuoka/hamamatsu/経由で)についてちいと話が聞きたいと思ったので行ってきたんじゃ。

着いたらまず当然、やぎさんたちに挨拶じゃ。
3匹とも山の斜面の端っこの方におって生えとる草をむしゃむしゃ食っとったので、
「へえいい、来たよお。久しぶりじゃあ」
と声を掛けると、3匹揃ってワシの方に歩み寄ってくれた。
うち、ゆみちゃんは得意の高速頭突きでもてなしてくれた。

左から、きいちゃん・ゆみちゃん・ゆきちゃんじゃよ
こやぎさんを生むのはきいちゃんじゃ
© ill-health(ruephas) 2019
暫くじゃれてから店内に入り、モダン焼き(¥450)を注文して食べながらいろいろ話をした。

美味しくて盛りがデカいモダン焼きじゃよ
あまりにうまそうなので
一口食ってしもうてから撮影
© ill-health(ruephas) 2019
きいちゃんからはまだこやぎさんは生まれてないけど、多分この週末かその次の月曜日くらいには生まれそうとのことじゃ。
残念、まだじゃったか。
店の奥さんは、白じゃなくて茶色のこやぎさんが出てきたらいいなあと云っておった。
うむ、ワシはどうしてもと云われればゆきちゃんが好きなので、あんな感じのこやぎさんがいいなあとは思うとるが、こればかりは神の配剤でうまれてみにゃあわからん。
初老のおっさんが云うのもなんじゃけど、大人のやぎさんはもちろんじゃが、こやぎさんは誠にかわいい。
黒くても茶色でも白でも、兎に角元気に生まれてほしいものじゃと思うし、次の週末は当然こやぎさんを見にまた来ねばなるまいてと思う。
かわいい子ヤギさんが元気に生まれるといいなあ。

あと、里山民宿 丸には一度泊まりに行こうかと思っとるんじゃが、さわ田のご夫婦曰く、ホタルの頃に泊まるのがいいとのことじゃった。
たいへんきれいに見れるとのことじゃ。



季節的には6月じゃし、その頃には多忙な時期が終わっとるはずなので是非泊まりに行こうと思うとる。
夕ご飯は民宿の方がさわ田まで送り迎えしてくれるというか、民宿の方も一緒になってお酒も入ってお好み焼きパーティ状態になるそうで、これは楽しみじゃ。

実は本日、ここさわ田に来る前にはCafe de Clarkに行ってマサオくんにも会ってきた。

眠そうな目で狭い隙間に立つマサオ
道幅20cmくらい
© ill-health(ruephas) 2019
ここに来るときには、お店の前の駐車場ではなくお店より下にあるR152沿いの駐車場に停めて「へい、ほい」と掛け声を掛けながら急な坂道を5分位歩いていくことにしとるが、最近じゃとその「へい、ほい」が聞こえてくるとワシの姿が見えんうちからどうも近寄ってくれとるようで、これは大変に嬉しいことじゃ。
ワシゃあ、おっとりして優しいマサオも好きじゃなあ。

2019年3月21日木曜日

温泉に行かない日(372) 朗報!松風苑復活確定!

本日は春分の日なんじゃけど、春分の日の定義も知らぬままこのトシまで生きてきたことを恥ずかしく思う。
調べる気もないんじゃが。
まあ春分の日は古来よりお休みということになっておるんで、それに便乗して本日も湯谷温泉に行ってきた。
マサオんとこに行きたかったんじゃが、マサオは雨じゃと自分の小屋からあまり出てこんので本日はパス。
例の「湯けむり温泉葉書」をもう一枚買って先週に引き続き翠明に入りたかったんじゃが残念ながら本日はお休み。
その後何件か当たったんじゃけど、混んどったり時間的に半端だったりして、結果的には旅荘みついに入った。
ご主人は大変丁寧な物腰で、素晴らしい接遇と素晴らしい温泉じゃ。
風情も素敵じゃなあ。
加えて僅か600円で貸し切り温泉に入れるというコスパ最高のとこなんじゃけどしかし、今回はその件は書かん。

今回のテーマは、あの松風苑の件じゃ。
少し前にも書いたとおり、ここ暫くというか結構長い期間開いとらんかったので、どうしたんじゃろうか、もしや廃業なさってしまったんじゃろうかと心配しておったところじゃ。
旅荘みついに行く前にちいと様子を覗いて見るかとクルマを停めて坂道を半分まで登ると何と!
玄関の引き戸は大きく開け放たれており、玄関ロビーの中には暖かそうなオレンジ色の照明が輝いとるではないか。
嬉しくなって坂道の残りを小走りで上がると、残念。
「休業中」の札が掲げられておった。
思わず「あー、だめか。やっとらんか…」と声を出して残念がると、それを聞きつけたのか中から女将さんが出てきた。
うん、この方は何時もフロント番をやっておった方じゃ。
スタンプも押してくれたし、シャワーの調子が悪かったときには「すみませんでしたね〜」と云いながら湯谷温泉の素(入浴剤)をくれたりして大変優しい方じゃ。
「ごめんなさい。暫くお休みしてるんですよ。申し訳ありませんねえ」
しかし、休業中にしては明るい感じの表情じゃ。
「いや実はここ何回か訪ねてみたんですけど何時もお休みでしたので少し心配していたんですよ」
「あらごめんなさい。いらっしゃってたんですね」
「はい、そうなんですよ」
「いや実はね、暫く前に主人が亡くなりましてね。それで続けるのが難しくなったんでおやすみしてたんですよ。ただ旅館は別の人が引き継いでくれることになって、いまその手続中なんです」
「あー、そうなんですか。それは大変でしたねえ」
「ここは国定公園でしょ。その関係でなんかいろいろ手続きが面倒で時間がかかるんですよね」
確かにこの辺は天竜奥三河国定公園になっとる。
「そうなんですか。実際どのくらいで再開できそうなんですか」
「そうですね。まああと2ヶ月くらいじゃないかしら」
「あー、そりゃ良かった。また入れるんですね。愉しみです」
旦那さんが亡くなったというのにこんなことを云ったのはこれは大変失礼なことであったと反省しきりじゃが、女将さんの表情が明るかったし、また入れるのが嬉しいという本音が勝ってしもうた。
女将さんごめんなさい。

ということで、心配しておったのが杞憂に終わった。
あと2ヶ月ということは5月中旬くらいには、飯田線を走る電車の姿と走行音を愉しみながら素晴らしい露天風呂に入れるということになる。
5月末には会社の決算も終わり多分少しは余裕が出来るから、再開の報に触れたらすぐさま席を蹴って松風苑に飛んでいこうと思うとる。
今、iPhoneのスケジューラに予定を書き込んだところじゃ。

ああよかったよう。

2019年3月17日日曜日

翠明(2)

湯谷温泉の「湯めぐり温泉葉書」があと1回分となったので、本日は翠明(愛知県新城市能登瀬上谷平6-2:0536-32-1551:公式Websiteはなく、湯谷温泉発展会のSite内での紹介のみ)に行ってみた。
ここには2012年以前に1回と2012年6月に1回行っていて、記録はしてないんじゃけどあともう1回は来とる。
何故かすべて貸切露天風呂のみで、一般の浴室には入ったことがない。
貸切露天風呂もなかなかいいもんじゃけどそれだけでは片手落ちと云うか王道から外れとるというかそんな感じもするんで、本日は一般の浴室。

宿の前に数台分ある駐車スペースにクルマを入れて玄関に入ろうとすると「自動ドア故障中」とハリガミがしてある。
うむ構わぬ。
ならば手で押し開けるだけの話じゃ。
左右にぐいと押し開けると、すぐに奥から若い女性が来て「いらっしゃいませ」と挨拶してくれた。
クルマが入ってくるところを見ておったらしい。
あと1回分残った湯めぐり温泉葉書を見せて、
「これでお風呂に入りたいんですけど大丈夫ですか」
と訊ねるとその女性は、
「はいはい、どうぞお入りください。いま一箇所は貸し切りにしてますのでもう一箇所の方をご案内します。お客様にご利用いただく方も貸し切りにいたしますので、時間を気にせずごゆっくりお入りください」
おっと、案外厚遇な感じじゃ。
「今、湯加減を見てまいりますので、そちらのロビーで少しお待ち下さい」
暫く待っとると、
「おまたせしました。大丈夫ですのでご案内します」
と、まくりあげたズボンの裾を元に戻しながら声を掛けてくれた。
本当に浴室内まで入ってきちんと湯加減を見てくれたらしい。
女性についていきながら、
「以前何回か貸切露天風呂に入ったことあるんですけど、今もやってるんですか」
「はい。ただ『湯めぐり温泉葉書』の期間はお断りしているのと、あと浴槽が少し傷んでいて、その関係でお断りすることもあります」
ここの貸切露天風呂はちいと高いけどなかなかいい風情、いい眺めで料金なりの満足感があるので、是非続けてほしいものじゃと思う。
浴室には「女湯」の暖簾がかかっとったがこれは公認された入場である故、迷わず脱衣室に入った。
まああれじゃな、正直に申し上げると、湯谷温泉の他の旅館に比べて設備のヘタリが進んどるように思う。
脱衣室に2つある洗面台の一つは「故障中」のハリガミがあり、浴室への入り口扉には「シャワーの温度低下時は、一度止めて再度のご利用をお願い致します」と書かれたハリガミ。
うむ、別に構わんけどね。
浴室に入ると、浴槽はきっちりしたスクエアで、中には湯谷温泉特有の茶色と云うか薄緑と云うか黄土色と云うか、そんな色のお湯が縁まで満たされておる。
じゃばじゃばかけ湯をして、結構大きなその浴槽に身を沈めた。
ふう、気持ちがいいなあ。
広い浴槽にはワシしかおらんし、誰かが出し抜けに入ってくることもないし、全身脱力して暫くじっとしておった。
川の方にある窓は結構広いものの、開くことは出来ん。
あと、雑木林に遮られて川が見えんのがなんとも残念じゃなあ。
ワシは暑がりじゃから、普通の人が「これちょっとぬるいなあ」と感じるような温泉であっても、5分もすれば汗がじゃんじゃん出てくる。
そんな時でも露天風呂があれば一旦外に出て火照った体を冷ましてまたお風呂に入るという繰り返しが出来るんじゃが、ここではそれもままならん。
いつもどおり汗がじゃんじゃん出てきたもんじゃから、これは何とかならんもんかと勘考しておったら、1ヶ所だけ小さな窓が開くことを発見。
早速それを全開にすると外から冷たい空気が流れ込んできて誠に気持ちが良かった。
これで暫くは大丈夫ということで、温泉を堪能した次第じゃ。

最初にもちいと書いたが、全体的に設備のヘタリ感が目立つ。
目立つが、なんていうんじゃろ、これはこれでアリというか、昭和感が漂っていると云うか、いい意味でつげ義春っぽいと云うか、そんな感じでワシ的には結構いい感じじゃった。
あと一つ感心したのは、ここはもちろん源泉掛け流しで、浴槽の端っこにある湯口から温泉がちょろちょろ注ぎ込まれておる。
それ以外に、浴槽底端っこの入浴の邪魔にならんところに、フレキのパイプが密かに回されとって、そのパイプからもどうやら温泉が出ているようじゃった。
上から源泉が注がれて、縁からその分お湯が溢れとるのを見るのはいい気分じゃけど、お湯というものは熱い部分が上に溜まる。
上ばっかり熱くて下の方はぬるいということがままあるが、ここのような仕組みであれば浴槽のどの深さであっても温度が同じということになる。
なかなか考えたものじゃと思った。
しかしまあ、中に入ってちょいと動けば全体的にお湯は混じってしまうので結局は同じなんじゃろうけど、何となく好ましく感じた次第じゃ。

お風呂を出て玄関に戻ると、件の女性が出てきて、
「えっと、脱衣室寒くなかったですか?置いてあった石油ストーブに火を入れようと思ったんですけど、私やり方わかんなくて、スミマセンでした」
どうやらこの女性は本日ピンチヒッターでの勤務のようじゃった。
「いやいや、わたし暑がりなんで、全然平気でしたよ」
「スミマセンでした。ぜひまたお越しください」
はい、ぜひまた来ますとも。


2019年3月16日土曜日

やぎさんが好き!(11) 吉沢第3発電所

1月2月と盛んに書いとったが、3月に入って平日は篦棒に多忙で、土日はちょこちょこ出かける所用もあり、なかなか書けんかった。
あと、ナンバー的に云うと「やぎさんが好き!(10)」が飛んどるが、これは磐田市にある「ひと・ほんの庭 にこっと」というとこに居る「きなこ」と「あんこ」に関する話が書ききれておらん為じゃ。
すまんことじゃ。
さて今回は別のやぎさんの話じゃ。

よく通る道の脇でやぎさんたちが放し飼いになっとるという得難い情報を会社の後輩から掴んだのは暫く前じゃった。
「どんな感じかね」
「…えっと、…やぎです」
「うむ、やぎさんかね。それはしろやぎさんかね」
「…。えっと、確か……」
「確か?」
「………、確か…」
「確か??」
「……、多分…、茶色だったような…」
「うむ、茶色なのかね」
「………、えっとそのう、あとですね…」
「あと?!」
「えっとお、…、最近ですね、うーんと、多分こやぎが生まれたみたいですね…」
「な、なんですとおおお!」
「2匹」
「おほほほほほほ!」
スタイリッシュで寡黙で奥ゆかしい彼から得たのは、以上のような情報じゃ。
ワシは早速会社で使っとるパソコンにGoogle Mapsを開いて、彼に聞きながら大体の位置を確認した。
これだけの情報があれば十分じゃ。
今日早速でかけたよ。
混雑しとる浜松市内を抜け、R1に乗って東に走り千羽ICで降りて菊川市立河城小学校の近くまで行くと、そこが教えられた場所じゃ。
最近各所で見られるソーラーパネルを大量に配置した太陽光発電所がある。
看板を見ると「吉沢第3発電所」とある。
しかし、この発電所を含め、周囲にやぎさん感はあまりない。

この写真は実は後で撮ったものじゃ
じゃからよっく見るとほれ、写っとる
© ill-health(ruephas)/yt 2019

幸い車通りはあまり多くはないので、左右を見ながらややゆっくり走っとると、おった!
大きなソーラーパネルを屋根代わりにするような感じで茶色いやぎさんがおるのが見えた。
せせこましいところに建立されとる大山くん参拝により「どんなところでも、他車に迷惑をかけない場所にクルマを迅速に停められる」という技は身につけとる。
近くにさっさとクルマを停めてやぎさんのとこに行った。

ワシを見かけて警戒したのか、すげえコワモテ感あって、篦棒にデカくて立派な角をはやしとって、篦棒に濃くて立派なヒゲを生やしとる篦棒に怖そうなやぎさん(やぎさんというよりは寧ろ「やぎ氏」「やぎのおっさん」が似合う)がワシの前にぐいと出張ってきた。

流石のワシでも最初はちいと怖かったヨ
© ill-health(ruephas) 2019
ちいと怖いは怖いがそこはそれ、ワシとてすでにセミプロじゃい。
セミプロとしての誇りを胸に、道端に生えとった草を千切ってやぎ氏に差し出すと、
「がんっ!」
っっとおお、きたなあ。
猪木のラリアット並みの頭突きが来たよ。
誇りは秒殺、粉砕された。
いきなり頭突きがきたよ。
しかしその後は素直にしゃくしゃく葉っぱを食べてくれた。
だが、何も持っとらん手を差し出すと速攻で。
「がんっ!」
じゃ。
面構え通りの凶暴なやつらしい。

やぎ氏の後ろにはおちちが張っとるおかあさんやぎさんと思われるのがウロウロしとる。

おかあさんやぎさん
ほんとはもっとかわいいんじゃよう
写真がへたなんじゃよう
© ill-health(ruephas) 2019
更にその奥のパネルに下には、おっとこれは!こやぎさんが2匹、大人しくうずくまって口をもぐもぐさせとる。
これが寡黙な部下が云っとった最近生まれたこやぎさんじゃろう。
ただ寡黙に口をもぐもぐしとるんじゃけど、こやぎさんの割にきりっとした顔をしとる。
かわいいんじゃけど、キリッとしとるな。

そりゃあワシだって人じゃ。
コワモテのやぎ氏には悪いことじゃが、ちっちゃくてかわいい子ヤギさんのほうがいいに決まっとる。
屋根の下におるこやぎさんを一所懸命に呼ばわってみるが、ただただ口をもぐもぐして反芻しとるのみ(やぎさんはウシ科じゃから反芻するんじゃヨ)。
頑として出てこん。
一方やぎ氏とおかあさんやぎさんは警戒しつつも「こいつどうもワシらにえさをくれそうな感じじゃ」ということを悟ったらしく、取り敢えず近づいてきてはくれた。
草を千切っては差し出すと、案外素直にシャクシャク食べてくれる。
差し出す、シャクシャク。
差し出す、シャクシャク。
これを続けとると、おっとおこれは!
いつの間にかこやぎさんたちもこっちに出てきてくれたヨ。

ほーれ
きりっとしとってかわいいじゃろう
© ill-health(ruephas) 2019
全く同じ体の模様をしとる2匹のこやぎさんもついに出てきてくれて、こっちによってきたよ。
ひゃあ!こりゃあいいなあ。
全部で4匹。
恐らく一家じゃろうなあ。
好都合なことに、道端には結構な量の草が生えとる。
ひゃあひゃあ云いながら千切っては食べさせ、千切っては食べさせを続けとると、シルバーの軽トラがハザードをピカリピカリと光らせながら近づいてきて、ワシの後ろにピタリと停まった。

これはいかん。
このやぎさんたちの飼い主と云うか、この発電所のオーナーと云うか、そういった類の人物の可能性がある。
やぎさんに紙を食わせてはイカンというのはもう既に国民遍く浸透しとる。
草ならば問題ないと思うとる人も多いし、実際ほとんど問題ないのじゃが、中には草をやってはならんというやぎさんがおるのも事実。
草をあげとるワシは、この軽トラの人に咎められるに違いないじゃろうと思ったんじゃ。
軽トラから降りてきたのは一人のおっちゃんで、軽トラの荷台には大量のブロッコリーやレタス、あるいはネギなどが無造作に積まれておる。
それを見た4匹のやぎさんたちがしきりにおっちゃんの方と言うか、軽トラの荷台の方に見を乗り出しとる。
降りてきたおっちゃんはワシを咎めることもなく、
「コイツらに餌をやりに来たんじゃ」
と云って、ブロッコリーをじゃんじゃんやぎさんたちに放り投げとる。
4匹とももぐもぐシャクシャクして盛んに食っとる。
投げ入れとるブロッコリーはわしの眼で見た限りでは極めて新鮮というか、ヘタレは全く見られん。
「おい、もしあれだったら、これもっていかんか。全然新鮮で全然食える。もういらんから大抵捨てるかコイツらの餌にしとるが、美味しいよ」
と、日曜19時から始まる某番組に出とる有名なギャグバンドの人が聞いたら大喜びしそうなことを仰る。
ワシはその辺素直じゃから、
「へいもう喜んでいただきますどうも」
と云いながら、新鮮で本当にみずみずしいレタスと太めのネギを貰った。
やぎさんの餌とするための野菜を人が貰い受けるという極めて稀有な体験をさせてもらった。
「こいつ、おっきいのは太郎って言う名前で、顔は怖いけど結構やさしいんだよ」
「柔らかい葉よりは、ブロッコリーの芯というか茎とか、硬いのが好きでなあ。あまり硬いのが好きすぎて歯が半分なくなっちゃってなあ」
「お母さんやぎはめいちゃんって名前なんだ」
「こやぎの名前はまだつけとらん」
「ここには4匹おるけど、上の方にはあと10匹位おってなあ、嫁さんなんかはもう可愛すぎてって云っとる」
くう、その10匹というのも見てみたいじゃあ。
おっちゃんはこんな感じで暫くワシと話をしつつ餌やりをしとったが「もうワシの腹も空いたからいくわ」といって走り去っていった。
いいおっちゃんでほんとに良かったあ。

もう暫くやぎさんたちに餌を上げてから、それこそワシ自身も空腹になったためもうそろそろ立ち去ることにし、
「へえいみんな。太郎君にめいちゃん、こやぎさんたちよう。バイバイじゃあ」
と声を掛けてクルマの方に戻っていくと、なんと、べええ〜っと啼きながらあとからみんなついてくるんじゃよう。
もうこんなんでは帰れんではないか。
最初こそ太郎くんに警戒されて強力な頭突きをカマされたが、最後の方は頭をなでても文句を言わんようになったし、1時間位の間にワシをやぎさんたちはずいぶん仲良くなれたなあ。
しかしやはり帰らねばならんので、最後に写真を撮ってからサヨナラしたよ。

ほらあ、わろとる太郎くんじゃヨ
© ill-health(ruephas)/yt 2019

ちいと見づらくてすまんが、これが太郎君一家
かわいいのう、全く
© ill-health(ruephas) 2019

2019年3月2日土曜日

温泉に行かない日(371) Bloggerのコメント通知がOFFになっていた件

このブログ、内容的にはC級じゃから書いている割には殆どコメントはない。
たま〜に、数年に一度コメントを頂戴することはあるんじゃが。
ここ数年、コメントが寄せられた旨を通知するGmailが全く来ていなかったんじゃがまあそれも仕方ないと思っておった。

ところで今、ワシはこのブログで使っとるBloggerというプラットフォームの設定周りを久しぶりに確認しとったら何と。
読んだ方が貴重なコメントを書き入れて頂いた時に通知が入るオプションがOFFになっとったことが判明した。
慌てて確認してみたら、10件位のコメントを頂いておった。
管理画面まで行けばコメントの確認は当然できるんじゃが、ワシ、頭から「コメントなんか来るわけねえ」と思い込んでしまっとったからここ暫く見ることがなかった…

特に、温泉に関して面白い情報を発信し続けておる山神さんから2件のコメントを頂いておって、それに対してすぐに返答できなかったのが大変に悔やまれるところじゃ。
勿論山神さん以外の方々にも大変非礼であって、このポストでお詫びします。
今後は迅速にお返事させていただきます。

やぎさんが好き!(9) 里山民宿 丸

ワシはこの20年以上数字稼業で飯を食っとるが、自他共に認める数字嫌いじゃ。
小学算数及び中学高校数学は常にギリギリ以下じゃったし、大学では簿記を落とした。
減価償却というものの意味が最後まで一切わからんかった。
また今の稼業をやる前には関西で電子計算機関係の稼業をしとったが、DOS文書プログラムMultiPlanといったものは個人的には全く使えなかったので手書きの見積もりを客に出しておった。
RPGⅡという謎の呪文のような何かで「なんかやれ」と命じられた時期もあったが、命じた側は僅か数日で自らの不明を深く強く思い知ったようで、ワシからRPGⅡのマニュアルを取り上げて代わりにお古のアタッシェケースをワシに手渡し「これで街に出ろ」と命じた。
それは誠に賢明な選択じゃったと思う。
今もおんなじようなもので、業務用電子計算機及び電子計算機上でするプログラムが大変にニガテじゃ。
RPGⅡめ、貴様今も恨みに思うとるぞ。
このようなテイタラクなワシじゃが、今、勤め先の電子計算機上で動く大規模なプログラムが新しくなるせいで、キライな数字で日常業務をこなしながらニガテな電子計算機の設定を行うという最高に地獄な仕事をしとる。
先週もなんとかかんとか自分なりに設定が終わったと思ったんで、仕事を一つ流してみたら30個以上のエラーが帰ってきてがっくりとした。
その惨状についてプログラム提供先の担当者に、
「現在ワシはしょぼんとしとる。もう何が何やらワシにはもう…」
と悲哀を込めつつメールで訴えるとその担当者から、
◯◯様(ワシのことじゃ)
お世話になっております。
□□の△△です。
ヤギのまさお君の動画を見て元気を出していただければ幸いです。
という篦棒にハートフルなRe:が帰ってきた。
先方に於いてもワシのやぎさん好きに関しては可成り知れ渡ってしもうとるようじゃ。
しかしナルホドね。
しょぼんとしとるときには、そうだ、やぎさんのとこに行こう。

最初は△△さんの助言の通りCafe de Clarkのマサオくんのとこ行こうかと思ったんじゃが、新たな出会いも欲しいところじゃ。
従いまして、やぎさん関係では最近ちいと気になっとる里山民宿 丸(静岡県浜松市北区引佐町渋川1811-1:電話番号不明:宿泊予約はhttps://stayjapan.com/area/shizuoka/hamamatsu/経由で)に行ってみた。
場所は、お好み焼きさわ田からてんてんゴーしぶ川方面にさらに進んだところにある。
ここは名称通り泊まるとこで日帰り系のとこではない。
勿論ワシは本日ここに泊まる予定もない。
ただいずれは是非泊まりに行きたいとは思うとるので、偵察兼あわよくばここで飼っとるやぎさんと触れ合えんかということが目的じゃ。
R257⇨r47⇨r298と道を継いで現地に到着した。
公式Websiteに載っている建物がそのまま建っており、その前にはかわいい犬さんがしっかり門番しとる。
クルマを路駐して宿の周辺を探索してみたが、やぎさんの雰囲気は感じられん。
当然、少し登った所の山肌の敷地内に脚を踏み入れることも憚られる。
むう、今回は流石に撤退じゃろうと思い極め、路駐したクルマに戻ろうと歩き始めたその時。
未練たらたら宿の敷地を凝視しとると何と!
宿の敷地内の緑の中から、茶色やぎさんがこちらを見下ろしとるではないか!
ワシはすかさず、
「べへへへへへへ〜、へーいやぎさん、こっちも見ておくれえべへへへへへえいい」
と対やぎさんおびき寄せ用メッセージを放ってみたが、その茶色やぎさんは不審者を見る目つきでワシをちらりと眺めてから、さっさとどっかに消えてしもうた。
諦めきれんワシはその後も暫く「べへへへへへ〜、へーいやぎさんやあいい、べへへへへへ〜〜」と呼ばわってみたが、もう二度と姿を現してはくれんかった。

よしわかった。
6月までは多忙じゃからそれまでは無理じゃが、それが過ぎたらボーッとしにここに来てここに泊まろうと思う。
それまで待っとれ、茶色やぎさんよ。

因みにじゃが、一瞬見たここの茶色やぎさんは何だかお好み焼き さわ田のきいちゃんに似とるように見えた。
あと、ここに泊まった時の夕ご飯はなんと、そのお好み焼き さわ田で摂ってくださいとのことじゃ。
これらからすると、ここのやぎさんはもしかしてきいちゃんの関係者ならぬ関係やぎさんかもしれんなあと思う。