2014年8月3日日曜日

元湯 蓬莱館(1)

日曜日の朝。
ここ半年ほどで何回か訪れている早川町の温泉で、未湯のままであった温泉宿に行ってみようと出かけました。


行き先は元湯 蓬莱館(もとゆ ほうらいかん:山梨県南巨摩郡早川町湯島73:0556-48-2211:¥1000:貸しバスタオル¥200)。
西山温泉郷に建つ温泉宿で、のみ可です。
可成り歴史がある温泉宿らしく、良く云えば渋い、悪く云えば老朽化が目立つ建物です(宿の人ゴメンナサイ)。
しかし私の場合、建物が新しかろうが古かろうが関係ない、と云うか寧ろ、古ければ古いほど嬉しくなるという性癖がありますのでこの状況は大変ウェルカム。
ワクワクしながら自動ドアを抜けると誰もいなくて、ただ奥の方から掃除機の音が聞こえて来ます。
現地着は12時過ぎ。
宿泊客がチェックアウトして今は館内清掃の時間のようです。
ごめんください、と声をかけると掃除機の音がやみ、スリムなジーンズを身にまとった女性がやってきたので、日帰り入浴をしたい旨を伝えると、奥の建物まで案内してくれました。
前面に建つ鉄筋コンクリートの建物の裏には更に年季が入った木造(だと思う)の建物が建っていて、目的の浴場はその奥の方にありました。
床とかが少しふがふがしてます。
浴場の入口まで案内してくれた時点で料金を支払い、早速中へ。
誰も入っていないようです。
ここの温泉は今どき珍しい混浴で、混浴のお風呂ではよくあるんですが、脱衣場は男女別なんだけど浴室へ入ると混浴っていうタイプです。
だから、男脱衣場に誰の服もなかったからといって、浴室に入っても誰もいない保証はない。
絶世の美女がいるかもしれないし、古茄子ライクなばあさんがいるかもしれない。
しかしそれはそれ。
私も温泉銭湯入浴人としてはそれなりの場数を踏んだいわばセミプロ。
混浴に限って云ってもここで5ヶ所目。
どんな状況が待ち受けていようがそれなりの対応は出来る自信有りです。
絶世の美女、若しくは古茄子漬物状態のばあさん!
よおし、どこからでもかかってきなさい!



貸切。

少々拍子抜けの体で浴槽の温泉でかかり湯しましたが、WOW!
適温。
つまりぬるい。
お湯は浴槽の縁から滔々とオーバーフローしてるんでなんの遠慮もなくざばざばとかかり湯して、浴槽に入りました。
先ず浴槽の物理的形状ですが、湯口から注がれる温泉を受ける狭めの浴槽Aがあり、その浴槽からのオーバーフローを受ける中くらいの大きさの浴槽Bがあり、更に別に浴槽Cがありますが、浴槽Bと浴槽Cを仕切る間仕切りの下の部分に小さな四角い穴が開いていて、浴槽BからCにお湯が移る仕組みになってます。
お湯の温度は当然、A→B→Cの順で低くなっていきます。
この仕組みは古い温泉、例えば静岡の平山温泉龍泉荘、今はなき赤石温泉白樺荘などで見られます(した)。
同じ温泉好きでも、熱いお湯が好きな人から、私のようにぬるいお湯が大好きな人まで幅広いんで、このような仕組みは大歓迎です。
しかし矢張り悲しいかな、できるだけ源泉に近い状態のお湯を味わいたいとの誘惑ははねつけづらく、先ずはベスト2人の浴槽Aにイン。
ゔゔゔ、ぬるい。
そうだな、41℃位だと思います。

気持ちいい。
元湯 蓬莱館
完全源泉掛け流し宣言!
© ill-health(ruephas) 2014
だーれも居ない浴室の、だーれも居ない浴槽を、しかも完全源泉掛け流しの浴槽をたった一人で味わうこの贅沢。
この素晴らしさは例えようもないですね。
湯口には源泉が飲めるようにコップが2つおいてあり、時々少しづつ飲みながら暫く入った後、今度は一番広い浴槽C、一番ぬるい浴槽ですね、そっちに移動。

冷たい!

いや、実際には多分体温より少し高い39℃位だとは思うんですが、41℃と39℃のこの2℃の差は大きいもんですね。
移動して暫くは「冷たい」感じがしてほんとに気持ちいい。
お湯を見ると、オレンジ色の湯の花が舞っていて嬉しくなるし。
窓の外を眺めながらずーっと入ってました。
ずーっと入ってた後は、することはひとつ。
浴槽巡り。
温度の異なる最上の湯で満たされた3つの浴槽を短時間のうちに次々愉しむ。
どうだ、羨ましいでしょ。
ぬるいから浴槽を出てクールダウンする必要はないですし。

ということでしつこくしつこく楽しみきってから浴槽を出ました。

困ったのは温泉から出た後。
ぬるい割にしっかりとあたたまる性質の温泉らしく、いつまでも汗が引かず困りました。

あ、そうだ。
ちなみに混浴の件ですが、私が浴室を後にする寸前に若い女性が白いバスタオルを体に巻いて入ってきましたよ。

追記)
現在このブログのタイトルバックにしている写真は、この温泉の浴槽です。

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