2024年7月6日土曜日

温泉に行かない日(537) 山の辺の道(12) 石神神宮➔長岳寺(2)

遠くから響いてくる運動会的鬨の声を聞きながら道路開通碑と山の辺の道の道標が立っとる丁字交差点を右(西)に曲がった。
なんの声じゃろうと地図を見てみると少し西の方に天理里親野球場・天理里親競技場(奈良県天理市杣之内町187)ってのがある。
今日はお休みじゃし、信者のみなさんがそこで運動会でもしとるんじゃろう。
元気で何よりとか呑気なことを考えながら一見果物の選果場に見える園原町公民館を過ぎてほんの数十m歩いたあたりで一天俄に掻き曇り、急に大粒の雨が降ってきた。
慌ててボディバッグから傘を取り出したが、それは先日ユニクロかどっかで買った折りたたみの小さなものでこの大雨にはとても耐えられそうにない。
数十秒前に通り過ぎた園原町駐車場の駐車スペースにはかなり大きな屋根がかかっとったから、一旦そこに逃げ込むのが吉じゃろう。

雨が降り出す直前の園原町公民館(やや右手の白い建物)
大きな屋根があるぞ
© ill-health(ruephas) 2024

小走りで数十m後戻りをして、公民館前の大きな屋根の下に避難した。
そこで雨宿りしとる間にも雨はじゃんじゃん強さを増して、さっきまで乾いとった道に雨粒が叩きつけられて見る間に濡れていく。

© ill-health(ruephas) 2024

雨が上がるまでここで待つしかないじゃろう。
とは言ってもこりゃ当分やみそうにもないなあと思いつつ、いけないと思いつつもポシェットからタバコを取り出して一服した。
いつの間にか天理教関係の鬨の声も止まってしまっとる。
そりゃそうじゃろうこんな大雨じゃもの。
大きな屋根の下で雨宿りをしとるんじゃけど、雨の強さに加えて少し風もあるため少しながらじゃけど奥の方まで吹き込んでくる。
タバコを吹かしつつすっかり濡れて一部川のようになってきた道を眺めたり、観天望気をしてみたりしとると、石畳の激坂方面から歩いてくる西洋系外人グループ4人組が強雨の中、傘もささずに呑気に歩いてくる。
まあ、傘も持ってなくて雨宿りする場所もなければ結局歩くしかないじゃろうし。
そんで一旦ずぶ濡れになってしまえば濡れたまま更に歩くしかないじゃろうしな。
ワシも同じ立場じゃったらこの者たちと同じようにずぶ濡れになって歩いたじゃろう。
そういう意味ではワシゃ運が良かった。

公民館の扉のところにはオンデマンドタクシーの案内があって、雨が止まなければ最悪それを呼んで最寄り駅まで戻ろうかなどと考える。
近隣住民しか使えない可能性もあるけど。
なんだかんだ言ってそこには30分以上滞留していたが、しかし止まない雨はない。
雨はだんだん弱くなって小降りと言って差し支えない程度になってきた。
この程度ならユニクロ貧弱傘でも何とかなりそうに見える。
そしていつの間にか天理教的鬨の声も復活しとる。
ああいった運動会の場合、何らかの根拠で再開するじゃろうから、その意味でももう良さそうじゃ。
よし、先に進もう。
少雨の中傘を指して、とりあえずはもう少し先にある夜都伎神社(奈良県天理市乙木町765)を目指すことにしよう。

歩きを再開して峠感が全く感じられない園原峠のところを左(南)に曲がったところで、予想に反してまたもや雨脚が強まってきた。
ズボンの裾がまあまあしっかり濡れるぐらいの強さじゃ。
むうん、と思いつつ道端の農機具小屋の小さな屋根に再度避難。
少し先には夜都伎神社の社叢と思われるものがあるのに、この雨ではちょっと無理。
農機具小屋では結局10分程度雨宿りをして、雨が少し弱くなってきたタイミングを見計らって夜都伎神社に向かった。
う〜ん、通常であれば先程の園原町公民館から夜都伎神社まで10分もあれば到達できる距離じゃが、実際には1時間かかってしまったが、とにかく夜都伎神社に到着した。

© ill-health(ruephas) 2024


夜都伎神社境内に入ると、既に何人か雨宿りをしとる。
明らかに山の辺の道歩きを目的にしたグループじゃろう。
その者たちに混じって、どうも地元在住と思われるおっさんもおって山の辺歩きグループの面々にこの神社の説明をしとる。
ダラダラと説明しとったがその内容を要約するととどのつまり、
「この神社はやはり茅葺屋根が素晴らしい。茅葺屋根じゃなかったら夜都伎神社じゃない」
「管理や葺き替えが大変じゃからやめろという話もあるがワシはだめじゃと言っとる」
ということになる。
それを繰り返し皆に話しとる。
皆もそれにふんふんと頷きながら殊勝に聞き入っとる。

© ill-health(ruephas) 2024

確かに立派な茅葺屋根の拝殿(もしくは舞殿かなあ)であり、氏子さんたちの愛情と熱意、それと苦労は大変なものなんじゃろう。
しかしそのことは何回も言わなくても一回でわかるからねと内心思いつつ、繰り返し説明の矛先がワシに向かって来ないよう念じておったがその願いも虚しくおっさんはワシの方に向き直り、
「最近は茅の入手も大変でさあ、若い人もいないから苦労してるんだ。氏子10人くらいしかいないし」
というようなことを奈良弁で繰り返しワシに説明攻撃してきた。
雨のシャワーからは逃れたものの、おっさんの奈良弁シャワーから逃れることはできん。
ワシは滅多打ちを食らう格下ボクサーのように、おっさんの説明シャワーを浴び続けておったんじゃが、おっさん出し抜けに説明をやめ、藪から棒に骨がひん曲がったボロボロのビニール傘を広げて、
「あ、もうやむからワシゃ行くわ」
と言い残して風のように去っていってしもうた。
うん、確かにやんできた。
それからもう少し様子を見て、よしこれは大丈夫じゃろうという雰囲気になってきたため、ワシは傘をボディバッグに仕舞って夜都伎神社をあとにした。

© ill-health(ruephas) 2024

やあ、だいぶんに時間を食ってしまったが、雨はもう降らんじゃろう。
ワシは濡れた道を先に進んだ。

山の辺の道 案内Map

この「山の辺の道 案内Map」ですが2024年6月18日現在、iPhoneで閲覧した場合、ルートを示すラインが縮尺により見えたり見えなかったりする不具合があるみたいです(ios17.5.1:Googleマップ6.120.1)。
とは言っても原因も直し方もわからんし、そもそも多分ワシのせいでもないので勘弁してくだされ。
心眼で見てくだされ。
PCの場合、Google ChromeであればWindows環境でもMac環境でも問題なく見ることは出来てます。

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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。