2012年10月31日水曜日

姫路市休養センター・香寺荘 竹取の湯(1)

今回も、関西の思い出温泉シリーズです。
当時、宝塚にあった職場に勤めてたんですが、その職場の仲間から、
「姫路だかどっかだかに、サイダーみたいな温泉がある」
と言われたことがあります。
ただその時期は、比較的近い距離の所にあった武田尾温泉には良く行っていたものの、温泉に対して今ほど深い思い入れがあったわけではなかったので、遠方であることを理由に何の行動も起こさずにいたわけです。
で、暫くして姫路に所用が出来、車でそっち方面に行ったとき、ついでの事だからどっか温泉に行ってみようと思い立って適当に調べ、適当に行った温泉が姫路市休養センター・香寺荘 竹取の湯(兵庫県姫路市香寺町恒屋1470:079-232-7788:姫路市民¥600:その他¥700:9時~22時)でした。
行こうと決めた時点では、そこの泉質など、施設データは何も持ち合わせていなかった気がします。

で、現地に着くと駐車場はほぼ一杯。
私は人混みが大嫌いなので、
「いや~、やめるか」
と思いかけたのですが、せっかく遠方から来たのだからと思い直し、意を決して中に入りました。
もう随分前の事ゆえ、記憶がだいぶ曖昧なのですが、駐車場を埋め尽くす位のヒトの半分くらいは、宿泊若しくは食事目的だったようで、浴室の方は、空いているとは言えないモノの、我慢できないほどの混みようではなかったです。

内湯の方の記憶が殆ど無いのが残念…
お湯のこともあまり覚えていません。

はっきりと記憶に残っているのは露天風呂。
入ってから、かつて同僚が言っていた「サイダーみたいな温泉」ってここだったんだ、と気づきました。
入ったとたんに全身を包み込む細かい炭酸の泡が凄かったですね。
湯加減は私にとっても比較的低めで好みのタイプ。
ということは、一般の人に取っては「かなり低め」の筈で、そのせいかせっかくの炭酸泉だというのにそんなに混んで無かったですね。
湯加減の低さについて文句を付けているヒトもいました[1]
浴槽の所にあった掲示に、どの程度の入浴時間がベストとか、こういう具合に入りなさいとか書いてあったような気がしますが、忘却の彼方であります(^^ゞ
とにかく私は気に入ってしまい、そうだなあ、その露天風呂に4~50分は入り続けてたと思います。
内湯も炭酸泉だったかも知れませんが、記憶が…
ゴメンナサイ。

浴室から出たあと、無料で飲める冷水を頂き、畳コーナーみたいなところでごろごろしていた記憶もあります。
なかなかいい場所であったと思いますよ。

尚、ここは基本的にはのみ可の宿泊施設なのですが、宿泊施設のせいか公式ウェブサイトを見ても、温泉に関する記載は殆どありません。
炭酸泉であるという事すら書いてないのですが、炭酸泉ですからね~。

[1]
その時は「ああ、確かにこれではぬるすぎるかもなあ」と思っていましたが、今考えると、あまり昇温しすぎると炭酸が抜けてしまうから敢えて温度を上げていなかったのだと思うわけです。

2012年10月30日火曜日

温泉に行かない日(114) 謎の「喰い処番屋 東吉郎」

先日の10月21日、湯谷温泉ホテル 泉山閣についてポストした際、ついでに寄った謎の食堂についても併せて書いていました。
ところがその食堂、正式な住所も名前も電話番号も営業時間もわかんなかったので、脚注扱いで済ましていましたが、ほんの少しづつではありますがわかってきたことがあるので、独立したポストに格上げしてみます。

問題は、ゆーゆーありいなの対面にある食堂のことであります。
名前が解らないのですが、ここは超穴場でっせ。
土日祝日のみの営業なのですが、安くて極めて旨い。
しらす丼のセットを食べたのですが、ご飯の上にはしらすが分厚い地層を成しており、しらすだけではなくマグロとかほかの具も乗っていて¥800。
ご飯の炊き具合もばっちり。
車で来てるので飲めなかったけど、お酒とともに味わったらもう最高だとおもいました。
更に食後のデザート。
コーヒーゼリーにホイップクリームを載せただけの素朴な一品だったんだけど、これもまた旨い。
お手製との事で、コーヒーゼリーのほろ苦さとホイップクリームの取り合わせが絶妙で誠に秀逸。
この食堂はダタモノではない。
外見だけで侮るのは危険だ。
湯谷温泉に行った際には、ゼッタイに外せない店です。
是非行くべきです。

しかし、情報がない。
この食堂については帰宅後にサイバー空間でかなりシツコク探したのだけど、本当に全く情報がないので困っています。
実は、かつて事情があって会社を長期休暇していた際、週に3~4回は湯谷温泉に通っていたのだけど、その当時この場所には、もう少しオープンエアな感じの構造の食堂があって、軽食を取ったりお酒を飲んだりしていたんだけど、知らない間に廃業していて、建屋は荒れた状態で放置されていたんです。
こんな感じ↓
http://goo.gl/maps/kFhBN
前の店は特に旨いと言うこともなくホントに普通の食い物屋でした。
その当時と比べて今の店は、メニューが本格的になってたし、味もダントツに良くなっていたです。
あと、店内にはキープされていると思われる焼酎ボトルが沢山置かれてたし、カウンタの所にある冷蔵庫(良く寿司屋にあるやつ)には結構沢山の食材(刺身用の魚など)が保管されていたので、もしかすると平日昼間は休みだけど夜は(地元のヒトや宿泊客向けに)呑み屋として営業している可能性ありです。
そうだったら、泊まりがけで行って、夜はここで呑みたいです。

等と思っておりましたら、当ブログの数少ない読者の一人であり、同時にカイシャの後輩でもあるという人から情報を頂きました。
その情報により、この店の名前は「喰い処番屋 東吉郎」という事までが目出たく判明しました。
しかし電話番号や営業時間等の詳細は不明で、
「営業中の写真を撮影したのだけど、その後数分油断してたらもう閉店していた。正に油断も隙もあったもんじゃない」
というミステリーに満ちた証言だけが私に届けられました。

で、「喰い処番屋 東吉郎」で早速ググってみましたが、2012年11月2日から4日にかけて行われる「新城ラリー2012」というイベント会場の「こかげプラザ前軽トラ市」でしらす干しや日南鳥焼鳥を販売する予定である事までは判明しました。
ちょっと事実が分かったのは良いけど、その事実が更なる謎を呼ぶという典型であります。

次回湯谷温泉に行くときは、ここ「喰い処番屋 東吉郎」で飯食って酒呑むために電車で行くことにしました。
その時、ご主人にいろいろ訊ねてみたいと思います。

繰り返しになりますが、ここはゼッタイお勧めです。

喰い処番屋東吉郎
写真が圧縮されているため画像が一寸荒いですが
看板の文字は確かに「喰い処番屋 東吉郎」と読めます
下には「営業中」と記された看板もありますが…
© ame 2012

2012年10月29日月曜日

たおやかに勤務中Returns(12) 物理的で無慈悲な攻撃!

A:
北が俺たちに対して、
「容赦がない物理的で、かつ無慈悲な攻撃を加える」
と宣言してきた場合それは、
「日本中の自販機を『つめた~い』から『あったか~い』にするという意味だ」
と友人から聞いたことがあるのですが、それは本当ですか?
あとこれってB君じゃなくて、教えてGooとか探偵★ナイトスクープに訊いた方がいいですか?

B:
私でいいです。
その手の事は何でも訊いてください。
北の工作員が同時多発的に日本中の自販機に危険な工作を施すという事ですか?
全てを熱くすると、いうのですか?……………………………………………
うーん、明らかに厳しい攻撃ですね。
特に夏にされると心理的なダメージは大きいですね。
ただ、電気代は下がりそうですが・・

A:
無慈悲ですよね。

B:
外回りのサラリーマンが
暑ちぃ~~~ (;´Д`)A アセアセ…
冷たいお茶でも・・・
ゴクゴク・・・
ヒャ~~~!!!!???
となってしまって、国内の営業マンの生産性が確実に下がると思います。
そのことで日本のGDPも下がってしまうでしょう。
恐ろしい攻撃です・・・

A:
タダでさえDGP、あ、違った、GDPが下がっているのに、真夏に熱い飲料を飲ませられる事により更に打撃は深刻になると。
際どいな。
しかしよく考えてみてくれ。
今の時期に全部『つめた~い』に変えてしまうという攻撃も意外に手痛いですよね。
留萌の夜11時。
気温マイナス14℃。
路傍にある自販機。
暖かそうな光を放っている。
行き倒れ寸前の浮浪者が最後に残った110円を握りしめて自販機に縋り付きお金を投入し、渾身の力で「コーンクリームスープ」のボタンを買ったら凍っていた
と。

B:
っていうか 外気 -14℃ だったら
冷たいモードでも、実質温めてることになるんでしょうか・・・
地味ですが、かなり日本の根幹から破壊されてしまいますね。
ラオウがレイに突いた秘孔のごとくです。
じわりじわりと

A:
北の人たちがやることだから抜かりはないよ。
0℃とかじゃなくて、ちゃんと-20℃くらいにしているよ。
そういう所には抜かりがないんだよ。
こうして日本は弱体化していく訳か。

B:
地味ですが、非常にイライラする攻撃ですね・・

A:
しかもそのじみーな攻撃を全国一斉に受ける。
いらっと来るアナログDDos攻撃ですね。
まさおくんが入れ知恵しているのかも知れません。

B:
正男君は日本国、特にディズニーランドと六本木には精通してますからね

A:
そうだろ。
想像してみてくれ。
冬の出銭ランド。
海からの寒風が心に染みる冬。
欺瞞に満ちた掃除に疲れたオリエンタルランドのバイトが傷心を癒すために、従業員エリアにある自販機になけなしの120円を入れ、お汁粉を買ったら凍り付いていた。
余りの低温の為、素手に貼り付いた金属製の缶を思わず剥がそうとして、手の皮が…
等と言う惨劇が、出銭ランドに勤めるバイトに次から次へと…

B:
… … …

2012年10月27日土曜日

天然温泉 湯庵(1)

記憶に頼る関西の温泉シリーズです。

宝塚在住時代には大阪より西にある温泉によく行きました。
ここ天然温泉 湯庵(ゆうあん:兵庫県三木市別所町西這田566-2:0794-86-1126:¥785:10時~24時)は当時1回行った事がある、何と言っても露天風呂のお湯が極めて特徴的な温泉でした。
有馬温泉の金の湯に匹敵するくらいお湯の色。
いろんな表現ができましょうけど、錆色・ミルクティ・ある種のトマトソース・ある種のオレンジジュース・赤黄土色、等々。
透明度はまったくなく、お湯の表面から1㌢も手を沈めれば、もうまったく見えなくなってしまうほどの濃さです。
従って、自前で白いタオルなどを使おうものなら、簡単に染まってしまいます。
温泉成分はその色に比例して非常に濃厚で、見ているだけで体によさげな感じを受けます。
湧出量のデータが入手できないためなんともいえませんが、そんなに豊富ではないらしくて(違ってたらごめん)100%循環でOFが一切見られない[1]のと、露天風呂に比べて内湯のクオリティが非常に低いのが一寸残念なところです。
ここの場合、露天が源泉掛け流しではなくても、標準的温泉のレベルを大きく超えた泉質だけで十分満足といえますが、内湯のあの塩素臭は如何ともしがたいです。
たぶん、何かの基準どおりに塩素を投入しているだけなんでしょうけど、例えば伊丹の力湯など、まったく塩素臭がしない公衆浴場もあるということは、技術的にもっと塩素量を減らせるかあるいは、塩素を使わない殺菌消毒の方法があるはずで、そちらを採用してほしかったです。
あの濃厚な露天風呂に入った後、気分を入れ替えるために入る白湯としてはちょっと残念です。
ですので、ここでは兎に角ひたすら露天風呂を楽しむのが一番だと思います。
湯加減は少しぬるめなので、長湯できます。
晩秋の夕方から夜の時間帯、星空を眺めながら長めの入浴を楽しんで、お酒を引っ掛けて帰れば、最高な気分になれると思います。
バスタオル・フェイスタオルに加えて浴衣までがついていて、建物から出なければ何度でも入浴可能。
寝湯やサウナ等いろんな入浴設備が充実していてこの価格。
この天然温泉 湯庵という温泉、とってもお値打ちだと思います。

[1]
公式ウェブサイトによると、「温泉水の循環について」は「掛け流し部分を除き、温泉資源の保護と衛生管理のために、循環濾過しております」とありますが、露天風呂のメイン浴槽である「美人の湯(露天)」はOFは矢張りなかったと思います。
その横にある「源泉掛け流し高野槙樽風呂」は量は少ないものの確かに掛け流しの状態でした。
しかしそのお湯は澄明な泉質でメイン浴槽のものとは明らかに違ってた感じでしたので、ここの温泉は異なる2つの泉源を持っているのかもしれません。
或いは、樽風呂のお湯は可成り新鮮なお湯で、メイン浴槽で使っているのは鉄分が充分酸化させるまで寝かせているのかもしれません。

2012年10月25日木曜日

巴湯(3)

今夜は桂文珍師匠の独演会が浜松であったのです。
私は初めてだったのですが、高座で師匠本人が語った所によると、浜松での独演会は始まってからもう10年にもなるということで、寡聞にして私はそれを知りませんでした。
私は文珍師匠の創作落語、特に老人ものというか、爺さん婆さんの事をテーマにした噺が好きで、時々車で「老楽風呂」とか聞いたりしています。
今日も「老人と耳」(なんのパロディか解りますね?)という傑作で、浜松アクトシティ大ホールの狭い座席の中を笑い転げてた次第です。

本日は文珍師匠の高座に備えて午後カイシャを休み(贅沢ですが、必要な事です)、一旦帰宅して着替え、バスに乗って16時前に駅前に到着しました。
独演会の開場は18時、それまで2時間があります。
となると当然行く所は決まっています。
というか、最初からそのつもりで午後のプランを立てたという方が正確だけど。

バスを降り、会場とは逆の西の方に歩みを進め、到着したのは巴湯です。
前回、カイシャの忘年会前に行った銭湯で、今回が2回目の来訪。
上のリンクでその時の事を書いているので読んでもらえれば解りますが、それこそ落語の強情灸を銭湯バージョンで地でいく様な体験をした銭湯です。
簡単に言うと、兎に角湯加減が熱すぎて10秒も入っていられなかったのですが、それがここ巴湯の標準的湯加減かもしれず、下手に水でうめると常連さんに白眼視されるのではないかと思って我慢して入っていたんですが、実際には矢張り普通より熱すぎで、結局その常連さんが水でうめてたというような体験でした。
きょうはまさかそんな事もないだろうと思い、前回と同じく番台に坐っている超美人女将に料金を払って浴室に入り、石鹸で体を清めてから浴槽に入ると、何てことだ、前回と同じくらいに熱い…

冷静になろうと思いました。
そう言えばここ数日、急に寒くなった。
今朝もカイシャに向かうため乗り込んだ車のインパネに表示されていた外気温は15℃だったじゃないか。
だから、実際以上に熱く感じるのではないか。
そういえば既に先に浴槽にはいっているおじさんを見ると、確かに普通な感じでお湯に浸かっているように見える。
見えるがしかし、10秒程肩までお湯に浸かったあと、やや荒い呼吸で浴槽を後にしたな。
ふうん、これは判断が難しいぞ。
熱かったから早めに出たのか、それとも何時もそう言う感じの「烏の行水」的入浴スタイルなのか?
果たして今日の巴湯は熱いのか、それとも普通なのか?!

オレとしては確かに熱いと思う。
出来れば水でうめたい。
そうは思うがしかしここは一発、他の常連さんの反応を伺ってから水の蛇口を捻った方がいいだろう。
そう思って、我慢して浴槽に踏み留まりました。
ああ、全く前回と同じ進行であります。
と、萎びた古漬け茄子の様な風体の爺さんが浴槽に入ってきて、ううーとか唸りながら腰まで浸かりました。
引き続いて、古漬け爺さんより若く、私よりトシ喰ったおっさんが浴槽に入り、うううーとか唸りながら腰まで浸かりました。
で、古漬け茄子の方が、
「なんか今日はお湯が熱いな。うめよう」
と言って、水道の蛇口を半分ほど開きました。
オッサンもそれに対して全面的賛意を示し、
「もっと沢山水ださなきゃとても入れない」
と発言し、実際に蛇口をすぐさま全開にしました。

わたくしは浴槽を指差しながら古漬け茄子の方に、
「これってやっぱ、 熱いんですか」
と問うと茄子は、
「うん、凄く熱い。普段はもっとぬるいんだ」
とあっさり回答。
普段よりも可成り熱いということがこれで確定しました。

なんで私が来る時に限って、ここ巴湯は熱いんだ?
ただでさえ私は普通よりぬるいお湯が好きなのに。
神の配剤、いたずらってやつかね。

その後浴室内では古漬けやオッサンや私の間で「適切な湯加減その他」に関する検討及び考察が続き、
「やっぱりそうだな、40℃から42℃くらいが丁度いいんじゃないの」(オッサン)
「こんな熱いのに入っていたら血液がどろどろになって不健康だ」(古漬け)
「そうですよねえ。熱いですよねえ」(わたし)
「まだ熱い。きょうは兎に角熱い」(オッサン)
「こんな熱いのに入っていたら血液がどろどろになって不健康だ」(古漬け)
「ここ明日休みだから、あさってまで湯冷めしないよう、今日は特別熱くしているんじゃないか」(オッサン)
「しかし熱いですね」(わたし)
「こんな熱いのに入っていたら血液がどろどろになって不健康だ」(古漬け)
などという発言が目立ちました。
茄子爺さんは「熱いお湯に入ると血液がどろどろになる」主義者のようで、他の客にその後も4回くらいその主張を申し述べておりました。
私としては、血液がどろどろになる前に脳の血管が破裂しそうな気がしたので、早めに浴室を出て脱衣場に戻り、超美人女将の許しを得て扇風機のスイッチを入れ、火照った体をクールダウンしてました。

もうこれで確定だ。
次回巴湯に入った時に熱いと感じたら、水道の蛇口を開く事にもう躊躇しないぞ。
私が真っ先に水でどばどばうめてやる。
自分に素直になってやる、次からはな。

でも、本当にいい銭湯だよねえ、ここは。
客筋がいい店は、ここにに限らずどんなとこでもいい店が多いですよね。
銭湯でも飲み屋でも。
ということで、だいぶ熱くはあったけど、いい気分で巴湯を後にしました。

で、その後プレスタワー前のハイボール屋さんで2杯引っかけ、アクトに行って文珍師匠の噺を堪能してLa-Jannでさらに少し呑み、最終のバスで帰宅しました。
疲れていたためか車中深い眠りに落ち込み、3区間ほど先の終点まで乗り過ごしちゃったけど、それを除けば全く上々な午後でした。

2012年10月21日日曜日

湯谷観光ホテル 泉山閣(1)

紅葉の盛りまではまだ暫くかかるこの時期です。
だから、紅葉が有名な場所にある温泉に行くとなったら、人がわんさか押し掛ける前の今でしょ。
ということで今日は、近くに紅葉で有名な鳳来がある湯谷に行く事にしました。
紅葉前の今なら、あまり人はいない筈。

湯谷温泉には通い詰めているとまでは言いませんが、可成りの回数出かけていて、その殆どは松風苑という温泉旅館のお風呂場です。
勿論泊まる訳ではなく日帰り利用なのですが、妙に暖まる素直な感じの温泉で気に入っていました。
しかし実は湯谷温泉には以前から気になっている温泉宿があって、それは湯谷温泉ホテル 泉山閣(愛知県新城市豊岡字滝上26:0536-32-1535:以下のみ情報:¥1000:11時~14時:通常は食事と組み合わせた¥3500~のプランで入浴するのがスタンダードらしいのですが、本日確認した所では入浴のみも受け付けてくれます)。
何が気になっているかというと、ここにも書きましたが、可成り確度の高い情報として、
「浴室内に一斗樽がでぇ~んと置いてあって、事もあろうにそれが飲み放題」[1]
というのがあった為です。
勿論それが本当だとしても、車で行く為、一斗樽の中身を口にする事は出来ませんが、次回は豊橋経由飯田線で行って中身を楽しめるかもしれないでしょ。
あと、源泉掛け流しらしいし。
ということで午前中出発し、お昼頃現地に到着。

湯谷温泉という所は、著名な温泉地なのにも関わらず、いつ行っても人がだ~れもいないので私は好きなんですが、今日は何だか人がいっぱい。
車を停めようと思ってた足湯の駐車場が満車なんてのは初めてです。
なので、温泉街のメインストリート(この温泉街のメインストリート僅か数100m、寂れた駅と温泉宿が5~6件。実際はもう少しあるかな)を通り抜けてゆーゆーありいなの駐車場に車を停め、目的のホテルに行きました。
驚いた事にホテル前の駐車場には名鉄観光の大型バスが1台でぇ~んと鎮座してて、湯谷温泉で大型バスを見たのはこれまた初めて。
そして、何時もホテルの玄関先に掲示してある日帰り温泉の案内も今日は掲示されていないんですな。
「うーむ、これは抜かったか。客が一杯で日帰り入浴はお断りか」
と思ったけど、そこの温泉に入りたい気持ち止み難く、玄関を入ってフロントの職員さんに入浴の不可を訊ねた所、
「今日は予約が一杯なんでお食事とのセットはダメですけど、入浴のみだったらOKです」
とのこと。
渡りに船だ。
余分な飯とかは要らないよ。
最初っから「のみ」が 希望の私なんで。

フロントで入浴料を払い、奥の方にある浴室に向かいます。
脱衣場に入ると予想に反して誰一人入浴客はいない。
ははぁん、いま丁度12時で、名鉄観光バスのツアー客は皆メシ喰ったり酒飲んだりしている訳だ。
そう言えば確かにホテルに入った時から、何だかカラオケの音が聴こえてたけど、それがそうなんだな。
もっけの幸いと素早く脱衣し、素早くかつ丁寧に掛かり湯をし浴槽へ。
浴槽は二つあり、やや大きめで湯温が熱めの浴槽と、やや小さめでややぬるめで、やや色の濃い浴槽。
当然の事ながら、先ずは後者に入浴します。
ほぼ正方形の浴槽で、ベスト入浴人数は2人、最大入浴人数は4~5人程度かな。
滔々と温泉が流れ込んでいますがOFは全く見られず、こちらは残念ながら循環式のようです。
でも、やや茶色というか泥色というかの色が濃く、水面からは浴槽に沈めた足が何とか見えるか見えないかといった感じの濃さ。
こちらの浴槽は宇連川に面した部分がオープンエアになっているため、川から流れてくる空気が冷たくて本当に気持ちいい。
空を舞う鳶(餌付けしているそうです)や、川面を泳いだりしきりに漁をしたりする6羽の水鳥(鴨に見えたけど違うだろうなあ)を眺めながらゆっくり入浴出来ます。

隣にある大きめの浴槽は、流れ込む温泉の量とほぼ同等のOFがありました。
脱衣場の掲示には正直にも「掛け流しと循環の併用」という様な文言が書かれていましたけどね。
しかし、こういう情報をちゃんと掲示するのは好感が持てます。
浴槽の端から流れ出るお湯を眺めながら入浴しますが、私には少し熱すぎてあまりゆっくり入れません(けど、普通の人には充分適温です。わたしは暑(熱)がりですから)。

そして問題の一斗樽。
こちらは撃沈でした、あはは。
やっぱりね。
多分、経費削減のためやめてしまったか、日帰り時間帯は撤去しているかのどっちかですな。
まあ、そりゃそうだ。
高々¥1000程度の日帰り客にそこまでする義理はないからねえ。
小一時間程濁り湯を存分に楽しみ、ゆーゆーありいなの対面にある大変安くて篦棒に旨い食堂[2]で軽く昼食をとってから帰宅しました。

[1]
ウェブサイトでいうと、
http://www.mapple.net/kuchikomi/K0000142266.htm
http://domestic.hotel.travel.yahoo.co.jp/bin/review?chiku=5418&shisetsu=004
http://www.medias.ne.jp/~hirakou/nakama2-108.html
等。
及び、カイシャの同僚による、
2009年頃、日帰り入浴した時には浴室に樽酒と升が置いてあって飲み放題でした。ええ、ええ、そりゃ勿論ボクも飲みましたよ。アタリマエじゃないですか。ボクの友人なんかはもう飲み過ぎてもうべろべろになっちゃってもう大変でした、ええ。
という証言。
その同僚は、社内では「全く嘘をつかない男」として名が通っています。

[2]
最初この食堂について、このポストで結構書いたんですけど、だんだん分量が増えてきたので別ポストとして独立させました。

2012年10月12日金曜日

温泉に行かない日(113) 早朝であるのにも関わらずアイスをつまみに車内でビールを飲んでからその車で走り去る男

温泉週記史上、最長のタイトルです。
その割には内容は薄いです(^^ゞ

大抵の日は、自宅を朝7時過ぎに出て少し離れた駐車場に停めてある車に乗り込み仕事に向かいます。
春や秋(正に丁度今くらいの時期)には、時として自転車を使う事もありますし、夕方に呑み会がセットされている時にはバスに乗る場合もあります。
バスを使うとき以外、車や自転車で出社する場合は途中にあるコンビニに立ち寄り、缶コーヒーや体の脂肪分をなくすお茶を買って飲む事が多いです。
時刻にしてそうだなあ、7時20分前後って感じですね。
まあ殆ど毎日同じコンビニに寄っている訳ですが、私と同じようにその時間にそのコンビニに寄っている常連もいるもので、今回はその一人の話です。
私はその男に数ヶ月前に気付きました。

その男は軽自動車に乗ってきます。
どうも工員らしく、白いユニフォームで身を包んだその男は必ずバックで車庫入れをし、車から降りるとコンビニ店内に入り、迷う事なくクリアアサヒとアイスクリームを購入して自車に戻ります。
そしてエンジンをかけ、カーオーディオをやや大きめの音で鳴らしながら、あろう事か買ってきたクリアアサヒのプルトップをパキッと開け、旨そうに飲み始めます。
何口か飲むと、缶を股の間にはさみ、それはどうやら周囲の目から缶を隠す為だと思われます。
そしてやがてクリアアサヒを飲み干すと、次に同時に購入したアイスクリームを開封し、旨そうに完食し、空き缶とアイスクリームのパッケージをレジ袋に仕舞い、サイドブレーキを解除し、セレクトレバーをDにいれると、そのままコンビニを走り去って行きます。

早朝、アイスクリームをつまみにクリアアサヒを飲み、車で走り去る男。
シュールすぎる。

一番最初それを目撃した時には流石に我が目を疑い、幾ら何でも飲んでいるのはクリアアサヒではなくノンアルコールビールではないかと思ったのですが、何度みてもやはりあのクリアアサヒの缶です。
2回目にその男に気付いた時に、ちら見ではなく結構ガン見で缶を確認したのですが、矢張りどこをどう見てもクリアアサヒに間違いないのです。
そしてそれを飲み干すと、引き続きアイスクリームを食べ終え、何事もなかったように車を走らせコンビニから走り去って行く訳です。
これがほぼ毎日の事です[1]

で、夏も終わり朝がだいぶ涼しくなってきた今朝。
何時ものようにコンビニに寄ると、その男は既に車内に引きこもってクリアアサヒを飲んでいました。
ただ、流石に季節は流れていて、それに応じた変化がその男にも現れていました。
アイスクリームの代わりに手にしていたものは、コンビニレジ横で売っているフランクフルトソーセージでした、ははは[2]
そうだろうなあ、今朝車に乗り込んだ時の車外温度計は16℃だったもんなあ。
涼しいというより寒かったもん。
アイスはもう喰えないだろうなあ、確かに。
男は旨そうにソーセージを齧ってはビールを口に運び、全て飲み干し食べ終えると悠然と車で走り去って行きました。

アイスクリームからソーセージへ。
もうすっかり秋ですね。

[1]
今回のポストは全て実話です。
本文ではややちゃかし気味に書きましたが、実際には笑えない実話です。
近くの交番に告知した方がいいのか、ヤツが自分で気付くまでほっといた方がいいのか未だに悩んでいます。
その男は純正日本人のような顔をしていますが、日本語は喋れないようです。
従って、日本においては飲酒運転するヤツ=獄門打ち首、という常識や法律を知らないだけという可能性もあります。
告白しますと、20年くらい前までは私だってたまさかには飲酒運転をしていましたが(それが元で人をひき殺す事がなくて私は篦棒にラッキーだった)、今じゃこんなバカな私だってそれをするヤツは基地の外なとんでもねえヤツだと理解しています。
やっぱ、公衆電話使ってお巡りさんに通報した方がいいんだろうねえ…

[2]
2012年10月13日続報。
何故か、フランクフルトからカップアイスに舞い戻ってました。
相当暑がりなのかねえ(^^ゞ

[3]
さらに2012年11月16日続報。
このおっさん、かなり見上げた根性の持ち主らしく、「クリアアサヒ+アイスクリーム」というオリジナルかつストロングな組み合わせへ原点回帰してた。
相当すきなんだなあ、参りました。

温泉に行かない日(112) OPUS/山下達郎

今はやめてしまったけど、かつて私は山下達郎のファンクラブに入ってました。
ファンクラブが出来たばかりの時期に加入した為か、アルバム「ARTISAN」発売後に行われたフェスティバルホール(勿論、建て替え前ですよ~)でのライブでは何と、最前列ど真ん中という席を引き当てました。
その割には仕事で遅刻して、オープニング曲である「アトムの子」が始まってから入場したのが想い出です。
ファンクラブはやめてしまったものの、以後CDが出る度に必ず買っているファンの一人です。

今回発売されたOPUS  ~ALL TIME BEST 1975-2012~は新譜ではなくベスト盤ですが、MacBook標準のチープなスピーカや車のステレオで聞いた時、以前発売されたCDと同じ曲を聞き比べても明らかに音質や音圧が素晴らしく良くなっています。
音の張りと言うか緊張感というか立体感というか、明らかに異なってる。
リマスタですね。

まず例えば「SPARKLE」という曲。
個人的に大変好きな曲なのですが、「FOR YOU」とか「GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA」に収録されているものは音が何か平板で、ライブ版の「JOY」収録のものを聞いて「ああ。これでなくちゃ」と初めて音質に納得出来ました。
今回の「SPARKLE」は(勿論この曲だけでなく他の収録曲もそうですが)、くり返しになりますが本当に音質が良くなっていて聴き応えがあります。

次に「LOVE SPACE」。
イントロ部分で聴こえるドラム。
各タムの間を遊びながら叩いていて、そのあと上から下へ気持ちよく叩きくだしてるドラムの音。
タム特有のヘッドが弾けて震えてる感じ、スティックで叩かれてリリースされて振動している感じが凄く強い。
そしてそのタムに共鳴するスネアの音さえも聴こえる。
以前のCDでは聴こえなかったミュートしたカウベル(と思うけど、別の打楽器かもしれない)の音も、左のスピーカの奥から振動感とともにはっきり聴こえてくる。
本当に生っぽい感じで見事にリマスタリングされてる。
これら2つの曲以外の品でも、ものによっては別物にさえ聴こえます。

学生時代私はRuephasというバンドでドラムをやっていて、そのバンドはリーダーであるギターの男の独創性と、ヴォーカルの女性の歌の上手さと、キーボードの女性のかっきりしたリズムと、ベースの男のリズム隊らしからぬメロディアスなベースラインで持っていた様なグループだったのですが、そんな私らも卒業記念にオリジナルのカセットテープを作ろうという話になり、リーダーが買った多重録音機を使ってピンポン録音して願いを果たしました。
当時プロが使っていた16チャンネルとか32チャンネルの超高価なレコーディング機材とは大違いのカセットテープベース(若いヤツは知らないだろ)の4チャンネルアナログレコーダを使用し、当然の事ながら録音専用のスタジオを借りられる程の金もなく、N本F祉大学の学生会館の空いている普通の部屋を使って収録しました。
想い出深い作品なんだけど、個人的には「やりきったぁ~!」という感じではなかったんですね。
なんでかというと、演奏技術の未熟さとか、曲やアレンジを練る事もなくいきなり録音したから作品としても未完成とかそう言う方面ではなくて、音質がダメだったんです。
私らがたま~にやってたライブではそれなりの演奏が出来ていたらしく、そこそこの評価があった(らしい)んだけど[1]、、ライブは当然の事ながら全員が一発で音を出す訳だから「音質の劣化」なんてのはないよねえ。
ところがそれが重ね録りとなると、パートごとに録って行く訳だからわたしらの真骨頂であったノリとかグルーヴ感(同じか)は最初っからないし、当然の事ながら重ねれば重ねる程音質はへたって行き…、というわけ。
でも、多重録音でグルーヴ感を醸し出すというのは最初っから難しいと思っていたから[2]そちらは諦めてたわけで、だったらせめてもう少し音質が良かったらなあ、というのが今も抱いている正直な感想です。
つまり、録音された音楽の音質というのは、作品や演奏そのものの出来上がりと同じくらい大事だと思うんですよ。
だからもし今、「再度Ruephasの音をレコーディングという形で取り直しましょう」ということになったら、ドラムの練習をやり直すとかっていう事以上に、多分録音機材に神経を使うと思います。

新聞かなにかで読んだ話では、山下達郎は東北で大震災が起こった後の「Sunday Song Book」では、音の環境が悪い避難所でも聴きやすいように自ら音質を調整していたとの事で、そんな彼(多分本人的には「こんなの当たり前じゃん」と思っているに違いないけど)なればこその秀逸なリマスタだと思います。
「DOWN TOWN」から始まり最新作の「希望という名の光」まで全49曲(ボーナスディスクいれれば55曲)、アルバムタイトル[3]通り、発表順に整然と並んだ曲そのすべてが輝いている素晴らしいベスト盤です。

温泉に何も関係なくて<(_ _)>

[1]
所属サークルのコンサートでは大抵トリでした、ははは。
それがなんだってどうか言わないで。
あと大学の外の世界で言うと、当時まだヤマハのポピュラーソングコンテスト(POPCON)というシステム辛うじて生きていた時代で、全国大会の一歩手前まで行った実績有り。 
ただし私はその大会に参戦以降、ヤマハというカイシャに深い疑念が芽生えてしまい、それが原因でそれまで信念なく使っていたヤマハのスネアドラムの使用をやめ、以後は星野楽器(TAMAブランド)にスイッチしてしまった。
あと、詳細は忘れたけど、名古屋にある中区役所ホールってとこで開催されたNHK主催のコンテストに参加した事もあますが、審査員に「音が綺麗すぎてロックじゃない」と酷評され敗退。
その酷評ごとNHK-FMにオンエアされ、大変悔しい思いをしたのもいい想い出ですね。
やったのはハードロックだったのですが。

[2]
スタジオライブという手もあったんですけどね。
ジョニー・ルイス&チャーのスタジオライブが理想。

[3]
OPUS(Opus)とは作品番号の意味で、大抵発表順(あれ、作曲した順だったっけ?どっちかです。ははは)に付けられる番号。
「Op.」って略される事が多いです。
実例で言うと、有名どころではかのベートーヴェンさんの「交響曲第9番ニ単調(合唱付き)」ってヤツ。
日本じゃ暮れになるとあっちゃからもこっちゃからも聴こえる有名な曲ですが、これの作品番号は「Op.125」であります。
誰か山下作品にもOp.付けてくれないかな。

2012年10月8日月曜日

力湯(1)

問題は、JR福知山線伊丹駅から歩いて僅か数分の場所にある力湯兵庫県伊丹市伊丹3-2-2:072-782-0481:15時30分~23時:¥410:サウナ+¥100)であります。

実はわたくし、関西の銭湯力に最近気付きつつありまして、例えば上りの新幹線で新大阪を発車して数分すると、左側の車窓から銭湯らしきものがちらっと見えます。
街中、市街地です。
まだ新幹線が全力疾走に入る前の状態ですので、皆さんも窓を眺めていればゼッタイに気付きます。
この間なんかは、車窓からその銭湯を眺めていたら、やや高齢気味のおばはん(おばはんは漏れなく「やや高齢気味」だけどね)が洗面器を小脇に挿んで暖簾をくぐる所まで見ちゃいましたよ、ははは。
どうも関西には未だに地域の中でしっかり息づいている銭湯が数多く存在する予感がしています。

力湯というちょっと変わった名前の銭湯が伊丹辺りにあるという事は何かの情報で以前からおぼろげに把握してましたので、行ってみた事があります。
JR伊丹駅を降り、西口(っていうのかね?関西スーパーとか長寿蔵とかニトリの方で、イオンの逆方向です)を出て、レンタカー屋の方に階段を下り、暫く歩くと力湯にはすぐに着きます。
銭湯が入っているビル(マンションかな?)の地下に何台か入れられる駐車場もありますので車でもOKですが、こんな交通至便な場所であれば電車で行って湯上がりに一寸麦酒でも引っかけて帰る方が極楽でしょうよ。

銭湯ではおなじみの暖簾をくぐって中に入ります。
古い銭湯だと、入った時点でもう男女別れ別れになるんですが、ここ力湯はそうではなく、ソフトドリンクやビールの入った冷蔵庫がある一寸した待ち合わせスペースのような所が先ずあって、そこから先で男女の脱衣場になります。
脱衣場で脱衣し(ヘンな言葉の使い方ですね)、引き戸を開けて浴室に入ると、まあなんとインダストリー感覚に溢れた空間です。
浴室の中を見て一番に頭の中を流れた曲は、The BeatniksInevitable/来るべき世界(nicovideo viewerが開きます。別途ログインが必要です)という曲。
銭湯に来てBeatniksを連想するときがあるとは思いもよりませんでした。
銭湯には珍しくステンレス(アルミかも知れないですが、そっちの方は全く詳しくないのでどっちかわからん。以後は一応ステンレスで通します)を多用しており、浴室全体が輝いてて、何だかSF的な感じ。
浴槽・柱など、浴室の主要な部分には殆どステンレスを使っています。
各種配管がむき出しになっている事もインダストリー感を増しています。
構成上、リベットを使っている部分があるのですが、それらのアタマはキレイに削って表面は平滑化されています。
その削った部分を敢えて(かな?)補修していないのも工業的なイメージを強くさせてます。

輝く浴槽は男女湯を分かつ壁側に設置されていて、静止湯部分とジャグジー・ジェットバス部分に大きく分かれてます。
その壁がまた変わってて、生きた金魚のはいった水槽なんです。
タイル絵ではありません。
ホンモノが泳いでいます。
モノホン。
「はぁ?水槽が壁ぇ??」
と思うでしょ。
でもその通りなんです。
行って実際に見てみて下さい。
形状が説明しづらいのですが、兎に角水槽です。
水槽なので念の為、一応、隣の女湯が見えるかどうかくまなく確認してみましたが、残念な事に隣が透視出来るということはありませんでした(^^ゞ
湯温は私にとってはほんの少し熱め。まあ、一般的にはちょうどいい具合の湯加減で、お湯からは不思議なことに塩素臭は全く立ってきません。

そしてなんと、人間洗濯機と思われる浴槽と打たせ湯まである。
人間洗濯機は私のあこがれ[1]で、一度は入ってみたいと思っていたのですが、並み居る常連さん達は人間洗濯機を全く「無視」しているみたいに見えて、誰も気にしていないし入ってもいない。
流石に恥ずかしいのでそちらは断念。
何回か通ったら是非試してみたいです。
銭湯に打たせ湯なんてとても珍しいと思うんですが、こちらの方も人間洗濯機同様で、誰も使って無くて、みなさんただただ温和しく主要浴槽に浸かっておしゃべりを続けています。

で、心も落ち着いてきたので更に良く周りを見渡すと、上の方に上がっていく階段が見えました。
昇っていくとそこは(かろうじて)露天状態になっていて、そこにも大ぶりなステンレス製浴槽。
中は濃い茶色のお湯で満たされてて、何か人参関係の薬草湯のようであります。
結構濃密な漢方薬系の香りがしてて、いかにも体に効きそうな感じですが、そちら方面もわたしは詳しくないので実際のところはよくわかりません。

この銭湯はマンションの1階にあるのですが、どうかつて屋上だった2階を無理矢理露天風呂化しているようで、JRの方にある隣のマンションの最上階ベランダからは丸裸な当方が丸見えであります。
まあ、おっさんの全裸を見たがるヒトはそうはいないだろうから、逆にどんだけでも見なさいって感じだけど。
壁には、かつて公衆電話置き場だったと思える台が撤去もされずそのまま設置されてたりする。
まあそれはそれで面白いでしょ。

以上、暫く前の情報なので、いまもこの通りかどうかはわかりませんが、いやあ面白い銭湯です。
銭湯には付き物の刺青入れた人の数も意外に少なく、私が入ったときはたったの一人だけだったし、そういう意味ではフツーのヒトでも気兼ねせず入浴できる感じ。
そのかわり(といっては申し訳ないが)、空自伊丹基地所属と思われる若くて体格よくて短髪のオニイサン達が沢山いました。
誠に活気あるいい銭湯です。
伊丹方面に行かれた際は、ゼッタイに寄った方がいいですよ。

[1]
2007年頃、人づてに「人間洗濯機が置いてあるスー銭が浜松にはある」と聞いたため、これは行かねばと決意しました
そして数日後、その人に場所を訊いて行ってみました。
「ミシマの泉」という名前の銭湯だったんですが、現地に行ってみたら既に廃業してました。
調べると2006年頃すでに廃業してたそうです。
こういう大変残念な思いをして以来、いつかきっと人間洗濯機で洗濯されたいという願望が芽生え、未だに消える事はありません。
それほどまでに憧れているのに、何故あのとき試してみなかったのか、大変悔やまれます。

2012年10月3日水曜日

温泉に行かない日(110) 五右衛門風呂

が、時々懐かしくなるね。

私は元々九州は大分県の出で、実質的にはそこで暮らした事はないけれど、大学時代くらいまではたまーに帰っていました。
私はどうも当時から「綺麗に流れる水」が好きだったようで[1]、山の中にあった父親の実家より、家の裏手に清冽な小川が流れている母親方の実家が好きでした。
でね、その母親方の実家には当時、五右衛門風呂があったのですな。
凄くトラディショナルな家屋で、お風呂は母屋とは別棟の建物になっていて、その建物は「トイレ(というか、まあ「ボットン便所」が正しい表現)とお風呂と(何と)牛小屋」が組み合わさったハイブリッドな構造でした。
小学生の頃まではホントに牛がいたんです。
すごいでしょ。
で、そのお風呂が五右衛門風呂。
大きな、といってもひと一人入れば一杯いっぱいなお釜が浴槽になっていて、その下から直接薪の火をあててお湯を沸かす仕組み。
当然そのまま入ったら足の裏が火傷しちゃうから、底に板(浴槽の蓋と兼用)を沈めて入るんですね。
私が両親と暮らしていた家は流石に全く普通のお風呂でしたので、実を言うと当時はその五右衛門風呂が嫌でいやで仕方がなく、可能な限り入浴を回避していました。
ついでに言えば、風呂だけでなくボットントイレも嫌でいやで仕方なく、おっきい方をする時は何かと理由を見つけては少し離れた林のなかで致したものでした、ははは。
でも、暑い夏の夜には矢張りお風呂に入らないと体がベトベトして気持ち悪いから、父親と一緒に入浴したものです。
で、時々私のばばあ(遥か昔にもう死んでしまった)が小屋の所に来て、薪を焼べ足して「熱くないかー?ぬるくないかー?」と声をかけてはまた母屋に帰って行くという感じの入浴でした。
まあ、こういう事を書いていると、オレも昔話が好きなじい様になってきてるんだなとは思うけど、最近の若いもんが入った事もない五右衛門風呂に、帰省時とはいえ観光的要素が全くない日常的環境で入った事があるというのは、今考えれば全く運のいい事だったなあと感じる訳です。
もっともっと入っておけば良かったと思います。
母親方の実家は、今は住む人もおらず、親戚の人が定期的に訪れて掃除をして帰るだけの建物になっているようですが、日曜日の午後とかぼーっとしている時には「引退したらあそこに住みたいなあ。少し不便だけど、またあの五右衛門風呂にゆっくり入りたいなあ」なんて事をたまに夢想しています。

今も日常として五右衛門風呂に入っている人は、日本のどっかにはきっといるのでしょうね。
羨ましい限りです。

[1]
私は昔からどうも海より山より川が好き[2]なようで、小学生の頃は親に黙って自転車で20分くらいの所にある長良川に行って、瀞(とろ。何て言うのかなあ、川の流れが曲がり角になっていて水面は静かな部分)になっている所に飛び込んで川底に潜っては浮かび上がるという遊びをしてました。
後で聞いた所によるとそこはいわゆる「危険な場所」で、ちょっと間違うとなかなか浮上出来ない危険なポイントだったそうです。
今思い返してみれば確かに水面は静かな感じなんだけど、少し潜ると水がうねった感じで「生きて」いて、でもそれに逆らわずにいると、潜るも浮上するも自由自在って感じでしたけどね。
残念な事に今は遊泳禁止になっているそうです。

[2]
そのくせ奄美でスキンダイビングした時は、真剣にPADIのライセンスが欲しいと思い、それは今も変わっていなかったりする。