2020年12月31日木曜日

温泉に行かない日(467) 2020年は有り体に云って酷い年だった

今日で今年も終わりなんじゃが、そんな日に午前中は外せない所用があって事務所に行ってきた。
これもまあこの酷い年を締めくくるに相応しかった事だったのかも知れん。
なぜ酷い年かと云うと、そりゃ勿論武漢ウイルスの暴力的蔓延によるものじゃという事は万人が認めるところじゃろう。
去年の丁度今頃、武漢で変なバイキンが蔓延りだしたらしいとの噂を断片的には耳にしておったが、
「また中国かい。全くハタ迷惑な国民国家じゃのう。そのうちドンと爆発して終わりじゃろう」
ってな感じでワシら国民も、何よりお国のエラい方々も明らかにナメてかかっており、そのしっぺ返しとして、年が明けると横浜の豪華客船の出来事から始まってあれよあれよと云う間にとんでもない状況と相成った。
あれから1年。
今や(ちょっと前にはお国のエラい人が「その定義はない」と全力否定していた)所謂「第3波」の真っ只中であり、東京では1日あたりの新規感染者がもうすぐ1000人にも及ぼうか[1]との暴威を奮っとる。
英国や南アフリカなどでは更に凶暴化した武漢ウイルスが驚異的な力を持ってその勢力を拡大しておると聞いたし、それはもう既にワシらのお国に入り込んどることも判明しとる。
全くヤな世の中になってしもうた。

そんな中でワシなどはまだいい方で、夏冬の賞与こそ多少は減額されたものの仕事にはまだありつけておるし、更にワシ自身は勿論、ワシの周辺即ち親族や友人、仕事関係での感染者も今の所発生しとらん。
一方、武漢ウイルスのせいでお亡くなりになってしまわれたり、この年末を区切りに長年続けてきた商売をやめますとか、会社を馘になって年を越すお金がもうありませんとか、そんな酷い絶望的な目にあっとる人も少なくない。
また医療機関、特に地域で2次救急や3次救急の役割を担う急性期・超急性期病院や感染症対応の病院で勤務される医師・看護師・医療技術職・事務職員及びそれら職員を支える役割の人々は、これはとても大変な1年じゃったろうし、その状況は今後暫くは続く。
年末から年明けにかけて、これらの方々へ幾許かの金員が支給されるとの事じゃが、その程度では全く間に合わない程のご苦労ご心労をなさっとると思う。
その方面についてはワシには何も出来ないけれど、本当に有り難い事じゃと感謝するばかりじゃ。
ワシ自身については運が良かったので、武漢ウイルスに罹患したりその影響で生活が傾いたりという事はなく、まさに神に感謝するしかない。
有り難い事じゃと思う。

しかし、全く影響がなかったかと云うと勿論違う。
軽微ながらもやはり影響は受けておる。
生死や生活に影響を及ぼすようなものではないから書くのも憚れるわけじゃが、これは個人ブログじゃから臆さず書く。
端的に申し上げて、温泉銭湯に行けなくなってしまった状況というのは、案外非常に厳しいものがあった。
たとえそれが生活維持に直結していない事、例えば趣味であったとしても、好きな何かを自由に出来ないと云う事は、思った以上に堪えると云うのをこの歳になって初めて実感した。
今年はそうさな、ざっと数えたところ10回位しか風呂に浸かりに行っておらん。
そのうち半分以上は、感染リスクが限りなくゼロと云って差し支えない倉真赤石温泉。
例年であれば新規開拓温泉は最低数ヶ所はあるんじゃが、今年はただ1ヶ所、白鷺温泉 白鷺館(しらさぎおんせんしらさぎかん:愛知県豊田市篭林町塩平21:0565-62-0151:¥800:日帰り11:00〜20:00:公式サイトはhttp且つFlash Player使っとるから用心してネ)のみであり、あとは愛知県にある湯の島温泉(ゆのしまおんせん:愛知県豊根村富山字兎鹿ノ平12-3:0536-89-2170:¥440:土日祝日のみ:13:00〜19:00:静岡市営の湯之島温泉浴場とは別じゃよ)だったり、比較的近隣にあるあらたまの湯(静岡県浜松市浜北区四大地9-92-1:053-582-1126:電話番号いいふろじゃよ:¥680:9:00〜21:00:定休第1月曜:ポイントカードあり♪)程度で、温泉銭湯的には誠に寂しい限りの1年じゃった。

これも仕方のない事。
好きな趣味に高じることが出来ない程度の事は、人生に関わるような甚大な影響を受けてしまった方々に比べればなんの事もない。
あと数ヶ月もすればワクチン接種が開始される見込みじゃし、更に待てば遠くないうちに治療薬も開発されるかも知れん。
そのような医療的環境が次第に整ってきたならば、いつの日か、まあ以前通り全く自由にとは行かないとは思うものの、温泉銭湯を楽しめるようになると思う。
それまでは我慢して過ごそう。
いや、正直云うと我慢できなくなる事もあるかも知れん。
そんな時には、行き先を充分に吟味し、感染リスクが低い所に充分な対策を施した上で行く事にしようと思う。

兎にも角にも、今年はこんな年じゃった。
ワシのブログのサブジェクトに「2020年は有り体に云って酷い年だった」等と付ける日が来るとは夢にも思わなんだ。
なお、2020年はこれで105ポスト目。
平均すると1周間あたり2ポストちょっと。
まあ、今年もブログタイトルについては目標達成できたわけでそれはそれで嬉しい。
内容はどうでも良いわけじゃ。

数少ない閲覧者の皆様、良いお年を。
来年は、普通に温泉に入りたい。

[1]

2020年12月31日16時49分追記)
このポストの正に直後、東京で1300人以上の感染確認の一報が入った。
全く…
もう世も末かも知れぬな。

2020年12月26日土曜日

磐田グランドホテル 天神の湯(3)

この1年の投稿を見てもらえれば分かる通り、武漢ウイルスが世に蔓延り始めてから殆ど温泉銭湯には行けておらん。
無論、混んだ飲み屋などと比べればその安全度は多少高いと思われるし、浴室に入ってしまえばほぼ大丈夫じゃろうが更衣室がやはり怖い。
また、ここ1年ほどの間に「入院もしくはホテル療養中の人間がそれらを抜け出して勝手に風呂屋に行ってバレた」という報道をワシは少なくとも2つほど目にした。
そのものたちの温泉銭湯愛だけは認めるが、それ以前に莫迦である。
そのような莫迦がいつどこの温泉銭湯に湧くか全く予測もつかんため、ワシは基本的には温泉銭湯にあまり行っていない。
行くのはほぼ掛川にある倉真赤石温泉で、更衣室浴室まるごと貸し切りじゃから他人と交錯することがないからじゃ。
とは云え、たまにはそれ以外のところに行きたいと思うこともあり、本日は磐田グランドホテル(静岡県磐田市岩井2280:0538-34-1211)にある天神の湯(¥1500:10:00~23:00)に行ってきた。
実はこのホテルは、武漢ウイルスの野郎のせいで今年6月くらいまでの長きに渡り、ホテル全体が臨時休業しておったそうじゃ。
先日営業状況を確認するために公式サイトを見てみたら、何とか営業を再開しておったため早速出向いたわけじゃ。
ここは1500円とまあまあ高額な利用料が必要じゃけども、毎月26日は800円で入浴が可能じゃ。
更には、6枚綴り5000円(すなわち1回あたり833円)という激安チケットも公式に販売しておる。
これならばそこら辺にあるスー銭とあまり変わらないし、ホテルならではの接客とサービスも受けられるし、それにホテルで日帰り温泉を楽しむということがあまり一般的ではないから混んでいることもないし、いい事ずくめと云って差し支えありません。

本日も(ホテルにとっては苦しいところじゃろうが)入浴客は6人程度、湯船に使っておるのは最大で3人という感じの利用状況であり、混雑という表現は全く必要ない。
そしてどの客もおとなしかったため、落ち着いた気持ちで黒湯を楽しめたのは幸いじゃった。
時間制限もないため長湯を楽しむもよし、ロビーは広々としてオットマンが何脚も用意されているので出たり入ったりするもよしじゃ。
お湯の中に手を20cm程も差し入れればもう見えなくなるほどの濃さの黒湯は相変わらずじゃし、温度は42℃とワシにとってはやや高めじゃが、寒い冬にはこのくらいの温度がよく温まってよいじゃろうし、ここのお湯は湯冷めしにくいので更に良い。

また、たまにはゆっくりした時間を過ごしたいというのであらば、入浴と客室利用がセットになった★1日2組様限定!★日帰り湯ったりステイプラン(¥4000〜)や★日帰り★湯~ったり温泉ランチ(¥3200)などを利用してみてはどうかと思う。
特に後者は、なかなかコスパがよろしいのではと思う。
通常の入浴料を基準にしてランチのコストを計算すると1700円。
ランチそのものの価格と、ホテルという場所を買うと考えれば大変に安い。
云うまでもなく、ここ磐田グランドホテルでは武漢ウイルス対策について出来ることは全てやっておる(「磐田グランドホテル【新しい生活様式】への取り組みのご案内」の部分参照)から安心じゃと思う。
観光業及び観光関連業界は現在非常なる苦境に立たされておる。
しかし、あの天下の愚策「GoToトラベル」なんぞ使わずとも出来ることはある。
このようなプランを使って、いつもより少し豊かな入浴時間を過ごせば僅かではあるが、結果としては支援の端くれにもなるかもしれぬ。
地元の施設にこそ応援の気持ちを表すのが大事じゃろうと思えるんじゃが、どうじゃろうか。



温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
3.5
風情ポイント
2.0
やぎさんポイント
0.0
入浴料
800
温泉コスパ
0.7

2020年12月20日日曜日

塩ノ段鉱泉(2)

今回は短文じゃよ。

今年の9月、御前崎にある塩ノ段鉱泉(しおんだんこうせん:読みは「しおのだん」ではないようです:静岡県御前崎市新野5057:¥0:00:00〜24:00:現場のすぐ東側道路の路側帯が広いのでそこに駐車可)という変な鉱泉に行ってきた
温泉法的には温泉なんじゃけど実物は直径50cmくらいのココア色の水たまりで、じっと見とると時折下の方からぶくぶくっ、ぶくぶくっと何かガスのようなものが浮いてくる。
9月の時にはこのぶくぶくがなかなか出てきてくれなくてうまく動画が取れず、何か情けない感じの出来栄えになっていたため、機会があらばいつかちゃんとした動画を取り直そうと思っておったが、本日御前崎の宮内うどんに行って美味いうどんを食いたくなったので、そのついでに寄ってみることにした。
県道37号線の東側を平行して走っておる(多分)市道の上水神社のところを東に曲がるとすぐにあるんじゃが、本日は塩ノ段鉱泉のすぐ脇にある塩ノ段池の堤防の改修工事が行われており、その関係で道路が見事に切断されて目的地は手が届きそうなところにあるのに行けなかった(写真撮り忘れた。まぬけじゃ)。
仕方なく少し大回りをして現地に到達した。
したのはしたが、9月に来訪した時と何も変わっておらなんだから今回特に書き足すこともない。
じゃから、取り直した動画を貼るのみとしておくよ。
ただし、スマートデバイスでお読みのあなた。
このブログを読んでくれとる奇特な人のうち、約40%はスマートデバイス(要するにスマホじゃな)を使っておるが、その人達にはこの動画が表示されん。
そのような場合は、下の方のコメント投稿欄のあたりに「ウェブバージョンを表示」と影がうすそうな色で書かれたところがあるから、それをクリックしてウェブ表示に切り替えてくれれば見ることができるじゃろう。






温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
0.0
風情ポイント
4.5
やぎさんポイント
10.0
入浴料
0
温泉コスパ
#div/0

2020年12月15日火曜日

温泉に行かない日(466) 噂の隧道に行ってみた②

まあここから先は、言葉よりかは写真のほうがいいじゃろう。
とは云っても、写真の武器はロートルっぷりが半端ないiPhone 6S。
改めて見るにピンぼけ、光量不足、画角がおかしい(これはワシの腕のせいか)など素人写真が多いことについては予めお詫びしておく。
人生、何事も我慢じゃヨ。

まず、トンネル東側の入り口じゃ。

案外現代的なイメージさえ感じられるよ
インダストリアルな感じ
© ill-health(ruephas) 2020

いきなりピンぼけじゃね。
この写真だけ見ると、確かに狭いは狭いがそんなに変なトンネルには思えないかも知れん。
巷ではこのトンネルは「土管トンネル」と呼称されておるが、実際には土管ではなくこのような形状をしておる。
新幹線とかの線路の下に水路を通すためにこのようなものを使っておることが多いような気がする。
波々なデカい管をドンと通しているのではなく、何枚かの弧状の板を組み合わせてトンネルを形作っておるようじゃな。

繋ぎ目の写真
一本の土管をただ単純にドンと
突っ込んでいるのではないのがわかる
白丸つけられたボルトはもしやヤバいのか?
逆に言えば、管理されておるということじゃろう
© ill-health(ruephas) 2020

このような感じじゃ。
この部分を通り抜けて中に進むと、この土管部分は途切れて素掘りのトンネル地肌が現れる。

何だか心霊写真じみた感じじゃが多分幽霊はおらんよ
通過時に背中がゾッとするようなこともなかった
安心めされい
© ill-health(ruephas) 2020

光量不足で全体に赤くなっとるのはすまんことじゃ。
土木のことはよくわからんワシじゃが、現代の基準であればこのような素掘り状態は安全面で絶対に許可されんと思われる。
繰り返すがワシは土木トンネルオタクではないんじゃが、この手の素掘りトンネルとして思い出深いのは、琵琶湖の西野水道(にしのすいどう:確か大昔に掘ったの、ちょっと昔に掘ったの、最近ドカンとでかく通したのの3本の水道があります:滋賀県長浜市高月町西野:¥0:駐車場あり) じゃ。
その西野水道の一番古い(江戸時代だったっけ、とにかく大昔の)やつよりは全然広くて歩いて通るには難渋を感じんが、とは云っても軽トラでギリであるには変わりが無い。


途中右側を見るとこのようなことが書いてあったり、

何を6分割しておるんじゃろうか
わからんが兎に角ここは
6分割したうちの5番目くらいの場所
…らしい
© ill-health(ruephas) 2020

左側に穴ぼこがあったり、

一部の報道ではここには
生活系のガラクタが置かれておって
誰かが居住していた説もあるようじゃ
ワシが行ったときはこんな感じじゃった
© ill-health(ruephas) 2020

出口まではこのような感じで素掘り感満載なトンネルが続いていく。
そして東側の出口近くに達すると、そこには埴輪をモチーフにした素人作家による芸術作品が壁面全面に繰り広げられとるのが見えてワシは瞠目せざるを得んかったわけじゃ。

結構シュールじゃ
何かに対する芸術的情熱を感じる
岡本太郎的
© ill-health(ruephas) 2020

トンネルを出て振り返ってみた写真がこれじゃ。

高さはいいからさ、幅を書いといてくれよ
頼むぜ掛川市
© ill-health(ruephas) 2020

こちらにも例の「頭上ひくい」「道幅せまい」の警告が、(ワシの如く)享楽のみの目的にてこのトンネルを通り抜けようとする愚か者共への警告が投げかけられておるのは東側と変わらんが、血の滴るような意匠ではないシンプルな感じの仕上がり。

そしてここにはある一時期、このトンネルが「関係者以外立入禁止」の処置が取られていたことを匂わせる表示も隠されておった。

この坊やはあちこちで見かけるな
ワシはこの子のことを「静止坊や」
と呼称しておる
止まれ!
© ill-health(ruephas) 2020

改めて東側の入り口の写真を載せるんじゃが、

インダストリアルじゃが、苔むしてもおる
現在と松尾芭蕉のコラボ
秀逸
© ill-health(ruephas) 2020

東側入り口はこのように上部の山肌が崩れかかっておるのがわかるじゃろう。
西側はそのようなことはなく、トンネル上部の山肌はかなりしっかりしておる。
東側だけが「土管状態」になっておるのは、要するに崩れかかっておってトンネルが塞がれてしまう虞があったため補強をしたのが理由じゃろう。
先程の「関係者以外立入禁止」の処置も、恐らく東側の土管工事が終わるまで実際通行禁止であったためであろうと愚考するわけじゃよ。

このトンネルの名称は蜘蛛の巣の世界で調べたところ「岩谷隧道」と云うらしい。
Google Mapsには載っておらん(2020年12月15日現在)ので、登録申請しておいたがGoogleからはまだ承認の報を得ておらん。
じゃからやや曖昧な感は否めんが、地図は共有しておくよ。
承認されたらそのうちこの地図にも「岩谷隧道」が表示されるじゃろうよ。 


最後に、意味なく動画を撮ってみたので一応貼り付けておくが、見てもただただ暗い風景が広がっておるだけじゃから、見るだけ時間の無駄じゃということは予めお詫びをしておく次第じゃよ。
1ケ目は東→西で、2ケ目は逆に西→東じゃ。
こういうのをデジタルリソースの無駄遣いと云うんじゃろうな。








2020年12月14日月曜日

温泉に行かない日(465) 噂の隧道に行ってみた①

ワシはついったあはやらんから、今あの世界で何が盛り上がっとるのかは直接には知らん。
時々ニュースサイト経由で、ついったあで流行っとることを知る程度じゃ。
この間も昼飯時にYが付くニュースサイトをダラダラ見とったら、Google Maps様のお告げ通りに道を進んでいったら、ありえんぐらいに狭いトンネルを通ることになっていて驚いたというような話題が出ておった。
ついーとした人の投稿を見ると確かに、山肌に土管のようなものが突っ込んであるような風景の写真が載っており、その口径はかなり小さい。
その人は旧型のジムニー使いのようで、ジムニーの鼻っ面を土管トンネルに突っ込んだ状態の写真も載せておったがかなりキッチキチな感じで、それだけではジムニーがこの土管トンネルを攻略できたかどうかは判然とせん、というか無理なような気がする。
文章を読むと(ちゃんとは覚えておらんが)「リフトアップしていないことに感謝した」みたいなことが書かれておったような気がするから、もしかしてやってのけたのかも知れん。
ワシはそういったのが年甲斐もなく大好きじゃから、是非見てみたいと思って場所を調べてみると、掛川バイパスの西郷ICからほど近いことが判明した。
西郷ICと云えば、ワシが大好きな倉真赤石温泉に行くときにいつも乗り降りするICじゃ。
他県ともなると今の御時世やめとくかという話にもなるが、まあ県内にある行きつけの場所ならば問題ない。
すぐに行ってみた。
ついったあの写真を見る限りでは3ナンバーのスイスポくんでは全く無理なことは明らかなので、ICすぐ横にあるカインズホームにスイスポくんを停めて徒歩で向かってみた。
直線距離じゃと650m程じゃが、路程ではもう少しあるじゃろうが歩くには全く問題ない距離じゃ。
目的地に向かって歩くとすぐに道は細くなる。
細くなったと行っても、きちんとした車両クリアランス感覚を持っておれば3ナンバーでも問題なく通れる程度の細さ。
ところが途中に墓所があって、そこから先が更に狭くなる。

まだ全然なんとかなる感じ
© ill-health(ruephas) 2020

3ナンバーでギリギリ、5ナンバーならまあまあ通れる感じではある。
しかし、写真左に写っている立て看板はこんなことが書かれておる。

猪にも充分な注意がいる模様
猪は確かに怖いが
© ill-health(ruephas) 2020

更に進むとだんだん狭くなってきて、コンクリで舗装された路面の幅は完全に軽自動車規格というか、それより狭いのではないかと思われる。
これを見なされ。

はみ出とるな
© ill-health(ruephas) 2020

路面外の右側に轍があるのがわかるじゃろう。
細さから云って軽自動車のものの可能性が高い。
それが路面からはみ出とる。
もちろん果敢にもここに挑戦した軽自動車ユーザの車幅感覚が甘かった可能性もあるが、どっちにしてもかなりギリギリなのは間違いない。
そしてこの地点からすぐ先に例の土管は見えておる。

お、迫ってきたぞ
© ill-health(ruephas) 2020

「頭上ひくい」「道幅せまい」という掛川市からの警告が目に刺さる。
高さ標識は1.7mと書かれておるので、これがホントだとすると、一般的な日本人男性の多くは屈まんとこのトンネルを抜けられんことになる。
この時点で見た感じたと、ジムニーは無理だが、アルトでは行けそうな感じ。
もうちいと寄ってみた写真がこれじゃ。

著作権だけ

「頭上ひくい」「道幅せまい」の立て看板には、何か血が滴るような意匠が書き加えてありおぞましさがいや増しておる。
重ねていうが、さっきのはみ出とる道路幅とここは同じ。
怖い。

2020年12月6日日曜日

温泉に行かない日(464) 続・木工旋盤同好会とは一体何か

無駄足を踏んだワシは一旦帰宅し、蜘蛛の巣の世界に何か情報がないか探してみた
すると、あっさりとこのこの団体?(任意団体?法人?)の公式サイトがヒットした。
そのページには代表者のご氏名として鈴木直人氏の名前と所在地が記してあり、それは確かにワシがさまよったあたりに間違いない。
しかし、その周辺には木工とか旋盤というような雰囲気を醸し出すようなものは一切なかったのも既述のとおりじゃ。
さらにGoogleでの検索結果を見ると、この団体は「知る人ぞ知る」というような雰囲気を感じさせるものじゃった。
曰く、
  • 木工旋盤を買うならまずは木工旋盤同好会に相談してみましょう。
  • 鈴木さんは言わずと知れた木工旋盤界の超有名人。 ミーハーな僕は機会があったら一度お会いしたいと思ってたんですね。
  • 旋盤を買い換えることにしました。(中略)ネットでひたすら調べました。そして行き着いたのが、静岡県は浜松にある木工旋盤同好会さん。
  • 木工旋盤を早くから日本に紹介してきた老舗の木工旋盤同好会。
等々…。
何かすごいな。
こんなすごい人が浜松にいたとはついぞ知らなんだ。
これまた既述の通り、ワシは木工にも旋盤にもとんと興味がない。
やぎさんと酒と温泉は大好きじゃが、旋盤で木工したなんて確か中学時代の技術家庭科の授業が最初で最後じゃと思う。
しかしこれだけの有名人がどんなことをやっとるのか興味を覚えたので、公式サイトをつらつら眺めておると、ページの上部に評されているいくつかのタブの中に「手作りペン」とあるのに気づいた。
ワシは万年筆やガラスペンが好きで、好きと言っても金持ちではないのでそんなに高いのは持っておらんが、万年筆やガラスペンのあの書き味が好きで、ここぞという際にはそれらを使っておる。
手作りペンとはなんぞやと思ったワシは早速タブをクリックして中身を見てみた。
いろいろなペンの写真が並んでおる。
主にはボールペンじゃが、万年筆も載っておる。
そのページにはペンの作り方は、こちらを御覧下さいと書かれたリンクがあり、本当に詳しく細かにペンの作り方が書かれておる。
丁寧に書かれておるのは充分にわかるのじゃが、専門用語が連続しておりワシのようなものには理解できないのが残念。
ただ、ページの冒頭には、
作る人は楽しく、周囲の人からも好評なら、人気があるのでしょう。きっと!
ペンを自作する喜びを分かち合いましょう。次のような手順でつくります。
と書かれており、もしかしたらワシのような素人でも鈴木氏の指導の元、手作りペンを作れるようなことが可能であるのかもしれぬと思った。
しかし、そのページにはそのような案内は書かれておらなんだ。
ううむ、しかしワシ手作りの万年筆がもし作れるのであらばぜひ作りたい。
多少失敗して変な仕上がりになったとしてもそれは構わん。
冥土の土産に是非一本作りたい。
どうすればいいんじゃろうか?

※木工旋盤同好会の地点が表示されていない場合は、少し寄ってみて下さい。
キーストンという会社の右上辺りに現れます。

2020年12月5日土曜日

やぎさんが好き!(36) Cafe de Clarkが大変身する模様

美味しいコーヒーとダムカレー、犬の梅太郎や自由すぎるねこさんたち、そして何よりやぎのマサオと諭吉がおる素敵な古民家カフェのCafe de Clark(かふぇどくらーく:静岡県浜松市天竜区谷山45:090-1754-1874:定休水木:10:00〜16:00)が大変化するらしい。
詳細はこちらのInstagramページをご参照いただければわかるが、今の谷山にある建物は週末のみ1日1組限定の貸し切り多目的スペースとして使用し、カフェの機能は谷山からクルマで30分ほどのところにある春野町堀之内に移転すると云うものじゃ。
確かにワシは、あの古民家で夕方から夜にかけての風景を眺めながらビールを飲んで過ごしたいと思っているんじゃが、今の営業形態ではそれはかなわん。
貸し切りの多目的スペースになり、テントとかを持ち込んで泊まれるのであればその夢も叶うわけじゃからある意味好都合かも知れん。
カレーを食べたければ堀之内まで足を伸ばせば良い。
秋葉神社の下社がある辺りであり、足の調子が良ければ自転車でも何とか行ける距離で、静かないい場所じゃと思う。

しかし問題は、マサオと諭吉じゃ。
マサオと諭吉が堀之内に引っ越さないとすると、なかなか会えなくなる存在になる。
ワシが動けるのは原則週末のみであるから、マサオや諭吉に会えるのも週末。
しかし今後この場所は貸し切りスペースになる。
せっかく貸し切りの空間と時間を愉しんでおられるお客さんを尻目に金も払っとらんワシが「ほい、マサオ、ほれ躍り上がりじゃ」「へい諭吉、このみかんの葉っぱをたくさん食べなされ」等という行為にはなかなか出られんじゃろう。
Clarkのお姉さんは多分「そんなの別に構わないわよ」と云ってくれるかも知れんが、やはり流石にお客さんに申し訳ないじゃろう。

堀之内のあたりであらば、マサオや諭吉が自由に過ごせる平地や山もたくさんあろう。
誠に自分勝手なお願いじゃが、Clarkのお姉さん、マサオと諭吉はぜひ堀之内に引っ越してほしいものじゃ。
無理じゃろうなあ。



2020年11月29日日曜日

温泉に行かない日(463) 木工旋盤同好会とは一体何か

ワシは地図が好きである件については何度も書いとる。
事務所での昼飯時は大抵Google Mapsを開いて、PCの狭い画面の中で近隣から遠方まで色んな所に妄想の旅に出かけておる。

先日も浜松近辺の短い旅を楽しんでおったら、偶然こんなところを見つけた。


わかるじゃろうか。
木工旋盤同好会と書いておる。
ワシは特段木工が好きだとか、旋盤には目がないとかいうような性癖は一切ない。
ただ、なんで気になったかというと、まあこの近辺はちょくちょく通り掛かるんじゃけども見かけた範囲では普通の住宅地で、工場地帯ではない。
木工とか旋盤とか、そのような雰囲気とかからは隔絶された一帯なわけじゃ。
また、名前そのものが気になる。

同好会。

ワシはかつて大学時代、フォークソング同好会という団体に所属しておった。
名前に反してやっておったのはハードロックとフュージョンのドラムじゃったがまあそれは置いといて、同好会と云えばそういった単なる集団であり、それが所在地を持っておって剰えGoogle Mapsに載っておるの云うのが何だか奇天烈に感じたわけじゃ。
気になったワシは現場に行ってみることにした。
このあたりは路駐なんてできる幅の道路はなく、クルマをどこに停めようかと一瞬悩んだが、幸いにしてすぐ近隣にはABCというパチ屋がある。
ワシはパチンコは大嫌いじゃから一切やらないため[1]そのようなギャンブル場の敷地には足を踏み入れたことはないが、今回ばかりはちいと利用させてもらおう。
代償として、パチンコをやる代わりに今度敷地内にある寿がきや[2]に行って餃子でビールを飲ませてもらえば充分じゃろう。

パチ屋もそれに群がる人物も大嫌いなんじゃけれども、今回は流石に一般のパチ屋客の迷惑にならんようできるだけ店舗から離れたスペースにクルマを停めさせてもろうた。
クルマを降りたワシは、パチ屋の広い敷地を横切り現場に向かった。
所在地である中区葵西6-1-43まではパチ屋からは数分の距離で、難なく着いた。
しかしその辺にはやはり木工旋盤同好会なる看板もなければ、旋盤が回るブンブンというような音も聞こえてこない。
木工旋盤同好会があるはずの道は袋小路になっておるんじゃが、行き止まりまで何回か往復してよく観察してみたんじゃけどもやはりわからん。
本当にその通りに面した建物はすべて一般のお宅、住宅であり、木工とか旋盤とかに関わる雰囲気を持つ建築物は皆無じゃ。
と、一人の爺さんがにこやかな感じでワシに声を掛けてきた。
「どこかお探しですか」
これは、道に迷った哀れな初老を助けてあげようという意思が5%、残りの95%は「不審者を誰何する」に間違いない。
まあ確かにそうじゃ。
見たこともない初老の男が通り沿いにある家を覗き込むようにして一軒一軒確認しとるわけじゃから、ワシとて逆の立場じゃったら不審に思うじゃろう。
(え、いやそのですね。ワシは怪しいものでは決してございません)と心のなかで訴えながらワシは正直に、
「えっと、実はこの近所に『木工旋盤同好会』というのがあるのを地図で偶然見つけまして、興味があったんでどんなところか確かめに来たんです」
「は?木工…?なんですか、木工、旋盤…?」
「はい、『もっこうせんばんどうこうかい』、です」
「うーん、しらんなあ。ここは見ての通り住宅地だし」
「そうですよね」
「工場ではないけど、この横には会社はある」
「はい、キーストンですね」
「そう。でもそれではないんだね」
「キーストンじゃないです。木工旋盤同好会です」
キーストンとは、まあ無理やりまとめれば建物屋とか不動産屋じゃ。
木工とは若干関係しとるかも知れんが、旋盤とは無縁じゃろう。
「この通りの一本北側の通りにはなんか会社だか何だかがあるけど、あれは工場じゃないしなあ」
「ううむ、そうですか。すみません、ありがとうございました」
ワシはその爺さんに礼を申し述べて、でも一応その「一本北側にある」という建物も確認してみたが、2階建ての建築物があり今は空っぽの様子で目的としているものではなかった。

結果から云うと要するに、現地には木工旋盤同好会の建屋そのものはもちろん、それを匂わせるようなものを全く見つけることは叶わなんだ。
謎じゃ。
もう少し調べてみよう。

[1]
正確に言うと過去には少し楽しんでおった。
1992〜1993年のあたりじゃな。
正確には覚えてはおらんが、ヒコーキ台からフィーバー台に移行した時期で、要するにパチンコの射幸性が次第に問題になり始めた時期に少しやっておったが、何が面白いのかが全くわからずすぐにやめた。
ただ、トータルで3000円か4000円は勝った状態でやめており、それがワシの誇りじゃ。
アマチュアでパチ屋に損害を与えた状態で現役引退したという人物はそうはおるまい。

[2]
一般的な「スガキヤ」ではなく「寿がきや」。
多くはパチ屋の店舗内店舗であり、単価もかなり高いのが特徴。
メニューも普通のスガキヤとは異なっていて、餃子やビールも提供しとる。
今日、敷地を横切ったときに客入りの様子を伺ってみたが誰もいなかった。

天然温泉きらら(1)

先週金曜日、武漢ウイルスが三度猛威をふるい出した最中ではあるが、四国は香川県高松市にどうしても行かねばならん所要が出来たため行ってきた。
(この旅の帰着後に関西や関東中心にかなりよろしくない状況になったので、結果論じゃけどこのタイミングで良かったかも知れん)。

これは本論には関係ないが、今回は行きはクルマ、しかもいつもの真っ黄っ黃なスイスポくんではなく軽自動車、まあ告白すれば中古のワゴンRであり、走行距離550kmにも渡る旅路は決して楽ではなかった。
特に恐ろしかったのが淡路島から徳島に渡る大鳴門橋じゃ。
差し掛かるときには既に夕刻すぎであり、ワゴンRのハロゲンライトはあまりに暗い。
その上かなりの強風で、背が高くて車重の軽いワゴンRは自然の風だけでもかなり揺れたのじゃが、かてて加えて追い越し車線を走る大型車が起こす風に巻き込まれて安定して直進できん。
60km/hでも危険を感じるほどじゃった。
軽くとも重心が低くパワーがあるワシのスイスポくんじゃったら、大分に楽じゃったろう。
改めてスイスポくんはありがたいなあと思った。

まあそんなことで、目的地に到着したときには疲労困憊とまでは云わぬともまあまあ疲れておった次第じゃ。
普段ならそのまま酒に突入するんじゃが、長距離慣れぬ道を走ったおかげで全身に強張りが目立つため、酒より前に大きな浴槽でゆっくりしたいと考えた。
そこで行ったのが天然温泉きらら(てんねんおんせんきらら:香川県高松市一宮町800-1:087-815-6622:¥700:6:00〜24:00:駐車場潤沢:宿泊できます) というところじゃ。
ここを選んだのは特に理由はなく、その日の宿泊場所から近いのと、天然温泉を標榜しとるというただそれだけのこと。
知らぬ土地ゆえたくさんの候補から厳選したとかそんなことはまったくないわけじゃ。
行ってみると、武漢ウイルスの影響なのか時間のせいなのか(19時位じゃった)普段からそうなのかは判然とせんが、駐車場に停めてあるクルマの台数に比して館内はさほど混んでおらん印象じゃ。
券売機で入浴券を購入し、広々とした脱衣室に行ってもそんなに人はおらず、混雑を恐れておったワシは一安心した。
浴室も非常に広く、浴槽も数多いので入りたい放題。
泉質については、施設の人に怒られるかも知れんがあまり特徴的ではない。
メタケイ酸が豊富とのことじゃが、現場で温泉分析表を見つけることが出来ず、公式サイトにも載っておらんのでどの程度豊富なのかは不明じゃけども、泉質を求めてここに来てもがっかりするかも知れん。
ただ、既述の通り広くて浴槽の種類が実に豊富なので、混雑感がかなり低くて落ち着いて入れるのがいい。

それ以上にワシが一番気に入ったのは、循環の方式じゃ。
一般的には浴槽内で回収したお湯を浴槽内で戻すという方式が多く、これだと浴槽の縁を越えてお湯が流れ出すことは当然ながらありえない。
しかしここは、浴槽の縁上部からオーバーフローさせたお湯を下で受けてそれを循環させるという方式。
どちらも循環させとることには変わりはないが「掛け流し」気分が味わえるし、お湯の汚れ(頭髪や垢など)はプカプカ浮いとることが多いから、掛け流して下で受ける方式のほうがよりお湯は清潔じゃろうと思われる。
これらのことを考えると、700円という値付けは大変に良心的じゃろうと思う。
泉質の件にしても、近隣の人が足繁くここに毎日通うとして、その理由は「泉質がいいから」ではありえない。
毎日、いつでも行けて広々してて、たまには併設のレストランで風呂上がりの一杯を楽しめるといったことのほうがより重要じゃ。
普段遣いする入浴施設に泉質の高さは不要じゃろう。
前回のポストでも同じようなことを書いたんじゃが、泉質を求めるならどうぞそういうところに行って下さい、じゃろうよ。
更にここは、昔よくあったヘルスセンターの如く宿泊が可能じゃ。
広間にごろ寝ではなく、ちゃんとしたベッドで泊まれてしかも安い。
飯も豊富じゃから、ワシが地元民じゃったら金曜の夜来て風呂入って酒のんでそのまま止まってしまうかも知れん。
以上、たまたま行った天然温泉きららじゃったが、存外いいところじゃったよ。



温泉銭湯コスパ算出表
泉質ポイント
1.5
風情ポイント
2.5
やぎさんポイント
0.0
入浴料
700
温泉コスパ
0.6

2020年11月23日月曜日

温泉に行かない日(462) お好み焼き さわ田のメニューが凄くなってきた

お好み焼き さわ田(静岡県浜松市北区引佐町渋川4131-1:053-545-0160:営業は土日のみ:11:00~18:00:お好み焼きが¥350から)と云えば知る人ぞ知っとる安くて美味しいお好み焼き屋さんであり、それよりも何よりもかわいいやぎさんがおるのでワシがお気に入りの店の一つじゃ。
もう何度も行っておるのでご主人や奥さんにもすでに顔なじみであり、お好み焼きで使うキャベツの外側の使えない葉っぱや芯などをやぎさんたちに食べさせるために貰い受けることも毎度のことじゃ。
で、先日。
ちょっと時間も空いたし久しぶりにお好み焼きが食べたくなったので行ってみた。
いつものごとくまずやぎさんたちに路傍の草を引きちぎって上げたりしてひとしきり遊んでから、ワシは普通のお好み焼きを頼んだ。
常連客が手作りしておいていったという蒟蒻を使ったおでん(特別価格0円!しかもふんわりしとってたいへんうまい。寿司にして食べたいくらい)を勧められるままにかじりつつ、ふと壁を見るとこんな掲示が出ておるのに気づいた。

値下げ決行!
それはいいとして、ん?
この店、ラーメンなんか出してたっけ?
© ill-health(ruephas) 2020

まず、焼きラーメン(焼きそばではない。焼いとるんじゃが普通のラーメンの味がする不思議なメニュー)が値下げられとるのが目を引く。
ここのメニューはどれもこれも大変安くて、今しがたワシが頼んだお好み焼きも焼きそばも盛りが良いのに350円というとんでもない安さであり、もう少し値上げしたらどうじゃろうかと思っとるくらいなので、これは驚いた。
更に、新メニューとして「塩タンメン」と「キムチチゲラーメン」が登場しとる。
へえ、と思って、
「あれ、なんかラーメンも始めたんですか。それだったらそっちを頼めばよかったなあ」
と奥さんに声をかけると、
「別にええねん。次のときでもええし、次の時かて無理して頼まんでもええし」
等と云う。
ちなみにご夫婦は関西方面出身じゃ。
しかしこれはもしかしてアレかも知れん。
旦那さんが提案し実行した新メニュー提供に対し、何らかの理由で奥さんが強硬に反対しとるのかも知れん。
それが原因で夫婦の雰囲気がギスギスしとるのかも知れん。
これはいかん。
そんなことが原因で店を畳まれたらワシが困る。
ワシも困るし、最近この店はバイク乗りに人気のようで、遠くから来るバイク乗りの人達も困るし、近所の人たちも困るじゃろう。
モーニングもやっとるみたいだし、持ち帰りの方も結構繁盛しとるから。
じゃからワシはこの店の危機を何とかすべく、
「いや、でも折角の新メニューだし、次回はどっちか食べてみようかな」
と云ってこの険悪な状況を打開しようと試みた。
「それやったら別にええけどなあ、別にこのラーメンにこだわりなんか全然あらへんからなぁ。なあ、そうやろ?」
最後の「なあ。そうやろ?」と云うのは、奥さんが店主である旦那さんにかけたものじゃ。
これはダメだ。
すでにもう救いはないかも知れん。
ダメかも知れん。
ああ、ジーザス!
すると旦那さんは焼きそばを焼きつつ、
「こだわり?そんなん全然ないわ。美味しいの食べたかったら街場の旨い店行けばええねん」
は?
何だこの人達は。
「そやねん。だからどっちでもええで」
いや、変わった人たちだなあ本当に。

まあどっちにしても次回はこの「こだわりがないラーメン」を試してみようと決めた次第じゃ。
もしあれなら、メニュー名も「こだわりがまったくない塩タンメン」とか「こだわりなんてものから無縁のキムチチゲラーメン」とか、こだわりのなさを全面に出せば名物メニューになるだろうに。
でも、その提案をするのはワシはやめた。
返事は多分、
「こだわりあらへんから、名前なんてどーでもええねん」
に決まっとる。

ちなみにいつの間にかお酒も少し充実しておって、従来からある生ビールや酎ハイに加えて、カップ酒も登場しとる。
更には焼酎のボトルキープもしとるようじゃ。
それらを飲んでから、シメに塩タンメンを食ってみたいものじゃ。

2020年11月14日土曜日

温泉に行かない日(461) 君はラバーダムを知っているか?

今年も銀杏の季節がやってきた。
ワシが好きな三嶋神社(静岡県浜松市北区細江町中川347)では毎年この時期、神社の御神木である「なかよし銀杏」から取れる銀杏を無料で分けてくれるので今日も行ってみた。
ちいと早いかなと思ったんじゃが行ってみると毎年の如く、拝殿前に備えておるプラケースの中にはすでにビニール袋に入った銀杏が納められておった。
銀杏の実の処理には大変手間がかかると聞いておるので、無料ではなく毎回幾ばくかのお賽銭をお供えさせてもらっておるのは云うまでもない。

さて、今日は大変いい天気で暖かくのんびりした気分になったため、参拝及び銀杏の実の受領を終えたワシは、堤を挟んで南側を流れとる都田川のあたりを少し散歩してみようと思いついた。
堤の上の道を上流に向けて歩いとると、都田川の中に何かの構造物があるのに気づいた。

© ill-health(ruephas) 2020

藪から棒な感じで、川の中に橋脚のようなものがある。
その下流側は、板チョコのような感じでコンクリートブロックのようなものが敷き詰められとる。
ここの三嶋神社には結構な回数通っておるが、このようなものがあるのには今日はじめて気づいた。
最初は「橋を作りかけたんじゃがなにかの事情で途中でやめたので、結果として橋脚だけが残っとるのか」と思ったんじゃが、一方で利水施設のようにも見える。
川っぺりには簡単に降りることができるので、傍に行って見てみた。

© ill-health(ruephas) 2020

降りてみると板チョココンクリートブロックは結構数多く設置されておる。
それが見事な幾何学的模様を生み出しておる。
ワシはそれを見て何故か、何年か前に訪れた龍宮閣(静岡県熱海市田原本町1-14:0557-81-3355)の浴室床のブロック模様を思い出した。

これ多分iPhoneじゃなくて
ガラケーで撮影してますね
画質及び撮影の腕ともに低レベルで悪かったな
謝るワイ
© ill-health(ruephas) 2020

歩いて渡るには実に適切な間隔でブロックが設置されとるので、まずワシはぴょんぴょんと歩いて向こう岸まで行ってみた。
ブロックの間を流れる川の音が誠に心地よい。
なんだか楽しいぞ。
しかし向こうに行ったきりではおられんので、ワシは元いたところまでぴょんぴょんと歩いて戻り始めた。
その途中で橋脚状のものの近くまで行ってよく観察してみたら、橋脚には何か幅の広い布状のものが取り付けられておることはわかった。
で、それはワシがさっきまでおった岸のコンクリ壁にまで続いておるようじゃ。
もしかしてこれはダムの一種かもしれん。
その幅広の布は普段は沈んでおるが、何かの事情があればその布が縦に起きて水をせき止めるとか。
しかし、水の力は大変に強い。
布ごときであの川の水をせき止めるのは無理なように思える。
となると、流れてくるゴミを引っ掛けて川の水をきれいにするとかかなあ。
結局なにかわからんまま戻り、今度は堤の上から橋脚状構造物を真横から眺めてみることにした。
と、こんな掲示があるのに気づいた。

何だと!?
ここで遊ぶなだと?
もうすでに遊んでしもうたワイ
謝るワイ!
© ill-health(ruephas) 2020

ん?
ラバーダム?
なんじゃラバーダムって。
でもわかるぞ。
多分、あの布は布ではなくてラバーであり、なんかのときにはぷ〜っと膨らませて水をせき止めるんじゃなかろうか。
多分そうじゃろうとは思ったが、なにせこんなのは初めて見るから確信は持てん。
しかもじゃ。
危険ですから
せき(ラバーダム)で遊ばないで下さい
浜松市
などと書いてあるではないか。
これはいかん。
ワシはつい今しがた、まさに堰で遊んでしもうた。
これは迂闊じゃった。
すまん謝る、悪かった浜松市の人。
もうしません。
それはそれとして、なんとなくわかってきた。
で、ふと逆側を見ると何かの小屋が建っておる。


出入り口の横には錆びた銘板のようなものがあり、そこには「瀬戸堰操作室」とある。
なるほど、都田川にあるあの構造物はどうやら瀬戸堰(静岡県浜松市北区細江町中川355−2:地図から住所検索での検索結果)という名前で、堰じゃから要するにダムで、この小屋はダムの操作、つまりラバーの袋に空気を送り込んだり抜いたりする操作をする目的であるんじゃろう。
また、小屋の横にはこのようなものもあった。


書き写してみよう。
瀬戸堰の主要諸元
 堰高:2.30m
 堰長:24.50✕2連
 形式:空気膨張式
 自動倒伏水深:2.76m
 設計内圧:0.3kg/cm
 倒伏起伏時間:約30分
 起立方式:ブロワー(モーター式)
 ゴム材料:特殊耐候性合成ゴム
 ゴム引布の引張強度:430kg/cm
 ゴム引布の厚さ:5.5mm
 転石損傷防止対策:クッション材40mm
 工事期間:平成3年度〜平成5年度
 施工 上部工:住友電気工業株式会社
 施工 下部工:株式会社細江中村組
やはりそのようじゃ。
となるとやはりワシとしては、今のように水の底でぺっちゃんこになっとる状態ではなく、雄々しく立ち上がった状態のラバーダムが見たい。
更にじゃ。
更に欲を云えば、今まさに雄々しく立ち上がりつつあるラバーダム及び、役目を終えて今まさにしょぼんとなりつつある、そういった現在進行形のラバーダムを是非みたい。
我が阪神タイガースが日本一になるよりは、見ることができる可能性は高そうじゃから、何とか情報を集めて見てみたいものじゃ。
蜘蛛の巣の世界を探すならば、パンパン膨らみ、水をせき止めておる雄々しい瀬戸堰の姿が容易に見つけられるじゃろうから、ぜひ見てみなされ。

おまけに、三嶋神社のなかよし銀杏と銀杏の今日の様子も掲載しておくじゃヨ。

少し黄色がかってきてました
© ill-health(ruephas) 2020

気持ちと感謝のお賽銭を
忘れずにね
© ill-health(ruephas) 2020


 

2020年11月13日金曜日

温泉に行かない日(460) Facebook・垢BANの恐怖②

暫く間が開いてしもうたが、Facebook(FB)の倉真赤石温泉ページ、と云うか正確にはその親アカウントである会長の娘さん垢BANの顛末について書いておこう。
結果から云うとかなり竜頭蛇尾な感じじゃった。

垢BAN食らった翌週、出来れば倉真赤石温泉に行って現場で回復作業をしたかったんじゃが所要があってそれは叶わず、取り敢えず電話での遠隔操作、要するに会長の娘さんに電話であれこれ指示してなんとかしてみようと思った。
一般的な対応方法については蜘蛛の巣の世界で事前に確認しておいた。
簡単に書くと、取り敢えずFBのログイン前ページまで行き、そこにあるヘルプからいわゆる異議申し立てフォームに必要な事項を入力し、異議申し立て者が本人であることを証明できるもの、要するに運転免許証などの写真を送付すれば、無罪の場合は何日かするとアカウントが回復しているというものじゃ。
この程度であらばわざわざ現場まで行かずとも電話でことが済むかもしれん。
しかし明け透けに申し上げて、娘さんはこの手のリテラシが備わっておるとは思えん。
その点が不安じゃが、まあやってみよう。

ワシは電話した。
「まず取り敢えずは免許の写真撮って、PCに転送しといてください」
「うん。してある」
「で、PCでFBのログイン前ページに行ってください」
「はい」
「ページの下の方かどっかに、ヘルプとかヘルプセンターとかって書いてあるとこありません?」
「えー、わかんない。どこ?」
本当はワシも同じ画面を開きながらのほうが具体的に指示できるんでそうしたかったんじゃが、一度ログアウトすると再ログインするのが面倒、つまりログインパスワードを忘れてしまっておるからその方法は諦めたわけじゃ。
「多分、ちょっと小さい字でね、大抵画面の下にあると思いますよ」
「うーん、あ、あった。これか。ヘルプセンターね」
「それですね。それをクリックしてくれますか」
「うん」
「で、表示されたページをスクロールしてったら、どっかに『アカウントが停止した』とかいうような事が書いてるとこあるでしょう」
「うーん、待ってね、アカウント停止アカウント停止…、か。あ、ありました」
「ありましたか。更にその辺に『異議申し立て』のフォームとか何とかって書いてるところがあるんですけど」
「はいはいあります」
「そこになんだろ、名前とかメールのアドレスとか電話番号とか書くようなところがあるんでその辺の必須になってるのを全部入力して、最後にさっき撮った免許証の写真を添付して送信すれば何日かしたらアカウント回復するはずです」
「え、でも、写真を添付するようなとこないよ」
「いやいや、あるはずです。よく探してください」
「いや、ないです。その代わりなんだろ、これなんだ?えっと『これらの写真の中に橋が写っているものを選んでください』みたいなのが出てる」
「は?」
ははあ、これはあれですね。
歪んだ数字とかアルファベットが表示されてて、それを読ませて入力させるとかいうその手のやつじゃな。
私は機械ではなく、生身の人間ですってFBの中の人に伝えるための手続きじゃろう。
「あ、なるほど。じゃあ選んでください」
「うーん。6枚あるって書いてるんだけど、4枚しかない。あ、これもそうか、でも1枚足りない。5枚しかない」
ワシは自分のことでもないのに何故か焦りを感じたと云うか歯ぎしりをしたくなった。
しっかり探しなさいよ、もう。
「いや、あちらさんが6枚あると云ってるんならあるはずです。根性で探してください」
「うーんわかった。探すから待ってね、橋、橋、うーん。あ!あった、これだこれだ。これは橋かな、ま、いいや選んじゃえ。あ、OKみたい」
ワシは非常に安堵した。
「そりゃ良かった。で、どんな感じになりましたか。下調べでは写真送って終わりで、今やってるようなことをやるなんて情報がなくて、俺も様子がわかんないんですよ」
詳しくは忘れてしまったんじゃが、あと1回か2回、同じような感じの作業を求められた。
で、全部終わって何かのボタンをクリックしたら、
「あ。私のページが出てきたよ」
「ああ、すぐに垢BAN解除されたんですね。そりゃあ良かったねえ」
「ああ良かったですよ。もうどうなるかと思って。私だけじゃもうどうしようもないから助かりました」
「いえいえ」
ということで、娘さんのアカウントは無事回復し、それにリンクして倉真赤石温泉のページも閲覧可能な状態になったわけじゃ。

現在、倉真赤石温泉のFacebookページは全く問題なく誰でも閲覧できる状態になっとる。
温泉の情報や、その他の投稿もぼちぼちするねとの決意表明も聞いておるから、是非見に行ってあげてくだされ。
あと、前回のポストでは「FBで予約を受け付ける」というような事を書いたんじゃが、若干の運用上の課題があり、それをクリアしなければならないことがわかったんでまだ開始しとらん。
当面は、前日までに電話をして予約をとる方法が継続する予定じゃ。
当日電話して、もし空いとれば入浴可能じゃよ。

2020年11月3日火曜日

やぎさんが好き!(35) 釜炒り茶 柴本

先日の夜、帰宅後に酒飲みながらテレビを見とると、牧之原市の茶農家のことを伝えとった。
この手のブログには政争の具になるようなことは控えるべきじゃとは思うが、そのニュースの本幹は要するに、リニア新幹線によるトンネル掘削によりお茶を育てるのに必要な水が枯渇するから反対するというもので、まあその件についてはそれぞれの判断に任せるべきじゃろうとは思う。
ちなみにワシは、鉄分が高めであるのにも関わらず反対じゃ。
あんな宙を飛ぶような浮足立った電車に乗れるもんかい。

閑話休題。
そのニュースをぼぉ〜と眺めとると、なんだかしろやぎさんが茶畑のような場所で歩いとって、べへいとなきながら何かを食っておるではないか。
ワシは盃に満たされた酒を口に運ぶという作業を一旦中断しその画面に見入った。
なんでもその茶農家の方は「やぎさん農法」というのを実践しとるらしい。
やぎさんという単語を聞いて気持ちが焦っておったんで詳しいことは聞き取れんかったが、その茶農家の名前だけは何とかわかった。
釜炒り茶 柴本(かまいりちゃしばもと:静岡県牧之原市勝俣2695:080-5295‐7196:駐車は少しシビアでお店の下にある道路横のスペースに停めていいみたいです) という名前のお茶屋さんのようじゃ。
ワシはすぐに行こうと心に決め、ニュースを見たその翌日には真っ黄っ黃のスイスポくんを駆って牧之原に急行したわけじゃ。
現地近くに行き、なんとか駐車スペースを見つけ出してクルマを降りると「大地の茶の間」と書かれた掲示物が置いてある。
その中には小さくやぎさんが描かれておる。
お、これはいいぞと思い、店があると思しき坂の上に行くと、釜炒り茶の幟旗が何本か立っておる。
しかし人影はない。
庭先には電気式の呼び鈴が置いてあり「御用の方はこの呼び鈴のボタンを押してください」と書いておるので、ワシはボタンを押してみた。
しばらくするとお宅から女の子が出てきた。
ワシは、
「えっと、ここでお茶買えるんですか」
と訊ねると、
「え、はい、えっとちょっとまってください」
と一旦引っ込み、年配の女性を連れてきた。
ニュースで見た店主さんは結構若く見えたが、それからするとこの方は多分お母様と思われる。
「実はネットで見かけましてね。美味しいお茶が欲しくて来たんですよ」
とお願いすると、
「いやあ、種類も値段も全部知っとるからお売りすることはできるんですけど、どうせ買うならいろいろお茶のことを聞きながらのほうがいいでしょう」
と云われてなるほどなあと思いました。
お母さんは表に出てくる前に電話で店主さんを呼んでみたらしいんじゃが、電話には出てくれんかったらしい。
売らないことが素晴らしい対応になることもあるんじゃな。
ワシが再訪すればいいだけのことじゃ。
「ああなるほど、わかりました。なら改めて伺います」
「すみませんねえ」
「えと、あと、これもネットで書いてあった『やぎさん農法」というのが気になりまして」
「ああ、やぎさんね」(こう云ったあと何故か笑ったんじゃが何でじゃろうか?)
ワシは少しく力を込めて返事をした。
「はいそう、それです。やぎさんです」
そう、問題はやぎさんじゃ。
「大抵はここの少し西側の青い建物の横か、下の田んぼにいますよ」
と教えてくれた。
お母さんには丁寧にお礼を申し述べ、ワシはまず少し西側に行ってみた。
青い建物の横には小さいお茶畑に囲まれた空き地があって、いかにもやぎさんがいる雰囲気はあるが実物はおらん。
じゃあ次は下の田んぼを確認すべきじゃろう。
下に行ってみたが、周りは田んぼではなく牧之原らしいお茶畑ばかり。
田舎の人はクルマで行くべき距離の場所を説明するときに「下の田んぼ」という云い方をすることもあるので、多分少し遠方なのかもしれんと思った。
これは駄目かもしれん。
とは云っても、諦めきれん。
茶畑がある辺りの逆側(西側)に行くと、視界の端に刈り取ったあとの田んぼが見えてきた。
「お!」
と思いそっちの方に小走りでかけていくといた。
年甲斐もなく「あ!おったおった」と叫んでしまったほど嬉しかった。
叫ぶワシに気づいて、2匹のしろやぎさんはこっちをじーっとこっちを観察しとる。
こっちをじっと見ながら「べへい、べへへい」とないておる。
こりゃいいなあ。
ワシは田んぼの畦道を荒らさないように歩いてやぎさんたちの近くまで行った。

田んぼの草をもりもり食べとるな
© ill-health(ruephas) 2020

おっぱいがあるとこ2匹ともめすやぎさんじゃ。
食欲旺盛なしろやぎさん(ザーネンですかね)で、このこたちが美味しいお茶生産を支えとるな、えらいぞと思って頭を撫でようとしたら、
「こらこら他人が安易に手を出すんじゃないよ」
と言わんばかりに素早く軽く頭突かれました。
上の写真の角がない方がやや攻撃的で、角がある方が気持ちが柔らかいように見える。
もちろんどっちがいいとか悪いとかという話ではなく、やぎさんそれぞれの個性じゃからどっちでもよろしい。
名前こそわからんやぎさんたちじゃけども、牧之原のお茶づくりを支えてほしいもんじゃと思ったよ。
また行くぞお。
今度はやぎさんデザインパッケージの釜炒り茶も買って帰ろう。

© ill-health(ruephas) 2020

© ill-health(ruephas) 2020


© ill-health(ruephas) 2020


 


2020年10月24日土曜日

温泉に行かない日(459) Facebook・垢BANの恐怖①

温泉絡みの件でこのタイトルを用い書くのは、前回に引き続き2回めじゃ。

さて、垢BANの恐怖に関しては以前何回か書いとるわけじゃが、最近その恐怖と理不尽さをまざまざと感じることを倉真赤石温泉 を舞台に実体験した。
10月17日、久しぶりに倉真赤石温泉に行き、相変わらず素晴らしい温泉を味わったわけじゃが、その日はそれ以外にも目的があった。
それは、鈴木会長の娘さんから「Facebook(以後「FB」)か何かを使って、若い人にこの温泉を少しづつ知らしめたい」と以前相談を受けておったからじゃ。
それを何とかするというのも今回来訪の目的じゃ。
娘さんときたら、パソコンまで新規購入しておってやる気満々じゃ。
剰えWi-Fi環境まで整えとった。
風呂から上がって、早速娘さんがFBやりたいことを確認した。
それは、
  1. ここの温泉の情報を発信して色んな人に知ってほしい
  2. 出来ればそれにより来てほしい
の2点。
また、倉真赤石温泉ではコロナの影響で事前予約制を導入しており、原則前日までの予約が必要となっとる(当日問い合わせて空いとれば、もちろん入れるヨ)。
この予約管理が結構面倒なので、FBじゃなくてもいいんだけど何かシステム的にすることが出来れば嬉しいといっておった。
予約についてはFBでできるかどうかの知識を持ち合わせておらず(後で可能であることが判明)、まあ一般的にはEPARKなどの有償サービスを使う必要があるじゃろうと伝えた。
金まで払ってやることでもないと思ったんで、FBでは取り敢えず、
  • 温泉の魅力の発信
  • 予約枠の埋まり具合の情報の発信(休日前日に、翌日の情報を発信)
から始めて、予約などについては娘さんにある程度PCやネット関係のリテラシが身についてきたら検討しようということにした。

皆さん御存知の通りFBアカウントなんてのはすぐに取れる。
まっさらのPCを開いてFBサイトに移動し、娘さんのアカウントを問題なく取得した。
最低限のアカウント情報を入力した後、返す刀でFBトップページから、
「作成→広告→ページの作成」
と遷移し、倉真赤石温泉のページも問題なく作成できた。
知識のない人には難しそうな写真関係の設定だけしてあげて、詳しい情報については娘さんに後ほど入力してもらうことにした。
ワシとしては、このようなページを作るのはもちろん初めてじゃから入力が必要な項目がもれとらんかとか、個人用ページとは異なった機能の有無などをばぁ〜っと確認しておった。
そうしたらあなた、ページには何と予約を受ける機能を実装しておって、まあこれは流石に簡便ではあるものの無償で利用できることがわかった。
標準では30分刻みなんじゃが1時間枠に変更できるし、まさにこれで必要十分。
ページの管理者には誰が予約したがはわかるが、一般の人には予約状況(埋まっとるか空いとるか)のみが表示され、予約者の名前
そのへんの設定も行い、実際に予約が入るかどうかのテストも行い問題ないことを確認した。
「いやあ、こりゃやりたいことが全部できちゃったねえ」
と娘さんと喜び合い、ワシも満足して温泉をあとにし、帰宅して酒のんどったわけじゃ。

で、ダラダラ酒のんどると、娘さんからLINEでこのような写真が送られてきた。

実に無味乾燥な通告
© 倉真赤石温泉

「こんなものが出たんだけど、大丈夫かしら」
写真では見づらいので、書き写してみよう。

------------------------------------------
あなたのアカウントは停止されました

アカウントまたはアカウント上のアクティビティがコミュニティ規定に違反していると判断されたため、Facebookをご利用いただけません。

アカウントが誤って停止されたと思われる場合は、手順に従って審査をリクエストできます。

アカウントが停止された後、30日間は審査をリクエストできます。リクエスト可能な期間は残り30日です。
------------------------------------------

ははあ、こりゃ垢BANだな。
まあ正確に云えば垢BAN(アカウントの削除)ではなく「アカウントはあるが使わせてもらえない」状態なんじゃがここではわかりやすく「垢BAN」「BAN」などと表現しよう。
しかしわしゃ実物を初めて見た。
こんな感じなんじゃな。

やあ、しかしこれはなんじゃろ、噂通りじゃなあ。
なぜ垢BANされたのか理由は一切書かれてない。
娘さんのアカウントはさっき開いたばかりでアカウントそのものが問題とは思えないし、何のアクティビティもやっておらん。
FB様が宣っておるようなヤバいことは愚か、ヤバくないことさえ何もしておらん。
しかしFB様は、
「を、オマエ。何かおかしなことをしやがったな」
「今後も使いたかったら試しに審査してみろ」
「運が良ければ再開を許可してやる」
文面は丁寧じゃが、慇懃無礼。
かなり右斜め上からの通告じゃ。

BANされたアカウント(大元の娘さんアカウントじゃ)でやったことといえば、
  • 個人アカウントを作成した
  • その後すぐに広告ページを作った
  • テストのために、個人アカウントを用いてダミーの予約をいれた
これだけじゃ。
逆にやらなかったことといえば、
  • 個人アカウントページにも広告ページにも詳しい情報を入れなかった(後回しにした)
  • (多分じゃが)個人アカウントの方は公開していないか公開範囲を狭めにしているかもしれない
案外こっちのほうが問題だったかもしれない。
しかし理不尽だろうがなんだろうが、停止処置を食らってしまったのは現実であり、本日より30日以内になんとかしないといけん。
ワシは取り敢えず「できるだけ早めに来訪するから、それまでは放っておいてください」と娘さんに伝えて、次の休みに時間があれば行ってみようかと考えたわけじゃ。

以上が10月18日の顛末じゃ。


2020年10月18日日曜日

温泉に行かない日(458) たまごふわふわの真実

やあ、投稿の感覚がだいぶ開いてしもうた。
毎日毎日をダラダラ過ごしておったからじゃが、感覚が開こうが1日に10ケ投稿しようがワシの勝手じゃから許され理。

ところで「たまごふわふわ」なる料理がある。
やや奇天烈な名前じゃ。
あまり有名ではないような気がするが、ワシが知らんだけで案外有名なのかもしれん。
語感からするとなんとなくお菓子なイメージを持つがそうではなく料理らしい。
熱い出汁汁の上にメレンゲ状にした卵をふわりとかけたものとのことじゃ。
気になっとったから是非食いたいと思い、どこで食えるか調べてみた。
たまごふわふわというのは静岡県袋井市の郷土料理らしく、袋井市観光協会の公式サイトを見ると何店舗か紹介されとった。
  1. 袋井温泉 和の湯(ふくろいおんせんやわらぎのゆ:静岡県袋井市諸井2022-3:0538-23-1500:10:00~23:00:入湯料¥1000:レストランは11:00〜でレストランのみの利用も可能:年中無休:ふぐ入りたまごふわふわは¥600)
  2. 居酒屋 どまん中(静岡県袋井市袋井314-6:0538-43-8858:17:30~24:00:定休月曜:たまごふわふわ¥350+TAX)
  3. 遠州味処 とりや茶屋(静岡県袋井市高尾町15-7:0538-42-2427:11:30~14:00・17:00~21:30:定休月曜:駐車場5台:たまごふわふわ膳¥2500)
  4. 山梨屋 寿司店(静岡県袋井市高尾町24-9:0538-42-2422:11:00~14:00・17:00~20:00:定休水曜:たまごふわふわ¥350:駐車場2台)
  5. 名代手羽先唐揚 おとうちゃん(静岡県袋井市高尾町12-5:0538-44-1110:17:00~23:20:定休月曜:たまごふわふわ手羽先入¥440)
  6. お食事処 山田(静岡県袋井市豊沢2750:0538-42-2057:10:00~15:30:定休木曜:1月~2月上旬及びイベント時はお休み:たまごふわふわ¥350:ただし休日はたまごふわふわは出してません)
この他に創作系の店舗が3ヶ所ほどあったが、先ずは伝統的な味を体験したいので今回は検討から外した。
ワシは熟考に熟考を重ね、悩みに悩んだ末、結局「1」の和の湯に決定した。
休日の昼間に比較的安価に試すことができるからじゃ。
和の湯は袋井ではあるが、その立地は磐田市寄りなのでワシんちからは比較的近い。
到着して検温を受け、手指消毒してレストランに行き券売機でたまごふわふわの券を買おうとしたワシは、なにも出来ずに券売機の前で立ち尽くした。
なぜかと云うと、券売機のどこにも「たまごふわふわ」のボタンが無かったからじゃ。
おかしい。
公式サイトのレストランのページでは、たまごふわふわが¥600とちゃんと書いてある。
券売機で売れる以上のメニューの数が存在する場合「別途現金でご注文ください」という感じのケースも有るため、券売機周辺に掲示されとる各種メニューを隅から隅まで眺めてみたが「たまごふわふわ」に関して書いてあるものはない。
これはもしかして、メニューとしてディスコンになってしまったのじゃろうか。
これはいかんぞ。
ワシは意を決して従業員のお姉さんを誰何した。
「ええっと、あの、そのあの『たまごふわふわ』ってあるんですか」
「あります。が、券売機にはありません」
「は?」
「ないです。券売機には」
「へ?ならどうしたらいいんですか?」
「たまごふわふわは600円です。普通なら別メニューの600円の券を買って『これ別メニューですけどたまごふわふわにしてください』といっていただければいいです」
「でもですね」
「はい、わかります。実はですね、600円丁度のやつがないんです」
「ないですね。ど、どうすれば」
「まあ落ち着いてください。ここに『ところてん¥300』があります。これを2枚買って頂いた上で『たまごふわふわ』とご注文いただければ」
「ははあ、なるほど」
隠しメニュー状態になっておるようじゃ。

兼を購入し、お姉さんに渡して待つこと10分程度。
遂に来た。

鉄鍋から溢れんばかりに盛られたメレンゲ状卵白
© ill-health(ruephas) 2020

これが「たまごふわふわ」じゃ。
金属製の平ための鍋にメレンゲ状の卵白が盛られており、横には取皿とレンゲが置いてある。
事前情報によれば、下の方には熱い出汁汁が満たされておって、レンゲを下の方まで突っ込み、出汁汁とふわふわをともに食すが良いとあったので、そうしてみた。
なあるほど、かなり熱々の出し汁と、非加熱のままでメレンゲにされた卵白がよく合う感じじゃ。
さらにここ和の湯は、温泉でトラフグを養殖しとって、このレストランでも安価でふく料理を提供しとる。
その料理の過程で出たふくのかけらを出汁汁に投入しとるものじゃから、味にコクがあるというか。
想像ではもう少しあっさりした味わいかと思っとったが、意外に美味しかった。
鉄鍋でしっかり熱しとるからなかなか冷めず、美味しさも持続するようじゃ。
これは熱い白飯にぶっかけて食してもなかなか行けそうと思われる。

満足して全部食べきり、帰途についたワシじゃった。
ちなみに温泉に来て温泉に入らず帰ったのは、多分今回が初めてじゃろうと思われる。

そして走り出して暫く、お腹の調子がゆるくなってきたのに気づいた。
あ、そうか。
ワシ、生の卵白とか熱していない牛乳を飲むと腹が下る体質じゃったのをすっかり忘れておった。
どうやら卵白にやられたようじゃ。
これはいかん。
帰り道に選んだのは国1バイパスであり、浜松市街に入るまではトイレがない。
トイレ場所までこの腹具合で耐えられるかどうかが問題じゃ。
さて、結果どうなったかは読者諸賢の想像におまかせするしかないじゃろう。



2020年9月21日月曜日

やぎさんが好き!(34) ㈱粂田鉄筋工業所

意外なタイトルじゃろう。
やぎさんと鉄筋工業所。
斬新なコラボレーションと言わざるを得まい。
㈱粂田鉄筋工業所(静岡県掛川市上西郷765-1:来客者用駐車場は表側に数台と奥に数台)という会社がある。
掛川の西郷と云えば、ワシが大好きな倉真赤石温泉(くらみあかいしおんせん:静岡県掛川市倉真赤石5986:0537-28-1126:予約制)に行くために国1バイパスを降りるとこじゃからしょっちゅう通るんじゃが、そこにそんな会社があることなんてワシは知らんし、そもそもその会社そのものそれ自体も知らん。
公式サイトを見るとかなり大きく、かつ、理念をしっかり持った立派な法人のようじゃ。
当社は通常の土木工事・建築工事における鉄筋の加工、組立工事はもとより、当社独自の技術を持って、特殊な加工・施工等、お客様のご要望にお応えすべく努力してまいります。
蜘蛛の巣検索で偶然見つけた場所じゃが、道路や建物を作るために鉄筋を加工する会社とやぎさんとの関連がどうもイメージできん。
イメージできんなら行くしかあるまい。
現場に着いてまずワシの目に突き刺さったのはこれじゃろう。

ピンク地に「やぎ」!
潔くワクワク感のある幟旗
堂々とはためいておる
via Instagram
© ill-health(ruephas) 2010

こんな幟旗はワシは見たことない。
ワシの胸を射抜いたわけじゃ。
さらにすぐ横の広場を見ると、幟旗に書いてあるとおり、やぎさんがおったよ。

白いしばやぎさんが2匹
わかりにくいが白黒のとからやぎさんが2頭
via Instagram
© ill-health(ruephas) 2010

もういい。
もうこれだけでいい。

これを書いとる今は21時過ぎで、実際ワシはだいぶ酔っとる。
じゃから、文章を書くのが好きなワシじゃとてもう面倒じゃから、兎に角写真だけ見て満足してくれろ。
あ、その前に、現地に行ったときにワシとやぎさんたちのために、わざわざビワの葉っぱをたくさん採ってきてくれたおっちゃん。
ありがとう。

ワシはおっちゃんが採ってきてくれたビワの葉をやぎさんたちにあげられて嬉しかったし、それをじゃんじゃん食べれたやぎさんたちも嬉しかったはずじゃ。
ありがとう。

ということで、基本「写真拒否」なこのブログにしては珍しく、Googleフォトのワシのアルバムリンクをまるごと貼るよ。
珍しく変な感じじゃが、これで勘弁してくれい。
酔っとるし眠いし、すまんことじゃ。

とは一旦思ったものの、流石にこれで終わるのは憚られる。
何故この会社でこのような金にならぬ事業(?)を行っとるのかが不思議なところじゃ。
唯一カネになりそうな取り組みは、

K-honeyすなわち粂田はちみつのことじゃろう
© ill-health(ruephas) 2010


はちみつ箱
© ill-health(ruephas) 2010

ミツバチを飼育してはちみつを販売しとる雰囲気があり、カネになると云えばまあこの程度じゃろう。

要するに社費を投入しての一種の社会貢献と思われるが、そのようなことならば会社の公式サイトに記載があると思い見てみたが残念なことに見当たらん。
やぎさん広場は公式か非公式かはわからぬが「KUMETA FARM」と呼称しておるようなのでそれをキーワードでググってみたけど、引っかかるのは大阪にあるはちみつ農園。
ならばとKUMETA FARM 掛川でぐぐってみたらば、関連する情報が載っとりそうなPDFを見つけた。

これじゃ。

見ると、9ページ目に「社会貢献」という章があり、そこには、
当社は地域とともに生きる企業でありたいと考えております。
とあり、取組事例として、
  • ★未就学児童による梅摘み体験★
     毎年の恒例行事となりました。(掛川中央幼保園)
  • ★KUMETA FARMの運営★
     地元の子供たちと動物との触れ合いの場を提供しています。
が紹介されとった。
詳しくはリンク先のPDFをご覧いただければよろしかろうが、本社敷地とその周辺環境を生かしてまさに本格的な地域貢献を進めておる会社のようじゃ。
俗物っぽい感想を繰り返し書くんじゃが、カネはかかれどカネにならんこのような取り組みを行う会社は、素直に大変に好感が持てる。
そう云えばワシが訪問したときはやぎさん広場の横にある工場からはなんの音もせず、最初は「廃工場を活用した地域貢献を行っとるんじゃろか」と思ったんじゃが、暫くすると社員さんたちが工場に戻り始めて活気のある雰囲気と変化した。
工場に入る若い社員さんに「こんにちは」と挨拶すればあちらからも気持ちよく(多分「何じゃいこの如何にも怪しいおっさんは」と内心思いつつそれを毛ほども表面に出さず)「こんにちは」と返してくれる。
要するにそのような社風ということなんじゃろう。

掛川近辺の皆様、ぜひお立ち寄りしてみたらいかがじゃろうか。

2020年9月20日日曜日

やぎさんが好き!(33) 石窯パン工房ちゃっと&手打ち麺処ごんべえ

武漢ウイルスの野郎のせいで、原則県境を超える移動は自粛しとる。
とは云っても、ワシの住んどる場所から西側すぐ近くは愛知県であり、愛知県東部の豊橋や豊川、もしくは新城と云ったエリアは目と鼻の先であり、かつ優れたやぎさんポイントや温泉銭湯が数多く存在する。
武漢ウイルスがある程度落ち着いて来た際にまず訪れたのも豊田市の白鷺温泉 白鷺館(しらさぎおんせんしらさぎかん:愛知県豊田市篭林町塩平21:0565-62-0151:¥800:日帰り11:00〜20:00:公式サイトはhttp且つFlash Player使っとるから用心してネ)じゃし。

やぎさんに関して云えば、新城に石窯パン工房ちゃっと(愛知県新城市中宇利三社五所33-3:0536-26-0383:原則水木土日祝営業じゃけど正確な情報は公式サイトを参照:駐車場は充分)というところが前から気になっとった。
ワシの事務所に出入りしとるヒト(素性が割れるため属しとる業界や個人名は書かないヨ)は自転車が好きで、よく新城方面に走りに行くらしいんじゃけどそういったときには必ずこの店によるそうじゃ。
「いや、おじさんとおばさんがやってるんですけどね、石窯で焼いたパンが凄く美味しいんですよ」
「へえ、そうなんですか」
「はい。冬なんかだと表で薪を使って焚き火をしてましてね」
「ほほう」
「同じ敷地内には『ごんべえ』といううどん屋さんも併設してて、ここが手打ちでまた美味い」
「いいですね。行ってみたいですね」
「そうですか。今度自転車でご一緒しますか」
「自転車はやめときます」
その方面に行くには三ヶ日から抜けるのが近いんじゃが、途中には宇利峠なる大変に厳しい坂道があり、かつクルマの交通量が多い。
そんなところを走るのは嫌じゃ。
「そうですか。でもあれですよ、そこにはやぎさんもいるんですよ」
「へ?今なんと云いましたか?やぎさんがいるですと!」
「います。ちっちゃくてかわいい白黒模様のやぎさんがいます」
「困るなそれを早く云ってくれないと。すぐにクルマで行きます。は?いや違いますって。自転車じゃないですクルマです」
ということで先週行ってきたわけじゃな。

ま、出かける前には一応Google Mapsで高低差について確認してみた。
三ヶ日から現地までは185m上がり120m下がると出た。
この程度であれば篦棒に頑張れば行っていけんことはないとは思うが、矢張りちょっと自信が持てんので当初計画どおりスイスポくんで出かけた。
自転車はまたの機会にしよう。

到着したのは日曜日の10時過ぎというか11時前というかそのくらいの頃合いじゃったが、驚くべきことに決して狭くはない駐車場に結構な台数のクルマがすでに停まっておる。
峠を超えたところにある田舎の広い田んぼの中にポコンとある店なんじゃが、相当な人気店のようじゃ。
結構な台数は停まっとるが、ワシのクルマを停めるのには問題ない枠は空いとる。
クルマを停めて、すぐ脇にあるやぎさん小屋にワシは一直線に向かった。
そこにはこのようなやぎさんがおったよ。

小さくてかわいいやぎさんじゃヨ
© ill-health(ruephas) 2020

見ての通り如何にも手紙を食べるのが好きそうなくろやぎさんじゃけども、脳天から鼻面にかけてきれいに白くなっとるめすやぎさんじゃ。
左右の角もきれいに後ろ側に伸び揃っとる。
名はメイちゃんという。
訪問当日は生憎の雨で、やぎさんは大抵雨が苦手と来ておる。
メイちゃんもご多分に漏れず雨が嫌いなようで、おひとりさまには明らかに広すぎるやぎさん小屋の中をウロウロしとるばかりでなかなか外には出てくれん。
「へーいほれメイちゃん、ほれ外に出てこんかい」
としきりに呼ばわってみてもなかなか外には出てくれん。
それでも諦めずに暫く呼ばわっとると、藪から棒にガバリと外に出てきてくれた。
おっと来たねと喜んだが、メイちゃんはワシの方には来ず、やぎさん小屋に設えてある軒の下に行って、エサ箱に頭を突っ込んで干し草をもぐもぐし始めた。

一心不乱かつ美味そうに干し草を食い込むメイちゃん
© ill-health(ruephas) 2020

そして時折頭を上げては遠くを見つめながら美味そうに反芻しとる。
その後小さな声でべへへえと啼く。
その声は特徴的で、なんじゃろうか、掠れたハスキーボイス。
メイちゃんはめすやぎさんであることじゃし、その声を聞いたワシはメイちゃんのことを「やぎさん界のマリリンモンロー」とすぐさま認定した。

アンニュイな感じで右手をだらりと伸ばし
外を眺めるメイちゃん
© ill-health(ruephas) 2020

暫くメイちゃんのことを眺めたり声をかけたりしてから、併設されとるうどん屋さんである手打ち麺処ごんべえ(愛知県新城市中宇利三社五所33-8:電話なし:10:30〜13:30だが売り切れ御免:うどんは¥350でトッピング関係は¥50〜各種あり:土日のみ営業)で手打ちうどんを食うことにした。

本日の季節のうどんは冷たいころうどん
今日のように蒸して暑い日には美味かろう
© ill-health(ruephas) 2020

このうどん屋さんの注文方法は、店先に置いてあるかごに積まれておる漢数字が書いてある木札を取って、店の外にある空いとるテーブル(店内には席はないよ)で暫く待ち、その番号が呼ばれたら店内に入り、好きなうどんを注文し、併せて天麩羅などのサイドメニューを選んで精算するというもの。
あとは席に座ってずるずるすすり上げるばかりじゃ。
まあ、セルフうどんということになろう。
程なくしてワシの番号が呼ばれ、店に入ったワシは基本であるかけうどんを注文し、サイドメニューとしてかきあげを選んだ。
そこそこ腹が減っておったため焦って食い始めてしまい写真を取り忘れたが、最近大のお気に入りである宮内うどん(みやうちうどん:静岡県御前崎市宮内377-3:080-5823-8070:水〜金10:30〜14:00:土日8:00〜14:00:定休月火:駐車場は店の横に6台程度)とはまた違った、より讃岐寄りの美味しいうどんじゃった。
うどんは季節にもよるのかもしれんが3〜4種類あるが、創作ものはないようじゃ。
食い終わってふと横を見ると、うどん以外にもかき氷をセルフ販売しとることが判明。

重要な掲示じゃヨ
© ill-health(ruephas) 2020


これは面白そうだし、あつあつのうどんを食して流汗淋漓状態のワシは、ぜひこのセルフかき氷を食べたいと思い、掲示してある手順に従ってかき氷機が納められとるはずの箱を開けてみたが残念なことにその姿はなかった。
本日はお休みのようで少し残念じゃがまあ仕方ない。
次回のお楽しみとしよう。

その後ちゃっとの方に戻り、お土産用に梨酵母を使ったパンをいくつか購入した。
店の奥を見ると耐火レンガで作られた石窯があり、今まさに薪が投入されとるところじゃった。
お断りしてから写真を撮ったが、かなり本格的な窯で店主の意気込みがそのまま伝わってくるように感じた。

店主の本気度とこだわりが見える
© ill-health(ruephas) 2020

距離的には近いところにまたいい店を見つけた。
ワシのような初老は、このような場所をたくさん知っておったほうが生活にハリが出る。
また来ようと思う。
メイちゃんと遊べるよう、今度は晴れの日に。