2013年3月11日月曜日

温泉に行かない日(163) 祈念の日

昨年の今日も同じタイトルで書きました。
今年も強い自省を込めて書きます[1]

ここ数日、東日本大震災に関する凄まじい量のニュース・特番・お涙もの・非常に真っ当なプログラム等々が世の中に流されています。
まさに「大洪水」「大津波」を彷彿とさせる程の量の情報です。
「震災を風化させない」という名の下、各局・各紙・各誌こぞって今日3月11日を中心としてその前後は東日本大震災の情報を流します。
政府の偉い方々も、今日ばかりは原発の再稼働を進めたいという本音を鎧の下に隠して差のことには触れず、
「俺達は東日本のことを考えている。前政権よりも使い勝手のいい復興予算を準備した(事により知り合いのゼネコンを儲けさせる段取りは万全だ)」
なんて調子のいいことばっかり言ってます。
誰もが、今日3月11日にそれらをがなり立てています。

「年」という概念がどのような経緯で出来、どのような意味を持つのかよくわかんないんですけど、その長さは「たまたま」決ったわけでしょう。
もし「1年」という長さが、今で言う「10年分」だったとしたら、つまり、次回に訪れる3月11日が、今の時間の基準で言う10年後だったら、皆さん10年に1回しか東日本のことを書かないことになってるかも知れません。
要するに、東日本大震災や、もちろんそれだけでなくいろんな災害や事故やそういったものは全てそうだと思うけど、1年経ったからどうとか、2年経ったからああだとか、今日の14時46分からは3年めに突入だとか、そんな時間的区切りだけで語れるものじゃないでしょ[2]
特に東日本大震災の場合、原発という極めて兇悪な要因が絡まった事もあって、問題が長期化していますよね。
多分当事者にとって、1年経ったからということなんて実はどうでもよくて、それ以前に毎日毎日の生活が大事だってことだと思うんです。
多分、やってくる毎日、去っていく毎日、記憶に残ってく毎日が全部戦いみたいなもんなんでしょう。

どうでしょうマスコミのみなさん。
私思うんですけど、今日一日流される東日本関係の情報量を365で割って、それぞれを1年365日忘れず毎日必ず流すというやり方ではダメっすかね?
新聞だったら、3月11日にはそうだな。
量的にはせいぜい1ページ程度で十分じゃないかな。
でも内容は、うんと質を上げてほしい。
そして掲載は当然1面で。
1年に1遍だけ、どーんとデカい打ち上げ花火ぶっぱなすだけじゃあつまんないでしょ。
バレンタインデーじゃあるまいし。
そして毎日の事として、社会面に原稿用紙1枚分のスペースを必ず割いて、何でもいいから毎日掲載し続けません?

テレビだったら、ゴールデンタイムに流される人気のある俳優が出るドラマが始まる寸前の10秒間、すごく売れているアーティストが出る歌番組の冒頭10秒間、そんだけでいいです。
被災者やそうじゃない人、右や左の首魁たち、エラい人や偉くない人、まっとうな人から一寸変な人、日本人も外人も、場合によっては宇宙人も、とにかくいろんな人に一寸無償で出てもらって、俺達は立場に関係なくいろんな形で東日本に関わっていくんだという事を少しづつ喋ってもらおうよ
ほんの一寸でいいんだ。
東日本のことを毎日伝えません?

その点、(半端に左寄りなので私が嫌いな)朝日新聞が連載し続けているプロメテウスの罠[3]は、敵ながら天晴なコンテンツだと思います。

[1]
今回の論旨にも関わらず、私はこの2年、継続的には何もしてこなかったじゃないか、という意味での強い自省です。
せいぜい、

  • このブログで私程度の頭脳の持ち主でも危ないとわかる原発のことをアブナいと書いた
  • あほなのだの事をアホと書いた
  • 大洗に遊びに行った
  • 浜岡原発の存続に関する住民条例制定に向けて票集めをした

程度のこと。
今後、何をすべきか考えないと、言動不一致になってしまう。

[2]
今回の震災と「時間」の関係について、別角度ではありますが誠に正鵠を射た論評を見つけましたので、一寸気が引けますがハードコピーの形で引用します。
2013年3月12日(火)静岡新聞2面に掲載された「論壇」、ニューヨーク大学名誉教授の佐藤隆三氏による一文です。
掲載紙は静岡新聞ですが、ひょっとすると共同通信社あたりから地方紙への配信かも知れません。
誠に常識的、かつ示唆に富んだ一文だと思います。
(C)静岡新聞社 2013
[3]
朝日新聞デジタルに飛びます。
リンク先のページで概略だけは確認できますが、そこから先のコンテンツは有料会員しか読めません。
全くケツの穴が小さい会社だなこいつらどうも。
このような極めて優れた内容で、社会的にみんなが知ったほうがいいと思われる記事は、寧ろ敢えて無償で公開すべきでは。
朝日が他に垂れ流している駄記事に対して喜んで金を払う人はたくさんいるのだから、そういったキトクな人たちからあぶく銭をたくさん集金して、「プロメテウスの罠」のような優秀なコンテンツを支えれば良いと思うんだけど。
なお、(右っぽい書籍を出す傾向にある学研パブリッシングから何故か)単行本が出版されてます。
Kindle版もあり。

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貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。