2013年4月14日日曜日

巴湯(4)

午前中お仕事をし、午後一旦帰宅して少し昼寝してから16時台のバスに乗って市街地に出かけました。
呑むためですが、そんな時には矢張り巴湯でしょう。
浜松駅手前のバス停(鍛冶町)で下車し歩いて数分。
巴湯へ来るのはもうこれで4回めかな。
やや狭いものの大変清潔な浴室は相変わらずでホッとします。
寡黙な男湯に対してかしましい女湯というのもいつもと変わらず。
ただ一点普段と違うのは、非常に若くて背の高くて髪が長くて足も長くてかっこいい感じのお兄さんが誠に慣れた感じで入浴してたことです。
銭湯に来るようなタイプには全然見えないのですが、まああんな感じの若い人が銭湯に通ってくれるというのは大変に嬉しいですね。
何で嬉しいかは自分でもわかんないけど、嬉しいものは嬉しい。
大げさに言えば、お客としてこの銭湯文化を未来につなげていって欲しい、って感じかね。

で、その後、下地作りも兼ねてプレスタワー近くにあるハイボール主体の立ち飲み屋ちょこっと浜松家(静岡県浜松市中区旭町11-1:053-450-8801:16:00〜22:00:確か日曜定休:お店の入り口でコインを購入してそれで支払:コインは1枚100円だけど1000円買えば11枚:ハイボール1杯3コイン)に行って呑んでました。

で、私の横で呑んでる人は結構ガタイのいい、まあ言えば一寸怖い雰囲気だったんですけど、何となくどっかで見かけたことがあるような感じ。
でもそういう既視感ってのはよくある話なので普通に呑んでたんですけど、そのうち横の人が少しずつ話しかけてきたんで(立ち飲み屋ではよくある事、というか、それがあるから立ち飲み屋は楽しい)、語らいながら美味しいハイボールを呑んでると、そのうち彼は私と同じように銭湯好きな人ということが発覚。
かなり話が盛り上がり、
「さっきまで僕、大工町にある巴湯に言ってたんですよ」
「へえ。俺は主には曳馬のみよし湯だけどね」
もしかして、どっかで見たことあるってのはみよし湯での事なのかな。
「私も行きますけど、今日はこのへんで呑むから巴湯に言ったんですよ。みよし湯よりかは少し狭いけど、清潔でいい銭湯ですよ」
「そうかあ。その巴湯って、体に絵を書いた人って入ってるの?」
「今日はいなかったですけど、いる時もありますね。でも僕最近そういう人があんまり気にならなくなってるんで、目に入らなかっただけかもです」
「そんなもんかね。でも子供とかが見たら教育的にどうなのかな」
「どうってことないですよそんなの。逆にちゃんと教えてあげればいいんですよ。ああいう人も含めていろんな人が世の中にいて、それで世の中が回ってるんだって」
「そうだねえ」
「うん。寧ろあの手の人のほうが入浴マナーがよかったりするし。かけ湯もしないでいきなりジャボンなんてのは、普通のおっさんのほうが多いですね」
そんときその人は私を見て、
「実はねえ、俺も昔そっちの方の業界にいてね。彫っちゃってるんだよねえ」
こりゃ吃驚だ。
長袖を少しめくってちらっと見せてくれましたが、確かに藍色の刺青が彫ってあった。
うわぁ。
「もう今は普通の仕事しててね、ダイエットのためにスポーツクラブに通ったりもしてるんだけどさ。タバコやめたら太っちゃって」
刺青以外は私と全く同じような状況じゃないですか。
「でもさあ、こんなのあるから運動後に風呂に入れなくて困ってるんだよねえ」
ああ、それはそうだろうなあ。
それは不便な話だ。
スーパー銭湯とかもそうだけど今日日「刺青お断り」ってところが多いし、それがなくても彼は彼なりに、こんな俺がジムのお風呂に入ったら他のお客さんが不快に思うかもしれない、と考えて遠慮しているに違いない。
だからさっき、巴湯に刺青入れた人はいるのか、って訊いたんだな。
関係ないですって。
マナーさえ良ければ誰だって楽しめるのが銭湯ですんで。

せっかくの機会なので、前から疑問に思ってたことを思い切って訊いてみました。
「あの、それって彫る時ってどんくらい痛いんですかぁ?」
スネークマンショーじゃあるまいし、全く我ながらおかしな質問です。
「痛い、というかなんというか。実は俺注射が大嫌いで、注射針見ただけでドキドキして脂汗が出てくるんだけど、なんとか彫れたね」
注射嫌いまで私と同じだ^^;
違うのは体格と刺青だけだ。
あとはホントに共通点が多いぞ。

でも注射嫌いなんだったら、そんな無理してやらなきゃいいのにとも思いましたが、その時の状況や彼なりの考えがあったのでしょう。
「でもね、極彩色っていうのか、色んな色を使ったヤツのほうはすごく痛いらしいよ。俺は違うけどね」
ふうん。
色によって痛さが異なるってのは初めて聞いたな。
でも面白い話が聞けてよかった。
河岸を変えるという彼と、みよし湯での再会を約して別れました。
顔も覚えたし、会えば絶対にわかると思うよ。
しかし世間は狭いねえ。
いろんな出会い、再会があって面白いなあと思います。


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2 件のコメント:

  1. 刺青に対しての偏見がなくなって欲しいと思っています!
    私も全身に刺青が入ってます、でもどうしても温泉に入りたくて、刺青大丈夫そおな所をサイトで探していたらたまたまこの記事を見つけました!
    刺青が入っているだけで回りからは嫌そうな顔をされ
    凄く回りに気を使います!

    刺青が入っていても入っていなくても同じ人間なのですから
    同じように接して欲しいですよね!

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    1. そうなんですよねえ。
      まあ確かに怖い人もいるかもなんですけど、少なくとも私が町場の銭湯で見かけた人はそんなことはなかったですね。
      いろいろ経緯があって刺青入れたんでしょうけど、それでも人は人だし、ご本人が周りの人とそれなりの付き合い方をすれば(直接的に言えば、要するに迷惑をかけるようなことをしなければ)、私はそれでいいと思うんだけどなあ。
      ポストの中でも書きましたけど、実際にはフツーのおっさんや、親御さんの教育が足りないお嬢様お坊ちゃま(馬鹿親とそのガキども、と書いたほうが正確かな)のほうが迷惑なことをしでかしてることの方が多いですしね。

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コメントどうもありがとうございます。
貴方のコメントは世界とワシとあなたを救う。
たぶん。